概要
メインとなる玩具シリーズを軸に、漫画、ラジオドラマ、ドラマCDなどのメディアミックス展開がされた。このシリーズでは、トランスフォーマーはキス・プレイヤーと呼ばれるパートナーの女性キャラとキスする事によって融合し、新たな能力を得る事が出来るという設定。
玩具は『バイナルテック』と同じであるが、海外版の『オルタネイターズ』と同様にダイキャスト製のパーツは用いられていない。しかし、『オルタネイターズ』と比較して大幅に彩色部分が増加しており、ビークルモードに登場させる事が可能なキャラクターのフィギュアや武器に変形するサーフボードや釣竿等のアイテムが付属している。各商品にはドラマCDが付いてくる他、電撃ホビーマガジンと連動して美少女フィギュアなども発売された。
一見すると萌えを前面に押し出したポップな作品に見えるが……?
だが、はたして!
その実態は、上辺のポップさとはかけ離れた代物である。
- 裏切りと腹の探り合いが跳梁跋扈し、TFと人類の共存関係が崩れるというアメコミにも匹敵する超絶鬱展開
- 触手、リョナ、ヤンデレ、憑依、百合、捕食、ドSなど、ニッチな萌えのオンパレード
- 『主要登場人物の一人が2010に登場したキャラの幼少期』『サーフボードを使うコンボイ』『釣りをするロディマス』『人を喰うメガトロンっぽいロボット』『アンゴルモアエネルギーの正体とカーロボットに登場したガイアエネルギーの関連』『某ニューリーダーの行方』『ブレイブマキシマスが地中に埋まっていた理由』『ロディマスがあの人とそっくり』『ロディマスにブン投げられたガルバトロンの行方』『マルチユニバースで過去作品を縦断』などなど、本国のオタクですら網羅していないであろうネタを拾いまくって繋げてゆくというディープさ
など、良くも悪くも濃ゆい作品となってしまっており、ファンからの評価も芳しくない。
本作の制作全般に携わった大嶋優木氏はかねてよりTFオタクであったが、「萌えとTFの融合」というタカラ(当時)からの無茶ぶりには流石に面食らったようである。
また、展開自体も一つの時間軸を描いたものではあるのだが、『キスぷれ』シリーズの玩具に付属しているCDを始めとして、ラジオドラマ、雑誌での短期集中連載など複数のメディアを横断するマルチメディア展開となっている。
展開終了直後のコミケやワンダーホビーフェスティバルにて、各種展開を取りまとめて整理した冊子が限定発売されているが、2015年現在はその全てが散逸していずれも入手困難となってしまっており、作品世界の理解を妨げる要因にもなっている。
TFマニアさえもぶっちぎるディープな本作は、実写映画版の展開に合わせて打ち切られる形となった。
この特異な作風はマニアの間ではもはやネタとして語られており、公式にもネタにされた。
とは言うものの…
『トランスフォーマーアニメイテッド』にて本作のキャラクターであるオートルーパーとロザンナがゲスト出演したり、クレオの漫画にもモブでキスプレイヤーが登場したり、『トランスフォーマークラウド』や『トランスフォーマーレジェンズ』で『キスぷれ』について言及されていたりとなんだかんだで愛されている作品でもある。
本作以降、後続作品である『アニメイテッド』『プライム』『クラウド』『最後の騎士王』のように、少女キャラがTFのパートナーとして登場する作品や、TFシリーズがマルチユニバース展開である事を活かした後続作品も各種展開されており、タイミングや展開の方法が悪かっただけでコンセプト自体はさほど間違っていなかったとも言えなくもない。
また、大嶋氏もその後、『トランスフォーマージェネレーションズ』にてメトロフレックスの玩具のデザインを担当している他、他TFシリーズのイラストや漫画も担当するといった形で、その後のTFシリーズにも関わり続けている。
なお、実写版四作目『ロストエイジ』では「ディセプティコン由来の人造TFが登場し、ガルバトロンの関連で暴走する」「TFと人類が対立し、オートボットが人類から追われる身となる」など、本作を意識したかのような設定が登場している。尤も、こうした展開はヒーロー物のアメコミではお馴染みの展開であり(TFでもIDW社のコミック等でも見られる)、『キスぷれ』が影響を与えたというよりはたまたまネタが被ってしまっただけなのかもしれない。
主要登場人物
『ザ・ムービー』で戦死していたが、地球防衛軍E.D.C.にてオートルーパーのボディを取り込み、メリッサとのパラサイテック融合…即ちキスによって復活。
とある責任を取って一時マトリクスをウルトラマグナスに返上。地球でシャオシャオと出会う。
オートルーパー(CV:平井啓二)
E.D.C.が製造した人造トランスフォーマーで、マツダ・RX-8のパトカー仕様に変形。その正体は…
メリッサ・フェアボーン(CV:りりあん)
コンボイのパートナーとなるレジスタンスの少女。やや天然ボケ気味。
『トランスフォーマー2010』のメリッサその人であり、数年の間にたくましくなっている事が窺い知れる。
なお、彼女にはG.I.ジョーのサブリーダーであるフリントの娘であるという裏設定が(元々)あり、それを補強する設定が付け加えられている。
『ユナイトウォリアーズ』や『レジェンズ』には、彼女の娘が登場する。
李蛸焼(リ・シャオシャオ)(CV:鹿野優以)
元はE.D.C.所属だったが、人体実験の被験体として利用されかけたところをホットロディマスに救出され、そのままパートナーに。メリッサの幼馴染。
幼少時にニューヨークに住んでおり、そこでとあるトランスフォーマーを目撃した事があるという裏設定がある。
『レジェンズ』でもロディマスのパートナーとして登場。
人隣当梨(ひととなりあたり)(CV:明坂聡美)
オートルーパーの内の1体、子04のパートナー。乗り物酔いしやすい。
作中では恐ろしい目に遭い続ける事に…
関連タグ
ウルトラ怪獣擬人化計画:今度はこっちかよ
魔法少女まどか☆マギカ:似たような作品
アイドルマスターXENOGLOSSIA クロスアンジュ天使と竜の輪舞:キスぷれ以降に展開された美少女×ロボットなアニメ、これらにも裏切りが(とくに後者には同性愛要素や捕食も含む)が含まれている
レガリア_The_Three_Sacred_Stars:マイクロン伝説およびスーパーリンクを手掛けたアクタスが手掛けた美少女×ロボットなアニメ、
皮肉にも上記3作はライバル会社系列が制作にかかわっている