概要
北極とは、文字通り北の果て(極み)のこと。主に地球のものを指す。対義語は南極。北極点とその周辺には北極海という海が存在しており、海上には氷が広がっている。
北極海の周辺にはロシア(シベリア)・アメリカ(アラスカ州)・カナダ・グリーンランド・アイスランド・ノルウェーなどがある。
温暖化による影響
大陸がある南極に比べ冷えづらい海が占める割合が多く、北大西洋海流という暖流も流れ込んでいるため、同じ寒冷な地域と認識されているが全体的に北極の方が暖かい。
近年は地球温暖化による氷の融解が懸念されている。海に浮いている氷は溶けて海水になっても、それ自体は海面上昇の原因にはならない。元の水の量は氷が押しのけていた分と同じためである。
ただし海水面は海氷よりも大幅に太陽光の熱を吸収するため、温暖化はさらに促進される。また北極海の氷が解けている以上は氷床・氷河など陸上に存在する氷の融解も同時に起きているケースが多く、こちらは海面上昇の原因となる。海面上昇に着目すると直接的な因果関係はなくとも、温暖化としてみれば間接的な因果関係は有しているのである。
また、アザラシのように休息場所として利用する生物も含めて北極の氷上を生活の場に選ぶ陸上生物は数多く、陸生哺乳類に限定しても約50種もの生物が生息している。氷が無くなるとこれらの生物が生息圏を奪われてしまい絶滅に瀕する恐れもあることから、生物の多様性という見地では大きな問題があることにも留意したい。
新たな航路の誕生
環境変化を懸念される一方で、これまでは夏でも分厚い氷に覆われていた北極海であったが、上記の温暖化の影響により氷が薄くなり、夏季限定であるが大型船舶も通過することが多くなった。
ソマリア沖やマラッカ沖の海賊で悩まされる、アデン湾やマラッカ海峡経由の航路より期間を短縮できるだけでなく治安も悪くないことから「北極海航路」として注目されており、手つかずであった海底資源の開発も期待されるなど、地政学の面においても今後の世界情勢を語るうえでも重要な地域となっている。
地政学としての北極の重要性はこちらの動画を参照されたし。