概要
1990年のアクションマスターで一旦展開を終了したトランスフォーマーが、1993年に初期シリーズの玩具の再販(仕様変更あり)・リメイク、ヨーロッパ限定アイテムに新規玩具を加えてシリーズを再開したもの。
また、それに伴い、テレビアニメ第一作にCGエフェクトや効果音を追加し放送された。
展開は、1993年から1995年。
当時のタカラの主力玩具が勇者シリーズであったため、日本での展開はフリーポーザブル物に絞られて、事実上『ビーストウォーズ』が日本で展開されるまでの繋ぎのような扱いだった。
日本版・米国版でストーリーはそれぞれ異なるが、どちらもG1の続編という点では共通している。ちなみにタイトルのGはGENERATION(世代)の略であり、本シリーズの登場後、80年代から90年代初頭にかけて展開していたこれ以前のシリーズをG1と呼ぶようになった。
また、サイバトロンとデストロンのエンブレムは、このG2で新たなデザインになり、一時期それが用いられた。
※メイン画像の中央、下二つのエンブレムを参照。
さらに97年。新たに「マシンウォーズ」というシリーズも登場している(92年が初出の製品に、G2のキャンセルされたフリップチェンジャーを、それぞれ仕様変更し、コンボイやメガトロン、スタースクリームなどの新たな製品として再販している)。
『ビーストウォーズ』がヒットした事もあってか、その影に隠れがちではあるものの、本シリーズで培われたノウハウはビーストウォーズを含めた後年のシリーズにも反映されている。
一部の玩具は『ビーストウォーズⅡ』や『カーロボット』で若干の仕様変更を加えて販売された。
「ロボットマスターズ」でも、本シリーズに登場した製品を一部仕様変更され発売された。
ストーリー
かつての戦いで悪の心を失ったデストロン破壊大帝・メガトロンはかつてのライバルであるコンボイと共に「セイバートロン連合」を結成。宇宙平和のために尽くしていた。
しかし地球に派遣した部下が地球人の手違いで殺されてしまう。これに怒ったメガトロンは「ロボット生命体以外の生物は全て宇宙にとって悪になる」という結論を下し地球への侵攻を開始。これに対しコンボイは自らのボディを改修しメガトロンに立ち向かう。
激しい戦いは、全てのトランスフォーマーの滅亡を企む第三勢力・スモークスクリーンとドレッドウィングの介入により混迷を極めていく…
製品
初期は、旧製品の仕様が変更(リペイント、パーツおよびギミック追加など)したものが発売された。これらは日本未発売。
後に、新規開発された新製品がラインナップに加わる。これらは日本でも一部が発売された。
93年度展開
サイバトロン
- 旧製品
:コンボイ
旧製品に、サウンドユニット、およびミサイルランチャー二基を追加。
サウンドユニットはビークル・ロボットの両モードで装備が可能(ビークル時にはトレーラー部に、ロボット時には背中に装着する)。ミサイルランチャーはビークル時にはサウンドユニットに装着、ロボット時には(上記画像のように)両手に持たせられる。
:オートボット
マイスター、インフェルノ、ランボル(黒にリペイント)が発売。
マイスターとランボルにはミサイルランチャーが、インフェルノには水鉄砲が付属している。
:ダイノボット
グリムロック、スラッグ、スナールが発売。
それぞれリペイントされている。色以外は旧製品と同じ。
:ミニボット
バンブル、ハブキャップ(赤にリペイント)、シースプレー、ビーチコンバー(緑にリペイント)が発売。
メッキ加工されている。
- 新規製品
:アクセラレーターズ
ラピッド、ウインドブレイカー、スクラム、ターボファイヤーが発売。
自動車に変形。エンジン部が武器になる。アメリカ版とヨーロッパ版では名称が異なり、「アクセラレーターズ」という名称はヨーロッパ版。日本でも後にヨーロッパ版が限定発売された。
:カラーチェンジャー
自動車に変形。ゴーボッツ、ドレンチが発売。
ヨーロッパ版アクアスピーダーのリペイント。水鉄砲ギミックと温水で色が変化するギミックを有する。
- 93年度ヨーロッパ展開アイテム
:アプリテレイター・パイロ
94年に名称を「スパーク」に変更。
化学消防車のビークルモードを持つ。車両の前部がロボットに、後部は多機能防衛プラットフォーム(砲台)に変形する。
当該項目も参照。
:ライトフォーマー
デフトウイング(ジェット戦闘機に変形)、アイアンフィスト(ジープに変形)が発売。
大型の武器ユニットとなるスコープを装備。スコープはビークルではユニットとして搭載、ロボットでは支援用大型ミサイルランチャー砲台となる。スコープ内を覗くと、曳光弾が表示される。
:アクアスピーダー
レースカーおよびF1カーに変形。ジェットストーム、デリュージ、スピードストリーム、アクアフェンドが発売。
それぞれ水鉄砲がボディ内部に内蔵されており、ロボットモードで手に持たせる武器にできる。
:アクセラレーターズ
上記アメリカ版四種を、ラピッドエンジン、カーザップ、スクラム、ホットライダーの名称で発売。カーモードのウインドウ成形色が異なっている。
デストロン
- 旧製品
スタースクリーム、ラムジェットが発売。
サウンド・ライトユニットを追加し、背部に装着している。また、両腕の武器も新規追加された。ラムジェットは紫色にリペイントされ、アメリカ版CMでは機首を下げた状態で描かれていた。
:ビルドロン
黄色およびオレンジ色にリペイント。92年にヨーロッパで発売された製品と異なり、合体用パーツも付属しているため、六体合体が可能。テックスペックの数値にも若干の違いが変更しているが、それ以外は仕様変更は無し。単品発売のみでセット販売は無し。ただしなぜかスペック上の設定では、合体についての記述が削除されている。
- 新規製品
戦車から変形。戦車の主砲からは、ミサイル連射ギミックが内蔵。
また、サウンドギミックも内蔵され、エンジン音やセリフなどを聞く事が可能。
後年にリペイントされ、サウンドギミックも削除されて、「ビーストウォーズⅡ」のメガストームとして流用された。
:カラーチェンジャー
自動車に変形。ジェットストーム、デリュージ(それぞれF1カーに変形)が発売。
ヨーロッパ版アクアスピーダーのリペイント。水鉄砲ギミックと温水で色が変化するギミックを有する。
:スカイコーチャー
画像はイーグルアイ(ホーク)。
ジェット戦闘機に変形。名称はテラダイブ以外、ヨーロッパ版とアメリカ版で異なる(カッコ内がヨーロッパ版)。ウインドレーザー(トーネード)、テラダイブ、アフターバーナー(スニープ)、イーグルアイ(ホーク)が発売。
レーダー標的システムを兼ねる火器を、ジェットモードで機体下部に下げている。
- 93年度ヨーロッパ展開アイテム
:アプリテレイター・クレンチ
94年に「コロッサス」に名称変更される。
グラッピングクローを後部から伸ばすトラックに変形。車体前部をロボットに、後部を多目的バトルステーション(砲台)に変形させる。
また、次年度のフルポーザブル仕様のトランスフォーマーには及ばないが、手足の関節がそれまでの製品よりも可動域が設けられており、ポージングさせることができる。
:トラッコンズ
フィアスウープ(ジェット戦闘機に変形)、カルカー(自動車に変形)が発売。
ライトフォーマー同様、スコープを兼ねた大型兵器ユニットを装備。ビークルで搭載、ロボットモードでは支援兵器スタンドに変形し、武装となる。
:ストームトルーパー
自動車に変形。ハイドラドレッド、ドレンチ、レイジ、アクアブラストが発売。
アクアスピーダー同様、水鉄砲ユニットが内蔵され、ロボットモードで武器になる。
94年度展開
本年度から、新規製品がメインアイテムとなる。
サイバトロン
- 旧製品
86年版の仕様変更品。カラーリングを変更し、シルバーボルトのテックスペックから、高所恐怖症という設定が削除された。
また、シルバーボルトには新規でミサイルが追加されている。五体全てが発売され、スペリオンに合体可能。
- 新規製品
:コンボイ・ミサイルトレーラー
それまでのトラックではなく、ミサイルトレーラーのビークルモードを持つ。エアポンプによる、ミサイル発射ギミックを内蔵。また、フルポーザブル仕様となっている。
:レーザーロッド
画像はエフェクトロ。
クラシックカーに変形。エフェクトロ、オートボルトが発売。電飾ギミックを持ち、拳に持たせた透明プラ製の剣を光らせる事が可能。また、フルポーザブル仕様である。
:ローターフォース
画像はマンタレイ。
リードフット(F1カーに変形)、マンタレイ(ジェットホバーに変形)が発売。
プロペラを回転させ発射させるギミックを持つ。ビークルモードではエンジン部に、ロボットモードでは武器になる。ヨーロッパ版の名称は、それぞれ「ホットフット」「ピラーニャ」。
デストロン
- 旧製品
スペリオン同様、86年度の仕様変更品。カラーリング変更・テックスペックおよび数値が変更された。また、オンスロートに発射機能を持つ武器を追加。五体前部が発売され、ブルーティカスに合体可能。
- 新規製品
:メガトロン・ミサイルタンク
戦車に変形。コンボイ同様にエアポンプによるミサイル発射ギミックを持つ。また、コンボイ同様にフルポーザブル仕様。前年度のメガトロンの小型化・改良版ともいうべきアイテムである。後に仕様変更され、ブラジオンに、そして「ロボットマスターズ」で、更なる仕様変更が施されて「リバースコンボイ/リバースメガトロン」として発売される。
:レーザーロッド
クラシックカーに変形。ホットロウ、ファイアボットが発売。サイバトロン同様に、電飾により透明プラ製剣を持たせて、発光させるギミックを内蔵。また、同じくフルポーザブル仕様。
:ローターフォース
パワーダイブ(ヘリに変形)、ランサック(プロペラ機に変形)が発売。サイバトロン同様、プロペラを回転させ発射させるギミックを持ち、ビークルではエンジン部に、ロボモードでは手持ちの武器となる。ヨーロッパ版では、それぞれブレイド、ブリッツという名称になっている。
また、ランサックはトランスフォーマー全体では珍しく、レシプロ式プロペラ機のビークルモードを持つトランスフォーマーである。
スモークスクリーン、およびドレッドウイングの、二体一組のトランスフォーマー。
ジェット戦闘機に変形するスモークスクリーン、
および大型ステルス爆撃機に変形するドレッドウィング。
この両者で構成されている。ビークルモードではスモークスクリーンがドレッドウィングの後部に合体する。また、分離後はドレッドウイングは装甲戦車に変形可能。
さらに、二体ともフルポーザブルであり、自在なポージングが可能。
G2における傑作とも言えるトランスフォーマーであり、後に「ビーストウォーズⅡ」にて、「スタースクリーム&BB」、『Robots in Disguise』にてスモークジャンパー&ドレッドウインド、『ロボットマスターズ』にて個別でスモークスナイパー、ギガントボムの名称で仕様変更品が販売されている。
また、色違いのものが「スタースクリーム&メガトロン」として発売予定があったものの、中止になった。
設定上では、サイバトロン・デストロン両者に組しない、独立した第三勢力という扱いである。日本版玩具に同封されたコミックでは、サイバトロンとデストロンの両者に対し攻撃する様子が描かれていた。
詳細はドレッドウィングの項目も参照。
95年度展開
本年度でG2の展開は終了。また、日本展開はこの年度から行われた。
サイバトロン
:レーザーロッド
バトルコンボイ、ロードロケット(バイクに変形)が発売。
前年度のレーザーロッド同様、武器を手に持たせ、電飾ギミックで武器を発光させる事が可能。
バトルコンボイはタンクローリーに変形。キャブがロボットに、トレーラー部はバトルステーションに変形。エアポンプで大型ミサイルを、ランチャーでディスクやミサイルを発射可能。
さらに、フルポーザブル仕様。
数あるコンボイの製品の中でも、デザインやギミック、フルポーザブル仕様など、G1からの最終進化系とも言える傑作製品であり、後に日本でも電飾ギミックを削除して発売された。
また、後年に「トランスフォーマー・カーロボット」にて、「ブラックコンボイ」に流用された。
「バトルコンボイ」の項目も参照。
ロードロケットは、後年になり「ミクロマン・レッドパワーズ」にて、リペイントされて発売された。電飾はオミットされている。
機能は「ストリートディフェンス」だが、日本版では「紅忍者」で、トリッキーな技を用いる忍者とされている。
:サイバージェット
ジェット戦闘機に変形。サイバトロン・デストロン両方とも、同じ形状であり、リペイントにより差異を持たせている(ちなみにヨーロッパでは、デストロンのリデコ版として発売されている)。
エアロレード、ストレイフ、ジェットファイヤーの三体が発売。フルポーザブル仕様で、それぞれ腕にミサイル発射ギミックを持つ。後に「ロボットマスターズ」に流用された。
:ゴーボッツ
ミニカーサイズの車に変形する。
全14種のうち、11種がサイバトロン側として発売された。
変形はごく簡単なもので、ロボットモードでは肩しか動かない。日本国内ではほとんど発売されていあにが、フックトイとしてリカラー品が三種発売された。
後に「トランスフォーマーカーロボット」にて、スパイチェンジャーとして仕様変更され発売される。
また、このゴーボッツ内には、「オプティマスプライム」の名を持つメンバーがいるが、日本国内でもリカラー品三種の一つとして発売された。その際、「コンボイ」ではなく「オプティマスプライム」名義で発売されており、日本国内における史上初の「オプティマスプライムの名前で発売されたトランスフォーマー」となった。
一応は、コンボイ=オプティマスプライム本人と言う設定で、テックスペックでは「体内のマトリクスが様々な形態に変形できるように働きかけ、最速のデザインを求めてこの形態になった」と記載されている。
デストロン
:レーザーロッド
ロードビッグ(バイクに変形)が発売。ロードロケット同様、フルポーザブルで武器の発光ギミックを持つ。のちに電飾をオミットしてミクロマンに流用。
ちなみに機能名は、日本版ではロードロケットに合わせ「闇忍者」になっている(怪力を持ち、力技で戦う力の忍者)。海外版機能は「オートボット・ハラスメント」。テックスペックの頭脳の数値が2で、頭が非常に悪く、メガトロンに逆らって配線を抜かれそうになった。
:サイバージェット
ジェット戦闘機に変形。スカイジャック、スペースケース、フーリガンの三体が発売。色以外はサイバトロン側のサイバージェットと同じ。
フーリガンは悪戯好きで、メガトロンの燃料タンクに砂糖を入れたことがあった。そのため、解体されそうになったという過去を持つ。
トラックに変形するダートバグ、ショベルカーに変形するロードブロックが発売。転がし走行をさせると自動変形するギミックを持つ。
全四種が設計されたが、うち二種(ジェット機および装甲車)はキャンセル。後年の「ビーストウォーズⅡ」にて、キャンセル分も含めた全四種が発売された。ダートバグはオートスティンガーに、ロードブロックはオートクラッシャーとして発売されている。
詳細は当該項目も参照。
:ゴーボッツ
ミニカーサイズの車に変形。全14種中、三種がデストロン側で、名称はそれぞれサウンドウェーブ、フレンジー、メガトロンである。
ヨーロッパ圏の94~95年版展開アイテム
94年以降は、ヨーロッパでもアメリカ同様の展開を行っており、アメリカで発売されたアイテムを同じように発売していた。
その中で、ヨーロッパ限定アイテムも存在している。
:クリアバージョン・スパーカボット
アメリカでも発売された、スパーカボットのクリア版。全四種が発売。
サイバトロン
:シュアショット
コンボイ・ミサイルトレーラーの仕様変更品。胸部シール(オプティマスプライムの名が入っていたのが、削除・変更された)以外は、コンボイと同じ。
機能は「戦士リーダー」。ヨーロッパ版ではコンボイとは別のキャラクターとして扱われている。
:パワーマスター
アイアンハイド(装甲車に変形)、ミーンストリーク(ドラックレースカーに変形)の二種が発売。
88年のパワーマスターとは名前が同じだけで、関係はない。オートローラーズの廉価版、または簡易版とも言える製品で、ビークルモードではブルバックでゼンマイ走行が可能。車体を引いて、付属の武器をセットする事で走行する。ただし、変形機能に特化したためか、ロボットモードのプロポーションはやや難がある。
オーストラリア及びニュージーランドでも出回ったため、英語表記のパッケージは存在するが、アメリカでは発売されていない。日本では当然ながら未発売。
デストロン
:アーチフォース
メガトロン・ミサイルタンクの仕様変更品。各部のシールが若干変更された程度で、玩具そのものはほぼ同じ。
機能は「兵士リーダー」。やはりヨーロッパ版において、メガトロンとは別キャラクターとして扱われている。
:パワーマスター
画像はスタックス。
バレットバイク(サイドカーに変形)、スタックス(トラックのキャブに変形)が発売。
上記サイバトロン同様、88年版パワーマスターとは無関係。
余談
- カーロボットに登場した「ブラックコンボイ」およびコンバットロンは、独自のエンブレムを付けている。そのエンブレムは、本作G2で用いられたサイバトロンエンブレムを、上下逆さまにしたものである。
- また、上記G2のドレッドウィングと合体する、デストロンのスモークスクリーンは、G1におけるサイバトロンのスモークスクリーンとは別人……ではあるが、近年では色々と事情が変わっている。詳細はスモークスクリーンの項目を参照。
- 公式でデザインも担当している漫画家・市川裕文氏の同人誌「TRANSFORMER CHRONICLE」では、G1と上記G2のスモークスクリーンの関連性に対し、独自の解釈が為されている。ちなみに同作中では、パワーマスター「ドレッドウィンド」「ダークウィング」も登場。合体して「ドレッドウイング」となる両者と、上記G2ドレッドウィングとの関連も描かれている。