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M1号

えむいちごう

ウルトラQをはじめとするウルトラシリーズに登場する人工生命体。
目次 [非表示]

もしかして→浜田雅功正田耕三


データ編集

種別人工生命
身長2m(『Z』での巨大化時は40m)
体重180kg(『Z』での巨大化時は2万1千t)

概要編集

地底超特急西へ

第10話「地底特急西へ」に登場。

ゴリラオランウータンを思わせる、大型類人猿のような姿をした人工生命体。


元はゼリー状の物質として生み出され高圧力をかけたカプセルで保管されていたが、手違いから地底特急「いなずま号」に持ち込まれカメラのフラッシュを刺激として急成長、上記の形態となった(なのでガラモンに顔が似ているのは偶然である)。

好奇心から「いなずま号」のシステムを弄繰り回して破壊してしまう。

暴走の結果、爆発炎上した「いなずま号」から放り出された後は宇宙空間を漂うことになった。


いつもの鳴き声は「アブアブ」などと聞こえるが、この時だけ 「私はカモメ、私はカモメ」 と人間の言葉を発している(書籍によっては宇宙空間に投げ出されたショックで知能が覚醒したとしている)。

なお、この台詞は後に初代ウルトラマンの声を担当する中曽根雅夫氏によるものである。


宇宙へ放逐された後の消息については長い間不明のままだったのだが……。


能力編集

知能は人間で言えば幼児程度で性格もユーモラスかつ好奇心旺盛。

ブルドーザー20台分の怪力の持ち主。


外見編集

不気味と見るか、愛嬌があると見るかは人次第。

顔は渥美清をモデルにしたという説があり、『ウルトラゾーン』では男はつらいよ八つ墓村のパロディが行われた。


『Q』の100年以上後が舞台の「大怪獣バトルウルトラアドベンチャー」では、いなづま号の改良型の車掌がM1号にそっくりな姿で書かれている。


初期デザイン編集

人工生命体M1号デザイン画バージョン

成田亨が描いた初期デザインではエド・カーティアのベムに似た昆虫に手と足が付いたような外見をしており、画像の準備稿でようやく類人猿に近いデザインとなった。

当時の雑誌『ぼくら』にこの準備稿が掲載された際は、M2号として紹介されている。


その後の作品での登場編集

ウルトラゾーン編集

『ウルトラゾーンチャンネル』では主人公を務める流離の怪獣としての登場。宇宙空間をさまよっていたが、地球へ帰還する。

バナナの叩き売りや、薬売り(原料は自分の体液)、コントグループ「フラミンゴ」の新メンバー、用心棒、射的のアルバイトなど職を転々としている。寂しがりやで母親の存在を求めているが、当然ながら人工生命体に母親などいるはずもなく、架空の母親のイメージを重ねた相手を追いかけ回してしまう。それがOLであろうが、男性であろうが、見境がない。

ラゴンケムール人と同居していた時期もあったが、ラゴンが家庭を持つようになってからは彼女らの下を去っている。

完結編では過去に母親を失った元締めと奇妙な友情が生まれ、彼とともに宇宙へ飛び出し、漸く寂しさから解放された模様。


ハリセンで叩き売りを行うだけでバナナを爆破したり、握りつぶした人間を小さくするなどの特殊能力を習得している他、辛いものを食べ過ぎたり、ダンスなど何らかのきっかけで突如宇宙へ飛び出すなどの怪現象が起こっていたが、原理は不明。


バナナを叩き売りで知って以来、好物になっているが、彼はではない。


基本的にセリフの類は少ないが、名探偵として登場する回では刑事からも一目置かれる推理力を見せているあたり、知能はそれなりにある模様。


ミニコーナー「怪獣漫才」で巨大猿ゴローとともに漫才コンビ「M1ゴローズ」を組んでおり、相方に容姿が人工生命なのに近所のおばちゃんくさい事を弄られていた。原作の出来事を覚えているらしく、昔は喋れなかったとのこと。


ウルトラマンX編集

人口生命体 M1号(X版)


ゴモラはやっと自分の体を取り戻したのだ。なのに何故自由を奪う?」


「人間らしい考え方だな。都合の悪いことが起こると誰かが悪意を持ってやっていると考える。

  自分たちがいつもそうしているからだ。私はそのようなことはしない」


「これが人間だ。共存などと言いながら都合が悪くなれば平気で排除する。

  思い知れ、人間は他者と共存など出来ぬ!共存出来ぬ者は滅びゆくだけだ」


CV:飯塚昭三

第19話「共に生きる」に登場。


後述の『ガキの使い』へのカメオ出演や『ウルトラゾーン』での出演などで一躍有名になった影響からか、とうとう平成ウルトラマンへの出演が実現した。もちろん、ウルトラ戦士との共演は今回が初となる。


かつて人間に作られたが事故によって宇宙に追放された人工生命体で、作中の描写からオリジナルの『Q』にて宇宙に飛ばされたM1号本人らしいことが示唆されている。

原典作品においては幼児程度の知能の持ち主だったが、今作においてはかなり知能が発達しており、人間の言葉も流暢に話すという、原典からの時の経過を感じさせるものになっている。他にもテレパシーを有していたり、相手を任意にテレポートさせることができるなど新たな超能力を得ているが、これが元々M1号に備え付けられていた能力なのか、宇宙のどこかで獲得したものなのかは不明。総集編では長い年月をかけて知能と超能力が進化したと語られている。


彼本人に悪意は無く、普段は地球の周辺でスペースデブリと共に宇宙空間を漂いながら思考している。かつて自身が地球から放逐され、そのまま見捨てられた(もっともその原因は上記の通り彼自身のせいでもある訳だが…)ことから人間に失望し、人間と他の生物との共存は不可能であると考えている。その事を証明する為、エックスサイバーカードを無効化する三角フラスコの中に軟禁するが、ダークサンダーエナジーの影響で凶暴化し、暴れ回るゴモラを必死に説得をしようとする大地アスナの姿を見て、何か感じるものがあったのかエックスを解放した。

そして、人類の未来を監視するとエックスに伝えた後、 「私はカモメ。空高く飛翔し、思考し続ける。私はカモメ。私は……」 と呟きながら再び宇宙空間を漂うのであった。


虚無と人工生命

まだ完全には人類を信じた訳では無いものの、人類と他の生物との共存に兆しを見出した彼であったが、皮肉にもその次の回においては人類との相互理解が不可能な怪物が出現することとなる。

そして最後の敵もまた、彼の言葉通り悪意を持たない意思なき存在だったのである。


なお、前述の通り『Q』のM1号本人であるかのように描かれていたが、『X』の世界は『Q』~『メビウス』までの世界とは別次元の世界と思われるため、詳細は不明である。作中では特に説明がなされていないこともあり、『X』に登場した理由については様々な解釈ができるといえよう(監督のアベユーイチ氏によれば「進化の果てに特殊な力を得たので、あそこに存在していたと思ってます」とのこと)。


また、声を演じる飯塚氏はメタルヒーローを始めとする東映特撮に数多く出演しているがウルトラシリーズへの出演は『ウルトラマンG』での吹き替え以来となる。また、国内ウルトラシリーズには(アニメ作品である『ザ☆ウルトラマン』を除けば)初出演となるが、2023年2月に亡くなったためこれが最後の出演となった。


企画段階ではM1号のいる場所は、いなづま号の残骸内や地上を映したモニターが多数置いてあるなどさまざまな案があったが、EXゴモラの特撮に注力するため、テーブルのみで表現する形となった。


なお、M1号の原典のスーツはスーツアクターの目が見えるような形になっていたが、本作では「究極の生命体」となった事を表現するために黒いつぶらな瞳を入れ、目に地球が映るという演出を行っている。


ウルトラマンZ編集

バナナだよ!

第20話「想い、その先に」に登場。

ストーリーのメイン怪獣としてTVシリーズに登場するのは『Q』以来であり、史上初となる巨大化&ウルトラ戦士との直接対決が実現する(一応過去には「ウルトラマン前夜祭」にて、他の怪獣達に混ざってウルトラマンと戦ったことはある)。


今作ではイナバ・コジローの娘であるイナバ・ルリが作り出した人工生命体として登場。国立生物化学研究所の一角で育成されていた。

細胞にはかなりの万能性がある為、将来的には医療への応用が期待されている。

ルリからは我が子のように大切に思われているほか、M1号自身もルリに花をプレゼントするなど、彼女を慕っている。

しかし、ルリの研究チームの中にいたクラタ(演:髙橋麻琴)が、M1号の細胞を狙う組織の一員で、彼らに連れ去られそうになる。

駆けつけたルリを守ろうとした際に組織のメンバー達によって配電盤に叩き付けられ、それをエネルギー源にして巨大化してしまう。


ストレイジの隊長ヘビクラの命で、ヨウコが搭乗するキングジョーストレイジカスタムにより麻酔弾を撃たれて眠るが、明朝8時に覚醒する上に3000m付近に市街地があることから、クリヤマ長官から駆除命令が下される。

当初ヘビクラとコジローは駆除命令に従おうとする(※)が、ルリの懇願と、ハルキ「俺達は怪獣を倒すために戦ってるんじゃない!命を守るために戦ってるんですよね?」という強い訴えにより、細胞分裂逆進剤を作ってそれをM1号に投与することで元に戻れるという可能性が生まれたことで、市街地に1000m付近まで接近したら容赦なく駆除することを条件に細胞分裂逆進剤の開発と、M1号の食い止め、そしてヘビクラによる上層部への説得が開始された。

なお、細胞分裂逆進剤の開発には、M1号が巨大化した際に外れた名札に付着した体毛が使われた。


※後にヘビクラ役の青柳尊哉氏のtwitterによると、駆除は基本路線で、ハルキ達が反論してくるのを期待して、あえて非情な態度を取っていたことが語られた。


しかし、明朝8時を待たずしてM1号は覚醒し、おまけに麻酔に耐性が付いたために麻酔弾が効かなくなる。

そしてこれより、ウインダムとキングジョーストレイジカスタムの2体の特空機と、ストレイジ整備班によるZATよろしくの珍作戦の数々が開始される。以下はその内容。


  • バナナだよ!捕獲作戦:バナナの臭いのするガスを散布して落とし穴に誘導 → すぐに脱出され失敗
  • ラグビーダブルタックル!作戦:特空機2機でタックルをかまし、物理的に侵攻を阻止 → パワー負けして失敗
  • 負けるな!綱引き捕獲作戦:アンカーでワイヤーを括り付けて引っ張り、侵攻を阻止 → 同じくパワー負けして失敗
  • 叩いて!踊って!ドン作戦:太鼓に見立てたドラム缶の音と踊りで注意を惹いた隙に捕獲 → 逆に興奮させ過ぎて失敗

ヘビクラ「はい…はい、すみません。はい、はい、すみません……」


そして市街地まで1300m地点まで迫った所で漸く細胞分裂逆進剤が完成するが、上層部が痺れを切らしてしまいこれ以上の時間稼ぎが出来なくなる。しかし、コジローが全責任を背負う覚悟で最後のチャンスを請い、諦めないハルキはウルトラマンゼット・ベータスマッシュに変身し、M1号を押さえ付ける。


現場に到着したコジローを乗せたキングジョーストレイジカスタムに操縦するヨウコの頼みを聞き、ゼットはデルタライズクローに変身してベリアロクのデスシウムクローでM1号を拘束する(ベリアロクはM1号を斬るつもりだったが、ハルキの懇願により渋々従った。またこの時、ベリアロクがM1号に「動くな!」と命令した時にはビクッと怯えたような仕草を見せている)。

そして至近距離に近付いたキングジョーストレイジカスタムの口からバズーカ砲を携えたコジローが現れ、細胞分裂逆進剤をM1号の口に目掛けて発射する。

細胞分裂逆進剤を飲んだM1号は元に戻り、自分を救ってくれたコジローに感謝のハグをするのであった。


今回の個体は『X』の時とは異なり、より原点に近い幼児並みの知能しか持たない無邪気な存在として描写されており、出生の違いから初代とは別個体であることが明確となっている。

また、『X』の時のように超能力は使わず、巨大化後も大した能力は持っていなかったが、その分上記のように2機の特空機すら手に負えないほどの凄まじい超怪力を発揮している(対応した特空機2機はそれぞれスピード型、火力重視型と2機とも単純なパワーでのゴリ押しには不向きな上、今回はM1号をなるべく傷付けないように銃火器の類が使用出来なかったため、苦戦してしまうのは無理もないと言える。そっくりさんとの戦いで先に退役した特空機の方の1号が残っていれば結果もまた変わっていたかもしれない)。


この回は『ウルトラマンコスモス』を彷彿させる怪獣を救うエピソードかつ『ウルトラマンタロウ』のような防衛チームによる珍妙な作戦(その際、『ウルトラマン第34話のように字幕で作戦名が表記されていた)と、過去作のオマージュが目立つエピソードでもある。命を救うという意味では第18話と同じく、ハルキがレッドキンググルジオライデン事件でのトラウマを乗り越えた上で成り立つ回でもあった。


また、M1号を救うためにイナバ・コジローが取った行動は、映画『ゴジラVSビオランテ』の1シーンを彷彿させる。

想い、その先に


劇中でルリが語ったように、M1号に敵意は無く、巨大化したパニックで暴れただけである。

しかし、過去のシリーズにおいて、怪獣を作った、あるいは実験に怪獣を利用した科学者がその怪獣の手にかかって死亡した例はいくつもある

名札を掲げて説得するルリにM1号が手を伸ばそうとしたのを見て、ヘビクラは即座に麻酔弾を撃つように命令したが、事情を知らなければ襲われそうに見えても仕方ない上に、万が一にも最悪な悲劇が起きる可能性も無くはないため、迅速な英断だと言える。


登場に先駆け、バンダイからソフビ人形が発売されている。

今回の放送と同時にソフビが発売された際には、とある通販サイトでソフビ人形の売り上げが1位になるという快挙を達成している。


ウルトラマンブレーザー編集

第16話「恐怖は地底よりモグージョンが作業員に見せた幻覚として登場した。

前半戦には同期怪獣であるガラモンがゲスト出演し前半戦最後のターニングポイントを担っている


ゲスト出演編集

ガキ使SP視聴率が良かった様で・・・地球防衛軍24時!

2013年12月31日放送のダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!の年末恒例の笑ってはいけないシリーズ『絶対に笑ってはいけない地球防衛軍24時』にて、「見た目が浜田に似ている」という理由でガラモンと共に写真パネルで登場(しかもこの回のメンバーの服装は、科学特捜隊そっくりの衣装である)。

さらにその後、ソフビ、そして小型ロボット内蔵パペットなどのアイテムで登場したのだが、ロボットは何故か三三七拍子をしたりAKB48の「ヘビーローテーション」を踊れたりとムダ以外の何物でもないレベルで高性能であった。


浜田とM1号があまりに似ていたために、相方の松本 「浜田のオカンはM1号が好きで"雅功"(M=まさとし)って名づけたんちゃうか」 と推測していた(浜田が生まれた年にはまだ『ウルトラQ』は放映されていないので全くの誤解である)。


2015年の『絶対に笑ってはいけない名探偵24時』には着ぐるみが登場(恐らく、『ウルトラゾーン』や『ウルトラマンX』で使用されたものの流用)。暗がりの中、終始浜田の声「あっはっはっは」と笑いながら去っていった。


2016年の『絶対に笑ってはいけない科学博士24時』にはドレスを着た「浜田ばみゅばみゅ」として再び着ぐるみが登場。


元々あまりメジャーではないマイナーな怪獣だった(昭和ウルトラシリーズにある程度詳しい松本も知らなかったほど)が、全国ネットの大晦日特番にて大々的にピックアップされたことにより、一躍その存在を全国に知らしめることとなった。

こうしたこともあってか、『X』第19話放送時には「M1号=浜ちゃん」と煽るかのようなコメントが数多く産出された他、『Z』第20話放送時にも本編に出演していなかったにもかかわらず「浜ちゃん」がTwitterのトレンド入りを果たすといった事態が起きた。

このゲスト出演による知名度上昇が後年の客演に繋がったかどうかは定かではない(平成での再登場は『ウルトラゾーン』が先であり、スーツ自体も『ガキの使い』で取り上げられるよりも前に新造されている)が、ファンのこうした反応を見る限りでは多大な影響力があったのは紛れもない事実であると言えよう。


余談編集

  • ある意味彼の代名詞ともなった、「私はカモメ」という台詞であるが、これは史上初の女性宇宙飛行士・旧ソ連ワレンチナ・テレシコワ氏が宇宙で最初に発した言葉が由来。
  • 『Z』20話でのM1号がウインダムらと踊るシーンの振り付けはこの回を担当した武居正能監督が付けたもの。なおメイキングでのスーツアクターらアクション部のスタッフの反応はイマイチだった模様。

関連イラスト編集

「地底超特急西へ」エムいちごー


関連タグ編集

ウルトラQ Q怪獣 ウルトラ怪獣

人工生命体

バロッサ星人:Z本編の個体と同じく本来は巨大化能力を持たず、外的要因で巨大化した繋がりがある。

ゼットン星人:こちらも本来は巨大化能力は持たない設定だったが、X本編では巨大化していた

レオゴンビザーモ:人工生命体繋がりで、特に後者は「慈愛の心」が欠如した為に生まれた星を滅ぼしたことからある意味M1号のIFの姿とも言える(Xの時の事は置いといて)。

浜田雅功渥美清ガッツ石松:顔が似ていると言われる有名人。

正田耕三:元広島東洋カープの野球選手で、浜田以前にM1号に似ている、といわれていた。

プレッシャー:以前よりとある芸人に顔が似ていると言われていた宇宙人。しかもこっちは本人公認。

ヤドキング:そっくりさん。エスパータイプだが『X』客演時の能力との関係は不明。

大貝獣物語2:作中でパロディとおぼしき「M-10号」と言うモンスターが出てくる。

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