キャラクター
CV:近石真介(1969年10月5日~1978年9月24日)(初代)、増岡弘(1978年10月1日~2019年8月18日)(二代目)、田中秀幸(2019年8月25日〜)(三代目)
主人公「フグ田サザエ」の夫。タラオの父。ワカメとカツオの義兄。波平とフネは舅、姑関係になる。
オールバックの髪型にメガネが特徴。
誕生年は大正6年、原作では32歳。アニメでは誕生年は設定されておらず、年齢も28歳となっている。血液型はB型。好物はてんぷら。
実家は大阪府大阪市住吉区。大阪出身だが、関西弁をほとんど話さない。
家族構成は母・兄(サケオ)。父は海難事故で失われており、原作では父の法事で帰省するエピソードが描かれている。
アニメで設定された学歴は早稲田大学商学部卒(ちなみに2浪)で、なかなかの高学歴である。学生時代は野球部でピッチャーであった。
大学卒業後、海山商事に就職。営業課に配属となり、階級は係長。デスクの隣席はアナゴである。
基本的には誰にでも優しくお人好しな性格。カツオやワカメにも慕われており、家族の潤滑油的存在。生真面目な一方、したたかな一面があり、上司にゴマをすったり、八百屋に巧みに言葉を使ってバナナを値切ったりする描写もある。ただし原作ではサザエを怒鳴りつけたり、連載初期は神経症で薬を常用していた描写もあった。アニメ版ではこれまで滅多にカツオやワカメを叱ることはない……のだが、2022年9月25日に放送された「マスオさん、怒る」という回では、カツオを「いくらいたずらでも、やっていいことと悪いことがあるんだぞ!」と厳しく叱った。マスオが激しく怒った原因は、マスオが縁日で買ってきたピストル型のライターを会社に持っていこうとしたが、カツオがいたずらで水鉄砲とすり替えていたことに気づかず、うっかりお得意先に向かって発射してしまい、必死に謝らなければならなかったためである。稀に波平のマネをして「バカモーン‼︎」という発言もする。
また、原作でもカツオを数度叱っており、カツオがマスオの大事にしていた古いネクタイで靴を磨いたときは、鬼の形相で拳骨で殴ったこともある。また、カツオの担任の先生が急病で学校を休み、その授業の時間が自習になったことをカツオが喜んだ際には、ものすごい剣幕で「しばらく部屋に行って反省したまえ!」と怒鳴りつけた。その剣幕の凄さに、タラオも思わず泣き出してしまった。
趣味は超が付くほど下手(ジャイアンリサイタルの如く一家が嫌がる描写もある)な楽器演奏と絵画。楽器は話によりバイオリンやビオラだったりする。このほか、ゴルフ(あまりうまくない)や読書などの趣味が作中でもたびたび描写され、とくに読書は一度読みだすと周囲が見えなくなるほど。推理小説を読んでいるとき、サザエがうっかりネタバレしようものなら猿ぐつわを噛ませ縄でぐるぐる巻きにした。
原作ではさらに多趣味で、アイドルや作家の収入を計算したり献血をハシゴするなどという妙なものもある。
喫煙者(銘柄は不明)。ただし、アニメでは時代の変化もあってのちに喫煙描写はなくなった。
特技は、お中元の箱を振っただけで中身を見抜くこと。見た目だけで饅頭の中身を当てることもできる。
さらにホットケーキをひっくり返すついでに自分もバック宙するなど運動神経が良かったり、足を組んだうえでさらに足の裏で耳をふさいで新聞を読めるほど体が柔らかい。ただし、泳げない。
また、手先の器用なサザエ以上に裁縫がうまく、機械いじりやガーデニングも得意としている。一方で日曜大工はそれほど腕がよくなく、棚の修理をしてもすぐ壊れていた。
原作では妻の従兄弟であり磯野家にたびたび出入りしているノリスケ同僚であり悪友のアナゴさんとつるんでいることが多い。マスオ本人は特にトラブルを起こしていないが、ノリスケ・アナゴ両名がなかなかの曲者であるため、一緒になって騒動を巻き起こすこともある。原作ではノリスケと一緒にそれぞれ凶悪犯と刑事に変装し「ここに死体を埋めたんだな」「はい刑事さん」と即興で芝居を打ち松茸をせしめた。
Pixivでのタグはフルネームより「マスオ」や「マスオさん」のほうが多く付けられている。
他のキャラクターは、ネタに走りキャラが大きく変化している作品が多い中、どういうわけか原典(アニメ版寄り)のイメージをそれほど崩さず描かれている作品が多い。
磯野家における立場
よく婿養子と勘違いする人もいるが「磯野姓ではなくフグ田姓」からも判るように婿養子ではない。妻の両親と同居しているだけである。
そのため「マスオさん」は「婿養子ではないのに妻の実家に住んでいる男性」を指す俗称にもなっている。もしくは「妻とその親族たちと一緒に暮らしている男性(夫の親族はいない)」を指す。
原作では当初サザエ、タラオと三人で磯野家の近所に別居していたが、借家を追い出されたことで磯野家に移ってくる。
追い出された経緯はマスオが借家の大家といざこざを起こしたことがきっかけではないかと推測される。(マスオは借家の垣根の板を風呂の薪に使った事がある。しかもマスオは「なにになさるのです」と聞かれ、まさかマスオも大家が後ろにいるとは思わず「薪にしようと思って」と大家本人の前でうっかりそのように言ってしまっている。ちなみに妻のサザエも大家に「家は売れたから出ていけ」と言われた時に彼をボコボコに殴り、その後波平が謝りに行った
妻サザエの父である磯野波平は義父と娘婿の関係だが、アニメでは、波平が現役サラリーマンということもあり、同じ商社マンとして話が合うようで、帰りがけに出くわしたときなどは繁華街に呑みに繰り出す仲である。
マスオは相手が年長者ということもあり礼儀正しい言葉遣いをするものの、必要以上に卑屈だったり、逆に波平が立場をかさに着たりすることはない。
むしろそのまま、揃って午前様をして自宅に鬼が2人という事態を招く仲の良さである。
なお、原作ではこの2人のこうした絡みはほとんど描かれていない。(ノリスケと一緒のことが多い。むしろ波平はマスオに対してやや遠慮している風である。ある蒸し暑い夏の日に、マスオが煎餅をバリバリ音を立てながら食べている、とあまりの暑さにイライラしていた波平が「うるさい!もっと静かに食えんのか」と怒鳴るとマスオが「すみませんでした」と謝る。そこで波平が「あ!カツオかと思ってつい…」と言う。最後にカツオが「なんで僕ならうるさくて兄さんならいいのさ」と文句を言うオチがつく。)
マスオさんの声
前任の増岡氏の卒業に伴い、田中秀幸氏が2019年8月25日放送分より起用されるものの、41年二ヶ月もの長い期間に渡り、増岡氏の演じるマスオさんが親しまれていたため増岡氏による「マスオさん像」が完全に確立されていた事、増岡氏の非常にインパクトの強い独特のかすれ声とは対照的に、田中氏の声質は癖の無い二枚目寄りのボイスである事からそのギャップに困惑する視聴者が続出、その違和感を呟くツイートが多数投稿されたことにより 10週連続で「マスオさんの声」がTwitterのトレンドに上がるという異例の事態が起きた。
これは、田中氏が悪いのではなく、増岡氏のマスオさんがハマり役すぎたのが原因と言えるだろう。
もっとも増岡氏は二代目であり、9年間マスオ役を続けていた初代担当の近石真介氏から引き継いだ当初は当時の両氏の声質の違いもあり、似たような立場で増岡氏も苦労していたと思われる。しかし二代目として初代の倍以上の期間、マスオ役を担当し続けた結果、定着したのがコレやコレなのだろう。
マスオの初登場は?
マスオは作者の長谷川町子が福岡から東京に移住した際の「サザエさん」の執筆を再開した時点で一家の一員としてタラちゃんと共に登場したとおもいきや…実はマスオは福岡時代にサザエの結婚相手として長谷川がパッとその場の思いつきで深く考えずに描いたものらしく、その為二人の馴れ初めのエピソードは後から描かれたとも。
ちなみに、執筆再開ではサザエが結婚した設定を引き継ぐ為にマスオが登場するのは必然だったのだが、この時長谷川はマスオの顔をすっかり忘れており、福岡時代に掲載していた新聞社の東京支社まで赴いて福岡での掲載されたバックナンバーを確認したらしい。
マスオの容姿のモデルは若くして亡くなった義弟(妹の旦那)が元になっているとされている。
余談
「潮吹アワビ」というマスオの不倫相手が存在し子供も身籠っているとの裏設定がSNSなどで囁かれて居るが、過去のネット掲示板で出たガセネタであり公式には設定共々存在しないので鵜呑みにしないことをおすすめする。なお、その証拠画像として上がっているのは、昭和末期に販売された「サザエさんふりかけ」のおまけのシールのキャラクターの画像を加工したものである。しかし、波野タイ子と不倫関係なのは事実であると現在も言われ続けているが根拠はない。
新聞漫画の著名作として次点に出てくるだろう『コボちゃん』の主人公・田畑小穂の家族構成も(磯野家ほど大所帯ではないが)母方の実家で、父・田畑耕二は義弟・義妹と同居こそしていないが、マスオと同じ立ち位置にいる。
魚の名前が元となった登場人物が多いうちの一人だが、カツオ同様、実は現実の人名での読みとして本当にある名前だったりする(例:益男・満洲雄・倍雄など)
関連イラスト
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サザエさん マスオ マスオさん びゃあ゛ぁ゛゛ぁうまひぃ゛ぃぃ゛
えええええ…彼が驚いた時の台詞。