サーモグラフィー
さーもぐらふぃー
赤外線は絶対零度以上の全て物質から放射されるため、温度変化を赤外線量の変化とすることで可視化する。
放出される赤外線で測るという形の為、日光等が当たっているといった物体表面に温度が変化する、素材により熱がさえぎられてしまう、温度をごまかす工夫がされている、といったことだけでなく、別の熱源からの熱赤外線が鏡のように反射していることでそこだけ温度が変わっているように見えてしまう、色や表面の状態により反射の度合いが異なる、など様々な要因で変わってしまい、接触式の温度計と比べると正確さは劣る。
色は表示ソフトウェアによる後付けで、温度分布をわかりやすくる民生用とではカラーに、軍事用途ではカラー映像は不要であることから温度が高いほど暗くなるブラックホットや明るくなるホワイトホットの表示を必要に応じて切り替えて表示する。
サーモグラフィー装置は、医療用、建築用、軍事用として実用化されている。
近年では軍事用は個人装備レベルでも熱赤外線映像と増幅した暗視映像を重ね合わせて表示したうえで、疑似的にカラー映像化することで双方の利点を生かしつつ欠点を消す装置も登場している。
可視光線と比べ透過性の高い熱赤外線を拾うといっても万能ではなく、気象条件を選ばないとはいえ濃霧でも温度といった条件次第では通常より正確性は劣ってしまうし、砂嵐などにより熱せられた砂塵が舞い上がるなど、環境によっては熱赤外線が遮られたり熱源が空気中に漂うなどすると効果は減ってしまう。カメラの性能次第ではちょっとしたことで遮られてしまい役に立たない、という事も起こりえる。
また、軍事用途でも対策として赤リン発煙弾のような遮りやすい大きな粒子と熱源を散布するスモークでは短時間とはいえ無力化されてしまうし、戦闘ヘリ等のエンジン排気ダクトでよくある構造だが温度の低い空気と高温の排気を混ぜたうえで排気口の形状を工夫することで熱赤外線の放出量を抑える構造も採用されている。スナイパーなどの偽装も従来とは異なり熱の放出にも注意するようになっている。
創作物でよくある遠くから壁越しに熱を拾って相手を探すのはまだ空想の範囲である。
創作においては軍事用の「熱赤外線暗視装置」を用いて敵と戦う、もしくは敵が用いてこちらを追跡する様子が演出として描写される場合が多い。
また、寄生生物や擬態したもの、吸血鬼のような体温が低いという設定の生物を見分ける装置としても使用されることもある。
煙幕などにより視界をさえぎられる状況下や、透明化能力を持つものを追い詰める際に用いられるが、その場合は体を何かで冷却したり周囲を炎上させて目くらまししたり、断熱材となるもので熱を遮り隠れるのが常である。
pixivではキャラクターをサーモグラフィー化したイラストがいくつか投稿されている。