概要
CV:阪脩
デストロン所属の巨人兵デバスターに対抗するべく、サイバトロンが発動したスクランブルシティ計画によって開発が進められた超巨大トランスフォーマー。ウルトラマグナスは彼を指揮する「シティコマンダー」という役職(肩書)である。
アメリカをはじめとした英語圏での呼称はメトロプレックス(Metroplex)となっている。
基地、移動要塞、ロボットの3形態に変形が可能で、以下の3体が護衛につく。
- 基地モードのレーダーや砲台などの構造物に変形する支援員「シックスガン」(CV:塩屋翼)
- 6輪式の装甲車に変形する警備員「スキャンパー」(CV:江原正士)
- タワーの先端が変形する自律行動型の戦車「スレマー」
アニメには『スクランブルシティ発動編』から登場。『2010』では、デストロンのダイノベース・ダイナザウラーと激戦を繰り広げた。一方でユニクロンとの取引材料としてスタースクリームに眼球を奪われたり、変形機能を司るトランスフォームコグを盗まれたり破壊されて変形不能に陥るような場面もあった。(作画ミスで目が違うこともあった)
また、ウルトラマグナスが不在のときはブロードキャストが代わりに指揮を執った。
トランスフォームコグについては、正確な取り付け場所を知っているのがリペア担当も勤めてるミニボットのパイプスとプロテクトボットのファーストエイドのみと思われる。
『ザ☆ヘッドマスターズ』でウルトラマグナスが戦死に際しては怒りを露わにし、彼が守ろうとした地球の自然へ葬るようフォートレスマキシマスに懇願していた。
同型
トランスフォーマーZ
メトロフレックスの仕様変更品としてメトロタイタンが発売された。土星の衛星タイタンで生まれたデストロン側の戦力という設定である。移動要塞モードは宇宙を航行する戦艦とのこと。
OVA第2巻に登場予定だったが、諸般の事情により実現せず、誌面でも唐突にバイオレンジャイガーが自ら動き、決着は描かれなかった。
ちなみにダイアトラスの名称の案の1つとしてモーターマスター・タイタンがあったが、特撮好きの原案者が某作の1話にちなんだかどうかは定かではない。
IDW版
『More than meets the eyes』をはじめとするIDW版G1コミックでは、太古の巨人族として多数の同型機が登場。メトロタイタンもその内の1体とされている。オートボット・ディセプティコンの区別が生まれる遠い過去の存在とされているので、いずれの陣営に属しているというわけではない。
トランスフォーマーとしての種族や文化を守るべく星々へと渡っていたが、作中では多数の遺骸が眠る場所が存在し、その光景はまるで北欧神話の神々の黄昏を思わせる。
Fall of Cybertron
国内未発売のゲーム『Fall of Cybertron』では、登場するトランスフォーマーで最大クラスの大きさを誇り、G1版と同様に基地に変形する。ただし作中に登場する生き残りのオートボット達は彼の存在自体を知らなかった様なので前作のゼータプライムや元老院など高位オートボットしか知らない機密存在であり「オートボットの暗部」の一つでもあったのだろう。
オートボットの探査宇宙船・アーク防衛戦の最中、気配を感じ取った最後のプライムであるオプティマスプライムを自身の起動システムの有る最奥部に誘導し、オプティマスの呼びかけと起動システムレバーの入力に応じて起動しロボット形態に変形、アーク防衛の為にディセプティコン相手に大立ち回りを繰り広げ、更にはメガトロンを倒す金星を挙げた。
オートボットの一般兵士に「彼が敵じゃなくて良かった」と言われるほどの巨体とパワーを武器とし、スタースクリームに至っては恐怖のあまり腰を抜かしたほどだが、性格はG1と同じく謙虚で繊細。
基本的にその巨体を活かした格闘戦を行うがオプティマスのターゲッティングやゲーム内の背景で全身に配された火器による垂直発射式の支援砲撃を行っているのも分かる。
ゲーム終盤では新天地へと向かう為のスペースブリッジが開いたものの、アークのエネルゴンが足りずに飛び立てないオートボットを助ける為、己の体内の全てのエネルゴンをアークに供給して機能停止となってしまった。
その際力尽きる寸前に『Till All Are One(宇宙を一つに)』と言った。オプティマス自身は「君自身がそんな事をする必要は無い」と罪悪感などから躊躇っていたが「これは私自身の判断なんだよ」とメトロプレックスは彼を安心させる様に伝え自身にアークへのエネルギー供給チューブを接続し自身のエネルギーをアークへ送った。
オプティマスが当初罪悪感から躊躇っていたのはメトロプレックスへの命令システムの関係上「自身がメトロプレックスに犠牲になる様に選択させてしまったのでは?」というものでメトロプレックスにはマトリクスを持つプライムなどの命令を強制的に実行させる事が可能な仕様が採用されてるのでは?と推察できる。
自身を犠牲とした彼の活躍は、オプティマスやバンブルビーをはじめとした多くのオートボット戦士の心に刻まれた。
ギャラクシーフォース
メガロコンボイの海外での名前として登場する。
詳しくは該当記事を参照。
レジェンズ
「LG12 ウィンドブレード」に封入のコミック第12話にて、ラットルの助けを求める声に応えて出現。このとき、ラットルの勤め先である「アクサロン商事」を物理的に潰してしまい、メトロフレックス基地モードが代わりに社屋となった。
レジェンズ世界に転移してもなおダイナザウラーとの因縁が続いており、ダイナザウラー起動のためにトランスフォームコグが奪われたり、東京に進軍された際にも両者の直接対決へ発展した。
玩具
G1
三段変形を活かした基地遊びが特徴で、基地モードではカタパルトや補給施設に変形したスクランブル合体シリーズの各リーダーを連結させ、基地を拡張する事が可能。またロボットモードでは足と肩に手足担当のロボを接続する事が可能(一応スクランブル合体と同様のパワーアップが可能となるとの事)。余談になるがメトロフレックスは元々は「ダイアクロン」のロボットベースの派生品としてデザイン・開発されており、同じくダイアクロンの「自在合体ロボ」由来の初期スクランブル合体ロボ(エアーボット、プロテクトボット)と連携した遊び方が出来るのはこのルーツに由来するのだろう。
2008年には大腿部をメッキ加工し、タイヤをゴム製素材とした前期海外版の仕様でメトロフレックスの復刻版がタカラトミーより発売された。スレマーの砲塔には新たにジョイントが設けられており、基地モードではタワーの一部となる。
メトロタイタン
メトロフレックスの配色を変更し、日本では通販限定で販売されていたマイクロトランスフォーマーのスカイストーカーを色替えした「メトロボム」と、基地モードに接続可能な専用のタラップが追加された。また、3体の護衛の名前が変更されている。
- シックスガン→メトロショット
- スキャンパー→メトロダッシュ
- スレマー→メトロタンク
ジェネレーションズ
2013年9月28日、新規デザインによる『トランスフォーマージェネレーションズ』シリーズでの発売が決定。名称は海外版準拠の「メトロプレックス」なため混同する人もいるが、前述した『Fall of Cybertron』版とは似て非なる物である。
デザインは『キスぷれ』にてキャラクターデザイン等を手がけた大嶋優木氏によるもので、当初はタカラトミーとハズブロとの共同で企画が進められていたが、開発を円滑に進めるべく日本側のみで開発が行われた。
以下、特徴や仕様を列挙。
- ロボットモードでの頭頂高は約60cm。かのフォートレスマキシマス(G1玩具)の54cmを凌ぎ、TF史上最大サイズの記録更新を伴って君臨した。
- 企画段階ではG1版と同様に各種支援メカも付属する予定であったが、諸般の事情によりスキャンパーのみとなり、シックスガンやスレマーはメトロプレックスの各部の武装にその名を留めるのみとなった。(両者とも後にウェポナイザーとして発売。スレマーは人型へのトランスフォーム能力も手に入れた)
- 胸部のメインブリッジを押すと、ブリッジ下部にあるトランスフォームコグと目を発光させながら数パターンの英語のセリフを発する。このセリフは『Fall of Cybertron』での彼の会話を収録したもの(日本版も同様のセリフ)である。
- 目が発光している間に首元のレバーを動かす事で視線が動く。これは「スタースクリーム復活」で眼を奪われた時の狼狽にちなむ。
- コスト削減の都合からか、ハズブロから発売された海外版は手持ち武器が1丁のみとなっている。ただし、それに先駆けてサンディエゴ・コミコン2013などのイベントで限定販売されたタイプはちゃんと2丁付属し、一部メッキ加工が施されている。
- 2017年には『レジェンズ』枠での再販が決まり、タカラトミーモールにて同年8月17日~31日までに予約の受付が行われ、翌2018年1月27日に限定発売された。基本的な仕様はジェネレーションズ版と変わりないが、クレーンやスキャンパーの成型色がグレーから黒に変更されている。
関連リンク
エミリアーノ・サンタルチア氏による企画当初の『ジェネレーションズ』版メトロプレックスのコンセプトアート
http://santalux.blogspot.ca/2014/06/generations-metroplex.html