バルンガは自然現象だ。文明の天敵と言うべきか……こんな静かな朝はまたとなかったじゃないか。このキチガイじみた都会も休息を欲している
曖昧さ回避
- リベリアボン郡にある都市についてはウィキペディアの記事「バルンガ」を参照。
データ
別名 | 風船怪獣 |
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身長 | 50m~無限大 |
体重 | 不明 |
出身地 | 土星 |
概要
第11話「バルンガ」に登場。
20年前、隕石に付着して地球に飛来し、大学教授の奈良丸博士によってその存在が提唱されていた。
だがその脅威に気付いた奈良丸はサンプルである幼体バルンガを殺害。結果学会に実物を提出する事が出来ずに詐欺師呼ばわりされ、学会を去る事になった。
その後、別個体が帰還中の土星ロケット「サタン1号」に付着して地球に飛来。
大きさは胞子大から手の平サイズ、自動車サイズと成長。
飛行機や自動車の燃料や電気等、地球上のあらゆるエネルギー(動力)を吸収し無限大に巨大化する。
防衛隊のミサイルや大型台風のエネルギーさえも吸収してしまった。
病院の自家発電まで吸収するなど質が悪い。
他の怪獣と違い、破壊活動等はほとんど行わないが、直接触れなくてもエネルギーを吸収できる能力で東京の都市機能を著しく低下させている。
何もせずに空中を漂い、無音のうちにエネルギーを貪る姿は、暴れ回る怪獣以上の恐怖を人々に与えた。
都市全体が闇に包まれ、入院患者は担架で搬送、電話は不通、移動手段は自転車という有様。
※劇中では語られてないが、食料問題(輸送や調理)や経済にも打撃を与えたと思える。
生物としての生態は、宇宙空間を漂い、太陽のような恒星のエネルギーを吸収して成長するというもの。
最終的には国連の打ち上げた人工太陽のエネルギーを求めて東京上空を離脱。
本来の「食べ物」に気付く。
直接的な破壊をせず、ただ存在するだけで多くの人々に恐怖を与えた怪獣。
みんなのトラウマ
「あぁっ!!ふ、ふ、ふ、風船がぁっ!!」
土星ロケット乗務員の断末魔。
燃料が突然ゼロになり、あたふたして窓の外を見るとバルンガが張り付いていた…
ナレーション
「明日の朝、晴れていたらまず空を見上げてください
そこに輝いているのは太陽ではなくバルンガなのかもしれません」
果たしてバルンガは太陽に焼き尽くされたのか。それとも太陽すらも吸収して新たな太陽となったのか……
視聴者にさらなるトラウマを植え付けた。
視点を変えれば、あらゆるエネルギーを消費して文明を広げる人類もバルンガと同じ存在なのかもしれない・・・。
元ネタ
ロバート・シェクリィ「ひる」に登場する宇宙生物が元ネタといわれる。
ただしこちらの作品に登場する「ひる」はエネルギーだけでなく地面などの物質さえも成長の糧とし、更に木っ端微塵に粉砕してもさらに恐ろしいことになるなど救いのなさではバルンガ以上ともとれる特性を有している。
余談
ウルトラマンメビウスに登場した肥大糧食シーピン929は、地球上ではカプセルに入れておかないと無限に巨大化していくというバルンガに似た設定を持つだけでなく、外見もバルンガがモデルになっている。
他作品のバルンガ
ウルトラ銀河伝説
ベリュドラの首を構成する怪獣の一体として登場している。
怪獣バスターズ
討伐対象の怪獣として登場している。だがこっちのバルンガは無限に巨大化する原点と違って普通に倒せる。2種類存在する。
バルンガ(ノーマル)
ミッション『閉じられた空』『空が飲まれた日』『すべてを飲みこむ力』(惑星レラトーニ)に出現。
体色は緑。
バルンガ(青)
ミッション『くすんだ青空』『あくなきしょくよく』(惑星ワッカ)に出現。
水の惑星であるワッカの大量の水分を吸収した為に体色が青になっている。
ウルトラマンオーブクロニクル
『ウルトラマンオーブ 完全超全集』に収録されているウルトラマンオーブクロニクルのエピソード3「ブラックホールを盗んだ男」にバルンガの幼体が登場。
星間連盟の刑務所惑星である惑星484でバルンガの幼体がカプセルに閉じ込められて重力波を発生させる人工重力発生装置のコアになっていた。だが惑星を乗っ取ったジャグラスジャグラーはこのバルンガの力でブラックホールを発生させて銀河を滅ぼす危険な大量破壊兵器バルンガボムを製造し、星間連盟を脅迫した。
ショーティーが解除に向かおうと冷却水のプールに飛び込むがバルンガの重力波で施設が歪み、プールに流れた高圧電流でショーティーがやられるも危うく爆発3秒前にガイがオーブカリバーでコードを叩き切った事で爆破は解除された。だが結局ショーティーは死亡してしまった。
宇宙からの贈りものたち
スピンオフ小説『宇宙からの贈りものたち』では、その後もバルンガは出現しつつけあちこちでエネルギーを奪うため電気泥棒と呼ばれて嫌われていた。
だが大型の個体がメルトダウンを起こしていた原子力発電所の原子炉に常駐したことで、放射能汚染を防いだことからたちまち人気者となり、それに便乗するかの如く万城目淳と戸川一平によって「バルン菓子」なる商品が発売されていた。
大気の中にあるエネルギーのバランスが崩れて天候が不安定になったり、さらに数が増える等問題点は数多いが、うまくコントロールが今後出来れば人類との共存が可能になると言われている。
但し、あくまでこれは一平が見た夢の出来事であるため、どこまでが実際に起こった出来事かは定かではない。
関連タグ
完全生命体イフ:よく同時に評論の対象に挙がる怪獣。こちらは外部からもたらされたものをコピーし相手に返すという能力を持ち、力では絶対に倒せないとされる。
ただし、こちらはただそこにあるだけで脅威となるバルンガと違って攻撃的なコミュニケーションさえとらなければ無害。