概要
トランスフォーマーシリーズにおいてトランスフォーマーという生物をただの機械・金属から逸脱した生命体たらしめている命の源であり彼らの「魂」といえる物体であるスパークを機械に吹き込み、超ロボット生命体=金属生命体(正確にはロボットに極めて類似している金属性の細胞を有した生物)としての命を与える存在(トランスフォーマーはあくまでその中で変形能力を備えている知的生命体であって、変形能力を持たなかったり、トランスフォーマーの故郷として登場するセイバートロン星出身ではないトランスフォーマーも存在しており(それ故かそれらのトランスフォーマー達が登場する作品は誕生の仕組みは明かされていない)変形能力を持っていてもトランスフォーマーに含めていいか疑わしい者達、そもそも知的生命体とも言い難い明らかに別種族であろうタイプすらいる)。同時に彼らにとってのあの世ともされており死亡するとスパークは肉体から消滅もしくは浮き出る様に離れて飛び去って行きオールスパークに還っていくと言われている。
シリーズによってその姿や作中の人物達からの扱われ方が各部異なっておりそもそも魂のある場所というだけあってか登場人物達に正しく認知されていない作品もある。
シリーズ事の立ち位置
いずれのシリーズでも物語への重要性が高い関係上かなりのネタバレが含まれるのご注意を
ビーストウォーズシリーズ
最初に登場した映像作品だが作中で「オールスパーク」という単語は直接的に出て来ておらず宇宙の法則に基づく干渉を受けないスパークが生まれ帰っていく場所として「マトリクス」が登場している。ここから善寄りな思考のスパークがセイバートロン星のプロトフォームを生産する工場マトリクスに送り込まれボディに宿りマクシマル、同じように悪寄りのスパークがピットと呼ばれる工場のプロトフォームに宿りプレダコンという種族のトランスフォーマーを誕生させる。対するオートボット、ディセプティコンは星の中枢コンピューターのベクターシグマからボディにエネルギーを照射されて宿る仕組みとなっている。
こうして送り込まれたスパークはロボット生命体としての生涯を全うすると物質世界から去りマトリクスへと帰還、再び一体となり物質世界で生きた時の経験・知識などが取り込まれ真の故郷ともいえる魂の総体に変化をもたらしていきオールスパークとトランスフォーマーをより良いものへと進化させる糧へと変えられるとされている。このマトリクスへと向かう道は通常の空間にはないが強力なエネルギーで物質世界から干渉できる穴が出来る事があり、惑星エネルゴアを破壊する兵器を特攻し破壊するも共に爆散し肉体が失われたビーストコンボイだがこの爆発でマトリクスの通路への穴が生じライノックスは精神ダイブを行う事でマトリクスへ還りかけていたコンボイのスパークを捕捉、新たなボディへと誘導する事で復活させる事に成功していた。
リターンズにてベクターシグマにアクセス用のコンピューター「オラクル」に力を授かりコンボイは瞑想する事によりマトリクスが存在する空間に精神を接続、他のトランスフォーマーのスパークを感知し意思疎通できる能力を得ていた。
なお、このスパークの集合体はかつて物質世界に現れて元は有機生命体の星であったセイバートロン星を金属の星へと変える(リフォーマットさせる)というベクターシグマを起動させる鍵と同様の力を発揮しておりオールスパーク自身か何者かの意図をもって金属生命体が生まれる土台が形成させられた事が示唆されている。
リターンズ終盤メガトロンはセイバートロン星の住民から奪い捕縛したスパークをオールスパークへと統合と共に自らが掌握し一つの意思に統一された世界にして支配しようとしたがコンボイが命がけで阻止し道連れにする形で星の中枢へと落下、両者の所持していた惑星に関する様々なデータを元に惑星はリフォーマットされ、機械と有機体がバランスを取り融合したハイブリッドな世界及び住民を生まれ変わらせ復活させる事に成功した。
アイテムとしてのマトリクスとは別の存在だが初代で初代コンボイやロディマスコンボイがこちらのマトリクスに精神をダイブさせる形で過去のマトリクス所持者達と接触しておりある程度上記の方のマトリクスと繋がっていると取れるだろう。
実写シリーズ
惑星サイバトロンに金属生命体を誕生させたキューブ型の物体で劇中では「キューブ」とも呼ばれている。一辺はおおよそ16m程あるが40㎝程に縮小させる事も可能。地球の機械に対しても命を吹き込めるが作中世界の地球人の機械はメガトロンを解析で得た技術を元に作られたという事になっており、メガトロンの攻撃性を受け継いでしまっていたのかサイバトロン星の機械に比べ性能が低くなっているからか劇中で誕生した個体達は生まれたてという事もあり理性が見られない非常に攻撃衝動な存在だった(ロストエイジにてトランスフォーマーのボディは彼らを創造した者により有機物から変換されたレアメタルを主成分に形作られているにより細胞の様な柔軟性を持つと語られており地球人が作った機械とはそもそも素体の性質が違う可能性がある)。
宇宙支配のための利用を狙ったディセプティコンとそれの阻止を望んだオートボットが奪い合うようになり戦争が勃発した結果、星は壊滅的な被害を受けキューブは外宇宙へ飛ばされて消失。サイバトロン星の再生に用いるため生き残った住民達は捜索しに宇宙に散らばる事となる。紀元前1万年頃キューブは地球へと漂着し、追跡してきたが北極に墜落し仮死状態となっていたメガトロンと共に地球人に発見されアメリカ政府が極秘に回収しフーバーダム内の壁でエネルギーを遮蔽して秘密組織「セクター7」の管理下で保管されていた。この座標はメガトロンを発見したアーチボルド・ウィトウィッキーの眼鏡に刻まれており(偶然メガトロンのナビゲーションシステムを起動させてしまい眼鏡に刻印された)地球に手がかりがあるのを突き止めて飛来した両軍は眼鏡を所持していた子孫のサム・ウィトウィッキーに接触。ディセプティコンがオールスパークを入手したら地球の機械を新たな軍勢と化し地球は破滅させられると聞かされオートボットに協力する事を決めたサムの一行はトランスフォーマー達を調査しに来たセクター7にフーバーダムに連れてこられる形で発見したが内部に潜入されたディセプティコンにも在処が知られメガトロンを復活させられてしまう。ディセプティコンから引き離すべくセクター7やアメリカ軍らと協力し近辺の街に運び込むも市街地での戦闘に発展。連携によりディセプティコンを追い詰めていくがメガトロンを倒しきれず、戦いを収束させるには争いの火種たるキューブを破壊するしかないと考えていたオプティマスは自身のスパークと融合・対消滅させようとしたがサムは咄嗟にメガトロンのスパークと融合させメガトロンを絶命させる形で戦闘は終結した。オールスパークの消失で故郷の復活が望めなくなったと考えたオートボットは地球を第二の故郷として定住する事となった。
後日談であるコミック『The Reign of Starscream』にてスタースクリームがセクター7が解析していたキューブのデータを入手し複製を作り上げる事に成功したが一部の部下が反逆した事から生じた騒動により紛失してしまった。
続編のリベンジにてキューブ状の物体はトランスフォーマーの生命源であるエネルギーエネルゴンが貯蓄されているエネルゴンキューブであり、オールスパークそのものはこのキューブを容器として膨大な叡智という事が判明。器を失った叡智はサムの脳に移っておりその中にあったかつて地球に隠されたエネルゴン生成装置の軌道キーであるマトリクスの在処の手がかりたる情報を求めて再び狙われる事となる。これとは別に前作で破壊されたキューブの欠片がオートボットと協定を結んだアメリカ政府が保管していたものとサムが当時着用していた服に付着していたものが残っており、前者がディセプティコンが強奪しメガトロンを蘇生させるために使用、後者がマトリクスの情報を得るべくその探索メンバーとして地球に潜伏していたシーカーの一人ジェットファイアが仮死状態となっていたのを再起動させるために使用された(この後映っている場面は無いので両者が復活した際にエネルゴンとして吸収され取り込まれたと思われる)。終盤前半にて戦死していたオプティマスを蘇生させるためマトリクスを入手したサムが攻撃を喰らい一時的に心肺停止に陥った際マトリクスに宿っていたプライム達の魂と接触しており、戦いが終わった後キューブの消失で失われていた種族の歴史を取り戻す事が出来たと語っており脳に宿ったサムと同様の状態となったのが示唆されている。マトリクスの力で蘇生及びオプティマスに注入し復活させた際にマトリクス及びオプティマスに移った模様。
アニメイテッド
宇宙一強力なエネルギー源とされている青く光る六角形の面が並んだ鉱石状の物体がボックスの内部に保管されており(このボックスが展開するとG1でのマトリクスに似た形状となる)、従来と違い複数存在する物体として扱われている。宇宙一強力なエネルギーというだけあり純粋な攻撃としても非常に高い破壊力を誇り、ディセプティコンはこのエネルギーを兵器転用するのを企ててきた。この球体は実際にスパークの集合体で形成されているらしくトランスフォーマーが自らのスパークを捧げる事で球体を形作る事が可能(当然実行した者の肉体は死亡する)。
加えて独自の意思があるかの様な動作をする事があり(後述のオプティマス達に対しラチェットは「オールスパークの方が自分達を見つけた」と語っている)、地球にて現地住民のサリに同系統の力を備えた鍵(彼女が所持していたカードキーを媒体にした)を与えている。この鍵は対象にスロットする事で(挿し口が無かったり形が違っても双方が自動で変形するのでも問題はない)ただの機械でもアップグレードしたり、欠損や瀕死レベルの負傷をしたトランスフォーマーのボディを秒単位で再生させる事や普通の機械をロボット生命体へと進化させる事やトランスフォーマーをパワーアップ、スパークを復元して蘇生(ただし数回に分けてエネルギーを送らないと出来なかったり一時的に鍵の力が枯渇したりと自由にはできる操作ではない)、逆にスパークを消滅させて死亡させる事すら可能とする(オールスパーク本体の性質上厳密にはその本体に強制的に送り込んでいるとも解釈できる)。
本編の数百万年前に起きた戦争でこのエネルギーをディセプティコンに利用させないためオートボットがスペースブリッジを用いてサイバトロン星から遠くへワープさせどこかも分からない場所へと遠ざける形で隠されオートボットが勝利するきっかけの一つとなった。その一つをスペースブリッジが設置されていた小惑星に整備しに訪れていたオプティマスの部隊が小惑星に埋もれていたのを発見、敗戦以後オールスパークを再び戦力とすべく銀河を捜索し続けていたディセプティコンに発見・追跡される。戦闘の末流れ着いた地球にてサリは鍵を授けられ以後数々の戦いと事件にその力を授かった彼女と共にオートボットは戦いに乗り出す事となる。
中盤で頭部だけの状態となっていたメガトロンが鍵を奪い取り復活、ディセプティコンを率いてオールスパークを奪い取るが阻止しようとしたオプティマスが取り返した鍵の力を叩き込んで暴走、砕けて欠片が地球上に飛び散ってしまった。
以後この欠片がマシンを暴走させる事件が起きたり新たなトランスフォーマーを誕生させたり裏切り者として粛清されたスタースクリームをスパークが消滅した半ゾンビ状態で復活させるなど数々の騒動を引き起こす事となる。なおこの欠片は力が発動している時はサリの鍵など同じ力を宿したアイテムの所持者か肉体に欠片を宿した者でないと触る事ができない
最終決戦にてその被害を防ぐべくオールスパークの力のバリアを作る事が考えたプロールとジャズがまだ残っていた欠片を己らのサイバーニンジャの術を用いて集結させ(これにより欠片を抜かれたスタースクリームは再び絶命)たがそれでも全てが揃わずバリアが完成しなかったが地球と仲間達を守る事に覚悟を決めていたプロールはジャズが引き止めるのを押し切り自分のスパークを返還する形でオールスパークを完成させ全てを守りぬいた。戦いが終わった後オールスパークはG1のマトリクスに似た容器に入れれられプロールの遺体や戦後処理物と共にサイバトロン星に持ち帰られた。
プライム
サイバトロン星のコアにトランスフォーマーの創造神プライマスの魂と共に宿っている生命の発生源「マトリクス」に宿っており(ビーストウォーズのマトリクスと同様のものと思われる)、戦争で星が壊滅寸前になった時期にディセプティコンに奪い取られないようオプティマスにより外宇宙へと飛ばし隠されるもコアが停止しサイバトロン星は完全に死滅状態となってしまった。また、サイバトロン星のある地点に隠されていたオメガロックという装置によりアクセスが可能で至る建造物を瞬時に形成、壊滅していた星を再生できるだけの力を発動できる。また、そのエネルギーに触れたトランスフォーマーの異常を回復させる力も持つ。
しかし乗っ取ったメガトロンが欲をかいて地球を機械化し支配しようと目論み地球を守ろうとしたオプティマスに止む無くオメガロックは破壊される。終盤ディセプティコンの戦艦ネメシスにて新造され再度地球機械化計画に乗り出され最終決戦が開始。その最中、一度死亡するも内部のエネルギーを浴びて蘇生したバンブルビー(しかも障害のあった発声機能も回復)がメガトロンを討ち取り地球への照射は阻止され、大将を失ったディセプティコンを制圧したオートボットはネメシスをサイバトロン星に帰還させ、コアに照射し再起動させた。星は復活したものの上述のマトリクスが宇宙に飛ばしていたままだったためコアから新たな命が生みだされない状態であり(この世界のサイバトロン星はトランスフォーマー誕生以前にプレダコンと呼ばれる金属生命体が生息していたがディセプティコンはそのクローンを培養にて誕生させており彼らはこのプロセスに組み込まれていない模様)オプティマスはリーダーの証のマトリクスの感知を頼りに探索に出発するが、プライマスの対となる破壊神ユニクロンがサイバトロン星の復活に反応し復活し、メガトロンの肉体を乗っ取り宿敵の星を滅ぼすべく襲来する。マトリクスを回収し戻ってきたオプティマスとオートボットとプレダコンが共闘の末オプティマスが事前にオールスパークを体内に収納し空になっていた容器にユニクロンの魂を閉じ込める事で封印に成功する。ユニクロンから解放され野心を捨てたメガトロンがサイバトロン星から去っていく姿に時代の流れを感じたオプティマスはマトリクスとオールスパークを自らの身と共にプライマスへと返還・融合させる形で星を完全に甦らせる事に成功した。
サイバーバース
アーススパーク
実写版と同じくキューブ状の物体(トランスフォーマー達が片手で抱えられる程度の大きさだがこれが標準サイズかは不明)でサイバトロン星から地球に移った戦いにおいて終盤である本編の15年前にはディセプティコンが所持していた。
ショックウェーブがこのエネルギーを大量製造しておいた兵士の素体に注ぎ軍勢拡大しようとしたが戦争を不毛に感じるようになっていたメガトロンはどちらが勝利するかよりも戦いを集結させる事を重んじオートボット側に離反。オールスパークが無いとサイバトロン星にいる生命は命を維持できないという事もあり、静止を聞かなかったショックウェーブから止む無く実力行使で奪い取りオートボットと共にサイバトロン星に送り返そうとスペースブリッジの元まで運び軌道したブリッジが生成したワープホールに放り込むまではよかったが戦闘の混乱の中スペースブリッジが破壊されオールスパークも消え去ってしまったと語られている。それにより生命の源が失われたサイバトロン星と母星に残っていたトランスフォーマー達は死に絶えてしまったらしい(ただしスペースブリッジという移動手段が失われた事で状況確認に行くことすらできなくなった地球側にいたトランスフォーマー達の解釈である上に10年以上昔の話なので本当に全滅したのかは現時点では不明)。