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概要編集

2008年より発売。


先代であるZ33型からはエンジンの排気量を200cc増加させ、ホイールベースを100mm短縮させた。

また排気量が3.7Lとなったため、日本国外においては「370Z」として販売されている。

生産は日産自動車栃木工場にて行われる。


メカニズム編集

パワートレイン編集

エンジンには、CV36型スカイラインクーペと共通の「V6 3.7L VQ37VHR」型エンジンが搭載され、マニュアルモード付き7速ATと6速MTが組み合わせられる。

6速MTについてはZ33型と共通の愛知機械工業製FS6R31型トランスミッションを採用したが、フリクションの低減および軽量化が施されており、MTとしては世界初となるシンクロレブコントロールが採用された。

また7速ATはジヤトコ製のJR710E/JR711E型で、インフィニティブランドで販売されるFX50に次いで2番目の採用であり、日産ブランド車、あるいは日本投入車としては最初の7速AT車となった。


ボディ・シャシ編集

プラットフォームは、Eプラットフォームの中でも、特にCV36型スカイラインクーペのものが基本的なベースとなっている。

しかし、スカイラインクーペと共有しているのは前後サイドメンバーやダッシュロアなどのみで、ほとんどが専用に設計されており、ホイールベースが短縮されボディ後半部分は完全に新設計となった。


Z33型はリアサスペンション周辺の剛性を確保するためにトリプルメンバー構造を採用していたが、重量効率が悪いためにZ34型ではその構造を廃止し、構造の見直しを図った。

リア周りの剛性確保の結果、先代で問題視されたトランクルームを横切るフレームが取り止めとなり収納面での使い勝手も向上している。


タイヤについては「Version NISMO」も含め、全車にブリヂストン製のPOTENZA RE050が採用されている。


2012年7月のマイナーチェンジでは、ドライバーの意思に素早く反応するレスポンス性、高速走行や荒れた路面での安定性や乗り心地を同時に向上。

さらに「Version ST」とクーペ「Version S」ではブレーキパッドに新開発の摩擦材を採用したことで安定した制動力を維持し、耐フェード性を向上した。


デザイン編集

モデルチェンジするにあたり、フェアレディZのアイデンティティである「ロングノーズ」を表現するためにホイールベースが100mm短縮されることが決定された。


またロードスターに関しては先代同様ソフトトップが採用されたが、このショートホイールベース化に加えてソフトトップのサイズが長く、そして厚くなり、加えて先代のビニールからより畳みにくい帆布素材に変更されたにもかかわらず、荷室の容量が拡大されている。


空力性能も考慮されてリアスポイラー装着でリアゼロリフトも両立し、ロードスターについても風の巻き込みが抑えられてセグメントトップの空力性能を誇る。


「FAIRLADY Z」の車名ロゴに関しては「Z」の書体に新デザインのものが採用。

「FAIRLADY」については先代同様、NE-01を斜体化したものが採用された。


2012年7月のマイナーチェンジではフロントバンパーをロー&ワイドを強調した新デザインに変更し、LEDハイパーデイライトを装着した。


ラインアップ編集

グレード構成編集

ベーシックモデルの「フェアレディZ」のほか、

BOSEサウンドシステム、本革シートなどの豪華装備を標準装備する「フェアレディZ Version T」、

本格スポーツグレードの「フェアレディZ Version S」、

Version TとVersion Sの装備を両立した「フェアレディZ Version ST」

の4グレードが用意される。


トランスミッションはVersion Tには7速ATのみが、Version Sには6速MTのみが用意され、標準仕様とVersion STは7速ATと6速MTが選択できる。


Version NISMO編集

2009年6月に追加された「Version NISMO」は、エンジンに専用チューンが施され、標準車の336仏馬力から355仏馬力まで出力が向上されており、専用の補強パーツなどを装備し、剛性の向上と振動の減衰を両立した。

トランスミッションは標準仕様やVersion STと同様、7速ATと6速MTどちらも選択可。


特別仕様車編集

40th Anniversary/Black Edition

「40th Anniversary」は2009年10月から1年間の限定販売で、フェアレディZ誕生40周年記念特別仕様車として設定された。

クーペ「Version ST」をベースに、記念刻印付き専用シート・インテリア、リアエンブレムのほか、専用レイズ製アルミ鍛造ホイール、ブレーキキャリパーが装備された。


欧州市場でも2010年2月に「ブラックエディション」の名称で370台限定で発売され、こちらにはAT車も用意された。


370Zイエロー/370Zニュルブルクリンクエディション

「370Zイエロー」は英国で、「370Zニュルブルクリンクエディション」ドイツで発売された特別仕様車。

専用ボディカラーのアルティメットイエローが採用され、ボディサイドにはブラックの車名デカールが装着される。


モータースポーツ編集

2010年にはスーパー耐久にシーズン途中の第2戦からZ34が参戦を開始した。

なお本来Z34はスーパー耐久のレギュレーション上はST1クラスに該当するが、主催者側の特認によりウエイトハンデを乗せることで、従来のZ33同様ST3クラスへの参戦を認められている。


また米国においては「NISMO 370Z」をベースとした「BRE 370Z」が、2010年下旬にSCCA (Sports Car Club of America)のT2クラスに参戦した。


歴史編集

2008年12月1日

日本国内で発売。

2009年1月3日

北米市場で「370Z」として発売。

2009年6月17日

北米市場で「NISMO 370Z」が発売。

2009年6月22日

コンプリートカスタムカー、「フェアレディZ Version NISMO」の販売を開始。

2009年9月

欧州仕様特別仕様車「370Zイエロー」、「370Zニュルブルクリンクエディション」が発売。

2009年10月15日

日本国内でロードスターを追加。

同日、インテリジェントキーのロゴを日産CIから「Z」に変更するなどクーペを一部改良。

また特別仕様車「40th Anniversary」も発売。

2010年2月4日

欧州市場で特別仕様車「Black Edition」が発売。

2010年2月末

北米仕様「40th Anniversary」が発売。

2010年11月9日

一部仕様向上。

2012年7月18日

マイナーチェンジ。


受賞編集

2009年

あなたが選ぶカー・オブ・ザ・イヤー「スポーツカー・オブ・ザ・イヤー」

日本カー・オブ・ザ・イヤー「Most Fun」

グッドデザイン賞

2010年

「オートカラーアウォード2010」

グランプリ

エクステリア部門賞

ケリーブルーブック「ベストリセールバリュー賞」

モーターウィーク ドライバーズ・チョイス・アワード「ベストコンバーチブル」(ロードスター)

2012年

「オートカラーアウォード2013」

文化学園大学セレクション(外装色プレミアムサンフレアオレンジ・内装色パーシモンオレンジ)

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