誘導分岐
- ギリシャ神話に登場する狩人。オリオン座の由来。綴りはOrion。英語読みはオライオン。この記事で説明。
- 『SoundHorizon』のアルバム『Moira』の登場人物。→オリオン(SoundHorizon)
- 『Fate/GrandOrder』に登場するサーヴァント。→オリオン(Fate)(アルテミスと共にいる)
- 『Fate/GrandOrder』に登場するサーヴァント。→超人オリオン
- 『百神』に登場するキャラクター。→オリオン(百神)
- 『AMNESIA』に登場する精霊。→オリオン(AMNESIA)
- 『夢王国と眠れる100人の王子様』に登場するキャラクター。→オリオン(夢100)
- かつて存在した日本の電機メーカー。→オリオン電機
- 沖縄生まれのビールメーカー。→オリオンビール
- ダンボール戦機シリーズに登場するLBX(小型ロボット)の名称→オリオン(ダンボール戦機)
- イナズマイレブンオリオンの刻印シリーズに登場する組織→オリオン財団
- 『ヒューマンバグ大学』に登場するキャラクター。→祇園織文
- 『ドラガリアロスト』に登場するキャラクター。(CV:櫻井孝宏)
ギリシャ神話のオリオン
海神・ポセイドンとミノス王の娘・エウリュアレの間に生まれた息子とされる。ただし、伝承によって母親はアマゾネスの女王、地母神ガイアを母とするティーターンとする説もある。
剛力無双、抜群の狩猟センスの持ち主で、生粋のプレイボーイ。
オリオンはその美貌と強さを鼻にかけ、狩人として暴れまわっていた。
父親がポセイドンだからか、水上を自在に歩く事が出来て、絵画では棍棒を携えた姿で描かれる。
逸話
恋の狩人、その旅路
成人したオリオンはシーデーという美女を妻に娶った。しかしシーデーは自身の美容に驕って、女神達を引き合いにしてしまい、傲慢に怒った神々は彼女を冥府へと幽閉してしまう。
妻を喪ったオリオンは旅人となって諸国を遍歴し、酒神ディオニュソスの息子であるキオス島の王・オイノピオーンの娘メロペーに一目惚れする。
そこでオリオンは自分の狩りの腕前を披露し、沢山の獲物を狩ってメロペーへ献上した。しかしメロペーはオリオンを野蛮にしか思えず、オイノピオーンは娘の心を察してオリオンを亡き者とすべく、島を荒らす獰猛なライオンを素手で倒す事が娘を与える条件とした。
オリオンはこれを承諾し、ライオンを見つけるや自慢の剛力で絞め殺し、その皮を剥いで王へと献上する。本当にライオン退治を成功させるとは思わず、オイノピオーンは娘との結婚をはぐらかし続けた。その態度に業を煮やしたオリオンは、とうとう酔った勢いでメロペーをレイプ。怒ったオイノピオーンは、父神ディオニュソスに祈願してオリオンを泥酔させ、その隙に焼け火箸で目を抉って失明させ、海岸へ打ち捨てた。
失明したオリオンは途方に暮れ、ゼウスに祈りを捧げた。オリオンを憐れんだゼウスは神託を下し、「東の果てでオケアノスから登るヘリオスの太陽の馬車の光を受ければ治る」と伝えた。
オリオンは鍛冶神ヘパイストスの従者サイクロプスの金槌の音を頼りにまずリムノス島へ向かい、鍛冶場で新米弟子のケーダリオンを攫って道案内をさせ、東端のオケアノスに辿り着く。
そこで日の出を待っていると、暁の女神エオスがオリオンに一目惚れし、エオスはヘリオスに頼んでオリオンの目を癒してやった。
視力を取り戻したオリオンは、オイノピオーンへ意趣返しを決心してキオス島へ向かうも、オリオンの復讐を予見したヘパイストスが地下室を建造し、オイノピオーンとメロペーは難を逃れる。オリオンは「オイノピオーンは祖父であるミノス王を頼ったに違いない」と考え、クレタ島へと渡った。
アルテミスとの逢瀬、そして悲恋
クレタ島に辿り着いたオリオンは、そこでエオスと再会して恋仲となる。そればかりか、巨人アトラスの娘達で月と狩猟の女神アルテミスの侍女プレイアデス七姉妹にも惹かれ、彼女たちを追い回した。
これに対しアルテミスは「配下のニンフ達に手を出そうとした」と憤激し、オリオンに抗議するも、それ以来オリオンは次第にアルテミスに心を開くようになっていく。次第に仲良くなっていく二人を見て、アルテミスが誑かされてはなるものかと太陽神アポロ(アルテミスの兄)は地母神ガイアに相談し、オリオンを亡き者にしようと考えた。
ガイアは浜辺を歩いていたオリオンのもとに蠍を送り付け、オリオンの脚を刺させた。激痛に驚いたオリオンはサソリが追ってこない様に海に向かって逃げようとするが、アポロは遠方からアルテミスを唆し「お前がオリオンに誑かされていないと言うのなら、あの水平線上の点を撃ってみろ」と挑発した。アルテミスは矢をつがえてこれを撃った。
その夜、砂浜に打ち上げられた矢を受けて絶命したオリオンの骸を見たアルテミスは悲嘆にくれ、彼を空に上げて星座として残した。これがオリオン座である。
しかしオリオンを殺した蠍も、アポロンがその功績を称えて蠍座として空に上がった。今もなお、オリオンは蠍を恐れ、オリオン座と蠍座は決して同じ星空に現れないのだという。
最期に関する異説
オリオンの最期については上記が有名だが、いくつかバリエーションが存在する。
傲慢説
オリオンは、「自分より強い動物などいない、いるなら狩ってみせよう」と驕り始めてしまう。この態度に、今まで鷹揚に見過ごしていたガイア(もしくヘラ)も堪忍袋の緒が切れ、猛毒の大蠍をオリオンへと放った。
固い外骨格を持つ大蠍には、自慢の弓も棍棒も通用せず、足を刺されたオリオンは悶え苦しんで死んでしまう。オリオンの死を知ったアルテミスは嘆き悲しみ、彼を星座にして貰ったという。
浮気説
先の通り、オリオンは一時エオスと交際していた。
しかしオリオンはアルテミスと交際しながらも、女癖の悪さからアルテミスに隠れてエオスとも逢瀬を続けた。これを知ったアルテミスは激昂し、彼を鹿に変えて射殺したという。
一説にはオリオンとエオスが仲睦まじい姿を目撃してしまい、嫉妬から射殺したともされる。
その他
- アルテミスに一目惚れして円盤投げを挑み、身の程知らずと怒りを買って殺された。
- アポロンの信者である乙女オーピスに暴行を働いたため、アルテミスに射殺された。
- 殺されたオリオンをアスクレピオスに蘇生させるよう頼み込んだが、ハデスが断った為、蘇生は叶わなかった等の説もある。
元々、アルテミスは処女神である為、オリオンに恋をした所で結局、結ばれないのである。