『ユウマ、想像力を解き放て!』
『ユウマ、私は君であり、君は私だ。君の思いが力となる。今がその時だ』
DATA
身長 | 不明 |
---|---|
体重 | 不明 |
CV | 萩原聖人 |
概要
『ウルトラマンアーク』に登場する謎の存在。
公開されている情報によると、はるか彼方の銀河系からやって来た光の使者であり、飛世ユウマは彼(?)と一体化することでウルトラマンアークへと変身する。
今の所詳細は不明だがユウマの父親と同じ声をしている。
戦闘中にユウマへ『想像力を解き放て!』と鼓舞するのが恒例となっているが、ユウマ本人と会話すること自体は滅多にない。巨大化しない際には基本的に何かしらの鏡や水溜まりと言った反射物の前でしか現れないのも特徴。
第3話において16年前に宇宙獣モノゲロスと共に獅子尾山の上空の雲を突き破って地球に飛来したことが発覚し、この時はほぼ透明な光の巨人の姿をしていた。
着地地点にたまたまキャンプしていた飛世親子に気付いて彼らを守ろうとするが、モノゲロスの猛攻に敵わず、この時の戦闘に巻き込まれてユウマの両親が亡くなってしまう。痛手を負いつつもモノゲロスを撃破し、その時に切断されたモノホーンが落ちた衝撃でユウマは土砂に巻き込まれるが、3日後に奇跡的に救出された。
直接的な描写はないが、おそらくはこの時点でユウマと融合したと思われる。
その頃はユウマしか目撃者がいなかったため、16年後にウルトラマンアークとして現れるまでは、誰も光の巨人の存在を信じなかった(倒されたモノゲロスは、酸素濃度の急激な変化で自滅した扱いになっていた。一応観測衛星はモノゲロスの他に巨大な光体を観測していたが、光源が強すぎて解析不能だった模様)。
そして16年後、ユウマがSKIPに初出勤する日に宇宙獣ディゲロスが出現し、祖母が働いている幼稚園に急ぐユウマの前に水溜りを介して接触し、鏡の世界と思わしき空間に引き込み、アークアライザーとアークキューブを渡す。
そして、ユウマが思い浮かべる最強のヒーロー像からウルトラマンアークとなり、ディゲロスを撃破し、その後もユウマと共に戦うようになる。
外見
4月9日のソフビEXでの発表時に公開され、透き通った濃い青色のウルトラマンアークに似た姿をしている。
劇中では全身が青白い光に包まれており、目元と人型のシルエット以外は外見的特徴がほぼ判別しにくい。
なお、ユウマとの融合後はほぼアークの姿のままユウマとコンタクトを取っている。
必殺技
ルティオンフィニッシュ
ルティオンの必殺技。ソフビなどで技名が確認できる。
両手を上に上げてエネルギーを溜めた後に右手から強烈な破壊光線を発射する。命中した瞬間モノゲロスを角以外爆散させてしまう程の威力を誇る。
後のアークの技であるアークファイナライズはこの時点では一切使用していない(なお、ユウマが幼少期に描いていた「さいきょうのヒーロー」が両手を十字に組んで光線を発射する絵を考慮すると、ユウマとの融合後に習得した物と考えられる)。
真相
以降、『ウルトラマンアーク』の根幹のネタバレを含みますので閲覧の際はご注意ください。
『……ご両親を守れなかったこと、今でもずっと悔やんでいる。この16年間、1日たりとも忘れたことはない』
『絶望するのは早い!!今この瞬間も、仲間達が新たな手段を模索している!その叡智は……必ずや我らの銀河を救うだろう…!』
ルティオンの正体、それは地球から遠く離れた高度な文明を持つ星がひしめき合う銀河に暮らす星の一つから派遣された光の使者であった。
彼らの暮らす銀河は調和を保っていたが、ある時地球でいう太陽こと『恒星ソニア』が突如膨張を開始。このままではこの銀河の全ての星々が焼き尽くされてしまうと見た彼らは、指導者同士で知恵を集めて事態を解決することを急務とした。
やがて、ゼ・ズーと呼ばれる指導者が開発したゼ・ズーゲートを使用し、ソニアの余剰エネルギーを別の銀河に送り出す案が挙がるが、そのエネルギーが放出される地点がユウマ達の暮らす地球だった。
見知らぬ星とはいえ無関係の星を犠牲にする訳にはいかないと指導者達は反対したが、彼は強引にゲート作戦を決行。対する指導者側は地球を救うべく1人の勇敢な戦士を送り込むことを決断、こうして指導者に選ばれたのがルティオンであった。
ゼ・ズーはルティオンを妨害するために宇宙獣モノゲロスを派遣、ゲート内で交戦を続けてなんとか退けたルティオンは持てる限りの力を使い、エネルギ一放出寸前のゼ・ズーゲートを黒い石のような塊にして封印したが、直後にゲートを奪還しにきたモノゲロスに執拗に攻撃されながら地球に落下してしまう。
ルティオンは辛くもモノゲロスを撃破するが、モノゲロスの攻撃によってこの時近辺にいたユウマと両親は巻き込まれ両親は帰らぬ人に、そしてモノゲロスから吹き飛んだモノホーンに押し潰されそうになったユウマを救わんと咄嗟にホーンに手を伸ばしたルティオンは図らずもユウマと融合を果たしてしまう。
これが後に地球で『K-DAY』と呼ばれた日、そしてルティオンがユウマと融合した真相だった。
彼が十数年ユウマと接触しなかったのはゲート封印やモノゲロスとの戦いで使い果たしたエネルギーを回復させるためであったが、ルティオンはユウマの両親を戦いに巻き込んでしまったことを16年間ずっと後悔していることを語っている。
本来はゼ・ズーゲートを破壊するために地球にやって来たが、仮に破壊しても地球とその銀河がビックバンで壊れてしまうため、その真実をユウマに伝えるのを躊躇っていたことをスイードに暴露される。
再びユウマと対面したルティオンは真実を告げなかった理由について「ユウマが絶望し戦えなくなることでこの世界を失うことが怖かった」と吐露する。
ルティオンはこの16年ユウマを通して、人間が持つ「強さ」「優しさ」「儚さ」を知り、地球を愛おしく大切に思うようになったこと、ユウマの持っていた未来を想う想像力でウルトラマンとして戦う力を得たと語る。
『ユウマ!君が守りたいものは、私が守りたいものだ!今はまだ、地球を救う確かな手立てはない…だが諦めず、共に未来を探そう!』
ルティオンの告白を受け、ユウマ自身も一瞬だけ絶望したことをルティオンに謝罪する。しかし恐怖を乗り越え、「僕は君であり、君は僕だ」と2人は固い握手を交わす。
再びウルトラマンアークへの変身を果たすと、スイードの妨害を受けつつもザディーメ及び爆発寸前のオニキスに立ち向かう。オニキスが放つエネルギーに押される中、今度はユウマから「想像力を解き放て!」と鼓舞され、意を決してオニキスへ特攻する。
そしてオニキスの爆発エネルギーはアーク自身の想像力により新たな力・ギャラクシーアーマーへと変化し、地球の滅亡の阻止及びスイードとザディーメの打倒を果たした。
余談
度々鏡の中に登場してユウマに呼びかけることがあるが、そのシーンが某特撮作品を想起させるものだったため、早速ネタにされている。
ただ、「父親に似た声で、鏡を介して主人公を助言・手助けする」という要素と、「顔つきがどことなく似ている」という意見から、同じ円谷作品としてミラーマンの方を指すコメントもある。そのためか「ミラーマンと同じ二次元人ではないか」という考察もある(ミラーマンをオマージュしたミラーナイトが登場しているため、可能性はなくはない)。
一方で14話で衝撃の事実が明かされてからは「幼くして父を失ったユウマが無意識に求めた父性の影響」「ユウマの両親を救えなかった過去を悔いるルティオンがどこか贖罪のようにその存在に身を寄せた」「ルティオンは本当は訳のわからない宇宙語で喋っているが、一心同体のため深層心理で翻訳され、ユウマにとってはそれが失った父親の声で聴こえている」などといった考察もなされるようになった。
ルティオン自身はウルトラマンの名を冠していないため、現時点ではウルトラ一族であるかどうかは不明。
ただ、飛世家に気付いてモノゲロスの攻撃から彼らを守ろうとする行動から、ウルトラ一族と同じ様な正義感の持ち主であることは想像に難くない。
第3話でのモノゲロス戦でその存在が認知されなかった描写は『帰ってきたウルトラマン』の第1話におけるタッコング戦のオマージュと考えられる。その他にも『帰ってきたウルトラマン』と共通する要素が多い。
14話で明らかになったモノゲロス戦の真相は『シン・ウルトラマン』でのウルトラマン(リピアー)が地球人と一体化する切っ掛けとなった最初の戦いと同族の行いから地球を守った最後の戦いを彷彿させる。
なお、ユウマにルティオンの名を明かさなかったため、ウルトラマンアークと名付けられるまではユウマから名前を呼ばれなかった。
14話でユウマとやって来た映画館には『ウルトラマンジード』の『爆裂戦記ドンシャイン』のポスターが張られているほか、『ネオ・ウルトラQ』『恐竜大戦争アイゼンボーグ』『恐竜戦隊コセイドン』『生物彗星WoO』といった過去の円谷作品のポスターもある。
アークはルティオンの頃からかなり律儀で生真面目な性格だったようで、14話ではユウマに自分の星を説明するなかでめちゃくちゃ姿勢のいい座り方(しかもご丁寧に手を膝に置いていた)をしていたことから、14話放映後、「映画鑑賞のお手本してくれるルティオン」「ウルトラマンが自分の名を明かすシーンの絵面じゃない」「なんて律儀な男なんだ」などと早速ネタにされた(というより14話自体がシリアスの塊だったこともあって清涼剤のように見られていたのかもしれないが)。