DATA
概要
『ウルトラマンブレーザー』第4話「エミ、かく戦えり」に登場した怪獣。OP映像の描写はyoutube風動画。
くすんだ白と黄色の半透明な体表に、眼球の無い花弁のような頭部と、先端に粘菌のような無数の球体が付いた、軟体動物のようなグニャグニャとした脚部が特徴。また、頭部の内側や後頭部の触角などは毒々しいまでの赤色になっている。
頭部はクリオネのバッカルコーン(=口円錐)のように展開し、内側には真っ赤な球状の器官と、ゼットンのようなパターンで発光する器官が見受けられる。
まるで植物型のスペースビーストを連想させる、異形かつ奇怪なクリーチャーじみた容姿をしている。
鳴き声は、人間の女性の笑い声を彷彿とさせる不気味なものとなっている。
どこか貧弱そうな体型故か、普段は四つん這い姿勢で、基本的にナックルウォークで歩行する(一応、後肢による起立も可能な模様)。
攻撃を受けても瞬く間に元に戻る高い再生能力を持っており、自らの身体を自由自在に液状化(公式サイトの説明によればアメーバ化)させて地中や河川へ移動、更に再復元も可能でこの能力を応用して、思わぬ方向から現れる奇襲戦法を仕掛けて相手を翻弄する。
更には長い前肢を振り回して攻撃を行う他、頭部の口で敵に噛み付いたり、口の中央から金色の怪光線を放射することも可能。
大手化学企業「ノヴァイオ」が開発した新型殺菌剤「FK1」が無ければ撃破不可能とされる。
エミはノヴァイオに潜入するが、そのノヴァイオにも何か裏があるようで……。
活躍
3ヶ月前(映像によれば2023年3月16日付け)から出現しており、初現出の際にFK1の入ったコンテナを破壊した際に液状化して逃走した経緯から、その効果と有用性が判明したため、GGFはノヴァイオに対してFK1を注文するようになった(4話の冒頭でもGGFはドローンを用いてFK1散布により撃退していた)。しかし、現出の度に使用量が増えていく事態から、レヴィーラは徐々にFK1への耐性を身に付けており、FK1を使用しても完全撃破には至っていなかった。
6月20日に横浜市でアースガロンと交戦するも、予想通りFK1への耐性が強くなっており、新型アンプル弾の連射での直接体内注入もアースガロン接敵ギリギリまで耐えてしまい、再び液状化。液状化した際に地面へと染み込み、そのままどこかの地下へ逃げていた(因みにこの戦闘シーンをとある宇宙人に目撃されていた事実が、第6話で描かれている)。
その後の6月22日、内偵調査を行っていたエミの潜入がノヴァイオ社長の曽根崎浩にバレてしまい、彼の口からその正体が語られた。
……その正体は、地球外からやってきた新種不定形生物(後述)の細胞を、ノヴァイオの孫会社が生み出した害魚を駆除する「人工クリオネ」に合成して、攻撃力を高めた上でFK1を嫌うよう遺伝子操作を施したキメラ生命体。液状化して地中に逃げたレヴィーラは、帰巣本能でノヴァイオ本社ビルの地下に戻っており、地下には別個体の小型レヴィーラが大量に培養・保管されていた。
曽根崎は20年前のGGF時代に組織のデジタル化移行に伴う古い資料の大量廃棄のどさくさで手に入れた機密書類と保管されていた宇宙生物の細胞サンプルから生み出したレヴィーラを「私の子供」と呼び、レヴィーラを暴れさせてFK1を提供・販売し、自らを救世主としてリスペクトさせる計画を行っていたのである(18年前までGGF科学部に所属していたが、この野望のために辞め、ご丁寧に自分に関する経歴まで消去していた模様)。
しかもFK1の耐性が付く事態も想定済みで、いずれは大量のレヴィーラ達と共に日本を離れ、事態を知らない世界へ事業拡大を目論んでいた(その目的からエミに「自分好き過ぎでしょ」とツッコまれていた)。
曽根崎はそのまま秘密を知ったエミを護衛のSPに命じて「ほとぼりが冷めるまで200年眠ってもらう」として冷凍装置に連れていこうとするが、実はエミの潜入がバレたのは以上の真相に関する決定的な証拠を入手するための芝居であり、エミが隠し持っていたカメラで上述の会話をしっかり傍受されてしまっていた。
エミの合図を待たずに駆け付けたヒルマ・ゲントとの戦いにより、SPもろとも撃退された曽根崎は、苦し紛れにエミに放った銃弾が誤って研究所の配電盤を壊してしまい、レヴィーラが目覚めて暴走。
その後、ゲントが変身したウルトラマンブレーザーと交戦。液状化と口から放つ光線でブレーザーを翻弄し苦戦させるものの(相当気持ち悪かったのか、頭部に噛みつかれたブレーザーは「ヒッ! ヒッ!」と小さな悲鳴をあげていた)、エミの機転でノヴァイオ内のコンテナに保管されていた液体窒素をアースガロンによって浴びせられて全身が凍結。その隙にブレーザーのスパイラルバレードにより身体を貫かれて、内部から全身を圧縮爆発された。
尚、本社地下に保管されていた別個体がどうなったのかは不明だが、曽根崎の悪事が露見し、しかも戦闘でノヴァイオ本社が破壊された経緯から、地下の施設も露見したためにGGFが処分をしたものと思われる。
その後の新聞報道にて曽根崎が逮捕された事実が報じられ、総集編第1弾でもマッチポンプもバレていた為、ノヴァイオ社自体も終わりだと思われたが、後に『新生、ノヴァイオ』として再建される流れになった。
第17話「さすらいのザンギル」にてかつてのノヴァイオ本社の跡地にてさ迷っていたレヴィーラの魂が、謎の男が取り出した鉱石の力で亡霊態となって姿を顕し、そのまま謎の男の放った斬撃で斬り倒されて成仏した。
また、総集編第2弾では、バザンガ、ゲバルガなどの宇宙怪獣や、宇宙ロボットであるガラモンなどを筆頭にロボット怪獣が地球に飛来している現状をヤスノブ、エミ、アンリが話題にしていた中、エミの回想で以前ノヴァイオに保管されていた防衛隊の機密文章〈新種不定形生物経過観察報告書〉に記されていたレヴィーラの元となった宇宙生物と、V99なる謎の存在についてが描写されていた。これの意味は…。
新種不定形生物(仮称)
レヴィーラの元になったとされる詳細不明の謎の宇宙生物。
2001年に飛来した隕石に付着していた細胞からその存在が発覚した。
上記の報告書によれば、レヴィーラによく似た姿をしていたらしいと判明しているが、こちらは顔の部分が鋭い牙が無数に生えた口になっており、よりクリーチャーらしい悍ましい見た目をしている違いがある(どうやって元の姿を復元ないしは推定したのかは不明)。
また、劇中に一瞬映し出された資料に書かれた文面からは「組織の分裂(細胞分裂を指しているか?)を行わない」「火を近づけるとこれを避けるような動きを見せた(=高熱が苦手)」「極低温化では活動を停止するが、温度が上昇すると活動を再開した」 等々の実験から判明した生物の生態や性質に関する記述の他、「宇宙怪獣との関連性も疑われたが、類似性は低く、V99との関連は認められない」 と結論付けた何やら意味深な記述も書かれている。この時は完全にスルーされたが、その後、この〈V99〉なる存在が物語の根幹に関わる重要な要素であった真相が明らかとなる…。
余談
- 第4話に完全新規怪獣が登場するのは、『ULTRASEVEN X』に登場したペジネラ以来16年振り。
- その異様かつ奇怪ながらもどこか愛嬌のあるデザインから、情報公開直後の一部のファンからは「プリズ魔のような絶望しか与えない強敵」「ホオリンガみたいにハートフルな展開になる」などの両極端な意見が出ていた。
- 実態は上記の通り強敵ではあったが、それ以上に人間の醜い欲望と科学から産み出された末に、望まぬ加害者にされてしまった被害者であった。
- その一方で仮にも地球防衛軍に所属していた曽根崎が、ここまで愚かかつ歪んだ野望を抱いた経緯(野望がバレていたら逮捕どころか、市民に殺される可能性すらある)を疑問視する声もあり、上記のペジネラの様に「SP共々レヴィーラの元となった宇宙生物に操られていたのではないか?」と指摘する意見もある。
- また、そのデザインと明かされた誕生経緯から「某有名ホラーゲームに登場してもおかしくない」との意見まで露見された(具体的にはコイツ辺りに近い)。また、デザインに関しては「同会社の別のゲームに登場するモンスターに似ている」との意見もある。
- pixivに投稿されたイラストでは、プレミア発表会で隣り合っていた縁からか、不思議とガヴァドン(A)と一緒に描かれたイラストが散見される。パッと見の質感が似ているのもあるのだろうか?
- ソフビは「ウルトラ怪獣500」規格で発売。クリア素材でその体を表現している。
- レヴィーラ暴走のシーンをよく見てみると、まだFK1が残留しているにもかかわらず暴れ出しているため、ゲントの早期介入による流れ弾がなくても遅かれ早かれ暴走する可能性があったと考えられる。エミの合図とレヴィーラ暴走のタイミング次第では、エミが冷凍室に閉じ込められたまま崩落に巻き込まれていた危険性も考えられるため、ゲントの独断専行は間違っていないと見える。
- 脚本での名称は『レイナス』だった。
関連タグ
- ペジネラ:レヴィーラと同じく、大企業の内部で増殖していたエイリアン。ウルトラ怪獣の中でも生々しく奇怪なデザインである点、登場回が第4話である点、企業が売る商品と深い繋がりがある点、ウルトラ戦士との戦いが夜戦だった点、無数の小型個体が登場した点など、共通点が非常に多い。こちらは自ら企業内部に潜入し、社長や社員達を操って計画を実行していた。
- アネモス/ラフレイア:花弁のような頭部を持つ外見的特徴が酷似。上述の通り、レヴィーラは一見スペースビーストでもおかしくないようなデザインをしている。
- コスモリキッド:体の液状化ができ、凍結された所を攻撃されて倒された怪獣。OPでのゲントの勤務記録書にこの怪獣の撃退に関する記述がある。
- ネオメガス/スフィアジオモス:前作における人の手によって作り出された怪獣。この内ネオメガスとは創造者が元防衛隊関係者の点や、デモンストレーションを目的として作られた点も共通しているが、前者は曲がりなりにも人類の平和を目的としており、また後者も利用していた地球外生命体の生命力を甘く見ていたが故の事故であったため、脅威ではあったもののその背景や思想に曾根崎ほどの悪意は絡んでいなかった。
- グルジオボーン、ブラックキング、ガーゴルゴン、レッドキング、グエバッサー、メカゴモラ、アリブンタ、ホロボロス、ベゼルブ、グビラ:5年前の作品にて、大企業の社長が自作自演のために出現させた、レヴィーラと似たような経緯の怪獣達。ただしあちらの社長の悪事に関しては本人の意志ではなく、元から曽根崎のように歪んだ人物だった訳ではない。
- ガボラ/スピットル/ライジュウ:頭部が開閉する繋がり。ただし、ライジュウはウルトラ怪獣では無い。
- アメーザ/ビザーモ:宇宙から飛来した点、異形な形をしている点、破壊されても再生する点が共通している。
- ゴジラ:背中の突起物の形状が酷似しており、特にこの個体が近い。またゴジラシリーズはその多くの作品で怪獣の細胞に関するストーリーが展開されており、昭和版キングギドラやスペースゴジラなど宇宙から飛来した怪獣も数多く登場している。