熱い心に不可能はない!
概要
『トランスフォーマーカーロボット』に登場するキャラクター。コンボイの名の通り、『トランスフォーマー』シリーズの歴代総司令官の一人であり、サイバトロンのリーダー的存在である。
海外版『Transformers Robots in Disguise』では、オプティマスプライムの名で呼ばれている。
ビークルモードは消防車。普段はそれに変形して活動しており、敵襲来の際には車内に搭乗している消防士に降車を促すシーンも見られる。
消防車に変形するからファイヤーコンボイなのは容易に想像つくが、肩書きもそれにちなんでか「炎の司令官」である。
なお、炎を消す側の消防車の肩書きとしてはまずい気がするが、あくまでも心の炎の事であって実際の炎上と言うわけではない(必殺技もイメージに反して氷属性である)。
ゴッドマグナスは双子の兄弟、アートファイヤーが親戚などと、やたら家族構成がはっきりとしている。
人物像
性格は天然でお人よし。司令官としての作戦は微妙だが悪運などで乗り切っている。
その悪運と天然でデストロンガーをフルボッコ……もとい戦い抜いた。そのサイバトロンガーの司令官だとか、さらに赤いサイバトロンの一員としても知られる。
親戚にスパイチェンジャーのリーダーアートファイヤー、そして兄弟の関係にあるゴッドマグナス(英名:ウルトラマグナス)がいる(ただし、兄か弟かは不明)。
宿敵ギガトロンとは「腐れ縁」レベルの幼馴染。
G1コンボイに負けず劣らずの豪快かつ天然ボケ気質のせいでサイバトロンガー破壊大帝として知られている。最終回の言動からしても影の支配者としては申し分ない活躍である。基本的にレベルを上げて物理で殴るを地で行くド直球万歳な性格。「いい考え」がなくても何とかなり、悪運が強い。口癖もずばり「熱い心に不可能は無い」であり、まさに熱血主人公そのもの。なお、この台詞に対し、敵のゲルシャークから1度だけ「(不可能なことは)ある」と突っ込まれた。
人の良さも最強で、簡単に人を信じてしまうが、騙されたと気づいた後の言動は最凶であり、正義の味方らしからぬ追い討ち、ダメ押し、毒舌、連続攻撃をやってのける。決して怒らせてはいけない司令官の一人。ゲルシャークのギガトロンに対する忠誠心は高く評価しているが、彼が一句詠んだ時は「俳句じゃなくて川柳だ。面白くない。」とバッサリ切り捨てた事がある。
ライオコンボイ同様、息子…ではないが彼から生まれ存在であるブラックコンボイがいるが、彼はサイバトロン時代より過激思想の政治犯だったうえ、誕生するときギガトロンに悪のスパークを注入され悪の側についてしまった。
容姿・能力
初代コンボイ寄りの姿であるが、ビークルモードが消防車(ファイヤー炎神)となっている。
車体前部がファイヤーコンボイへと変形し、分離した車体後部は整備基地・トランスリベアとなる。
この後部パーツをファイヤーコンボイに装着する事で巨大合体・スーパーファイヤーコンボイとなり、トランスマインやファイヤーナックル等の一部のパーツを簡易的に装備した形態も存在する。
必殺技は背部の回転灯から赤い閃光を放つファイヤーフラッシュや、放水口から冷気を噴射し相手を凍結させるブリザードストーム(OPの歌詞や初期の頃はブリザーストームと呼ばれていた)等。
また、番組後半ではゴッドマグナスと合体する事でゴッドファイヤーコンボイへとパワーアップする。
ゴッドマグナスと握手をする事によって合体することが可能で、合体後のゴッドファイヤーコンボイ(英語名はオメガプライム:Omega Prime)はアメコミでは全トランスフォーマー中最強の強さを誇り、不完全な状態とはいえあのユニクロンを完膚なきまでにボコボコにするほど。
玩具
当時品
『カーロボット』シリーズの第1弾として発売され、透明窓の付いたコンパクトな箱にビークルモードで梱包された初期生産版と、股関節が破損しやすい欠陥を解消し、ロボットモードで梱包された後期生産版の2つがある。
メッキパーツや軟質素材製のゴムタイヤを採用し、ビークルモードの質感を高めた点はトランスフォーマーの祖たる『ダイアクロン カーロボット』譲りであり、外観もビークル・ロボット両モードで全く破綻がなく、ファイアーコンボイ時に余ったパーツ(車両後部)を組み替えて整備基地・トランスリペアとなる。更にファイヤーコンボイにビークルの一部のパーツ(ファイヤーナックルとトランスマイン)を取り付けた簡易的なパワーアップモードにも組み換え可能。
ギミックも豊富で、ビークルモードでは回転灯を発光させながらサイレンを鳴らし、ロボットモードでは数種のセリフをランダムで発する。梯子は実車と同様に延長可能で、先端部はスイッチ操作で放水銃が展開し、梯子の基部のスイッチを押すとスプリング仕掛けで発射可能な4基のミサイルランチャーが跳ね上がる。
更に余剰パーツと合体した強化形態・スーパーファイヤーコンボイとなる事も可能で、なおかつ合体モードでもほぼ全ての関節が可動する…などなど、前年の『トランスフォーマーG2』や『ビーストウォーズ』で培われたそれまでの技術の集大成とも呼ぶべき一品となっている。また、ゴッドファイヤーコンボイへのパワーアップ合体も劇中でゴッドマグナスと握手をするシークエンスを再現可能となっている。
ボディの一部をクリア素材に変更し、ゴッドマグナスとスーパーゴッドソードを同梱したトイザらス限定販売品や、『トランスフォーマーカーロボット』DVD&セルビデオの応募特典として抽選で100名にプレゼントされたブラックバージョンなど、その後も国内外でカラーリングを変更した多数のファイヤーコンボイの玩具が製造された。
復刻版(アンコール)
トランスフォーマーアンコールシリーズより2017年発売。
ゴッドファイヤーコンボイとしての発売であるため、スーパーファイヤーコンボイとゴッドマグナス、スーパーゴッドソードの3点セットになっている。
当時の金型をそのまま使用している為「オーパーツ」とまで評された脅威のギミックはそのままに、アニメカラーの再現やファイヤーコンボイ、ゴッドマグナスの新規ボイスの収録等、ファンアイテムとしても至上の一品と言える。
…筈だったのだが、いざ蓋を開けてみると不具合に次ぐ不具合により批判が続出。
後のタカラトミーの公式発表によれば不具合は「ゴッドマグナス側の一部音声の入れ違い」と「パッケージの一部画像の誤り」の2点。だがこれは飽くまで全品平等に発生している事が確認された不具合であり、実際の所はパーツの成形不良、組み間違え、各種ギミックの動作不良などの報告が多数上がっており、中には握手や合体どころか自立すらままならない個体まで存在している。
結果事態を重く見たタカラトミーが回収および全額返金措置を取るに至り、ファンに大きな禍根を残した事は言うまでも無い。
ただ中には公式発表された2点以外の不具合が特に見当たらない(一応)良品扱いの個体、思い入れにより手元に残す判断をされた個体と言ったメーカー未回収品も数多く存在するため、大きめの中古玩具店等で目にかかる機会は意外と多い。
他にも自力での分解修復やジャンク品扱いの当時品との共食い整備を行った猛者のように、何とか遊べるよう、手元に残せるように奮闘したファンも決して少なくなかった事は覚えておくべきだろう。
Haslab(クラウドファンディング)版
ユニクロンから続くハズブロ社のクラウドファンディング企画第4弾「ゴッドファイヤーコンボイ/OMEGAPRIME」として、2024年1月発表(日本では2月5日より予約開始)。
復刻版発売から6年、トランスフォーマー40周年を記念した待望の「ジェネレーションズ」系アイテムとしての初リメイクであり、当時品と同じ幸日佐志氏による新設計、完全新規金型で製作。
和製TFのリメイクではあるが、先のトランスフォーマーV出身の2体とは異なり日本版(カーロボット)と海外版(Robots In Disgise)とで名義が違うキャラクターであるため、日本版と海外版とでそれぞれ出典およびキャラクターの名義が異なる(マーキングは海外版準拠)。
また日本版独自仕様として、当時品パッケージをイメージした特別スリーブが付属する。
省略された電飾、スプリング、音声ギミック以外のファイヤーコンボイのギミックをほぼ完全に再現している他、スーパーファイヤーコンボイへの巨大合体、セット販売されるゴッドマグナスとの超巨大合体も勿論完全再現。
電気系統のギミックをオミットして空いた部分には合体時に伸ばした腰部を補強するパーツが詰められている。
また新要素としてゴッドマグナスの武装「ブルーボルト」がただの銃火器からウェポナイザー(武器に変形するトランスフォーマー)に昇格し、6つの武器への変形機能とロボットモードが追加された。
他にも超巨大合体時の体型バランスの改善や当時品ほぼそのままの膨大な量のメッキパーツ、同シリーズのビクトリーセイバーやデスザラスはおろか当時品すらも一回り超える圧倒的ボリューム等見所は多く、ファイヤーコンボイのリメイクを待ち望んだファンやアンコール版の失敗で涙を呑んだファンから大きな期待が寄せられている。
その分お値段も驚異の44000円(クレジットカード払いのみ、タカラトミーモールのクーポンやポイント等での割引不可)なので財布や家族とは要相談である(コマンダークラス2体、デラックスクラス1体にストレッチゴール追加品を考えると妥当なお値段ではある)。
10000件の応募で商品化決定だが例の如くストレッチゴールが設けられ、13000件の応募でスーパーゴッドソード、16000件の応募でサイバトロンネット型台座が追加される。
余談
海外で発売されたコミックでは、『Transformers Cybertron』(ギャラクシーフォースの海外版)の世界で復活したユニクロンを相手にゴッドファイヤーコンボイ(英名:Omega Prime/オメガプライム)となって立ち向かい、善戦している。(もっとも、この時点ではユニクロンが完全でなかったともいえたが)
詳しくは省略するが、海外のファンの間で『カーロボット』は、最高傑作として今でも根強い支持を得ている。そのため、ユニクロンさえ圧倒してしまう破格の扱いも当然といえば当然だったり。他にも放送当時に起きたあの「9.11」で、ファイヤーメン(消防士)がヒーローになったからというのも理由の1つらしい。