概要
棘皮動物門に属する動物のこと。全てが海洋生物であり、ヒトデ、ウニ、ナマコなどが含まれる。
特徴としては、身体の五放射相称性(「⬠」の形)や、炭酸カルシウムでできた骨格が挙げられる。一見そんな特徴を持たないようにみえるナマコでも、体を輪切りにすると内部に五放射相称の構造が見つかるし、顕微鏡を使うと小さな骨片を観察することができる。
骨片同士はフェルト状の網目になったコラーゲン繊維からなる「キャッチ結合組織」によってつながっており、これによりエネルギーを収縮中の筋肉の1/12しか消費せずに姿勢を維持することが可能。
さらに、刺胞動物のような散在神経系と誤解されがちだが誤りである。脳はないもののちゃんと中枢神経系を持ち、環状神経系または放射状神経系といって口を中心としてドーナツ状の神経環から星型に神経索が分かれている。
成体は五放射相称だが、幼生はそれと全く似つかない左右対称の微小なプランクトンである。これは成長に連れて体のどこかで徐々に五放射相称の新たな体が形成され、元の幼生の体がやがて吸収されて消えるというとんでもない変態を遂げる。
こんな外見だが、脊椎動物以外の動物(いわゆる無脊椎動物)の中でも我々脊椎動物を含んだ脊索動物に近縁な動物群の1つである。棘皮動物、脊索動物、半索動物などをあわせて後口動物(新口動物)と呼ぶ。