概要
CV:バスター・ジョーンズ/吹:難波圭一
初代アニメ『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』で初登場した、ラジカセに変形するサイバトロンの通信員。原語版での名前はブラスター(Blaster)で、英語圏におけるラジカセの俗称「ゲットーブラスター」が由来。
サウンドウェーブに対抗するため彼の機体情報を元に製作されたという設定で、通信機能や攻撃方法は彼と似通う点があるが、性格はいっそ清清しいほど似ていない。お喋りを好む陽気な性格で、地球の音楽(特にロック)を愛し、夜遊びも嗜む。劇中での「ゴッキゲーン!」という台詞はそんな彼の性格を良く表していると言えるだろう。日本語の吹き替えはは難波圭一氏が担当。軽快な口調で見事に彼の明るい性格を演じ切っている。
玩具は1980年代初頭に旧タカラより発売された『ミクロマン』の後期商品『ミクロチェンジシリーズ』の1つ「サウンド戦士ラジカセロボ」の仕様変更品であり、同製品のAMラジオ機能を削除し、カセットドア内部もカセットロンやカセットボットを収納できるように改修された。それに伴ってイジェクトボタンを除いた各部スイッチやツマミ等はダミーとなっている。ちなみに武器のエレクトロスクラングラーガンに開いている穴は、本来はロボットモードで余剰となるイヤホンを差し込む為の穴であった。
初代アニメ
第18話「対決!!ダイノボット PART1」で初登場。音波攻撃や、特殊な音楽を流して敵を撃退する。
ラジカセに変形するので移動手段は徒歩、あるいは車(ビークルモード)に変形した仲間に搭乗する。時折ラジカセから足を生やした状態で疾走することもあるが、言うまでも無くシュールな光景である。しかし、本作にはそれを超えるカオス映像は山ほどあるので、それほど違和感があるわけでもない。
上述したように音楽を好むが、他にサイバトロン内で音楽を好むのはマイスター副官やトラックスぐらいで実は少数派。彼の好意でライブ音源を基地に中継した際は、アイアンハイドやラチェット、その他大勢から「うるさーーーい!!」と怒鳴られていた。やはりというか、マイスターは音楽に合わせて踊っていた。
『ねェ、うるさいは無いでしょォ⁈』
初代アニメ以後
『ザ・ムービー』や『2010』ではサウンドウェーブと同じようにカセットボットをイジェクト(射出・召喚)して戦うようになり、この頃には性格も少し落ち着きを見せていた。
スクランブルシティではそれなりの立場にいるらしく、メトロフレックスの変形も彼が指示している。格闘能力は高く、1対1ならばスタースクリームやサウンドウェーブを一方的に叩きのめせるほど。
サイバトロンが無残にも次々と死んでいく鬱展開で有名なこれらの戦いの後も生き残るが、日本独自展開の『ザ☆ヘッドマスターズ』にて宿敵と相打ちになり戦死した。
・・・が
後にツインキャストとして復活。宿敵との終わらぬ戦いを繰り広げた。ツインキャストの詳細についてはリンク先の記事を参照されたし。
人間(?)関係
基本的に、サイバトロン内では誰と仲が悪いという描写は見られず、上手くやっているようだ。彼の音楽に関しては概ね不評だが。また、トラックスとは夜の街に繰り出している様子が劇中で描かれていた。
特筆すべきはサウンドウェーブとの因縁である。
初代52話「ブロードキャストVSサウンドウェーブ」ではついに両者が激突。ブロードキャストは「サウンドシステムの面汚しめが!」と暴言を吐き、それに対するサウンドウェーブは「口だけのイカレサウンドが!」と罵り返し、お互いに敵視している事が分かる。勝負の行方は是非アニメを御覧になっていただきたい。
pixivでも、やはり宿敵同士ということもあってかサウンドウェーブとのツーショットが多く、大体喧嘩しつつも仲良くやっている様が描かれている。
余談になるが、通販サイトe-HOBBYの限定販売品や『キスぷれ』等の玩具独自のシリーズでは新たなカセットボットを数名スカウトしている。しかし、その殆どがデストロンのスパイであったり、上司に明かせない密命を帯びているなど、どうやら人を見定める眼に関しては今ひとつのようだ。
マーベルコミック版
G1と同時期に展開したコミック版でもメインキャラとして活躍。こちらは長きに渡る戦いの影響か冷静沈着なスナイパーになっている、しかしデストロンに囚われた相棒のスクラウンジを自分1人でも助けようする程の仲間想い。顔つきはG1玩具をベースにしているが一部のエピソードの表紙や姉妹作G.I.ジョーではテレビアニメ同様の顔つきになっている。
セイバートロン星で当時指揮官であるパーセプターの部下として仲間たちと共にデストロンと戦いを繰り広げていた。その戦いの中でスクラウンジがデストロンによって命を落とし、平和主義者で中立派の科学者スパナがスペースブリッジのパーツとして成り果てたのを目の辺りにするなど様々な悲劇に見舞われる。
地球に到着した直後、トランスフォーマーに対抗する地球の攻撃部隊RAATとトランスフォーマーを憎む女性ヴィラン、サーキットブレイカーによって捕獲され、仲間たちと共に壁飾りにされるも地球に滞在していたサイバトロンたちによって救出された。
司令官であるコンボイが自殺同然で命を落とした後、グリムロックが新たな司令官に任命されるも人間ですらもデストロンに次ぐ邪魔な存在と指摘した事で彼のやり方に快く思っておらず、ゴールドバグと共に離反して、自分たちだけで戦う事を決意する。その戦いの中でスペースブリッジで地球に訪れたスロットルボットと出会うもRAATによって捕獲され、難を逃れた自身は反逆罪としてプロテクトボットに逮捕されてしまう。翌日、コンバットロンの戦いに巻き込まれた子供たちの手助けで解放され、彼らと協力してブルーティカスを撃破した。この件でプロテクトボットは彼を見逃し、助けたお礼として機能停止となったブレストオフを利用して子供たちと宇宙での遊覧飛行を楽しんだ。しかし裏切り者の彼を追ってスペースシップ・アークを機動させたグリムロックたちの襲撃に遭うも、彼を助けるために子供たちによって宇宙に放り出された。捕らわれた子供たちは反逆者を助けた罪として死刑と判決したグリムロックの態度にサイバトロン戦士たちはグリムロックを見限り、アークにたどり着いたブロードキャストはこれまで事を話した結果、仲間たちから歓喜された。そして、子供たちを助けるために単身でダイノボットに挑む。
SGブラスター
善悪反転世界を描いた『シャッタード・グラス』では、モーツァルト(クラシック音楽)が大好きで部下に対して暴言を吐く鬼軍曹になっており、カラーリングも毒々しいものになった。
同作は日本国内で展開していない為にストーリーを窺い知るのは難しいと思われていたが、2013年にe-HOBBYにて、彼の玩具が部下のカセットボット共々限定販売され、その付属コミック『太陽の哀歌』で活躍を垣間見れるようになった。
作中ではやはりサウンドウェーブがライバルであり、喋り方にドイツ訛りの英語が混じるなどの新たな設定も加えられた。オプティマスプライムに反旗を翻したロディマスに率いられ地球に来訪。その後ブリッツウイングとサウンドウェーブとの戦いで月に追放されてしまう。
初代アニメと同様ラジカセに変形するため、自力で脱出する手立てがなかったが、「太陽の哀歌」で月に飛来した別種族の存在、ソーラーボットに出会い地球への帰還を果たし、再びサウンドウェーブと対峙する。
その他
- 商標の問題を避ける為か、日本国内でのみ展開された玩具独自のシリーズである『バイナルテックアスタリスク』や『デバイスレーベル』ではブロードブラストと名前を改められた。名前の由来は和名の「ブロードキャスト」と海外名の「ブラスター」を掛け合わせたものと思われる。
- 『アニメイテッド』では劇中未登場だが、海外で発売されたムック本"Allspark Almanac"2巻に顔のみが出ている。彼の顔から下の部分を想像して描かれることも。
- 『トランスフォーマーレジェンズ』では、ヘッドマスター化したツインキャストが、ラジカセ型デバイスから変形したトランステクターに合体(ヘッドオン)して完成する。トランステクターはラジカセだけでなく、ヘッドマスターやカセットボット達の基地にも変形。胸部ドアには同シリーズのカセットボットやカセットロンを収納可能。玩具は海外で先行販売された『タイタンズリターン』版ブラスターのリカラー品である。
- マーベルコミック版を手掛けた編集者を経て、後に脚本家となったボブ・バディアンスキーは彼がお気入りとのこと。だが、当初は他のキャラクターの性格設定に多忙だったため、じっくり書く時間がなくストレスが溜まっていた模様。
- ディズニープラスの配信作品『チップとデールの大作戦 レスキュー・レンジャーズ』にてタレントショーの観客としてカメオ出演している。