概要
『ウルトラマンアーク』第13話「シュウのレポート」で明らかにされたキーワード。
星元市にて観測された正体不明の高エネルギー体のコードネーム。
その存在こそが石堂シュウが星元市のSKIPに赴任してきた第一の理由にして、K-DAY以降に市内で頻発する怪獣災害や「科学技術的に不可能」とされている何光年も遠くの星との交信を可能とした要因とされている。
後にシュウが語った詳細によると、
16年前に地球防衛隊が地球から1000km地点に突如"ブラックホールに近い性質を持つ謎の物質"が発生したのを観測し、全世界の支部に緊張が走った直後に突如として急激に収縮して地球に落下。
凄まじいエネルギーを秘めていたそれは地球衝突時に重力波と高エネルギー粒子を発生させて地磁気を乱してしまい、古代から永い眠りについていた怪獣達を刺激、世界中でそれらが覚醒するきっかけとなった。
その上、解析によって今なお宇宙を通じてエネルギーが絶え間なく流れ込んでいてエネルギー蓄積量は限界に近づいており、蓄積量が限界に達すると超新星爆発に匹敵する破壊力の爆発を引き起こす事が判明。
防衛隊はそれを「コードネーム:オニキス(CODENAME:ONYX)」と名づけるとともに、あまりに危険な存在ゆえに情報拡散によるパニックを恐れ、徹底した情報統制を行いながら世界中で捜索を行ったが、オニキスの放つ電波が特殊なため、新型測定器が開発されるまで日本国内にあることすらも分からず、近年になってオニキスのエネルギー蓄積量が限界に近づき電磁波の放出量が増大したことで、星元市で地底に眠っていた古代怪獣の覚醒や他地域や宇宙から怪獣が誘引されるなどで怪獣出現が続いたことや、ウルトラマンアークの出現にモノゲロス&ディゲロス案件から、市内のどこかにオニキスが存在することが疑われ、その調査のためにシュウが派遣されることになったという。
作中での動向
劇中ではシュウの台詞と、彼のレポートの中に登場した単語として初登場。
前回の「新たな月=第二の〈ムジャーリ〉」を求めるギヴァスのメッセージから、シュウはメグマ星人にとっての重要なエネルギーであった月との関連があるのではないかと推察し、再調査する必要を考えていた。
第14話「過去の瞬き」にて、直接星元市を訪れた丹生谷班長からギヴァスが緑色の光線を照射していたのは星元市内に存在するオニキスの高エネルギーに反応し「新たな月」として探していたことが判明し、解析によってオニキスが市の東に位置する狐ヶ森のどこかにあることが明らかになる。
……そして、アークもといルティオンの口から16年前の真実と共にその正体が語られると同時に、それを狙って宇宙獣ザディーメと共に地球にやって来た異星人スイードによって、狐ヶ森の地中深くに埋没していた虹色に輝く小さな漆黒の球体…オニキスが遂に姿を顕した。
ちなみに、現出したオニキスの周りには重力異常の影響からか無数の砕石が浮遊していたが、それがルティオンの故郷の銀河の形状とまったく同じものになっているという特徴が見られた。
第15話「さまよえる未来」では、遂に出現し人々の知るところになってしまったオニキスに対し、防衛隊は必死に情報統制を行いながらも研究施設に移送するべく上空から回収しようとするも、発現時に周囲に発生した空間の歪みによって近づいた戦闘機をねじ曲げて破壊したため近づくことすら出来なかった。
そこに封印を解きに出現したザディーメの力によって空間の歪みを無効化されるとともに攻撃され続けたことでひび割れ、爆発の危機に陥る。アークやSKIPがザディーメとスイードをなんとか退けるも、立て続けに攻撃を受けたことでオニキスは遂に爆発寸前となり、周囲の空間の歪みは増大して近づくのが困難となってしまう。
しかし、アーク(ルティオン)自らが想像力を解き放ったことでアークアイソードを軸に回転しながら爆発寸前のオニキスに突入、そして遂にオニキスが轟音とともに砕け散ると同時にその爆破エネルギーを丸ごと新たなアーマーに変えたことで、スイード達を撃破するとともにオニキスの反応は消滅し地球の危機も救われた……
…が、総集編2にて厳密には消滅したというより「どこに行ったか分からなくなった」というのが現状であるらしく、以降も調査が続けられている模様。
余談
- オニキスとは、現実では宝石の一種である瑪瑙。名前はギリシャ語で「爪」を意味する他、「迷いのない信念」の象徴や邪気祓いのパワーストーンとされている。
- 後に判明した実態はまさに黒い石のような塊であり、(ある人物たちにとって良くも悪くも)「迷いのない信念」のような存在であるなど、偶然とはいえその名前に相応しい代物となっていた。
- なお、オニキスは黒いイメージが持たれることが多いが、現実のオニキス=瑪瑙は明るい茶色で黒い色は着色されているものがほとんどであり、天然もので黒っぽい物は非常に珍しい。
関連タグ
V99…前作の重要なキーワード。同様に防衛隊から徹底した情報統制が行われていたが、防衛隊による自業自得の隠蔽としての面が強かったV99よりはまだ正当な理由があった。