概要
プライマスとは、トランスフォーマーシリーズに登場する超巨大トランスフォーマーであり、
トランスフォーマー達の故郷セイバートロン星に変形する。
ユニクロンと対をなす存在であり(厳密にはユニクロンの方が先に誕生している。前の宇宙がユニクロンに破壊されたため、現在の宇宙が生まれた際にユニクロンに対するカウンター的な存在としてプライマスが誕生した)、創造と秩序を司っている。
多くの場合「創造神プライマス」という表記で紹介される。
設定は諸説あり、タカラトミーの解説ではこの両者は超次元的存在「ザ・ワン」が同時に創造した使徒とされている。
G1
初出はイギリスのコミックで、当時はロディマスコンボイに似た姿で描かれていた。
ユニクロンを小惑星に封印するために力を使い果たした代償として自らも別の小惑星に囚われてしまうが、来るべきユニクロンとの再戦の為に対抗勢力としてトランスフォーマーを創造し、自らの体を機械の惑星へと変えた。
これがセイバートロン星の始まりである。
プライマスが生み出した古代のトランスフォーマーは「最初の13人」と呼ばれる。
2015年になりメンバーはすべて判明している(後述)。
G1の時空群は「Primax」と呼ばれる。
その中でも細かく分類されており、上記コミックの時空群は「Primax Gamma」という名称が付いている。
(イギリス版コミックの世界は「Primax 984.20 Gamma」、アメリカ版コミックの世界は「Primax 984.0 Gamma」)
一方、G1アニメが属する時空群には「Primax Alpha」という名称が付いている。
(G1アニメの世界は「Primax 984.17 Alpha」)
「Primax Alpha」に属する世界では、プライマスは存在せず、ユニクロンも並行世界にまたがる存在の化身としての性質がないとされている。
ユニクロン三部作(マイクロン三部作)
CV:玄田哲章
「善なる神」「トランスフォーマーの創造主」「セイバートロン星そのもの」という設定がより全面に現れ始めた頃。
なのだが、「トランスフォーマー スーパーリンク」ではエネルギー体の姿をとっていた。
その後「トランスフォーマー ギャラクシーフォース」で再登場、及び本格的に映像描写されることとなる。
プラネットフォースをチップスクエアに装填したところそれがプライマスのスパークだったことが判明、そのまま変形シーンを初披露し惑星サイズの超巨大ロボットに変形した。
「創造主」とされるだけあって、惑星サイズの大きさとそのスケールに違わぬ圧倒的な強さを持っており、通常のトランスフォーマーが挑む事自体が「無謀」と言える。このプライマスに臆せずに正面から戦えた存在は、スーパースタースクリームとマスターガルバトロンの2体のみ(いずれもプライマスを除けば最強格の存在)。
スーパースタースクリームにチップスクエアのスパークを吸収されていたため不完全だったが、彼に襲撃された際は防衛本能のように武装を展開してあっさり迎撃。第33話でも戦闘した。
その後38話でグランドブラックホール消滅作戦中彼が乱入。惑星サイズに巨大化して再び襲ってきた際には未だ不完全故にシールドで防戦一方だったが、サイバトロンの懸命な修復作業が間一髪間に合ったことで全身を打って変わってスムーズかつ機敏に動かせるようになり、近くにあった天体2個を両手から発したエネルギーで操りスーパースタースクリームを星で殴りまくって惑星に叩きつけ(最終回まで生きてるとは思えなかった程の)瀕死レベルの致命傷を与えて勝利するという異次元の強さを発揮した。
劇中終盤では、アトランティス、ムー、レムリア、パンゲアの4隻の移民船が合体したサイバトロン最強の宇宙戦艦ノアを完成させる。
その後、グランドブラックホール最深部へ向かうマスターガルバトロンを足止めすべく彼に挑むが、全てのプラネットフォースを奪われていた事や、グランドブラックホール消滅のためにエネルギーを浪費し続け弱体化していた事もあって、終始マスターガルバトロンから一方的に攻撃され(プライマス側の攻撃も完全に防がれ)、結局はマスターガルバトロンを取り逃がす事になってしまう。
しかし、ギャラクシーコンボイたちがプラネットフォースを全て取り戻した事で、本来の力を取り戻し、完成させたノアキャノンでグランドブラックホールを消滅させて宇宙の危機を救った。
その後は自然と機械が融合した新しいセイバートロン星に変化。サイバトロンに未来を託した。
なお、ロボットモードではチップスクエアは背中に備わり彼にスパークを供給している。
能力・武装
元々惑星サイズなだけあり、ありとあらゆる武装は「プライマスの武器」というよりも「要塞に備え付けられた迎撃システム」。
しかも各武装は明らかに砲身よりも極太な光線を放てる程。
神様である事を踏まえると武装一つひとつが神の鉄槌のようなものである。
- 掌
プライマスの手は一見ただの手だが、その掌はバリアを張らずともスーパースタースクリームの攻撃をも軽く受け流せる。
神の防御力はバリアにあらず。
- プラネットキャノン
普段は肩の後ろにそびえている、プライマスの必殺の武器。
背中から展開され前方へ砲身を向けたあと、エネルギーチャージの後金色の超極太破壊光線で対象を滅する。太すぎて撃たれた相手に逃げ場はない。
舐めていたとはいえスーパースタースクリームも一撃で撤退に追い込んだ。
- フォースブースター
脚部備え付けの武器……否、武器群。ガトリングガンやバーニア状のキャノン砲などで構成され、牽制や迎撃を行う。
地上から見るとただの建造物である。
- ブライトネスショット
普段は腕部と一体化している2連装のキャノン砲。プライマスのイグニッション技。
フォースチップを装填することで本体が展開し砲身が伸びた後、プラネットキャノンよろしく黄金の光線を両腕で放ち敵を攻撃する。
さすがにスパークを更に得て惑星サイズに巨大化したスーパースタースクリームには防がれてしまった。
- ムーンアタック
上述の38話にて披露した、コビー命名の大技。
両掌に赤いエネルギーを集中させて放ち、近くの衛星(ギャラクシーコンボイらは単に「月」と呼称。恐らく子供向けにわかりやすくしてあるのだろう)を鎖のように繋ぎ止めたあと、文字通り物理的に振り回して敵を一方的に攻撃するというとんでもない技。
予想の斜め上を飛び越える行動にはモニタ越しに見ていたライガージャックやニトロコンボイが唖然としギャラクシーコンボイが「流石はプライマス……スケールが違う!!」と思わず言ってしまう程。コビーやローリはノリノリで応援していた。
星系崩壊待ったなしだがグランドブラックホールの中なのであまり影響はなかった……と思いきやスーパースタースクリームを叩きつけた惑星はぶつけられた衝撃で爆散してしまっている。50話で宇宙はまるごと元に戻ったので結果的には大丈夫だったが……
- マキシマム・ビッグバン
プラネットキャノン、フォースブースター、ブライトネスショットを一斉発射する超必殺技。
宇宙艦隊はおろか惑星1つを消し飛ばす、まさに神の鉄槌とでも形容すべき破壊力を持つ。
プライム&アドベンチャー
「超ロボット生命体 トランスフォーマー プライム」では神話上のものとされていたがオプティマスとラチェットの語りで存在が示された。
太古の時代にユニクロンと覇権を争い、最初の13人のプライムを生み出し、ユニクロンに勝利、宇宙に追放する。その後、サイバトロン星のコアとなる。
オートボットとディセプティコンの戦いが激化し、サイバトロン星は汚染される。その時、オライオンパックスは惑星の最深部にいたプライマスと出会い、マトリクスを託された。
ジェネレーションズセレクト
ジェネレーションズセレクトスペシャルコミックでは2011年におけるコンボイとガルバトロンをとある世界に召喚し、コンボイに7つのスターパワーを集め宇宙創造に匹敵する力をシルバーマトリクスに与える使命を与える。
しかしその一方シーコンズなどを呼び出しコンボイを襲撃させるなど不穏な動きを見せてる。
本作におけるプライマスの正体は超常存在ザ・ワンによって創造されたエネルギー生命体であり、コンボイ達が招かれた世界である前史世界(コンボイ達がいた世界(正史世界)が生まれる前に存在した世界)を守護するプライマスヴァンガードのリーダーであった。
プライマスヴァンガードのメンバーである7色の光の戦士はスターパワーが秘められたマトリクスの力で前史世界を護っていたのだがスペクターやボークなどの脅威に悩まされていた。
さらにペットであったプリマクロンの裏切りまで発生し、それに焦ったプライマスは後述の目的のため仲間達にマトリクスを渡すよう命じるも受け入れられずさらに追い詰められていく。
悲嘆に沈むプライマスであったが未来のコンボイとガルバトロンを召喚し仲間達が持つスターパワーを奪わせる計画を思いついてしまう。
プライマスの真の目的はプリマクロンやボークが蠢く前史世界を破壊しプライマスを神とする世界の創造であった。
コンボイに渡したシルバーマトリクスは正史世界から強奪した「使い古し」(スターパワーを集める力はある)であり、コンボイとガルバトロンがスターパワーを集めた後それを奪い一つに宿らせるための本物のシルバーマトリクスは自身の手元に置いていた。
自身の目的を明かした後プライマスはコンボイに再度協力を求めるが、コンボイは「今いるすべての生命を守る」という信念のためプライマスの「新たな宇宙を創るため今の宇宙を滅する」という野望を一蹴する。
プライマスは部下である金のトランスフォーマーたちにコンボイを抑え込ませ、シルバーマトリクスによって宇宙創造を強行しようとするが、見えた未来は正史世界と同じ、プリマクロンが宇宙を創造しプライマスはリーダーマトリクス及びベクターシグマに閉じ込められる光景だった。これはシルバーマトリクスを開く寸前にプリマクロンに捕獲されていたためであり、直後ボディを破壊されエネルギー生命体の姿が露わになる。
プライマスはこれから先利用され続ける己の人生に絶望するが、プライマスヴァンガード達に諭され、己の未来を受け入れプリマクロンが生み出すユニクロンの力に対抗することを決意し、コンボイに己の力を貸しメガトロン(ガルバトロン)を止めた。そして彼らを元の時代に返してその時代のユニクロンを撃破、コンボイの信念と勇気を認めて帰っていった。
プライマスの姿は金色のロディマスコンボイというものだが、この姿はザ・ワンに与えられた金の体でありエネルギー生命体としての本体はベクターオラクル(アームズマイクロンの一人)の姿をしている。この体はマトリクスの力および善のアンゴルモアエネルギーと同質のエネルギーである。
シャッタード・グラス
プライマスやユニクロンや最初の13人などは複数に平行世界にまたがって存在できる「平行世界の特異点(マルチバース・シンギュラリティ)」という特性を持っており、多数の平行世界では同一の存在の化身であった。(全ての平行世界に及んでいる訳ではなく、例えばG1アニメのユニクロンは特異点ではなかったとされる)
しかし、善悪が逆転した『シャッタード・グラス』の世界において、ウルトラマグナスがソラスプライムの遺物であるターミナスブレードを悪用した結果、多元宇宙にダメージを与えてしまう。その後ネクサスプライムが宇宙を修復するため次元の切り離しと次元の壁の補強を施したことで、「平行世界の特異点」は成り立たなくなり、特異点の化身は各世界独自の存在として大元から切り離された。
この影響で『シャッタード・グラス』の世界のプライマスの化身は悪になり、逆にユニクロンの化身は善になっている。
最初のトランスフォーマー
プライマスが最初に創造したトランスフォーマー達のこと。ベクタープライムも最初の13人の一員とされている。
G1や三部作などで共通する13人
(「Ask Vector Prime」や「Axiom Nexus News」より)。
- プライマ
13人のリーダー。最初のトランスフォーマーであり最初のマトリクス所有者。
時空監視者。様々な次元を渡ることができる。
- ソラスプライム
13人でただ一人の女性。武器職人であり他のメンバーの装備も作り出した。
- マイクロナスプライム
原初のマイクロン。
- アルケミストプライム
サイバトロン星の文明の創造者。
最初の合体戦士。ヒートウェーブ、スカイフォール、ランドクエイク、ブレイクアウェイ、トップスピンの5体が合体する。
- オニキスプライム
最初のビースト戦士。
- リージマキシモ
歴史にその名が刻まれた反逆者。
- メガトロナスプライム(ザ・フォールン)
闇に堕ちた者。
ベクタープライムと同じくエンシェントの一人。破滅した存在。
- オートノマスマキシマス
孤高の戦士。ラストオートボットと同一人物とされている。
- ソロマス
プライマスが生み出したガイディングハンドの一人で知恵を司る。G1世界のアルファートリンと噂される。
- エピステマス
同じくガイディングハンドの一人で知識を司る。
プライムにおける最初の13人
2013年に公開され、G1やユニクロン三部作における13人とは異なる存在。続編『トランスフォーマーアドベンチャー』でもその存在が語られ、メガトロナス、マイクロナス、ベクタープライムが登場した。
以下はプライム世界の13人(「The Covenant of Primus」より)。
- プライマ
最初に生み出されたトランスフォーマーで13人のリーダー。
マトリクスとマトリクスセイバーの所持者。
時空の番人。ベクターソードで次元を切り開くことができる。
契約の書と呼ばれる書物にサイバトロン星の歴史・未来の事を書き記す史家。
- ソラスプライム
13人の紅一点で、武器職人。基本的な機械からトランスフォーマーのボディを作り出すことのできる槌ソラスプライムハンマーの製作者。メガトロナスに殺された。
- マイクロナスプライム
CV:井上和彦
最初のマイクロン。他の12体と合体が出来る。
- アルケミストプライム
サイバトロン星の文明の創造者。裏切ったリージ・マキシモを追って宇宙へ飛び立った。
- ネクサスプライム
最初の合体戦士。
- オニキスプライム
最初にビーストモードを持った。他の時間、場所、魂、死後の世界を見ることができる。
- アマルガモスプライム
最初にトランスフォーム能力を持った。G1世界における、ガイディングハンドの一人で変形を司るアダプタス(「Ask Vector Prime」で判明)。
- クインタスプライム
科学者でクインテッサ星人を生み出した。
- リージマキシモ
プライマの対に位置する。他のメンバーに反旗を翻したが失敗し宇宙へ逃走した。
- メガトロナスプライム
CV:立木文彦
エントロピーの守護者。ソラスプライムを殺したことで堕天しザ・フォールンと呼ばれるようになった。
- 13人目のプライム
プライマスが最後に生み出した名称不明のプライム。偉大な扇動家で他の12人をまとめ上げ内部抗争を解決した。後にオライオンパックスに転生する。
玩具
プライマスの玩具は「ギャラクシーフォース」放送終了後の2006年2月に発売された。
パッケージは同シリーズに準拠したものではなく、背景のパターンがグリッド状の
G1(Generation-1)シリーズを踏襲したものとなっている。
変形させるには付属のチップスクエアが必要で、これを使って身体の各部のロックを解除していく。
また、「ギャラクシーフォース」シリーズの特徴としてフォースチップを使ったギミックがあり、
腕にチップを挿入するとキャノン砲が展開する。
ソニックキャニオンやケイオンといったセイバートロンの名所もしっかりモールドされている。