俺の名前はオリオン。出来るだけ戦争に関わりたくない、殺し屋組織エルペタスのアサシンだ
厄介ですが、仕事を終えて1杯付き合ってくれるのならいいですよ
CV:ヤシロこーいち
公式サイトでの解説
エルペタスにおける絶対的存在。「人には理解できぬ天の悪戯」とまで言われる実力は、内外問わず畏怖されている。
赤褐色のナイフを使用して戦うが無駄な人死を嫌う。
任務を終えると愛する娘の元に帰る優しい父親の顔を持つが…その子は…。
概要
暗殺者集団「エルペタス」に所属する殺し屋。コードネームは「オリオン」。
「いっぺんアンタと飲みたかったよ」が口癖。
エルペタス幹部である世良蓮二郎、元エルペタスの戸狩玄弥とは同期。
誕生日は3月30日。
人物
基本情報
所属 | エルペタス 幹部(大丸靖公の直属) |
---|---|
コードネーム | 秋田犬→オリオン |
メインウェポン | ナイフ、チャカ |
主な部下 | 軍鶏 |
主な同期 | 世良蓮二郎(ドーベルマン→本名)、戸狩玄弥(柴犬) |
経歴 | 捨て子→エルペタスの訓練生→彩綾との出会い→エルペタス 幹部 |
外見
白に近い銀髪と白い肌をしており、銀色の眼と眺めの睫毛が特徴的な偉丈夫。白銀のスーツに星が記されたオレンジのストールを垂らしており、耳にはダイヤ形のピアスを付けている。
性格
ほとんどの暗殺者と同様に受けた依頼は感情抜きで実行していくが、無駄な殺人は嫌っている。殺害を指定されていない相手は極力殺さずに話し合いで相手を退かせようとするが、相手が一歩も退かずに立ち向かってきた場合は容赦なく返り討ちにする。
一方、暗殺絡み以外においては社交性溢れる気さくで明朗快活な人物であり、一人娘を溺愛する父性に満ちた好人物とも言える二面性を持っている。
暗殺任務に失敗した挙句に敵前逃亡をしでかした末端の部下も(相手や状況も大いに関係している事を加味した上で)心情に寄り添って許す、任務に失敗してもそれを活かしていけばいいと言う考えを持っていたりと、まさに理想の上司。故に、無闇な殺人は同組織の同僚とて例外ではなく、容赦なく仲間殺しを働いたミストとは、下手に顔を合わせれば一触即発となるほど険悪である。一方、闘いに敗れてボロボロになったミストを自分が背負って介抱する等、根っから嫌っているわけではない。
自身を育てた大丸への恩義はとても強いが、組織が掲げる政治的指針にはそこまで興味がなく、意見を口にする事はない。
仕事以外では「思い立ったが吉日」を地で行く男で、銀田家との対立関係が解氷すると、鵺一族の頭領である俊也に真っ先に会いに行った。
また、立場的には正反対の伊集院茂夫にも本気で飲みに誘っている。
コミュニケーションでも相手の心の機微を読み取る洞察力にも優れ、どんな相手とも仲良くなれる非常に社交的な性格である。
非常に負けず嫌いであり、かつての敵対関係とは無関係に、瓜生と戦いたがっていた事が明かされた。
瓜生も同様に自分より強い者を認めない性格であり、バースに次ぐ友人かつライバル的な立場になりつつある。
娘に対する溺愛振りは親バカと言える程で、普段は子供に優しい一方、娘が関わると10歳にもならない少年に対しても嫉妬心を燃やす。
数年後、娘が思春期を迎えた時に、「俺より強い男以外認めん」などと言い出しかねない程である。
能力
Xの投稿では「エルペタス史上最も強い男」というなんとも恐ろしい前振りがされている。
世良蓮二郎や雷電をも上回っているということもあり、バグ大ファンの間では早くも鶴城史之舞や鵺兄を凌駕し作中最強ツートップとされる伊集院茂夫や瓜生龍臣に匹敵する実力者ではないかとの声が上がっていた。(描写が増えてきた現在では最強格下位といった評価に落ち着いている)
作中でも古くから忍びの一族として高い戦力を持っている紫吹一族、鵺一族、雷一族の戦闘者複数人を無傷で抹殺している。
本人曰く「生まれつき足腰が強い」ようで、相撲における組み技系の格闘技も滅法強い。幼少期から大人を投げ飛ばせるほどの力を手に入れていた。
本編でも「人には理解できぬ天の悪戯」と称される才能と実力を持つとアナウンスされている。
最も恐るべきなのは、ヒューマンバグ大学のキャラでも最強レベルのフィジカルであり、それに戦闘力も加えれば、武闘派極道&半グレトップクラスの和中蒼一郎・戸狩玄弥・城ヶ崎賢志・我妻京也・小林幸真・一条康明・守若冬史郎・伊武隼人をも上回るレベルである。
現に、裏中国拳法の巨頭として裏社会でも非常に恐れられ、翠蘭を撃破し伊集院とも互角に戦った元雲嵐の崩拳を含めた強烈な攻撃を4度喰らっても耐えきって戦闘を続行し、最終的に敗北へと追いやっている。
タフネスも作中トップレベルで、鋼鉄の戸狩をも超えかねない肉体強度や骨密度を誇る。その耐久力を活かして敵の攻撃を強引に耐え抜き、攻撃パターンをつかむ順応力も傑出している。
ナイフによる剣術においても、相手の防御諸共断ち切る『剛剣』と神速の如きスピードで正確に相手の急所を狙い切り裂く『速剣』を適材適所に使い分けており、それらを混ぜた戦術のクオリティも驚異的の一言に尽きる。
加えて殺気を消す能力もかなり高く、殺気を消した状態であれば(自分の顔や名前をまだ知られていない段階とは言え)瓜生や香鈴ですらも彼の正体が殺し屋であることや代々忍者家系である(現統領の兄者以外の)鵺の一族さえ近くに立たれても気づけないほど。同時に相手の立ち振る舞いや動き方を見るだけで暗殺者を始めとする戦闘経験者かそうでないかを適切に見極める洞察力も相当鋭い。
人間関係
エルペタスでの同期。
よく相撲で対決していたらしいが、本編登場前までの戦績は84勝3敗と祇園が圧勝しており、本編初登場回での試合により戦績は85勝3敗に更新された。
「娘と過ごす時間が至福の時間」とナレーションされるほどオリオンは彼女のことを溺愛しており、彼女の存在こそオリオンがどんな過酷な任務からも必ず帰ってくる大きな理由の一つとなっている。
後述の通り、過酷な家系の中で生まれ、後に引き取り実の娘のように育てていく。
エルペタスでの同僚。
任務などでどうしても外せない時彩綾の面倒を見てくれる謂わば女房的存在。明確な好意は不明だが溢れ出す母性に惚れたのか彼女にプロポーズをするも子持ちはお断りという建前で振られた。(だがもっとも彼女は純粋に彼のことが好きらしく、出来たら純粋に一人の女性として付き合って欲しかった様子。)
エルペタスでの元同期。天王寺組シリーズの主人公格。
お互い非常に仲が良く、組織内で楽しく話すなどの関係であった。戸狩が組織を脱退した時も笑顔で見送っていた。
自分とは違い母親の顔を知っていることに常日頃羨ましさを感じていた模様。
エルペタスでの同僚。実名は慎吾(名字は不明)。生い立ちのせいもあり自由人タイプのオリオンと違い自他共に厳しすぎるほど超ストイック。考え方の相違などから極めて関係が悪かったが、最近はミストも一定の敬意を持って接するようになった。
エルペタスのトップ。祇園織文の直属の上司でもある。
祇園からは、「自身が人間性を保てているのは大丸が愛情をもって接してくれたおかげだ」と感謝されており、上下関係抜きで慕われている。
過去
過酷な出生 父親になった日
- 2024年1月31日付けの動画(祇園織文)
「俺は実の両親の顔を知らない。お袋は生まれて間もない俺を赤ちゃんポストに入れて逃げたらしい」
エルペタス陣営で初のナレーションに抜擢された。
生まれてから両親の顔を知らずに生まれ育った。
出産した母は赤ちゃんポストに産後間もない自身を入れて失踪し、さらにそこは裏で人身売買を行う悪徳病院だった。
大丸「健康で優秀な赤子だ。私たちが引き取り育てよう」
しかし、後の上司となる大丸によって引き取られ、エルペタスで衣食住を与えられながら生活していく日々を送るも、過酷な訓練を叩き込まれ続け、家族を知らないこともあって精神はすり減っていった。
大丸「織文。それぞれ人には生まれ持った使命がある。目の前のことを必死にやれ。必ず生きる意味を見出せる」
しかし、大丸からは愛情持って接されたのもあって真っ当な人間性を保てていた。
大人の教官に勝てるくらい成長した16歳になったある日、初の暗殺ミッションを受け売国奴の政治家抹殺を命じられ、当然のように完遂する。
大丸「あの赤子が大きくなった。酒は人を写し出す鏡、酒席は本音を聞ける場だ。お前も早く飲めるようになれ」
そんな自分の成長を大丸は喜び、たびたび食事に連れて行ってくれた。また、同期には自分と肩を並べる程の柴犬やドーベルマンこと世良がおり、天才ゆえの孤独感に苛まれる事もなく彼らと過ごす日々も楽しいモノと思えるようになった。
柴犬「すまんな、普通に生きてみるわ。できるかわからんけど」
「上に認めさせたのがすげえよ。何年かして生きてたら一杯行こうや」
柴犬「そうやなぁ。どうやって連絡するか知らんけど、テレパシーでいこか」
(ぼっちな運命なんかねぇ……)
20歳になったある日、柴犬が組織を足抜けする。明るく見送るも、天涯孤独を恐れる気持ちだけは拭いきれずにいた。
その後は一般市民を巻き込むテロを繰り返す極左テロリスト夫婦の抹殺任務に動き、完遂して帰路に着こうとする中…
「なんだ……?」
一つの泣き声を聞く。その声に向かって部屋に入ると…
「おいおい…… これはあのカップルの子だよな?」
そこにいたのは、生後間もない赤ちゃんであり、後の娘となる彩綾だった。
「リサーチミスか! 赤子がいるなんて聞いてねえぞ! どうなってんだ!」
(この子、俺が帰ったら死んじまう。どうしろってんだ)
情報収集担当にリサーチミスを責めるも、極左家系出身の赤ちゃんを放置すればいずれ死んでしまう事を危惧し何とかしようと思案し行動する中…
彩綾「ばあぁ……」
「もしかして、捨てられたくないのか?(この子は俺だ…… 同じ地獄を見る必要はない)」
無邪気に自身の指を掴んだ彩綾を見て、親に愛されずに捨てられた自分を重ね合わせるとともに父性が芽生え、自ら育てる決意を固めるのだった。
面倒見のいい同僚の女性アサシンである鈴蘭のサポートも受けつつ、彩綾を一生懸命に育てていた。
大丸「桜井が組織を裏切り敵側政治家に寝返ったようだ。オリオン、お前に抹殺を頼みたい」
「わかりました大丸の旦那。1つだけわがままいいですか? 今回、相手も強いということで…… ちょっと色付けてもらってもいいですか? 娘におまんま食わせにゃならんので」
桜井と言うエルペタスでも当時最強として知られる実力者が敵側政治家に裏切りその抹殺を命じられる。
「やっぱ俺が憧れた人は…… ゲフッ…… めちゃくちゃ強かったなぁ……」
桜井「ゲフッ…… 負けたよ…… オリオン」
「お前の強さは…… まるで天の悪戯だよ…… 悔いはない」
「桜井さん…… 俺はアンタとまた飲みたかったよ」
実力は互角の戦いだったが、勝ったのは血にまみれた自分であった。同時に自身が組織最強の名を冠するようになったのであった。
活躍
本格的な初登場。
エルペタス最高権力者である大丸の依頼で、組織の野望に反抗する政治家である銀田栄山と同じく穏健派の有力者である現職議員の山里慎太郎の抹殺を依頼される。
忍者家系を持つ「紫吹一族」にして山里の護衛3名を無傷で抹殺し、最終的には山里を葬った。
後に大丸の依頼で株式会社モーリーに与する元雲嵐の抹殺に向けて中国に発つ。
先にだって元を討つために動いた構成員2名の討ち死にを受けて逃げた1名を強引に引き留めて後に飲みに行き幹事役を任せた後に元と問答の末に戦闘に発展する。
一時は元の凄まじい中国拳法の前に翻弄されかけるも、持ち前のフィジカルとメンタリティーを以て盛り返す。
元の痛烈極まりない崩拳を数度受けても最終的には自身の強さで跳ね除けて完全な勝利をもたらす。
命を獲る事は叶わなかったものの、元に当分の戦闘や行動不能のダメージを与えた事を確認してその場を去る。
その後、ナレーションで「あれほどの人間を殺すことになる」と予告された。
今回の戦闘で臓器に損傷、右手指2本骨折、頸椎捻挫、下肢一部筋断裂の重傷を負っているものの、逃走した構成員と飲みに行った模様である。
元雲嵐との戦闘で重傷を負った祇園だが、ある程度回復したところで視察目的で瓜生龍臣が経営するメロンパン屋に「ただの客」として訪れる。
殺気を完全に消していたこともあり、瓜生たちにエルペタスの殺し屋であることはバレなかったが、殺し屋稼業に負い目があるからなのかメロンパンを食べた際には例の如く変顔を晒すことになった。
この瓜生が作ったメロンパンを食べた後に完全に心が浄化された鶴城史之舞と違い改心とは言い切れないものの、純粋にメロンパンは美味しいと高評価を出し箱買いして帰って行った。なお、この二人と対照的に瓜生のメロンパンを食べても全く感情が変わらなかった戒炎トップである我妻京也の不気味さに拍車をかけたと感じたリスナーもSNS上で散見された。
終盤に登場。
同僚であるミストが標的を殺し損なった部下のアサシンが実力差に怯えて逃走したところを粛清した報告を聞いて咎める。「生き残るのも任務であり命があれば経験を活かすかもしれない」と諭すも、当のミストからは自身の考えを否定する考えを聞かされ事を構えかけるも、大丸の一喝でその場は収まった。終始生意気で不遜な態度を取り続けるミストに「調子乗ってたらその内しばく」と言い捨てた。
「ゴミ共、女手一つで子供を育てるのがどんだけ大変だと思ってんだ」
イヌワシに続き、エルペタス陣営の伊集院シリーズ出演はオリオンで二人目となった。
母子家庭ながら山菜取りしながら弁当屋を営み懇意にしていた波多野結衣子の母を殺した快楽殺人犯の壬生の粛清に乗り出す中で伊集院とかち合う。伊集院が拷問ソムリエである事を知っており、自分の怒りよりも娘の怨嗟を背負っている彼に任せるのが良いとして、「譲る代わりに今度飲みに行かねえか」と約束を取り付けて話をまとめる。
後に壬生が仕切る半グレ組織の構成員を凄まじいナイフ捌きで両腕両脚を切り裂き始末した。その実力は伊集院をして「猛者中の猛者」と認めたほど。
なお、今まで伊集院がぶつける圧に怯えず向き合ったり逆にぶつけてくる者は何人かいたものの、伊集院に自ら馴れ馴れしく接してきたのは彼が初めてである。その様子を見ていた流川隆雄は少し嫉妬していた。
秋月義一を殺害され暴走した雷一族が銀田栄山の一族の銀田隆史を狙ったことで鵺の一族も暴走し彩綾が鵺一族の下忍たちに拉致される。これに大激怒し鵺一族を始末する。そして怒りの矛先は雷一族に向き雷一族の下忍たちも殺害した。そして、鵺兄と戦うことが予告された。なお、雷一族は隆史を狙った時の所業が原因でエルペタスから同盟を切られた。
彩綾の入院見舞いを終えた後、娘をやられた怒りを滾らせながら鵺一族の構成員を始末していき、諜報員の調査結果から、鵺一族の現統領である鵺兄を狙う作戦にシフトする。自身を慕って協力してくれる軍鶏と共に議員会館に張り込む中、鵺兄の主君である銀田栄山を乗せる車を補足して奇襲をかける。襲い掛かるも、鵺兄の体術と戦術によって出鼻を挫かれ先制を取られてしまう。
追いかける中で鵺兄が栄山ではなく自分が狙いと悟り、護衛を増援に引き継がせて前に出て来る。
鵺一族の現統領にして歴代最強の忍である鵺兄との地獄のような死闘が幕を開ける。
エルペタス 現役最強の戦士 VS. 鵺一族 歴代最強の忍 衝撃の結末
「銀田はいい…… 俺はテメェらを殺しに来たんだ」
鵺兄「出来もせぬことを…… 大言とは未熟の証」
遂に鵺兄と激突。手裏剣や粉塵爆発、そして隠形に翻弄され、背中を深々と斬られるなど防戦一方となってしまう。
「何してくれてんだこの野郎……」
鵺兄(何という肉の密度…… 骨は斬れておらん。致命には遠い)
しかし、その傷を意にも介さず、強引に鵺兄の懐へ侵入し、凄まじい一撃で吹き飛ばす。
「テメェにも赤い血が流れてんじゃねえか…… ならよぉ…… 子供の痛みぐらいわかるんじゃねえか!!!」
接近戦を嫌う鵺兄に再度飛び込み、剛剣と連撃の凄まじいコンビネーションを仕掛けるが、鵺兄には一度見られただけで見切られてしまう。
鵺兄「もう満足したろう…… さあ奈落へ落ちる時間だ」
「ここからだよ馬鹿野郎!」
それでも鵺兄を睨みつけ、戦いはまだまだ続いていく。
「可愛い娘が待ってんだ。悪者を退治してパパは帰るんだ」
鵺兄「鵺を背負う者と向き合えば死しかない」
鵺兄との激闘は続き、何とかその身体を捕えようとするも攻撃は見切られてしまい有効打を与えられないが、異常なほどの脚力を以ってタックルをぶつける。
「なるほど。俺を踏んで飛んだってわけね」
鵺兄「いかなる攻撃を試みようとも…… 私の前では無に帰す」
それでも鵺兄は攻撃を受け流し、次々と連撃を躱していく。
そんな鵺兄の実力を受け、敢えて正面から悠然と歩を進める。
鵺兄は忍者刀による凄まじい打突を繰り出すが…
「見えてきたぜ」
驚異的な集中力でそれを躱し、合気による投げも強靭な足腰で耐え、遂に一撃を喰らわせる。
「よく聞けよゲスの親玉…… パパは絶対に負けねえんだ。可愛い娘にでっけえ傷つけられてるんだ。強いパパが仇を取るんだ」
鵺兄「娘に傷…… それは何だ?」
「"それは何だ"だと? この鬼どもが…… 娘の背中に十字の傷をつけやがって…… 毎晩痛がって泣くんだ! まだ6歳なんだ!!」
鵺兄「なに……」
その瞬間、衝撃の事実に思わず動揺し憤怒の表情を見せる鵺兄の隙を突き、防御ごと顔面を斬り裂いてみせた。
「そりゃあキツイだろ…… これは形勢逆転だな」
その一撃は鵺兄の左眼を完全に斬っていた。
鵺兄「来い。私は一族を守る。それが生を受けた理由だから」
「うるせえ…… 俺には娘を守る世界最重要の義務があるんだ」
両者の戦いは、ついに決着を迎える。
鵺兄「来るがいい…… 私は命を賭してでも一族を守る」
「大した精神力だが片目じゃ俺を抑えられねえ」
左眼を潰したことで戦闘を有利に進め、動きの精度が落ちた鵺兄の顔面に膝蹴りを打ち込む。
それでも直撃を避ける鵺兄が片眼に慣れる前に倒そうと考え、遂に腹を深々と斬り裂く。
鵺兄「一族の未来のために…… そして守るべき栄山様のために…… 私は絶対に死ねんのだ」
それでも倒れない鵺兄は吐血を目潰しとして使用し、その隙に背後から斬ろうとするが、その一撃を受け止めてみせた。
しかも、そこは自身が得意とする距離だった。
「ありがてえ…… 懐だ」
「これで決着だぁあああ!!!」
鵺兄「ぐぉおおおおっ!?」
咄嗟に太腿を踏んで距離を取ろうとする鵺兄の脚を払うことで体勢を崩し、最後の切り札である強烈なタックルをねじ込んだ。
鵺兄「ゲフッ……」
「すまんが容赦はできねえ(だがこの男、本当に幼子を傷つけたのか?)」
倒れ伏した鵺兄が本当に彩綾に危害を加えたのかを疑問に思いつつもトドメを刺すべく歩み寄る。
しかし…
智也「兄者から離れろぉおおお!!!」
そこに智也が乱入し、煙幕を炊かれて鵺兄を回収されてしまった。
「やられた…… 今のは対応できねえわ」
自身の重傷のせいで追いかけることは出来なかった。
鵺兄との戦闘で重傷を負ったため、病院で療養することになった。
鈴蘭とともに見舞いに来た彩綾に「もう怖いおじさんたちはこない」と元気付けるが…
彩綾「怖かったけど、見えなかったけど、1人のおじさんがすごく怒ってね、彩綾をパパのところに返せって言ってたよ」
彩綾の言葉を受け、鵺兄が娘に危害を加えたわけではないことを確信した。
今までもミストと逃げた仲間を殺すかどうかで口論していたが遂に戦いに発展。
ミストの体術に苦戦していたものの強引に頭突きをねじ込み、戦いはさらにヒートアップするかに見えたが、軍鶏が呼んできた大丸が間に入ったことで収まった。
鵺一族の本家を突き止めて潜入し、女鵺に見つかり攻撃されるも簡単にあしらう。
鵺兄「我が一族の敷地に入る…… それは黄泉へ足を踏み入れたのと同義」
そこへ現れたのは復帰した鵺兄であり、凄まじい隠形で背後を取られて斬られてしまう。
「だがよぉ、俺の狙いはアンタじゃねえんだ。俺の狙いはエルペタスの親族までも攻撃対象にした外道なんだよ」
その時、鵺一族の先代当主と相談役が現れる。その姿を見た途端、彩綾を傷つけた張本人だと確信し攻撃を仕掛けるが、間一髪躱されてしまう。
そればかりか相談役は彩綾の写真を突き出し、一生娘を狙い続けると脅す。
「ジジイィイイ……(俺が暴れたら一生狙うのか…… どうする?)」
彩綾の安全を考えて手を出せないでいたが…
鵺兄「オリオン…… 先ほどの答えが出たようだ」
鵺兄「爺…… あなたはもう変われない」
次の瞬間、鵺兄が相談役を容赦なく斬り捨てた。
予想外の状況に混乱するが、鵺兄から関係者には手を出さないが、銀田栄山を狙うことは許さないと宣言され、本家の屋敷を後にした。
和解と酒席 そして新たな因縁へ
「どうだい兄ちゃん、一杯やらねえか? 酒は全てを洗い流すってな」
鵺兄「……わかった。行こう」
再び鵺一族の本家へ侵入し、鵺兄と話がしたいと直談判し、さらに飲みに誘った。
本来ならば絶対に誘いに乗らない鵺兄だが、彼も負い目があったため、その誘いを受ける。
場所を移し、美しい藤棚の下の椅子で盃を交わした。
鵺兄「我が一族の者が令嬢に手をかけたこと、心より詫びる」
「6歳って凄くて、傷とかすぐに消えるのよ。もう瘡蓋も消えてる。多分痕は残らねえ」
「謝ることじゃねえかもしれねえが、俺はアンタの片眼を潰しちまった」
鵺兄「私の片眼など安いものだ。もしこれで許してくれるなら、ただありがたい」
「片眼失っといてよく言えるなぁ…… ホント器が違うわ」
お互いに謝罪し誤解を晴らし、因縁は終わった。
しかし…
元「オリオンこと祇園織文…… 必ずや探し出す。この元雲嵐、負けたままで終わったことなどない」
新たな因縁が幕を開けようとしていた。
瓜生に倒された世良の見舞いに訪れる。
世良の再起を心配すると共に、親友である世良を倒された事に悔しさを滲ませた。
そして、世良が倒された今、瓜生とぶつかるのは自分になるであろう可能性に覚悟を見せた。
終盤に登場。
バースとの戦いに敗れ、倒れたミストを抱えて病院へと運んだ。
エルペタス 現役最強の戦士 VS. 御前直下のアサシン達 怒りの大立ち回り
御前こと、御堂鋼作との会合に出向く大丸に護衛として同行する。
しかし、モーリー殺害を望む御堂は進捗が進んでいない現状を良い事に、同僚アサシンである世良やミストを駄作呼ばわりされた事で、自身だけでなく、大丸も激怒していた。
そして、大丸の判断で御前の殺害を命じられ、遂にその刃を抜くのだった。
突進する自分に対し、御前直下のアサシンである周防律に乱入され、驚異的な実力を前に劣勢となりかけるが、自身の凄まじい頑強さと機転によって距離を空けさせる。
同僚や上司である大丸を散々侮辱された事に憤るその斬撃は、遂に御堂を両断し、その命を刈り取るのだった。
冬馬辰之進に乱入され、余計に不利となってしまうが、手榴弾を活かして大丸と共に脱出に成功する。
この時、帰路に着く中で周防と冬馬は主人である御堂が殺されたのに全く動揺していない様子に違和感を覚えていた。
- 2024年9月28日の動画(世良蓮二郎→瓜生龍臣)
御堂邸から命辛々本部へ帰還。
大丸の口から、御堂に謀反を起こした事を聞かされ、世良は驚きの余り脚の怪我も忘れて立ち上がる。
それを見た祇園が、どこかで見たようなリアクションをした。
その後、世良のお膳立てによって作られたモーリーとの話し合いの場で、2023年12月4日の動画以来の瓜生との再会を果たした。
瓜生との激突が予想されていたが、その前に御堂への謀反事件が起こった為、結果的に現実になる事はなかった。
関連タグ
瓜生龍臣、鶴城史之舞 - かつてアサシンギルド「CODE-EL」にて名実ともに最強の殺し屋とされていた男たち。このうち鶴城に関しては「敵組織における武闘派最強枠」という点も共通している。一方の瓜生に関しては、かけがえのない存在(瓜生はメロンパン屋の師匠、祇園は娘の彩綾)を敵側の人間に殺されそうになったことで激怒し、これ以上彼らが身の危険に晒されぬよう本格的に行動を開始した、という点が一致する。
犬亥鳳太郎 - 獅子王組所属の武闘派極道。武闘派としては冷徹非情だが、幼い娘の前では家族想いな一面を見せるという2面性を持つ敵キャラ繋がり。ただし犬亥の娘の梨香は実娘で彩綾は実娘ではないという違いがある。
西園寺健吾、別府 - 京極組所属の武闘派極道。この二人も家族思いで娘持ちという共通点がある。ちなみに西園寺由美子と別府祥子はそれぞれの実子。
阿久津敏朗 - 天羽組の先代若頭で非常な酒好きという類似点がある。祇園が同僚のイヌワシこと鷲尾孝徳の墓へ語りかけたセリフと阿久津が出棺前の工藤清志へ語りかけたセリフが奇しくもほとんど同じ。工藤もセリフこそ違うが真鍋組に殺された宮本の墓へ詣った時、酒を掛けているシーンがある。