CV:KONTA/ピーター・スペロス(ROBOTS IN DISGUISE(2001))
概要
デストロンガーの副官で、役職は「牙提督」。ホホジロザメ型ロボットに変形する。海外での名前はスカイバイト(Sky-Byte)。
サメだが飛行機能を備えており、また地中を泳ぐように掘り踏めるためあらゆる環境で活動できる。
武器は魚雷型ミサイル「シャークトーピード」と尾びれから変形した左腕の「アンカーアーム」、胸の水晶体からは強力な光線「メーザーストーム」を放つ。
かつてサイバトロンに敗れて死にかけていたところをギガトロンに救われて以来、彼に対して絶対的な忠誠を誓っている。
副官に就くだけあって優秀ではあるが、詰めの甘さから失敗を繰り返し、最初はグッシャー・ギルドー・ガスカンクのビーストトリオをバカにして顎で使っていたものの(その時にも「カッコマン」「ドジ」等と陰口を叩かれていたが)、ブラックコンボイ率いるコンバットロンの加入で次第にギガトロンの信頼を失いかけ、ブラックコンボイやコンバットロンからは馬鹿にされるという屈辱的な仕打ちに耐え続けていくことになる(自分たちも裏で妨害工作をして何度も足を引っ張ろうとしていたが)。しかし、後に彼らがブレイブマキシマス(フォートレスマキシマスと同型のロボット)を利用して造反を起こしたのがきっかけで、元々の忠誠心が再評価されて信頼を取り戻し、ブラックコンボイ達も再プログラミングにより、自身に忠実な部下となった。
ひたすらギガトロンの命に従ってサイバトロンと戦い続けているものの、本質的には善良な好漢であり、人間や特に子ども相手にはどうにも悪役に徹しきれず、成り行きからユウキ達を助けたりしたこともある。
そのため子供達からは「ゲルシャークさん」と慕われており、一部のマスコミからも好意的に報道されるなど、次第に悪への忠義と自分の善性との間で葛藤しはじめる。最終戦後は他のデストロンガーと同じようにチップ状態にされてセイバートロン星に送られるはずだったらしいが、何故かただ1人地球に残り、平穏な日々を送っていた。
レジェンズ
タカラトミーより展開された『トランスフォーマーレジェンズ』では「LG06」の番号を与えられ発売された。海外で先行販売された『トランスフォーマージェネレーションズ』のスカイバイトのリカラー(色替え)商品で、アニメの配色に近づけられている。
彼がリメイクされたのは、当時の『ジェネレーションズ』が後述するIDW版に合わせたラインナップであったことに因る。そのため同じデストロンガーのガスカンク、ギルドー、グッシャー、そしてギガトロンはリメイクされなかった。
旧玩具ではロボットモード時にサメの顔は背中に来ていたが、レジェンズ版では胸部に来るようになっており、胸部の武装「メーザーストーム」がビーストモードでも展開できるようになっている。旧玩具にあったアタックモードと、口から発射するスプリング発射式のミサイルは廃止されたが、ロボットモードの左腕となる尾ビレはスイッチを押すと回転するギミックがあり、尾ビレの中央部からはスプリングでミサイルを発射可能。
コミックでの活躍
コミックでの言動によれば『カーロボット』の彼とは同一人物らしく、パワーアップを遂げた姿とされている。
たった一人でサイバトロン基地を急襲するが、たまたまエネルギー実験に出くわしたせいでレジェンズ世界に飛ばされてしまう。
トランスフォーマーがフィクションとして親しまれているこの世界で、かの宿敵と似た存在のコンボイ(オプティマスプライム)が人気を集めていることを知った彼は、当時の最新作だったロストエイジ版のオプティマスに変装して悪事を働き品位を落とそうと企むが、いたいけな子供達を前にして早くも決意が揺らいでしまい、非情に徹することはできなかった。
しかしながら、2015年に発売された東京おもちゃショー限定品のブラックコンボイ付属のコミックでは、おもちゃショーでアルバイトしていたところ、彼を迎えに来たブラックコンボイと再会、「ギガトロンの救出」という利害の一致に、子供達に惜しまれながらも元の世界へと帰還していった。
『ユナイトウォリアーズ』WEBコミックでは、チョイ役ながらもブラックコンボイと共に登場。「UW-EX バルディガス」取扱説明書の裏のおまけイラストではジュンコ(カーロボットのキャラクター)に覗き見されて顔を赤らめ、しかも胸を隠していた。
ヘッドマスター版ブラックコンボイ発売前に公開された前日談では、デビルギガトロンが悪の心を捨て改心していたことが判明して、ブラックコンボイが怒り襲い掛かかったところをゲルシャークが羽交い絞めにして止めた。
このとき「お、俺はギガトロン様が望まれるのなら、ただひたすらについて行くのみ!」と発言しており、考えが変われど「ギガトロン」という個人への揺るがぬ忠誠心が窺える。
余談
- デストロンガーの中で唯一総集編を与えられている。
- よく川柳(本人いわくポエム)を口ずさむが、ファイヤーコンボイから「面白くない」とばっさり斬り捨てられた。『Robots in Disguise』でも「詩人であり劇作家でもある」と名乗り誌を詠む場面がある。
- 担当声優のKONTA氏は、1980年代における日本のロック界を盛り上げたロックバンド・バービーボーイズの男性ボーカルである。それ故に劇中においては歌いながら作戦を実行するシーンもあった。
- 『カーロボット』当時の玩具は前作『ビーストウォーズメタルス』にて、海外でのみ発売された『トランスメタルス2』版サイバーシャークの塗装変更品である。『レジェンズ』の玩具は最初からアメコミ版スカイバイトとして開発されたものをリペイントしている。
アメコミ
IDWパブリッシングから刊行されているアメコミ『Robots in Disguise』にも登場を果たしている。元々はディセプティコンの戦士だったが、永い戦争に辟易して除隊し、現在は中立派の集団「NAIL(A NON-ALIGNED INDIGENOUS LIFEFORM)」に所属している。
多くの「NAIL」がオートボットを戦犯として毛嫌いし度々問題を起こしているが、彼自身はブラーのバーでジャズとデュエットするなど、比較的温厚な人物として描かれている。
サイバーバース
CV:マーク・トンプソン/吹:チョー
シーズン2から登場するディセプティコン戦士。原語版と同じくスカイバイトという名前で登場する。
『カーロボット』同様飛行能力を持つサメ型ロボットに変形。
ジェットファイヤーに追われ、その際に様々な惑星を消滅させてきた犯罪者であり、オートボット全員からも嫌われている。地球に現れるまでは星の超新星爆発でジェットファイヤーとともに死亡したと思われていた。メガトロンの共闘の誘いを無視しジェットファイヤーを倒しに向かうが相打ちとなって墜落、その後スタースクリームの甘言に乗せられアーマーアップするもメガトロンに屈し部下になる。
スタースクリームがどこかから見つけてきたドリル付きの建築車と合体することで水中のみならず地中でも活動できるドリルダイバースカイバイトとなる。口にはマスクが付き、左腕がドリルになる(玩具ではドリルは右腕につき、左腕のミサイル付きクローはそのままである)。
吹き替え版では語尾に「~サメ」とつけてしゃべる。また、メガトロン相手の時は少し穏やかな声色になる。
日本未公開のシーズン3と4にも引き続き登場。
ディセプティコンの航空戦力として戦う場面が増えた。
『レジェンズ』と同様自作のポエムを読む様になり、様々な場面で披露している。
しかしポエムの評判は悪く、オートボット達はおろかディセプティコン達からも嫌われている。
ポエムに対してバンブルビーは「(ポエムを聞かされるのは)経験して来た中で一番不穏な事だよ。」と言い、
ホットロッドは「訳わかんねーお喋りを止められるならどんなものでも差し上げるたい!」と言っている。
めちゃくちゃ嫌われてるじゃん…
因みにバンブルビーの2番目に不穏な事は、
「亡骸にインセクティコン達が群がるグロいシーンを見た事」。
つまり「スカイバイトのポエム>グロシーン」と言う事である。