概要
『トランスフォーマー』シリーズに登場するデストロン(ディセプティコン)の戦士である。G1、実写版、ゲームはそれぞれ別人であるが、戦車に変形することが共通している。
なお、同名のキャラクターは『スーパーリンク』にも登場している。
G1
コンバットロン部隊の一人。
スタースクリームにデストロン反逆者のパーソナルコンポーネント(人格を司るパーツ)を用いられて制作された。
同じ部隊のオンスロート、ボルター、ブレストオフ、スィンドルと合体する事で合体兵士ブルーティカスとなる。
スクランブル合体システムにより、ブルーティカスの手足として合体可能だが、アニメでは主に左脚に変形していた。
彼のボディには、ガダルカナル島で発掘された第二次世界大戦時のアメリカ軍のM36ジャクソン駆逐戦車、もしくは旧日本軍の四式中戦車の残骸が使われたようだが、パーソナルコンポーネントの影響なのか旧西ドイツ軍のレオパルト1戦車に変形するようになった。
他のメンバーに比べて一部のスペックがやや低かったり、ガーディアンとの一騎打ちでボディを破壊された際に他のメンバー共々スィンドルによってパーツを売り捌かれた挙句、ジャンク扱いされて捨てられたパーソナルコンポーネントを大学生に拾われ、彼らが作ったロボットに取り付けられたりと、不遇な扱いが多い。
また、メンバーの中でもとりわけブルーティカス関連の作画ミスに巻き込まれる事も多く、『2010』では撤退の際にすぐ後ろを同サイズのブルーティカスが走っていたり、彼の遠征中にガルバトロンが後ろで棒立ちするブルーティカスと会話しているシーンがよく見受けられた。
更にはセイバートロン星に帰還したメガトロン達を襲撃したはずが、直後スィンドルと入れ替わっていた…なんてことも。
実写映画版
自身の質量とエイブラムスの質量が一致せず(おそらく彼の方が重かったのだろう)不完全なスキャンとなったため、変形時は実際のエイブラムスには存在しない武装がいくつか装着されている。
ロボットモードでも腕に装備したガトリング砲や鉄の鉤爪、肩のミサイルなど、全身が武器の塊となっている他、銃撃をものともしない頑丈な装甲を持っている。
密かに地球に侵入して米軍基地に潜伏しており、スタースクリームの集結命令に応じて決戦の場に駆けつける。
オートボットとレノックス隊に奇襲をかけたスタースクリームに続いて攻撃を仕掛けるが、アイアンハイド、ジャズ、ラチェットの連携攻撃でミサイルポッドと左腕を失い、レノックス隊の集中砲火を受けてダウン、一時戦線離脱する。
その後復帰してレノックス隊を追い詰めるものの、脚部を損傷したバンブルビーと、彼をレッカー車でけん引したミカエラ・ベインズが駆けつけ、二人の連携によりスパークを撃ち抜かれて敗れ去った。
交錯し混乱を呼んだ名称
当初は「ブロウル」名義で登場が予定されており、玩具の名称や発表の際もそれが用いられていた。
しかし、映画会社と玩具メーカーの通達ミスにより、映画公開直前で突如名前をデバステーターに変更され、劇中でも思いっきり「デバステーターも向かう(Devastator reporting)」と名乗ってしまった。
これに対し、タカラトミーの担当者は「正式名称はブロウル。映画はDVDで修正するかもしれない」とホビー誌でコメントしていたが、結局修正はされなかった。
これにより彼の名前はどちらなのか、ファンの間では一時期論争が勃発した。
その後、続編の『リベンジ』にてデバステーターという名前の姿形が全く違うキャラクターが登場し、変形玩具も「ブロウル」の名称で発売された為、現在は落ち着いている。
そういった影響により、現在でもファンやタカラトミーは彼の事を「ブロウル(デバステーター)」(その逆もアリ)と呼ぶ事がある他、Pixiv上にもデバステーターの文字が入ったイラストが存在している(もちろん分かったうえで使用している場合もあるので、注意するときは慎重に)。
ちなみに、実写映画版のアーケードゲーム『トランスフォーマー ヒューマンアライアンス』内第2ステージ・サイドスワイプルートにて「ディセプティコン ブロウラー」と表記されている(こちらは大して問題になっていない)。
War for Cybertronシリーズ
(画像下の左から2番目)
CV:ノーラン・ノース
日本未発売のTPSゲーム『War for Cybertron』シリーズにも登場。
『プライム』と世界観を共有する本作においては、彼らコンバッティコンはセイバートロン出身のトランスフォーマーとして登場。
ブロウルはエイリアンタンクに変形し、他の4体のコンバットロンに先駆けて登場を果たしている。
『WFC』ではバリケード、メガトロンらと共に当時はオートボット所属だったスタースクリームが守護するダークエネルゴンを封印しているステーションに突入し、制圧後はアイアコンのステラ・ギャラリー(瞑想室)の襲撃にも参加している。
その続編となる『Fall of Cybertron(FOC)』では、前作と同一人物かは定かではないが、他のコンバッティコンと共に登場。
キャタピラを三脚のように変形させた砲台モードを披露した他、ブルーティカスに合体することも可能で、合体時はG1版同様に左足に変形した。
玩具『ジェネレーションズ』ではスクランブル合体が可能となっている。
1作目での性格は鬼軍曹そのものであったが、2作目では短気な性格で描かれており、玩具のパッケージの記述もこちらの性格が適用されている。
なお、本作のブロウルの吹き替えを担当したノース氏は、同作でもクリフジャンパーやブルーティカスのCVを担当したほか、『プライム』でもスモークスクリーンやスカイリンクス役として参加した。
日本でも販売され、矛盾はあれど『WFC』と『FOC』の間の物語と考えられている3作目『Rise of the DARK SPARK』にもコンバッティコンとして他のメンバー共に登場(尚、字幕では「コンバッティコン」では無く「コンバットロン」表記となっていた)。
今作のコンバッティコン達は重要アイテム「ダークスパーク」を回収したショックウェーブの護衛の任務についており、それぞれのメンバーが活躍する場面があるのだが、何故かブロウルだけはブルーティカス合体時にビークルモードで駆けつけるのみの登場となった。
因みにオンラインモードの「エスカレーション」では彼を操作することが可能である。
アーススパーク
33話と35話に登場。
デザインはG1に近いが、目がバイザー型では無くツインアイになっていたり、左腕に実写版を意識した鉤爪を装備していたりと細部が異なっている。
フィラデルフィアにて違法に開催されていたロボットバトルにてレーザービークが実況する中、グリムロックの捜索のために潜入していたバンブルビーと戦いを繰り広げていた。
大きなボディと左腕の鉤爪でバンブルビーを追い詰めたものの、小柄なバンブルビーの動きに対応出来ずにスープレックスを喰らってしまい敗北。
その後はマンドロイドにエネルゴンを全て抜かれた上に左腕を奪われてしまった。
因みにマンドロイドはその奪った左腕からミサイルを発射していた。
(これはロボットバトルに飛び道具禁止のルールがあったため、バンブルビーとの戦いでは使用しなかったのだと思われる)