レポーター「怪獣被害が頻発するこの地球に、巨大な宇宙怪獣まで現れ…」
DATA
概要
『ウルトラマンブレーザー』第1話「ファースト・ウェイブ」にて初登場。
『ブレーザー』の世界において、初めて出現した50メートル級の宇宙怪獣との事(ただし、宇宙“生物”としてなら第4話で登場したレヴィーラの元になった生命体が20年前に存在を把握されている)。
鋭く尖った鼻先を持つ顔立ちに、別名の通り甲殻類を思わせる赤褐色を基調とした甲殻に加え、後頭部からは2本の細長い触角が生えているなど、全体的に伊勢海老と爬虫類が混ざり合ったような容姿をしている(劇中では「甲殻爬虫類宇宙怪獣」とも説明されているため、『ブレーザー』の世界においては爬虫類と甲殻類の要素の両方が混ざり合った怪獣として認識されている様子)。
また、爪や背鰭、首元などには所々青色が入っている。
魚眼のように丸い目は瞳が白濁しており、遠目では一見白目にも見える。
体液は青色で、ブレーザーに引き千切られた箇所や、後述の特殊弾頭が直撃した顔などの損傷箇所から出血を起こしている。
恐ろしく攻撃的な怪獣で、怒ると触角が下向きから上向きになり、両腕の手甲(解説放送では「殻」と表現)が前に動く。手甲の気門のような穴から無数の蒼白い光弾状の棘を高速射出する「ソーンファランクス」という攻撃技を持つ。時限信菅のように起爆距離も調整可能なようで、見た目以上に強力な武装となっているバザンガ最大の攻撃手段。
ただし、この棘は無限に発射できるという訳ではないらしく、一度の戦闘で撃ち尽くすとしばらくの間は発射不能となってしまう。
その他、先端の尖った手甲による突き攻撃や、太く刺々しい尻尾も強力な武器となる。
表皮も非常に硬く、戦闘機での空爆すら物ともしない高い防御力を誇る。
アオベ・エミの調査によれば、本来は顔の角の根元にある鼻腔が唯一の弱点となっていたのだが、後述の通り作戦開始時は誤って「胸部装甲の隙間」と伝達されていたためか、劇中では終盤までこれらの弱点が活かされる事はなかった。
『ウルトラマンアーク』での客演時には、翼を持たずとも空を飛行できる事が判明(恐らく『ブレーザー』第1話の襲来時も、この飛行能力を使って地球に飛来したと思われる)。
活躍
ウルトラマンブレーザー
5月10日に突如として地球に飛来し、そのまま夜の市街地を蹂躙。
GGFの作戦を尽く無効化し、自身の巨体と棘の高速射出で高速道路やビル群を破壊していた。
その後、避難し終わった池袋においてヒルマ・ゲント率いるGGF特機団が活動を非活性化させる特殊弾を装甲の隙間に撃ち込む作戦が開始され、エクスレイ3とエクスレイ6の特殊弾同時発射を受けるものの、まるで意に介さずに付近のビルを倒壊させる(なお、この直前にGGF司令部はこれ以上の被害拡大を防ぐために、「途中で特殊弾攻撃を中止し、一大火力でバザンガを殲滅せよ」という作戦変更命令を下している)。
しかし、ウルトラマンブレーザーの出現によりそれを阻まれ、直接戦闘となる。
当初は互角の戦いだったものの、その巨体によるパワーと尻尾攻撃で次第にブレーザーを圧倒。
しかし、とある人物の射撃により鼻腔に特殊弾を喰らって怯んだ隙にブレーザーが再起、同時に弾切れならぬ棘切れした事も相まって形勢逆転を許してしまい、ブレーザーに両腕を掴まれた上で手甲を引き千切られる。
最期はスパイラルバレードで胸部を貫かれ、爆発四散した。
第2話「SKaRDを作った男」での話によれば、エミの口から特殊弾を撃ち込む箇所が本来は鼻腔内に一発であった事が明かされ、それを聞いたゲントは「いつものお偉いさん方の伝言ゲームでズレてたんだろう」と推察している(「いつもの」と言っている辺り、以前にも何度か同じ事があったと思われる)。
そのため、本来の作戦であればわざわざ危険を犯してまでバサンガに急接近する必要がなかったという事になり(実際、第1話でエミは離れたところから狙撃している)、その事にエミは愚痴をこぼしていた。
第17話「さすらいのザンギル」でも、モニターの画面に一瞬だけ登場。
ウルトラマンアーク
ヘルナラクの尖兵である幽体怪獣の一角として、『アーク』世界と大元の『ブレーザー』世界の両方で猛威を振るう。
また、本作にて初めて昼間での戦闘や、アースガロンとの交戦シーンが描かれる。
第18話「アーク協力要請」では、ウルトラマンアークがSKIPと共に次元の裂け目を塞ぐ作戦を実行しようとしている最中に、妨害要員として次元の裂け目から出現。
地上に降り立ってアークと熾烈な戦いを展開したが、アークには終始攻撃を防がれた上、その隙にギャラクシーアーマーで防衛隊によるオニキシウム粒子のチャージを許してしまう。
それでもアークが油断した隙を突いて飛翔、防衛隊の防衛ラインを突破してそのまま市街地へと向かおうとしたが、アークフェザーサークルでアークに追い付かれる。
手甲からの棘で応戦するもルーナアーマーに換装したアークには全て避けられた挙句、ルーナソーサーで両腕の手甲を切断されて墜落。
最後は上空からのアークファイナライズで撃破された。
第19話「超える想い」にも登場予定。
ライブステージでの活躍
NEW GENERATION THE LIVE ウルトラマンブレーザー編
『新たなる光』、『巡る願い星 SIDE ブレーザー』のラスボスとして登場。
前年度の同ポジションであるスフィアザウルスと同様、アースガロン以上の大きさの着ぐるみ(バルーン)で登場している。
「新たなる光」ではその大きさとフィジカルでアースガロンを圧倒し、アースガロンとパイロットのリュウマ隊員に大ダメージを与えるも、突如現れたブレーザーに乱入されると本編同様に荒々しい攻撃を受け、最期はスパイラルバレードで倒された。
『巡る願い星 SIDE ブレーザー』では、SKaRD隊員達が閉じ込められた無限ループが続く空間に現れ、ゴモラやテレスドンと言った怪獣達と共にブレーザーやアースガロンを圧倒するも、空間を作り出したヒーロー願望のある少年(CV:潘めぐみ)の必殺技で倒された。
ファイナルステージの「未来へ…」では、ヴァラロンを倒したブレーザーと地球人に逆恨みしている宇宙人によって地獄の底から蘇るも、アースガロンMod.4によって倒された。
残された謎
『ブレーザー』第1話は、視聴者への詳しい説明が無いままストーリーが進行していくため、バザンガの出現理由や明確なバックボーンについても一切が不明となっていた。
このため、ファンの間では、「ベムスター辺りと同じく食料を求めてたまたま地球に流れ着いた」、「スフィアザウルスなどと同じく侵略目的で飛来した」、「ゲネガーグのように何者かが製造した生体兵器」といった様々な説が唱えられる事となった。
この内、2つ目と3つ目の説に関しては、時限信管のような機能を持つ飛び道具など自然発生した生物と考えるには明らかに不自然かつ過剰と言える攻撃性能の高さを持つ点、ピンポイントで市街地を狙って活動している点、第11・12話に登場した宇宙電磁怪獣ゲバルガをGGF上層部が「セカンド・ウェイブ」と称した点もこれに拍車をかけている。
その後、第13話にてバザンガとゲバルガ、そして1999年に当時の地球防衛隊が撃墜した隕石が“全く同じ軌道”を通って地球に侵入してきた事が判明。アマチュア天文家などの間からは(唯一ガラモンの侵入軌道が異なっていた事から)「同じ星から来たのではないか?」とも噂され、しかもネットの掲示板などでその話題を書き込むと速攻で削除されるという都市伝説的な陰謀論にまで発展しているという。
一方でヤスノブが指摘した通り、バザンガとゲバルガが同じ星の生物だとしても生態が違い過ぎる部分もある。それに関してエミは、地球におけるライオンとイルカ並の違いと同様と考えて反論している(例えるなら、バザンガは海老などの甲殻類、ゲバルガはヒトデのような棘皮動物といったところだろうか)。また、アンリも最近になって宇宙怪獣の襲撃が急増してきた事から、「何か作為めいたものを感じる」と述べている。
その後、ストーリーが進むにつれ、バザンガ・ゲバルガはどうやら“V99”と称される事案と重大な関わりがある事が明らかになっていくのだが…?
なお、バザンガとゲバルガは、赤と青のカラーリングが全身のどこかに必ず施されているという共通点があり、ゲバルガに至っては両足に血管のように絡み合うような形で赤と青のラインが引かれている。
これはウルトラマンブレーザーの体のラインとも共通する特徴であり、さらにはブレーザーもバザンガとゲバルガを相手取った際には激しく威嚇するような動作をしている。これらの事から、ブレーザーとも何かしら関わりのある怪獣ではないかという説も唱えられていたが、真相は明らかになっていない。
商品化
「ウルトラ怪獣アドバンス」にて、各種ギミックを持って発売。
全高約155mmの大迫力のサイズで、両腕の伸縮、頭部の触角を回転させての戦闘態勢への移行が再現可能。
両目は実際のスーツと異なり、ハッキリとした黒い瞳が入っている(実際にはちゃんと瞳があるのだが、スーツの方は目の発光が強く白濁しているため、アップでないとかなり分かりにくい)。
『ブレーザー』初出の新規怪獣&ウルトラ怪獣アドバンスの商品化第1号という事もあってか、ネットのブログやYouTubeなどで多くのユーザーがレビューを行っている。
中には、ソフビに本物さながらのリアルなリペイントを施したという猛者も…。
また、『ウルトラマンアーク』出演に関連して、2024年11月16日に「ウルトラ怪獣シリーズ」でも発売された。
余談
- OPサビでは1番目に登場。映像の描写はtwitter動画風。
- デザインは、『ウルトラマンオーブ』でマガジャッパのデザインを担当した楠健吾氏。自身が個人的に描いていた「エビルザウルス」をモデルにしている。エビルザウルス自体は海の魔物としてデザインされており、漁船を襲うという次話のゲードスに似た設定持ちである。
- また、丸い目や全体的なイメージが、「(同じく楠氏がデザインした)マガバッサーやマガジャッパに似ている」と、ジャグラスジャグラー役でお馴染みの青柳尊哉氏から番組内で指摘されている。
関連タグ
ウルトラシリーズ関連
- デマーガ、マガバッサー、ゲネガーグ:同じ田口監督がメインを務めた作品の新規一話怪獣達。特にゲネガーグとは一話怪獣とは思えない高い戦闘力を誇る点も共通している。
- ベムラー、コッヴ、ディノゾール:第1話で地球に飛来した宇宙怪獣繋がり。この内コッヴも同じく池袋で暴れた他、上記のゲネガーグもここに含まれる。
- ツインテール:シルエットは大きく異なるが、海老モチーフ繋がりのウルトラ怪獣。こちらは海老の味がするとの事。
- レイキュバス、クラブガン:海老がモチーフに入っているウルトラ怪獣繋がり。
- ゼガン:近年の作品に登場した、甲殻類がモチーフの怪獣。
- アリゲラ:赤と青というカラーリングに加え、宇宙怪獣である点、全体的なシルエットなど、類似点の多い怪獣。
- ザイゴーグ:体から無数の棘を射出する怪獣繋がり(ただしこちらは背中から)で、デビュー作の監督も同じ田口監督。こちらも夜戦でウルトラマンと戦うシーンが存在する。
- ギャラクトロン:ウルトラマンによって部位破壊された怪獣繋がり。片腕にバザンガのようなパーツがあるのが特徴。また、この時のウルトラマンも荒々しい戦い方をしていた。
- セグメゲル:同じく瞳が白濁した目を持つ怪獣。こちらの初登場回も同じ田口監督である。
- 透明禍威獣ネロンガ:前年公開の映画で、劇中で初めてウルトラマンと交戦した禍威獣。可動する触角や強力な遠距離攻撃手段を持つ事、作品そのものがリアリティ重視な作風である事も共通する。
他作品
- エビラ:そのまんま海老がモチーフの怪獣。ある作品では生身の人間の部隊との直接戦闘も展開し、その際こちらでは「(エビラを)フライにしてこい」という台詞が登場している。
- リガニー:田口監督が参加した戦隊シリーズに登場する怪獣ポジションで、同じく甲殻類がモチーフとなっている。
- ナイフヘッド:映画『パシフィック・リム』の最初に登場するKAIJU。顔の形状が似ている。
- ドリゴン、ドリゴラス:50年前の円谷ヒーロー作品にて、防衛チーム結成前にヒーローと戦った第1話の敵怪獣達。ただしこちらは第2話で仕留められた。