本項目は『シン・ウルトラマン』に関するネタバレが含まれています
田村「まさか…電気を食ってるのか!?」
概要
別名「透明禍威獣」。
姿は、オリジナルを意識しつつシン・ゴジラのような生物感を醸し出している。一方で口内には舌の代わりに歯のような電気を吸収する器官がびっしり敷き詰められ、首には筋組織が剥き出しになったような蓄電器官らしき発光部位、前肢の指が6本もあったりとどこか生物としては異質な形質が垣間見える。
本作では、ガボラも登場しており、スーツの改造元同士で共演するのは初となる。またネロンガは電気を、ガボラをウランを主食とする怪獣であり、共にライフラインを脅かすという点でも共通している。
能力
その名の通り全身を透明化することができ、普段から透明化して周囲の風景に擬態し溶け込んでいる。更に禍特対の解析では透過率ほぼ100%、反射率吸収率0%の体表組織を形成してレーザーなどあらゆる熱光学兵器を無効化できると解析されており、神永はこの能力から「もっと進んだ文明向けの生物兵器」と評した。
一方でこの透明化自体は赤外線画像(サーモグラフィー)にはしっかりと姿が映っているどころか、足跡や歩行時に巻き上げられた粉塵によっておおよその位置どころか肉眼でも容姿の観測が可能。更にエサである電気を(口から吸引する形で)捕食し満腹になると透明化を解除する生態があり、禍特対の滝に「透明の意味ねぇじゃん……」とツッコまれる(後者に関しては神永曰く「エネルギーを蓄え万事整うと姿を現し周囲を威嚇する。理にかなってるよ」と答えている)。
上述のようにネロンガの透明能力は対熱光学兵器用のものであり、熱光学兵器が実用化されていない地球においてはオーバースペックで使う意味が無い機能とも言える。
また、空間中の電場範囲を量的に観測できる器官もあるらしく、電気の溜まり場を正確に感知することができる。
捕食した電気は触角と角を合わせて50万キロワットの電撃に変えて相手に放ち攻撃する。
危機察知能力も非常に高く、遠隔から放たれたMLRSによる攻撃を放たれた瞬間に察知して電撃で迎撃し、ウルトラマンがスペシウム光線を放つ前から相手が光線を放つ事を察知して透明化した。
活躍
首都圏近郊の山間部に透明状態で出現し、角から空に向かって電撃を放出しながら移動し、電気を求めて善和変電所を襲撃。姿を現しても盗電中は大人しかったが、電気を止められると電力設備を破壊し再び透明になって移動、更に陸上自衛隊が行ったMLRSによる攻撃を目視する前に透明化を解除して電撃を発射し迎撃したばかりか、これに怒って無差別に周囲に放電した。
攻守ともにこれまでの禍威獣と一線を超えた能力を誇っていたために正攻法では倒すこともできず、このまま放置した場合日本中の電気を吸収された挙げ句本州全域に放電される試算が出たうえ、強制的な漏電や水をかけてのショート、麻酔なども期待できず(そもそも禍威獣に対して麻酔が効いた前例が無い)、自然な衰弱死を待って日本中の電気を止める猶予もないこともあり、禍特対もこれにはお手上げ状態となった直後に地球に降り立ったばかりのウルトラマンと交戦する。
ウルトラマンに放電攻撃を浴びせるも、フルスペックのウルトラマンは放電を平然と受け止め何の反応も示されず、間合いを詰められる。
腕に高エネルギーを集中し始めたため危機を察し、透明化して山に逃走しようとした所に発射された光波熱線を受け、上記の透明化による透過能力で熱線を透過して耐えるも、長時間の照射に透明化を維持できず遂に熱線が直撃し軌道上の山々もろとも爆散した。
流石にウルトラマンには歯が立たず敗北したとは言え、放射性物質を撒き散らしたパゴスをどうにか駆除出来た禍特隊と自衛隊に対策手段を思い浮かばせない程の実力を見せつけ、改めて原作から登場し続けているウルトラ怪獣の戦闘能力の高さを知らしめた。
更に、もしウルトラマンの到着が遅れた、或いは来なかった場合、日本政府が核兵器を使用する可能性があり、万が一使用されたとしても前述の様に空中で撃墜されれば最悪の事態に成りかねなかっただろう。
後に誕生の由来や、復活に際してこの男が裏で糸を引いていたことが発覚している。
『シン・ウルトラファイト』
『シン』版ネロンガが引き続き登場。
『シン・ウルトラマン』での活躍にプロレス実況風ナレーションがつけられた第1話「ネロンガ 出たり消えたり」に加えて、新撮された第4話以降にも第9話を除いて登場している。
第4話「集まれ!大峡谷の決斗者」ではガボラとタッグを組んでウルトラマンと戦い、第5話「閃光の無観客試合」では戦いにこそ参加しないものの電撃の意外な活用法を披露する。
第7話「6次元無頼」では「電撃のネロンガ」を名乗り、メフィラス、ザラブ、ガボラと共にウルトラマンを木刀で袋叩きにするが、分身したウルトラマンにボコボコにされる。
第8話「白砂青松修羅シュシュシュ」ではゼットン打倒のために手を組もうとウルトラマンに説得されるが今までの恨みもあってガン無視(完全に逆ギレである)した上放電攻撃で拒絶、姿を消してしまう。
第10話「潮騒の鎮魂歌」ではついにキレたウルトラマンから…。
なお、『ウルトラマン』第3話の映像を利用する形で『ウルトラファイト』第3話「手がつけられないネロンガ」に登場してこそいるが、『ファイト』系作品の新撮回にネロンガが登場するのは『シン・ウルトラファイト』が初となる。
余談
特報映像にて透明化している姿も含めて登場することが明かされており、公開に大幅に先駆けてソフビも発売されている。
『ウルトラマン』の怪獣は、元ネタのネロンガ含めて敵わない相手を前に逃走を図ることはほとんどなかったが、『帰ってきたウルトラマン』の初期では、怪獣が逃走を図ることが度々あった。
デザイン画には初期からアゴにも可動する触角があったが、決定稿直前に廃されオリジナルに近い顔つきになった。
ちなみにCGモデルは、頭と背びれ以外はガボラと共通になっている。
その後、ゴジラシリーズのスマホゲーム「ゴジラバトルライン」にてウルトラマンとともにコラボ参戦することが発表された。
更に映画出演という大役のおかげか
『ウルトラ怪獣モンスターファーム』にもネロンガが登場する事となった(勿論、映画の主題歌から再生される)。