概要
スモークスクリーン(G1シリーズの同名のサイバトロンとは別人)を相棒とする空爆参謀で、「隠密爆撃専門家」の肩書を持つ。ステルス爆撃機・B-2と戦車に三段変形する。デストロンに属するが、平和の為にサイバトロン共々殲滅させんとする第三勢力。その威圧的な風貌に似合わず沈着冷静な性格である。標的に応じて種類の変わるCDBM(ケミカル・デストロイヤー・ブレッド・ミサイル)を肩の6連装ランチャーから発射可能。
玩具付属の取扱説明書も兼ねたコミックでは、登場時点で既にデストロンに参加しており、メガトロンの呼びかけに応じて登場し、サイバトロンに猛攻撃を浴びせた。ただし、メガトロンには自らの目的を達成する為に手を貸しているに過ぎず、コミックの最後のコマでは「900万年も何をしてたんだろうな!!メガトロンは」と彼に対して皮肉を漏らしてさえいる。
マーベルから発売されていたコミックでは、一度反旗を翻していたダークウィングがメガトロンへの忠誠を戻した際に強化された姿として登場。よって先述のドレッドウィング本人とは同型の別人となる。
玩具はスモークスクリーンとのセットで発売。G2シリーズの特徴として手足や膝・膝の関節が自由に可動し、後頭部から光を当てるとクリア素材の目が光るようになっている。大型ランチャーには付属のミサイルをセットして後部のダイヤルを回すと6連発の発射が可能。更に爆撃機モードの翼下パイロンにミサイルをセットして翼のボタンを押す事で爆弾投下ギミックも楽しめる。
ミサイル発射ギミックの他にもスプリングを活かしたギミックがふんだんに取り入られており、ビークルモードで合体状態のスモークスクリーンを取り外すとドレッドウイングのコックピット後部にあるスイッチが引かれてドレッドウイングの翼が折り畳まれたり、脚部にあるスイッチを押すと戦車モードの履帯が展開する仕掛けがある。
また、パッケージ裏面にはスペースの半分以上を費やし、所謂俺変形をさせての自由な遊び方を提唱した「トランスプレイ」が掲載されている。シックスショットを流用したグレートショットが新たなトランスフォームを編み出せる旨を謳い文句とする事はあったが、メーカー側が本格的にこのような遊び方を推すのはトランスフォーマー史において初となる。
G2シリーズ商品展開時にはメガトロンATB(ATB:Advanced Tactical Bomber)とスタースクリームのセットとして発売する予定があり、カラーリングはほぼそのままに一部の仕様を変更した製品が『ビーストウォーズⅡ』のBB(&スタースクリーム)として発売された。その後も『Robots in Disguise』のドレッドウィンド(アメリカではターゲット、日本ではトイザらス限定商品として発売)、『ロボットマスターズ』のギガントボムと若干の仕様変更を加えつつ幾度も販売されている。ただし、ギガントボムは従来とは異なり単品での発売となった為、別売りのスモークスナイパー(G2版スモークスクリーンのリカラー品)を持っていなくても手動で主翼を折り畳む事ができるようになっている。
IDW版
ディセプティコンの決定的な勝利の為に全てを捧げる戦士。その為ショックウェーブの実験に何の疑念も持たずに被検体とされてしまう。その後、ガルバトロンの部隊に付き添った際、エニグマオブコンビーネーションの力によりアシッドストーム、アストロトレイン、マインドワイプ、ブリッツウィングと共にガルバトロナスとして強制合体させられてしまう。
デザインは同IDW版コミックに登場した全翼機型の航空機に変形するメガトロンとほぼ同等で、頭部とカラーリングはG2シリーズのドレッドウイングを模したものとなっている。玩具もハズブロより『トランスフォーマージェネレーションズ』として発売されたが、日本では未発売に終わった。
Transformers Energon
『トランスフォーマースーパーリンク』の海外版『Transformers Energon』本編未登場の玩具オリジナルキャラクター(日本未発売)。同シリーズのミラージ(ショックフリート)のリカラー品の為、歴代ドレッドウイングの中では唯一戦闘機ではなくミサイル艇に変形する。
彼はミラージの汚れたスパークから生み出されたクローンで、感情が欠如した純粋な悪と見なされている。そんな彼の欲求はオートボットを自らの手で一体ずつ破壊していく事である。
実写映画
実写映画シリーズ第1作目が公開された2007年に登場。映画本編には登場していないが、同年にアクティビジョンより発売されたゲームにはディセプティコン側のザコキャラクターとして大量に出現、IDW社のコミック等には単一のキャラクターとして登場した。映画公開時に発売された玩具はMig-29に変形し、パッケージの記述によれば、彼は2.5マイルの距離であれば瞬時にワープする事が可能だが、生来の盗難癖故にそのワープ機能も彼の固有の能力ではなく、どこからか盗んできたものと見られている。
同時期に玩具が発売されたスィンドル、ペイロードと並んでレンズ状の無機質的な顔をしており、タカラトミーの公式サイトにてスウィンドルの解説文が「無念お砲塔」(胸の砲塔)と誤記されたのがきっかけでドレッドウイングも腹部のファンにちなんで「無念お風車」と呼ばれるようになった。
トランスフォーマープライム
CV:トニー・トッド/吹:岩崎征実
第32話「剣爆変形!ホイルジャックとドレッドウイング」から初登場したディセプティコンの爆撃参謀。F-35風のデザインの戦闘機に変形する。
スカイクエイクとはスパークが分割して生まれた双子の兄弟であり、ファウラー捜査官の乗っていた戦闘機をスキャンしているのも同様。原語版では特に明示されなかったが、日本語版での設定によればドレッドウィングの方が兄との事。メガトロンへの忠誠心が強いのは弟と同じだが、粗暴でやや脳筋気味だったスカイクエイクとは違い、ドレッドウィングは知略にも長けており、メガトロンだけでなく敵であるオプティマスからも一目置かれる実力者である。また、メガトロンへの忠誠心もさることながら、武人らしい誇り高い義侠心の持ち主でもあり、単身でエアラクニッド抹殺に赴いたメガトロンの命令を無視して彼の救出に馳せ参じたり、弟の仇を取る為にメガトロンの制止をも振り切って単独行動に出た事もある。状況によっては敵であるはずのオプティマスとも共闘できる柔軟さも持っており、スタースクリームを撃退後、共闘したオプティマスに対して手出しせずに見逃すという義理堅い一面も見せた。
武器は両手持ち式のビームキャノン(切り替え式でグレネード弾も発射可能)と剣、そして吸着式の爆弾である。この爆弾はリモコン起爆式、時限式のいずれにも使用可能で、折り畳み携帯電話のような形のリモコンで起爆する仕組みになっている。これらの武器を巧みに操り、爆弾で相手を罠にかけたり、剣技でもオプティマスとも互角に渡り合うほどの腕前を持つ。
日本語版では発砲時や動作の際、「バキューン」や「ヴェイ!」といった擬音語を口にするお茶目な一面も見せている。ちなみに最後の登場となった第51話「復活変形!よみがえるサイバトロン星」のアイキャッチでは真面目な彼らしく、「お世話になりました」と挨拶していた。
本編には登場しない日本版オリジナルのアームズマイクロンはビッグカノンに変形し、名古屋弁で喋る鮫型マイクロンの「ジグ」。
本編での行動や活躍
メガトロンの命令でレッカーズ討伐任務に就いていたが、弟スカイクエイクの死亡を受けて地球へ飛来した。当初はメガトロンの命令も無視して単身復讐に向かったが失敗し、以来メガトロンの忠実な部下として仕えるようになる。
概要で解説した通り、彼はディセプティコンでありながら熱いキャラクターではあるのだが、本編ではエアラクニッドやスタースクリームのフリーダムさに割を喰う事が多く、任務達成率自体もそれほど高くはなかった。また、レッカーズとの因縁キャラとして登場しながらもその役回りはハードシェルに奪われた。シーズン2の終盤では脳内侵入プログラムで弟の死の要因がスタースクリームで、さらにテラーコン化した事を知るだけでなくメガトロンから帰服の許可を得たことが堪え切れなくなり、外出すると大声で嘆いた。その後、恥知らずがいる組織に勝利の旗を挙げることを否定、謝罪する形でソラスプライムハンマーをオートボットに譲渡した。戦艦に帰宅した直後、「弟の死を汚したスタースクリームを知るや否や暴走し、殺害を図ろうとするもメガトロンによって粛清される」という武人の彼にとってはあまりに気の毒な最期を迎える事になる。
青くて巨体という点についてはウォーブレークダウンも該当するが、彼もエアラクニッドの罠によりバラバラにされた挙句、瀕死の重傷を負ったサイラスの新たなボディとして利用され、日本未公開の続編『ビーストハンターズ』ではダークエネルゴンによって生ける屍と化すという酷い末路であった。脚本家は青い巨体キャラに何か恨みでもあるのだろうか。
ビーストハンターズ
アニメでは前述の通り死亡しているため登場しないが、玩具ストーリーでは死亡しなかったようで登場している(TFで玩具とアニメの設定が異なるのはよくあることである)。
メガトロンの消息不明に際して犯人と見られたスタースクリームを捜索、発見するが、スタースクリームの「自分がメガトロンを手に掛けたのなら、逃げ回ったりせずにディセプティコンのニューリーダーになろうとするからやってない」という言い訳を信じ、方針をメガトロンの捜索に切り替えた。
戦闘機に変形するのは『プライム』版と同様だが、嘴のような機首や後部に張り出した鳥の足のような脚部等生物的な意匠を取り込んだ外観となっている。玩具は『プライム』放送当時に発売された玩具の仕様変更品ではなく、新規設計されたものではあるが、サイズが従来のボイジャーからデラックスに変更となり、一回り小さくなっている。
アドベンチャー
設定としては『トランスフォーマープライム』の続編に当たる『トランスフォーマーアドベンチャー』では、アニメに登場しない日本独自の玩具限定キャラクターとして登場。玩具は『ビーストハンターズ』版ドレッドウイングのリカラー品であり、本作ではメガトロンに処刑された後、ブラッディノックアウトによってサイボーグのような状態で蘇生されたが、オートボットへの憎悪に囚われた殺戮マシーンと化したという、ウォーブレークダウン並みの悲惨な末路となっている。
ウォー・フォー・サイバトロン・トリロジー
第1章「シージ」にて名前のみ登場。元ディセプティコンのシーカーズとのことだが、現在は裏社会で生きている模様。バンブルビーは彼から「サビの海」のことを聞いていた。
その他
- 日本語版の声優である岩崎氏は、過去に『ビーストウォーズⅡ』でビッグホーン、『ビーストウォーズネオ』でハードヘッド、『トランスフォーマーカーロボット』でレッカーフックなどを演じていた。
- 「ドレッドウィング」の名は『超神マスターフォース』に登場するデストロン兵士ハイドラー(ダークウィング)&バスター(ドレッドウインド)の合体形態「ダークウイングス」の海外版の名前が原点だが、青を基調としたボディや爆撃参謀という肩書はむしろG2期の同名のキャラクターと類似性がある。更に付け加えると、寒色系のカラーリングに黄色のアクセントが入っている点は先述のギガントボムに近い。ドレッドウィングとして映像作品へ登場したのは『トランスフォーマープライム』が初となる。
関連イラスト
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