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DATA

別名冥府闇将軍獣 (めいふやみしょうぐんじゅう)
身長67m
体重測定不能
出身地魔界
デザイン水上桜
スーツアクター桑原義樹

概要

ウルトラマンアーク』に登場する怪獣。

第16話「恐れの光」にて、ザディーメの残した次元の裂け目から送り込まれた尖兵であるモグージョンの見た幻影として顔見せ程度に登場し、その後ザンギルの口から初めて存在が明かされる。

ザンギルからは"冥府の闇将軍"と呼ばれ、別名もそのまま「冥府闇将軍獣」。

この世とあの世の境界にある魔界に君臨する存在で、自身の尖兵となる幽体怪獣達(曰く悪霊と言うべき存在」)を生み出して現世へと送り込み、この世の調和を乱して『アーク』世界の地球に自身の怪獣幕府を打ち立てようと目論んでいるらしい。

ただし、手駒とするつもりでザンギルも蘇らせたのだが、本人の善性もあり、支配を脱して敵対される。

挙句に本来ならば無敵の軍団だった筈の幽体怪獣達は、ザンギルが自分の刀「流星剣」を使った幽体と実体の境界を揺るがす力をSKIPにもたらした所為で次々と撃破され、侵攻は立て続けに失敗する。

しかし、大量に送り込んだ無数タガヌラーが倒されて以降は、少数の幽体怪獣を毎日のように何度も送り込んで敵を疲弊させようとしたり、次元の裂け目内で卵を孵化させてから送り込むなど、「将軍」と呼ばれるだけあってか、巧みに戦術を変える知能の高さがうかがえる。

ザンギルの話によれば、第17話「斬鬼流星剣」の時点でヘルナラク自身も次元のすぐそこにまで迫っていたが、その行く手を遮り戦っている勇者によって侵攻を食い止められているという。

外見

左右で様相が大きく異なる歪な姿をしており、右半身は幾何学模様が刻まれた鎧を着込んだかのような無機質な姿だが、左半身はよく見るとまるで肉体を蝕むかのように複数の怪獣が見境なくごちゃ混ぜに組み合わさったような、奇怪な肉塊の如き醜悪な風貌となっている。

その各部のパーツは、確認できるだけでも左脚にバザンガの外殻、左肩にゲードスの頭部、左胸にタガヌラーの小さな前脚、左腕の先端にタガヌラーの鎌とレヴィーラの触角、左腕の体表はニジカガチのものに似ており、眼と顔立ちはゲバルガのものに酷似、背面にはモグージョンのトゲや尻尾と、前作『ウルトラマンブレーザー』に登場した怪獣達らしきパーツばかりとなっている。

配下の幽体怪獣の面子も前作の怪獣達ばかりであることを考えると、まるで配下の幽体怪獣達を利用して自身の肉体を形成しているようにも思えるが…?

その異質な外見に違わず、鳴き声は怨霊亡者の呻き声を彷彿とさせる、低い不気味な唸り声を発するものとなっている。

能力

体を左右に分割することで、死んだ怪獣の魂や残留思念を封じ込めたクリスタル状の幽体怪獣の卵を生み出し、次元の裂け目から送り込み、孵化した幽体怪獣達に闇のエネルギーを供給して支配下に置いている。この幽体怪獣の卵は、単純に飛び道具としても利用される。

他にも、攻撃技として両眼から赤い怪光線「冥府闇眼光」を放つ能力を持つ。

左腕に生えたタガヌラーの鎌の他、右半身でのパンチやキックなど肉弾戦も得意。

また、アークを捕らえて人質にするという狡猾な戦法も行う。

ヘルナラク最大の弱点は、体の中心部分にある幽体怪獣の卵を生み出す器官である内部コア(形状も幽体怪獣の卵に類似する)だが、ウルトラマン2人分の力でようやく貫ける程非常に強固な皮膚に覆われているため、攻略は困難を極める。

劇中の動向

当初、自身は次元の裂け目の奥に潜みつつ、第16話から手下の幽体怪獣を何度も『アーク』世界の星元市に送り込んでいたが、第18話「アーク協力要請」にて遂に本体が登場。

送り込んだバザンガがアークによって倒された後、オニキシウム粒子を浴びて閉じられそうになった次元の裂け目から、直々に『アーク』世界の地球に顕れようとする。

それをアークは阻止すべく、這い出てこようとするヘルナラクを必死に押さえ込みながら、共々次元の裂け目に飛び込み、姿を消してしまった。

……その後、ユウマが目を覚ますと、そこは星元市ではなく星下市となっており、目の前には町を闊歩するヘルナラクの姿があった(第19話によると、こちらの世界にヘルナラクが襲撃してきたのは2日前、空に次元の裂け目が現れたのは5時間前とのこと)。

そこに現れたのはなんとアースガロン。両者の戦闘が始まる中、ヘルナラクが放った幽体怪獣の卵からユウマを庇ったのは、石堂シュウ瓜二つ防衛隊員であった。

続く第19話「超える想い」にて、アースガロンはMod.2ユニットからの射撃がヘルナラクに効果が無いと分かるとユニットを解除し、CQCモードでヘルナラクと格闘。

しかしヘルナラクはアースガロンを吹き飛ばしてピンチに陥れるも、そこにこの世界を守るウルトラマン…ウルトラマンブレーザーが参戦、ヘルナラクと戦いを繰り広げる。

一方、ユウマは夏目リン伴ヒロシと瓜二つの防衛隊員達とも対面。一般市民と間違われ避難するよう促されたユウマだが、「自分にも何かできることがある」と飛び出し、アークに変身。ブレーザーと協力してヘルナラクと交戦する(その直後、ユウマと瓜二つの防衛隊員も登場していた)。

しかし、事実上の連戦となったアークは変身直後からカラータイマーが点滅しており、ヘルナラクはウルトラマン2人を相手に互角以上の戦いを繰り広げ、徐々に追い詰めていく。

…が、ブレーザーの放ったスパイラルバレードが胸部に突き刺さった直後に、アークが放ったアークファイナライズが直撃したことで体に大穴を開けられ、卵を生み出す体内の生体器官が露出し、存在が朧気になってしまう。

これ以上の戦闘は不利だと判断したヘルナラクは、誕生させたバザンガを差し向けて次元の裂け目から撤退するが、ブレーザーに力を与えられて回復したアークがそのまま放り投げられる形で次元の裂け目を通って追跡、バザンガはブレーザーとアースガロンに足止めされてしまう。

『ブレーザー』世界から撤退してもなお、アークのいなくなった『アーク』世界の地球を狙って閉じられる直前の次元の裂け目から降り立った後、ユウマ(アーク)が帰ってくるまでの4日間に渡って周囲に卵を生み続け、星元市一帯を占拠。流石の防衛隊及びSKIPもお手上げ状態となり、星元市を巻き込んだ防衛隊による総攻撃&市全域から全住民が避難するという状況にまで追い込んでいたが、防衛隊の総攻撃が始まる前にユウマが変身したアークと再戦。

前回の戦いとは違って1対1の勝負故にアークを圧倒するが、卵をSKIPメンバーと防衛隊の戦闘機の尽力で孵化する前に無力化&破壊されてしまい、さらには『ブレーザー』世界でブレーザーがアークに与えていた力の一端が「ブレーザーキューブ」へと変化。

アークアイソードに装填して発動した「アークスパイラルバレード」を再び胸部にモロに喰らい、そのまま前回以上の出力で放たれたアークファイナライズを立て続けに喰らったことで外皮もろとも内部のコアまで貫かれ爆発四散、遂に滅び去った(同時に、『ブレーザー』世界の方でもブレーザーのスパイラルバレードによってバザンガが撃破された)。

ヘルナラクが撃破されたことで、『アーク』と『ブレーザー』の両方の世界にばら撒かれた幽体怪獣の卵も全て消滅し、闇将軍の野望は完全に潰えた。

余談

  • 名前の由来は「hell(地獄)」+「奈落」と思われる。
  • OPでは第14話より登場。
  • ソフビはウルトラ怪獣シリーズ2024年11月23日に発売。
  • 「己の野心のために怪獣幕府を開こうとする冥府の闇将軍」というのがヘルナラクの簡潔な説明だが、実際に自分で名乗った訳ではなくザンギルの侍口調な比喩表現の可能性もあるため、表現方法がこれで正しいかは不明。ただし、別名は「冥府闇将軍獣」となっているため、肩書きに関しては概ね合っていた模様。
    • なお、出身地や目的こそ判明しているものの、このヘルナラクが元々どういった経緯で魔界に君臨した存在だったのか現世に怪獣幕府を作って何を成そうと目論んでいたのかは現状不明のままである。
  • ラスボス級の強さであるヴァラロンゴンギルガンのような強豪怪獣を何故幽体怪獣として復活させ使役しなかったのか?」との疑問があるが、一部のファンからは冗談半分でガチャだから」という身も蓋も無い考察がされている(そうなると、物量戦法に使われたタガヌラーはダブった低レアということになってしまうのだが…)。ただ、ザンギルのように自身の支配に従わぬ者も蘇生させてしてしまったことを踏まえると、あながち的外れな考察でもなく、融通が利かなかったり運要素が絡む蘇生能力なのかもしれない。
    • ゴンギルガンに関しては劇中「魂が無い」と言及されていたため、魂や残留思念が素となる幽体怪獣にはそもそもなれなかった可能性もある。
  • アークとブレーザーのコンビとも互角以上の戦いを繰り広げ、アークを一度は圧倒したが、2人との戦い及びアークとの決戦ではファードランアーマーも各種アークアーマーも一切使われずに倒されたこともあってか、視聴者間では「実はそんなに強くなかったのではないか」「舐めプされてる?」などといった声もあったりする(そもそも本作でのブレーザーは、ザンギルのセリフから『ブレーザー』本編第17話以降の時系列であることが確定しているため尚更である。ギャラクシーアーマーに関しても、アークの最強フォームであり尚且つ販促期間中であるにもかかわらず、何故か使われなかった)。
    • 敢えて補足するなら、アークに関しては事実上の連戦となったのもあって変身直後からカラータイマーが点滅しており、最早アーマーを装着できるだけの体力すらなかったという見方もできるかもしれない。あるいは、ブレーザーキューブの販促による都合というメタな事情もあると思われる。ブレーザーに関しても、強いて言えば『ブレーザー』世界に次元の裂け目が開く2日前からヘルナラクが侵攻を開始しており、その間に両者共に全く戦っていないとは考えにくいため、ヘルナラクやブレーザーもアーク同様に既に消耗していた可能性はある。
    • …とは言えど、ウルトラマン2人を相手に互角以上の戦いを繰り広げ、徐々に追い詰めていったその実力や、卵による遠距離攻撃、アークを人質に取る狡猾な手段、そして何より幽体怪獣を無限に生み出せる能力など、決して名前負けはしておらず、ただひたすらに厄介な奴であったことだけは間違いないとも言えるだろう。

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