概要
『トランスフォーマー』シリーズに登場するキャラクター。大型ネコ科動物の姿を模したデストロン(ディセプティコン)の兵士。
日本の古くからのファンにはジャガーの名で知られており、ラヴィッジ名義は海外版との名称統一が図られた実写映画シリーズ以降の作品で扱われることが多い。
G1(ジャガー)
「秘密のロケット基地はサイバトロンの基地から西へ140キロの地点です。」(初代)
「癪じゃありませんか?あんな新参野郎に調子に乗られて!」(ヘッドマスターズ)
CV:フランク・ウェルカー、クリス・ラッタ(初代第三話の一部)/吹:原語版流用、島香裕(初代第三話の一部)/江原正士(ザ☆ヘッドマスターズ)
初代アニメ『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』から登場。デストロン情報参謀サウンドウェーブの部下であるカセットロンの一員で、またの名を諜報破壊兵ジャガー。カセットテープに変形する。
動物のジャガーのような俊敏な動きと隠密性を活かした密偵活動を得意としており、同じカセットロンであるコンドルと共に諜報活動で活躍する。ただし、戦闘能力はそれほどでもなく、地球の豹にはかろうじて負けないものの、スパイク相手には黒星が目立つ。しかし、あのコンボイ司令官を二回ほど突き倒しているので、おそらくスパイクとは相性が悪いだけとも推測できる。そもそもTF世界の人間が超人染みているから仕方ない部分もある。なお、彼にも力負けするバンブルは勇気と機転で活躍し、主力メンバーとなっている。
動物を模したロボット故か滅多に喋ることはなく唸り声を上げるのみだが、決して喋れないわけではなく、シリーズ初期ではメガトロンに報告するシーンがあったり、後年の『ザ☆ヘッドマスターズ』ではブロードキャストと相打ちになったサウンドウェーブがサウンドブラスターとして復活した際に仲間と共に大喜びしている。
また、80年代にマーベルから出ていたG1のコミックにおいては、普通に会話機能を有し、メガトロンとも言葉を交わしている。
2012年に発売された復刻版ツインキャストに付属しているカセットボットのナイトストーカーのテックスペックカードによれば「ジャガーは彼の元同僚」と明記されており、80年代にマーベルより出版されていたコミックではジャガーとナイトストーカーは共にセイバートロン星の君主に仕えるボディガードとして登場している。窮地に陥った君主を護るべくナイトストーカーは体内の自爆装置を作動させ、その身を犠牲にして忠誠心を見せたが、忠義の為に死ぬことを良しとしなかったジャガーはその後自らメガトロンの軍門へと下り、デストロンに参加。結果としてかつて仕えていた君主はあえなく死を迎え、ナイトストーカーを裏切ることにもなった。
二次創作界隈ではサウンドウェーブのペットのような扱いを受ける事が多いが、IDWパブリッシングのコミックでは、実はジャガーこそがサウンドウェーブの育ての親であった事が明かされている。
ちなみに、上記のマーベルのG1コミックでは。初期にはマーベルと共通していた世界観だったため(後にこの設定は立ち消えに)、スパイダーマンと対決した事があった。
スパイダーマン曰く「僕と同じくらい敏捷だ」。
ビーストウォーズメタルス
CV:リー・トッカー/吹:森川智之
『ビーストウォーズメタルス』ではG1のジャガー本人が登場。戦後はビースト戦士にリフォーマットされ、デストロンの秘密警察に籍を置いていたが、初代デストロン軍団への忠誠心は未だ健在。猫なだけにナ行が発音できにゃい。
隠密行動を得意とし、ビーストモードではなくカセットテープに変形する点も初代と共通している(本人は「いまどきカセットテープに変身!」とぼやいている)。
当時のデストロン最高権力「トリプティコン評議会」によりビーストウォーズに関与する者の抹殺という密命を受けて地球へ飛来。当初こそサイバトロンと連携してビーストメガトロンを追い詰めたものの、ゴールデンディスクに込められた初代メガトロンのメッセージを知るやデストロンへと寝返る。
その後、ラットルの機転により宇宙船ごと爆破されて戦死した。なお、日本版では死の間際に「レギュラーじゃないのにゃねー」とレギュラーになり損ねたことを悔しがっていた。
玩具は日本のみの発売。メタルスチータスのリデコで、名称もメタルスジャガーとされた。
ディセプティコン及びプレダコンのエンブレムシール、およびG1メガトロンの顔が描かれたシールが付属。各陣営に属している状態のメタルスジャガーを再現可能。
※なお、後年になって海外の大手玩具店限定品として、メタルスチータス2のリデコ品「トライプレダカス・エージェント」という製品が発売。ジャガーの名は冠していないが、「エイリアン・ヴォックが復活させたメタルスジャガー」という設定が付けられている。
今木商事氏の漫画には息子として登場(本人はハッピーミールのような姿)。
「真にあわれはこの世に生まれ落ちたおまえたちと知れ」
「オレは死ぬのはこわくねえ だがな…全宇宙の生命を一つ残らず滅ぼすまでは…死ぬわけにゃいかねーんだーっ!」
宇宙神の使いを自認、人間もTFも宇宙を汚す害虫と見て皆殺しにしようとする。また、戦闘で失われると戸惑う程自身の両腕に強いこだわりを持つ。
メタルスジャガーの姿で登場した為、カセットテープではなく、メカ豹に変身。メタルスチータスのリデコであることを活かしてのビークルモードも披露した(玩具でもビークルモードの再現は可能)。
バイナルテック
『メタルス』で無念の死を遂げたと思いきや、2000年代に入って、玩具シリーズ『バイナルテック』にて諜報破壊兵ラヴィッジの名で復活。歴史改変の為に暗躍する。玩具はトラックスの仕様変更品で、豹頭のロボットからコルベットZ06へと変形。
海外版『オルタネイターズ』では、後に初代同様の猫型肉食獣からジャガーXKへと変形する玩具が発売(日本未発売)されており、「ジャガーというスポーツカーからジャガーのような動物へ変形するジャガー」としてファンの間ではしばしばネタにされている。
ダイキャスト製の『バイナルテック』に対してこちらはオールプラ製であり、それまでのシリーズにあったカーモードでのボンネットの開閉やステアリングのギミックは構造上の都合により廃止されている。
シャッタード・グラス
善悪が反転した『シャッタード・グラス』の世界におけるラヴィッジ。サウンドウェーブと同じく真っ白な体色で、まるで獰猛さが感じられないコミカルな表情をしている。
実写映画版
実写版第2作目『トランスフォーマーリベンジ』では、日本でも海外名準拠のラヴィッジの名称で登場。名称・能力・役割などは初代シリーズに登場したジャガーそのままだが、こちらは単眼で、地球の乗り物をスキャンしていないなどの差異も見受けられる。劇中では変形シーンの披露すらなく退場したが、玩具では大気圏突入状態を再現した「エントリーモード」なる形態に変形する。
動物のジャガーのごとき俊敏さと豊富な武装を持ち、ドクター(スカルペル)や超小型戦士・マイクロコン等の小型ディセプティコンを体内に収納する事もできる為、工作・諜報活動も得意としている。
サウンドウェーブによって地球へと送り込まれ、ディエゴガルシア島にあるNESTの基地へ潜入し、オールスパークの欠片を強奪する戦果を挙げる。その後、かねてより地球に潜伏させていたコンストラクティコンズ(ビルドロンの海外名)や、胸部に格納していたドクターを連れて、ローレンシア海溝で機能停止状態だったメガトロンを復活させた。
エジプトでの戦闘では、他のディセプティコン達と共にサム達の追跡にかかったが、ランページと交戦中のバンブルビーへ奇襲をかけた際、逆に背骨を引き抜かれて破壊されてしまった。
リブート作『バンブルビー』では、G1に酷似した姿で登場。サイバトロン星での戦闘で、サウンドウェーブからイジェークトされ、オプティマスに襲い掛かった。
レジェンズ(ジャガー)
『トランスフォーマーレジェンズ』では、『超神マスターフォース』に登場したデストロンヘッドマスターJr.の3人組の1人「ブルホーン」がヘッドマスターとして付属する「LG37 ジャガー&ブルホーン」が発売。
当シリーズはカセットテープではなくスマートフォン風の情報端末、加えて戦闘機にも変形する。「LG36 サウンドウェーブ」の胸部ドアに格納可能で、構造が同じ「LG27 ブロードキャスト」にも対応している。
商品付属のコミックは、警察犬に転職してアイ(元ネタはカーロボット)の相棒となり、デストロンヘッドマスターJr.の泥棒騒ぎを取り締まるという内容。
ナ行が発音できず「にゃ」になっていたり、1コマ目でサウンドウェーブの部下と自己紹介、更に「この世界に助太刀いたす!」と発言したりと、設定上はG1及びメタルスと同一人物らしく、少なくともレジェンズ世界出身ではない模様。
……猫(科)なのに警察犬?
戦闘に入ると、G1では見られなかった硬化能力で攻撃を凌ぎ、そのまま体当たりで3人を撃退した。この硬化能力はナイトストーカーと同様のものと彼は説明している。最後はアイとの混浴を3人組に覗き見される場面で締めくくられた。おい猫そこ代われ。
ちなみにこのヘッドマスターJr.のトリオはワイルダー(ファングリィ)のみが日本未発売となっている。