「貴方が腰抜けってわけじゃないが、時には、腰抜けの方が、生き延びる…」
CV
- チャーリー・アドラー
- 宮澤正(吹き替え)
概要
実写映画版のスタースクリームであり、第1作目から登場している。
こちらでの立ち位置もやはりディセプティコンのNo.2。
初代がF-15に変形するのに対し、こちらはステルス戦闘機のF-22に変形する(共に当時の米空軍の主力機種)。
主な武器は右腕に内蔵されたガトリング砲、左腕と背中のミサイル、そして機器類をダメにする音響兵器。更に腕には丸鋸を搭載しており、自動車程度なら軽く輪切りに出来る。なお、腕は千切れてもくっつけておけば治る模様である。
これでもナンバー2を務めるだけあって戦闘力はそこそこ高く、一作目ではラチェットとアイアンハイドを軽くいなしていたり、一作目・二作目の序盤および外伝にあたるコミック『The Reign of Starscream』ではメガトロン不在時のディセプティコンを仕切っていた。人望のなさもいつもどおりなのか、部下のドレッドウィングとラムジェットにはあっさり裏切られるが、今回はサンダークラッカーという忠実な部下がいる。
一作目
ーこちらスタースクリーム。ディセプティコン集結せよ。ー
この時点では声にエフェクトがかかっていた。
オプティマス達が地球に降り立つ以前から潜入しており、フレンジーからのオールスパーク発見の報告を受け、同じく地球に潜伏していたディセプティコン達に集結命令を下す。
その後、オールスパークが保管されていたフーバーダムを奇襲し、電源を破壊しメガトロンの凍結を解除、すでに持ち出されたオールスパークを奪取するべくオートボットや米軍に攻撃を仕掛ける。
なお、最終局面においてメガトロンを攻撃する米空軍のF-22部隊に混じって一緒に攻撃を加えていたという疑惑が持ち上がっており、映画を見たTFファンは「やっぱりスタスクはスタスクか」と思ったに違いない。
また、本来F-22にはできない低空飛行をかましてエップスに正体を見破られる、F-22部隊を襲撃した際にはビークルモードで襲えばバレなかった所を何を思ったかロボットモードで襲撃したせいで反撃を喰らうなど、やっぱり詰めが甘い。
なお、エンドロール後にはどさくさに紛れて単機で大気圏を離脱してトンズラこいており、続編ではその事でメガトロン様から御仕置きを喰らっている。
リベンジ
二作目『リベンジ』から歴代スタスクに近いハスキーボイスへと声変わりした。また、オールスパークにちなむタトゥーを全身に彫っており、せっかくビークルモードに擬態してもタトゥーのせいであっさりエップスらに見破られた。これには、カラーリングが似ているメガトロンと区別がつかなかったという制作サイド的な事情もあった模様。
他にも口から涎をダラダラ垂らしたり、メガトロン様から二回も折檻されたり、オプティマスに腕を切り落とされたりと前作に比べて間抜けな描写が目立ったが、エジプトでの敗戦時には重傷を負ったメガトロンに対して「Not to call you a coward master, but sometimes cowards do survive.(貴方が腰抜けってワケじゃないが、時には腰抜けの方が生き延びる)」と、戦略的撤退を進言している辺り、少なくとも引き際は心得ている模様。
作中ではザ・フォールンの下でメガトロン亡き後のディセプティコンを指揮し、戦力を増強しつつ地球への再侵略の機会をうかがっていた。その後、メガトロンが復活すると付き従い、グラインダーとの3人がかりでオプティマスに襲いかかり、グラインダーを失いながらもオプティマスの殺害に成功。
以降は他のディセプティコン同様エジプトに渡り、オートボットや米軍と交戦するも、ザ・フォールンの死とメガトロンの負傷を受け撤退した。
ダークサイド・ムーン
三作目『ダークサイド・ムーン』では、メガトロンなどの目上の者にはゴマをすり、自分より弱そうな相手には強く出る卑劣漢としてのキャラ付けが強くなった。重傷を負ったメガトロン相手になおもおべっかを使い両手を擦る仕草が印象的である。
序盤ではほとんど出番がなかったが、オートボット達が地球を離れる(実際はディセプティコンを欺くための罠)際、オートボットたちが乗っていたザンディウム号を撃墜するという大役を担っている。
シカゴでの決戦では仲間とはぐれたサムを虐め殺そうとしたが、不用意に接近した隙を突かれて右目にワイヤーアンカーを打ち込まれて「My eye!My eye!(目が!目がァ!)」と泣き喚きながらパニック状態に陥り、片目にサムをぶら下げたままレノックス率いるNEST小隊の襲撃を受ける。更にサムに左目へ爆弾を突っ込まれ、本気でサム達を殺害しようとした瞬間
「貴様!殺してやry
ボンッ☆!!
頭が爆裂して死亡した。
その死に様から「某大佐を髣髴とさせる(笑)」「飛べばいいのに(笑)」と日本のファンからしばしばネタにされている。
余談になるが、玩具のパッケージ裏に記載されているテックスペック上でのInteligence(知能)の値が歴代で最も低い「4」の値になっている。地球に来訪し、F-22をスキャンする前のプロトフォームの知能の数値は(9)であり、どのような経緯で知能の低下が起こったのか気になるところである。
最後の騎士王
五作目『最後の騎士王』では、なんと彼の生首が、オートボットの商人デイトレーダーの商品の一つとして登場する。しかし、前述の通り彼の頭部は三作目で爆裂してしまっているため、デイトレーダーによって修復されたか、あるいは偽物ではないかとする説もある(デイトレーダーはディセプティコンとも取引することが多いため)。
劇中ではメガトロンがケイドのスクラップ場を襲撃した際に彼の頭部の残骸を拾い上げ、「お前にも見せてやりたかった、古き友よ…」と語りかけていた。生前は任務をしくじり折檻されることもあったが、それでもメガトロンに信頼されていたことが窺える。
ほんの僅かしか無いシーンだが、ファンの心に刺さる隠れ名シーンと言えよう。
なお、前作にして四作目『ロストエイジ』では、三作目で既に死亡していた事もあってか三からの新参と同タイプが出ていたのに、他の機体も全く掠りもしない体たらくであった。
バンブルビー
一作目の前日譚『バンブルビー』では、冒頭のサイバトロン星での戦争シーンで登場している。容姿はG1版に近く、モデルはブリッツウイングに一部流用されている。
軍全体の指揮を執っていたサウンドウェーブとショックウェーブに比べると格下のようで、「(オートボットを宇宙に逃がさない為に)発射台を破壊しろ!一匹たりとも逃がすな!」というショックウェーブの命令を受け、紫色のスカイワープと緑色でトンガリ頭のイカトンボを彷彿とさせるスラストを率いて攻撃を仕掛ける。
タワーの破壊には成功したが、既に多くのオートボットに脱出された後であり、オプティマスが殿を務めたのもあってオートボットの宇宙脱出を妨害することはできなかった。
その他
『ケロロ軍曹』とのコラボレーションでは、エネルギー源の情報提供の見返りにトランスフォーマーの技術を与える予定だったが、No.2であることを連呼されてキレたため交渉決裂。
しかし、クルルがちゃっかりトランスフォーム技術を奪いケロロに転送し、「ケロロスクリーム」になってしまうというギャグを演じていたとうこちらでも安定のネタ枠であった。
余談
- デザインの公開当初は、「色がトリコロールではない」「鳥(とくにフクロウ)みたいな人間離れした顔」「カメムシやはんぺんのような体型に鳥脚」などなど、外見だけは美形だった歴代スタスクとの差異が目立ったため、旧来のファンからはあまりのイメージの違いから非難轟々であった。
- もっとも、殺害予告まで届いたメガトロンのケースほどではないが。
- しかし蓋を開ければ、内面に関しては姑息・卑屈・詰めが甘いと元祖の特徴を踏襲しており、いつもの病気をほぼ発症しないだけでみんながよく知るスタスクである。
- ただし、第一作目の方が態度・行動・声優の演技的や声のエフェクトにも大物感があったため、そちらの方向性で行ってほしかったと思う視聴者も決して少なくなかったとされている。第三作目で少しだけ第一作目の雰囲気を漂わせる場面がいくつか見られた。
- 宮澤正はシリーズ作品では『ビーストウォーズⅡ』でシーコンズのシーラゴンを演じていた。
関連イラスト
(最古シリーズ)