「すげえ…何なんだあの巨人…!?」
「あれは……?」
「“ウルトラマン”だ…!!」
「はっ…?」
「何十年も前から宇宙飛行士達の間で噂されていた、未確認大型宇宙人のコードネームだ…。本当にいたとは…!」
「………ウルトラマン…!」
ゲント「………ブレーザー。あの宇宙人のコードネームです。遠い銀河のブレーザー…眩い光の中からやって来た、“ウルトラマンブレーザー”…ってのはどうでしょう?」
基本データ
身長 | 47m |
---|---|
体重 | 4万2,000t |
飛行速度※ | マッハ20 |
出身地 | M421 |
CV | 岩田栄慶/蕨野友也(ゲント憑依時) |
スーツアクター |
|
デザイン | 後藤正行 |
年齢 | ? |
テーマ曲 |
|
※第23話で判明
概要
『ウルトラマンブレーザー』に登場するウルトラマン。
地球から遥か遠く、銀河の果ての天体M421から地球にやって来た。
揺るがぬ正義感を持ち、防衛チーム「SKaRD」の隊長ヒルマ・ゲントの人の命を救うために力を欲する強い心に共鳴して一体化。彼が変身アイテム「ブレーザーブレス」に光の力を宿した結晶体「ブレーザーストーン」を強く願いを込めながら装填して変身する。
その存在は何十年も前から宇宙飛行士たちの間で噂されていたらしく、劇中世界での地球人類からは未確認大型宇宙人として認識され「ウルトラマン」のコードネームで呼称されていた。その後第2話にて、ゲントが彼と一体化した瞬間に見た銀河の光景を思い出し、「遠い銀河のブレーザー」との意味で「ウルトラマンブレーザー」とコードネームを改め軍本部でもこれを了承、最終的には民間の報道でも取り上げられて定着した。
「ルロロロロロロロロロロィ!!」と表記される、巻き舌を使う掛け声が印象的(コロコロコミックで連載される漫画版では「URURURUAAAI(ウルルルアアアイ)!!」と表記されている)。マイナビニュースでの田口清隆監督のインタビューによれば、多分士気を高めるため「このやろう!」とか言いながら戦っているとのこと。
戦い終わって飛び立つ際には、お馴染みの「シュワッチ!」に準えて「ルロッチ!」と叫んでいる。
飛行ポーズは低速時には従来通りの手を前に伸ばす形、高速飛行に移行する際は手を後ろに伸ばす形の2種類。飛行時には一種のソニックブームが発生し、左側だけに赤と青の光が残る。
カラータイマー音は、グリッドマンのレーザーランプに近い発光音をしている。
ぐんぐんカットについて
第2話で披露したぐんぐんカットは左拳を突き出す形で、この時に一瞬だけ無色のブレーザーも現れ、赤と青のラインが色づきながら登場する。
第9話では直後にアッパーカットをかますため、すぐさま右腕に挙げ直している。
なお、「左拳を突き出すぐんぐんカット」はメイン戦士かつ単独のウルトラマンではブレーザーが初となる(一応「左ぐんぐんカット」の最初の事例はブルやフーマなどがいる)。
ちなみに、ウルトラマンに限らなければグリッドマンも「左ぐんぐんカット」のメイン戦士であり、非円谷作品で特筆すべき事例としてはアカニンジャー超絶も左ぐんぐんカットだった。
19話ではチルソナイトソードを構えた状態での専用のぐんぐんカットが用いられた。
容姿
従来のウルトラマンと比べ特に特徴的なのは、人体を思わせるデザインと独特なカラーリングである。
また、全体的なデザインの傾向としては、ウルトラマンネクサスを想起させる特徴が多い。
カラーリング
メインカラーは銀、赤、青、黒。銀と黒をメインにしたシンプルなベースカラーに、胸部から左半身がカラータイマーを起点とし、まるで動脈と静脈のごとく複雑に張り巡らされた赤と青のラインで彩られている。
頭部は目の上に左右非対称に配置されたクリスタル状の装飾が特徴(田口監督曰く、これはかつて狩りの際に負った傷からかさぶたのように光が結晶化した事により付いた...と、いう設定を依頼したものだという。ただし、これが実際の設定にも加わっているかについては不明。田口監督自身もあくまでも妄想、と付け加えている)。
それ以外はウルトラマンとして非常にオーソドックスな造形。また、目はかなり小さめで、トリガー以降増えてきたスーツアクターの視界に考慮した上スリットとなっている。
生物感のあるデザイン
頭部の特徴的な装飾と血管を思わせるカラーリングに加えて、もう一つ目を引く特徴が筋肉の隆起を思わせるボディラインである。
上述の様にブレーザーは動脈と静脈を思わせる様な赤と青のラインが左半身を中心に描かれているが、全体的にはシルバーのボディにブラックのラインが走る形で全身像が描かれており、あたかも銀色の筋肉に影を彫り込んだ様なデザインとなっている。
また、見ようによっては、人間の骨と筋肉を同時に表現したデザインにも見える。下記の祈祷の動作をする際には、赤と青のラインが脈打つかのように発光することがある(特に夜間戦闘)。
特に腹部は腹筋が割れ、脇腹には腹斜筋が浮かび上がっている様なラインが目立ち、さらに背部の「背ビレ」に至っては、脊椎のような複数の突起となっている歴代ウルトラマンでは類を見ない形状で、ウルトラマンには珍しい「生物感・人体感」のあるデザインとなっている。
加えて足先などにも分割線があることで、ウルトラマンによくあるブーツや手袋のような意匠が抑えられ、生物感を醸し出している。
また、必殺技であるスパイラルバレードや、ブレーザーブレスによる変身の際のエフェクトはDNAを思わせる二重螺旋を描いており、全体的なデザインコンセプトを感じさせる。
他のウルトラマンとの類似点
全体的に突起などの装飾が極めて少なくシンプルだが、ボディラインに沿って凹凸がある立体的なデザインは、ウルトラマン・ザ・ネクストを思わせる。
また、全体的な顔の造形はウルトラマンゼットに似た印象を受け、カラーリングはウルトラマンオーブ・ライトニングアタッカーにも似ている。
カラータイマーはネクサスやメビウス同様に身体に埋め込まれた造形になっている。
形状自体は初代同様にシンプルな円形だが、その周辺のラインの突起により、まるで渦を巻いているかのように見える左右非対称なデザインになっている。
劇中での行動・性格(?)
今の所まだ描写が少なすぎるため彼の人物像に関しては不明な点が多いのだが、少なくとも何かしらの目的があって地球に飛来しているのは確かの様である。
一応「ゲントの正義の心に反応」との記述から、善の感情が理解できると考えられる。
特に我々地球人や他のウルトラマン達の発するような人語は殆ど喋らない……代わりとばかりに、歴代ウルトラマンの中でも群を抜いて戦闘中に「叫ぶ」あるいは「吠える」。劇中ではバザンガに対しても部下を守るために何度も声を上げて威嚇しながら後退りさせるなどワイルドさが目立ち、見方によっては一種の野生生物と評しても良い。
これはショーなどの映像作品外の媒体においても規模を問わず統一されており、M421の文明レベルや「狩りでの負傷」をイメージしたとされる頭部の光の結晶などの断片的な情報から推察するに、言葉を理解していない、もしくは言語の概念が存在していない可能性がある(そのためか、ウルサマのライブステージでは現行作品のヒーローは作品の展開に関わらず、歴代ヒーローと共演するのが慣例だったが、ブレーザーに関してはその例に当てはまらない珍しい状況になっている)。
それでも、ゲントが部下と共に危険な状態になった際にゲントの腕を無理矢理引き寄せるように操作してブレーザーブレスを起動させるなどゼロばりな強制変身をさせたり、ゲントがブレーザーに対する不信感からロッカーにブレーザーストーンを置いて行った際にもゲントの危機を察知し、ストーンの状態でロッカーを控え室諸共破壊してゲントの元に飛んでいくなど変身前でもブレーザー本人の意思は明確に存在している(どちらにせよ中々豪快な人物であるのは想像に難くないが……)。
第1話〜第3話では近くの人物が気絶したりなど、人目がなくなった頃を見計らってブレーザーブレスを出現させていたが、4話ではゲントの部下であるアオベ・エミが目の前にいるにも拘わらず、ゲントの左腕にブレスを出したりと珍しく配慮が足りない対応をしていた。しかし後述のブレーザーの習性からみれば怪獣が目前にいた緊急事態に対する咄嗟の反応であったとも考えられる。
5話以降でも暴れるドルゴから振り落とされ空中に放り投げられたり、敵の手に落ちたアースガロンを引き付けて踏み潰されそうになったことなどによりゲントが危険に陥ったタイミングでブレスを出している。ブレーザーの変身基準としては目の前に脅威が差し迫った時と、変身者であるゲントに危機が迫った時と今の所はこの2点が挙げられるだろう。
実際のところ、ゲントと初めての意思疎通を図ったのは第9話で、そのコミュニケーション方法は言葉によるものではなくゲントが手を叩くのに合わせてブレーザーが反応するという、親がまだ言葉を喋れない幼児とコミュニケーションをとる様子を彷彿とさせるものであった。
このような意思疎通の難しさもあってか、ゲントもブレーザーの意思を読み取れずに困惑する場面が多く、下記のように考えの違いからゲントの意思と対立してしまう原因となっている。
後述のファイトスタイルにもあるが、劇中ではビルをジャングルジムの要領で登りながら敵に飛びかかる、敵の攻撃部位を引きちぎると言った荒っぽい攻撃方法からも、彼の人となりを垣間見れる。
しかし、手を尽くしても追い詰められて勝てないと悟ればやられる前に変身を解くなど、引き際を見極める力も高いことをうかがわせる。
タガヌラー戦では、超高温となった体表を掴もうとした際に「アッチッ!」と発して(いるように聞こえて)おり、その後も触ろうとする度に熱がったりと、コミカルなリアクションも多い。
また、レヴィーラ戦では噛みつかれそうになって、本気で嫌がってるかのように呻く場面があり、喋らなくてもかなり感情豊かである。さらにカナン星人の策略で暴走したアースガロンを止めるため、脳天めがけてチョップしたら「カッテェ」と痛がっている。ガラモンに対しても途中までほぼ防戦一方だった辺り、今までロボット怪獣との交戦経験はあまりない様子。
なお、変身中には時折ゲントの意識もあるのか、第1話では巨大化した自分に驚く、怪獣を倒した後何をすればいいのか分からず呆然とする描写もあるので、変身した後ではブレーザーとゲントの意識が混在している様だ。
現に7話でゲントの趣味が釣りと判明したことから、2話で見せた釣り竿型スパイラルバレードはゲントの意志が反映された結果ではないかという可能性が強まっている。
そして8話にて、ゲントの一人称視点だがインナースペースが存在することが確認され、ゲントの意思も存在することが確認された。
第9話、10話では、ゲントの体を勝手に借りて(その際左目が青く光っている)野菜ジュースを飲んで苦くてむせたり、テレビのニュースで赤ん坊の特集が流れているのを夢中で見ていたりと、地球人の食文化や子育てに興味津々の様子。
しかし、第10話においてデマーガにトドメを刺そうとしたところに、デマーガの幼生が親のもとに駆け寄る姿を見た瞬間、スパイラルバレードを持っていた右手を突然左手が押さえつけてそのまま放り捨てたり、左手がまるでブレーザー自身を止めるかのように顔面を殴りつけたり鷲掴みにして抑えようとするなど、まるでゲントとブレーザーの意思が対立しているような様子を見せている(この時左手が動く時は赤、右手が動く時は青のラインが強く発光している)。
この左手の方の意思がどちらの意思なのかは第10話時点ではハッキリしていなかったが、第11話でゲントが「今度は頼むぞ…」と発言していた事から怪獣にトドメを刺そうとしたゲントをブレーザーが制止していた模様。
以降もゲバルガへの対処を行う際に通じないとわかって尚スパイラルバレードで戦い続けようとするゲントの意思に反して、ブレーザーがその行為を止め回避に専念するという以前のような両者の意思の不一致によるねじれ現象が発生している。
更に、アースガロンがゲバルガと戦闘中、電磁パルスを展開しようとしたゲバルガを見てゲントがアンリに『今すぐ離脱しろ!』と鬼気迫る様子で離脱を命じていたが、実はゲントの身体を借りてブレーザーが伝えていたことが判明。
ゲントとしては、息子の思いを知っていたとしても、敵わないとわかっていたとしても部隊の隊長としての使命感から、被害を増やさないためにデマーガやゲバルガに立ち向かおうとしており、このブレーザーの一連の行動に対して不信感を抱き、ゲバルガとの再戦ではブレーザーに頼らず戦う事を選ぶ。
それでもブレーザーはゲントの危機に際して、彼の元へ飛来し、とあるイメージを見せる。それは他ならぬブレーザー自身の記憶であった。
ブレーザーの地球におけるこれまでの行動原理は、全てゲントの言葉や彼の体を通して見たもの、経験した事。それらに影響されていたものであった。デマーガの一件はテレビのニュースで赤ん坊の特集が流れているのを見た事から、ゲバルガ戦での一連の行動はゲントの任務に対する「全員で生きて帰還する」という言葉からくるもので、ゲント自身の命も優先した結果でもあったのだ。
言葉による意思疎通は叶わぬものの、「命を救う」という自分にも共通したブレーザーの想い・真意を知ったゲントはブレーザーと共に戦う事を決意。新たなる力・チルソナイトソード でゲバルガの撃破に成功する。戦闘終了後にゲントはブレーザーストーンを見つめ「もうちょっとお互いを知っていかないとな」と呟く。2人の結束は強いものとなったのであった。
なお、チルソナイトソードを手にして試し斬りと言わんがばかりに初撃でゲバルガを斬った後興奮してぴょんぴょん跳ねておりその姿はまるで欲しかったおもちゃを買ってもらったこどものようである。
これによりゲントとブレーザー、それぞれの意思は完全に一体化している訳でもそれぞれの意思は独立している訳でもない不安定な内面であること、戦闘中のブレーザーはゲントの意思が主流であることが窺える。
第19話ではSKaRD解散寸前という危機的状況下においてブレーザーに不信感を抱くハルノ・レツに対してナグラ・テルアキが進言した「ブレーザーは仲間である」という旨の発言に対して、ストーン状態で反応を示した。
未だ人とのコミュニケーション方法は確立していない事に加えてブレーザー自身がその言葉にどういう感情を抱いたのか明瞭ではないが、「仲間」という言葉に込められた意味を彼は知っているのかもしれない。
そして同話中のブルードゲバルガの戦いでは相棒のファードランと再会を果たし、ファードランアーマーへと強化変身。チルソナイトソードにファードランの力を加えたチルソファードランサーを生成し、ブルードゲバルガ及びイルーゴを撃滅。ゲバルガ戦から続いた「セカンド・ウェイブ」に終止符を打った。
終盤、SKaRDからタガヌラーを撃破しないでほしいと言う通信を受けた際には、エミが噛み砕いて説明した為か、あるいはゲントと一体化している恩恵からか意図を理解し、サーモバリック弾の撃墜に目的をシフトするなど連携面においてもクローズアップされるようになる。
しかしその一方で変身者であるゲントは度重なる変身と戦闘によって命に関わるほどに消耗しきっており、ブレーザーもまたもう一度変身すればゲント共々死ぬかもしれない状況に追い詰められていく。
ブレーザーはゲントが変身しようとすると、突如彼の身体を操り自分の顔を殴らせることで気絶させるというあまりにも力技すぎる方法やブレスを出現させなかったりとあくまでゲント本人の身を案じた行動をとっている。
しかし最終的には「もう少しだけやらせてくれ」という彼の意思や危機的状況に応じてブレスを出現させている。
そして、月面にてヴァラロンとの戦いに挑むも、ダメージが抜けきれておらず、カラータイマーが最初から点滅した状態で戦闘することとなる。
ヴァラロンが月を地球に落とそうとした際には、せめてゲントだけはと一体化を解いてアースガロンに帰し、月を元の軌道に戻すが、ヴァラロンにエネルギーを吸われたためカラータイマーと目の輝きが消え、宇宙空間を漂うこととなる…。
その後、ブレーザーはアースガロンによって救出され地球に降着するも、全てのエネルギーを失い活動停止状態に陥っていた。
ゲントは意識を失ったブレーザーに対してこれまで共に戦ってくれたこと、自分を守り続けてくれたことに対して感謝の言葉を告げ、SKaRDとしてヴァラロンとの戦いに向かおうとするが、ブレーザーは目とカラータイマーに光がないままの状態で立ち上がり…
「お、れ……俺も、行く…。」
と初めて言葉を発し、ゲントと共に戦いたいという意思を伝えた。それを受けたゲントもまた最後までブレーザーと共に戦うことを決意。医官に絶対安静と言われたと称し、一時的に副隊長であるテルアキに指揮権を譲渡。自身はブレーザーと再び一体化する。
ゲント「今度はもう、離すなよ」
そしてSKaRDは紆余曲折を経てV99への説得に成功し、ブレーザーはゲントの妻と息子の想いを乗せた新たな必殺技ブレーザー光線でヴァラロンを撃破。地球の危機は去ったのだった。
『大怪獣首都激突』
東京の工業地帯に現れたタガヌラーとズグガンを倒すため現れたときには、ブレス出現後ゲントに襲いかかってきた幼体ズグガンとタガヌラーをストーンの状態で吹き飛ばし援護した。既にアースガロンが2体と戦ってたため建物の影からぴょこぴょこ顔を出しながら隙を見てズグガンに飛び蹴りをかましている(かわいい)。また自身と一緒に祈祷をしようとしたアースガロンが倒れてしまい二度見したりしている。
ゴンギルガンに取り込まれてしまったマブセ・ユウキを救出する作戦について話している際、「ウルトラマンでもないと不可能」と悲観するマブセ・イチロウに対し、「ブレーザーに繊細な作業は出来ない(要約)」と返したゲントの発言に対しストーンを発熱させている(ゲントも今までより熱がっていたが、ゲントの言葉にかなりの不満があったのだろうか…)
ユウキ救出後、ゲントが走りながら巨大化する形で変身し、祈祷を妨害されたことに怒りの咆哮を上げながらもゴンギルガンと交戦。ファードランアーマーを纏いアースガロンMod.4と共に国会議事堂前で激闘を繰り広げるが、ユウキを失って暴れ回るゴンギルガン相手に一度はアーマーを解除されダウンしてしまう。しかし、アースガロンとSKaRDの援護によって再起し、共に触覚を引きちぎって弱点を露呈させ、エミが撃ち込んだAD弾によってゴンギルガンは再生能力を失う。
テレビで戦いを見守っていたジュンの持つブレスレットとサトコの指輪が輝き、最大出力のアースファイアと共にブレーザー光線を発射。ゴンギルガンの撃破に成功した。直後に電源が落ちて倒れたアースガロンを受け止めて寝かせてやると、改めて祈祷の動作をして飛び去った。
スペシャルボイスドラマ『首都直下撃滅作戦』
入場者特典のボイスドラマでは、劇場版の後の出来事が語られている。ボイスドラマなのでブレーザーのセリフはなく、戦闘シーンの描写もほとんどないが、ストーン状態での反応や他キャラからの言及などで行動を知ることができる。
前編では、小型ゴンギルガンの撃滅作戦中、ストーン越しにゲントから、自分達だけでも怪獣に対処できるようになってきていると前置きした上で「ワームホールの研究が進んで故郷に帰れるようになったら、ブレーザーも帰りたいのではないか」「もし帰れる日が来たら遠慮なく言ってほしい」と呼びかけられる。
結局「お前がいなくなっても、今日みたいに俺たちだけで…」と言うところでストーンを発熱させ、ゲントの言葉を遮ってしまった。
その後ゲントのいた東京駅地下からゴンギルガン・ペスカトーレ が現れたため、ブレーザーブレスを出現させている。
「いつまでかわからないけど、これからも一緒に戦ってくれ」とゲントは変身したが、果たしてブレーザーの真意は……?
後編のSKaRDの打ち上げ焼肉の際にテルアキから戦闘の結末が語られており、スパイラルバレードにアースファイアを合わせることで威力を底上げし、無事に撃破に成功した模様。
打ち上げ中にも、ゲントが肉を食べるタイミングで2回ほどストーンが発熱しており、2度目に至ってはゲントが思わず「ブレーザー!」と声を上げてしまっていた(ゲントが誤魔化したことで、メンバーからはタガヌラーを触って熱がるブレーザーの物真似だと思われた)。
ちなみにその際には焼肉について「ブレーザーにも食べさせてあげたかった」とエミ達に言われており、すっかりSKaRDの仲間として信頼されているようである。
また、ゲントが「もうすぐで二児の父親」と発言した際にも発熱しており、子どもに興味があるのも相変わらずのようだ。
戦闘スタイル
極めて動物的・野生的。
上述する通り戦闘時には掛け声とは違う叫び声・唸り声のような声を上げながら戦い、ファイティングポーズもどこか野性的な構えを取ってからゆらゆらと身体を揺らしたりと、今までのウルトラマンとは異質な雰囲気を漂わせる。
肘打ちの出し方や跳び膝蹴りの姿勢など、多くの場でムエタイを彷彿とさせる動きを見せているが、それ以上にビルを四つん這いでよじ登って跳び膝蹴りを決める、怪獣の威嚇に対抗するかのように猛々しく吠える(ただしこれは今のところ宇宙怪獣相手にしかしていない)、怪獣の部位を引き千切り、それを投げつけるなど、荒々しい行動が目立つ。
さらには1度狙った獲物を狩る獣のように吠えながら地団駄を踏んでいる。後述の必殺技が槍の投擲である事実も相まって、その様はまるで原始人や未開の部族、狩人のようでもある。
ただし、野生的ではあるもののTPOに応じた配慮はあるようで、第2話以降から野性的なファイトスタイルは控えめで、野趣がありつつもウルトラマンとしての戦い方に近い振る舞いをしていた(ゲントが自分の意志で変身したのが関係していると思われる)。
変身者のゲントの意思もあるだろうが、ドルゴのように倒さずに済む怪獣であれば怪獣が暴れる原因の排除に留め、大人しくなった怪獣を安全な場所に移動させて去っていくと、歴代ウルトラマンのような優しさを見せた(……ただし、戦意喪失の末に大人しくなっても、その前に相当の実害を出した場合は別で、逃走を計っても見逃さずしっかりと討伐する)。
また、特筆すべきは主に必殺技スパイラルバレードを放つ際に見せる身体の異様な柔軟さ。第5話にて凄まじいブリッジ態勢で放った他、第6話では身体が捩じ切れそうな程に捻って投擲の勢いをつけるなど、その柔軟さは歴代ウルトラマンでも類を見ない。
漫画版ではこれの応用で逆立ち独楽廻し蹴り(カポエイラにおけるエリコピテロ)を720°回転で放っている。
上記の通り必殺技以外では基本的に徒手空拳での戦闘がメインではあるが、本作の怪獣は全体的に防御力が高かったり素手の殴り合いに不向きな怪獣が多くフォームチェンジなど打開策が乏しいこともあってか、戦闘では他のニュージェネ戦士に比べると比較的劣勢になる場面も多い。この欠点はレインボー光輪やチルナイトソードの入手である程度は改善されている。
大きなダメージを負った時やチルソナイトソードの一部必殺技を使用した際にはカラータイマーが点滅しているが、地球上での活動時間に制限があるかどうかは言及されていない。
ガヴァドン戦では、特に攻撃などは受けずガヴァドンを市街地から動かす事に注力したためか、動きに疲労こそ見えてもカラータイマーは点滅しておらず、それどころか昼間から夕暮れにかけて戦い続けていた。
また、ファードランアーマーを使用した際は点滅していたカラータイマーが青に戻るが、ゲントが満身創痍であった23話では点滅したままになっている。
このため、カラータイマーが点滅するのはブレーザー(とゲント)の身体のダメージが大きい時や、エネルギーの消費が激しい時と思われる。
田口監督のコンセプトによると「ブレーザーの出身地であるM421はウルトラマンのような生命体こそ存在するものの、文明レベルが光の国より低い」と語られており、野性的な戦闘スタイルはM421の文明レベルが関係していると考えられる。
祈祷の動作
変身直後に「ワイクルー(=片膝を高く上げた後、地面に深く身を沈めてから両手を突き出す動作。ムエタイの試合前の踊り)」のような祈祷の動作をするのも印象的。
ただ、毎回行っているわけではなく、場合によって省略することがある。
第3話、第5話、第14話、第15話はいずれも人命救助や爆発の危機などの理由で「悠長に祈祷の動作をする余裕がない」状況であり、戦闘終了後に改めて行っている。チルソナイトソード入手後は、ほぼ戦闘終了後に行うようになった。
第6話・7話については、前者に関しては相手が味方であるアースガロンであったり、ブレーザーからしてみればカナン星人は祈祷を捧げる価値もない外道と捉えていると考えられる。後者の場合は変身者のゲントが「早くニジカガチを倒さないととんでもない事態になる」と判断したため、ブレーザーもそれに応じたと考えられる(第8話で再戦した際は、改めて戦前に祈祷の動作をおこなっている)。
『大怪獣首都激突』では、途中でゴンギルガンが邪魔したため、叫びながら怒りを露わにしていた。
使用技・使用武器
右手から発生させた光り輝く二重螺旋状の槍を投擲する光線技。貫通力もかなり高く、並の怪獣ならばいとも容易く身体を貫いてしまう。ウルトラマンのメイン必殺技としては異色の槍型の技。間違えやすいが「ブレード」でも「パレード」でもなく「バレード」である。
下記のバリエーションはほんの一部であり、細かい描写などはリンク先を参照。
- ルアーバレード一本釣り
第2話で披露したバージョンのスパイラルバレード。舞台が港なのもあり、通常の物よりも長さを延長させたバレードで海に逃げたゲードスを釣りあげた。なお、この後には釣竿を元の槍に戻し、ゲードスを串刺しにして焼いた。
- ダブルバレード
第5話で披露。ドルゴの背中に設置されたGGFの兵器「メガショット」に対し、スパイラルバレードを膝で折り、ブリッジするかのように大きく仰け反ってから投擲。除去に成功した。
- フォークバレード
撃ち方は通常のスパイラルバレードと同じだが、命中後にバレード本体をフォーク状にして内部から敵を爆裂させるというえげつないパターン。爆発直前にはレヴィーラの身体中からエネルギーが噴出していた。
- トルネードバレード
第6話にて披露。槍状で放ったスパイラルバレードが命中直前ギロチン状に変形する。作戦失敗を悟ったカナン星人が風力発電所に偽装した宇宙船で脱出しようとした所を身体を思いっきりねじり、その反動の勢いで投擲。カナン星人を宇宙船諸共ぶった斬った。
- スパイラルバレードエンブレイス
スパイラルバレードの槍が金色の糸状の光に変化し、やがては繭状になって対象を包み込む。これを受けたデマーガ親子は繭の中で眠りにつき、その後はブレーザーにより繭は安全な地中へと送られた。
エンブレイスは英語で「抱擁する」などを意味する。
- クレーンバレード
第15話のガヴァドン戦に使用したパターン。一旦バレードを地上に突き刺した後、先端をクレーンゲームのアームに形を変えて怪獣を運ぼうとしたが、流石に2万トンもの体重を持つガヴァドンには効果が薄く途中でアームから落としてしまった。
- バリア
第5話で披露した技。スパイラルバレードを生成するエネルギーを盾として使用する。ドルゴが放った電撃を防ぎ切った。
- サプレッシブ・スプライト
手から発射する、赤と青のエネルギーが渦巻く光弾。
バザンガにパンチのコンビネーションのような構えで3発連続発射し怯ませた他、首に巻き付いたゲードスの触角を切断する、食事に夢中なタガヌラーの注意を引くなど、様々な局面で活躍している。
発射時には赤と青の丸いエフェクトが発生する。
スパイラルバレードと比べてエネルギー消費が少ないのか8話のニジカガチ戦では連続で使用でした。
- ハウリングブレイク
頭部左側の結晶体からゆらめく炎のような光を発しながら口を開き(この際口が金色に発光している)、猛々しく咆哮することで強烈な衝撃波を放つ。ウルトラマンジードのレッキングロアーなどに当たる必殺技である。デマーガに向けて飛んできたミサイルを全て破壊した。
- ストーン化
その手で掴んだエネルギー・物質をブレーザーストーンへと変換して手に入れる力。第8話ではニジカガチの虹を掴んでニジカガチストーンを、第12話ではチルソナイトスピアを掴んでガラモンストーンを手にしている。どれだけの物質・どれだけのエネルギーならストーン化できるのか、その詳細はまだ分かっていないが、ストーンを手にした際には必ず対象を右手で掴んでおり、また対になるブレーザーブレスがゲントの左手に装着されることからも、右手で掴むことがストーン化の条件の一つである可能性は高い。
第12話で明かされたゲントとの邂逅時でもブレーザーは彼の左手を右手で掴んでいるため、ブレーザーストーンが精製されたこと、更に言えば彼との一体化にも何らかの関係があるのかもしれない。
ニジカガチから放出された虹状のエネルギーから生成されたニジカガチストーンをブレーザーブレスにスキャンさせて発動する必殺技。両手を一旦合わせてからブレーザーの両手から放出された虹のエネルギーを凝縮して7色の刃を持つ光輪を投げつける。
スパイラルバレード同様に応用力も高く、後述の様に多種多様なバリエーションを持つ。盾として使用することもできる。
- ダブルレインボー光輪
ガラモン戦で初使用した技。通常のレインボー光輪とは異なり発動後に光輪を小型化させて2つの近接武器として使用し、敵を木っ端微塵に粉砕する。名称の初出は児童誌から。
- レインボーブリザード
こちらも児童誌が初出の名称。青色に色を統一させたレインボー光輪から冷凍ガスを噴出させ、敵を氷漬けにして身動きを取れなくする。天候を自在に操るニジカガチの能力の応用技と言える。
ゲバルガ戦においてSKaRDがガラモンの残骸から作成して用いた銛「チルソナイトスピア」をブレーザーがゲバルガから引き抜き、ガラモンストーンの生成と共にスピアの形を変化させたことで誕生した剣。ヒルマ・ゲントがインナースペース内でガラモンストーンをブレーザーブレスに装填することで召喚される。
地球の科学力では破壊できないとされる宇宙合金「チルソナイト」で構成されており、鍔にあるレバーを引く事で取り付けられている紫色の隕石「ガラダマ」が回転し、操作回数に応じて以下三つの強力な必殺技を発動させることができる。
第19話のブルードゲバルガ戦では、(尺の都合か)ぐんぐんカットを変えてまで変身即装備で登場したが、一撃で砕かれるという出オチを見せた(アースガロンから別のチルソナイトスピアを貰って再生した)。
- イナズマスラッシュ
チルソナイトソードの引き金を1回以上引くと発動する必殺技。刀身から電磁エネルギーが込められた3発の波状攻撃を発射する。第14話では単に近接攻撃の一種としても使用した。スパイラルバレードが通用しなかったゲバルガのバリアを破壊する威力を誇る。
- ライデンズフィニッシュ
チルソナイトソードの引き金を3回以上引いて発動する。高圧エネルギーを纏わせたソード本体から緑色の電撃光線を発射する技で、レインボー光輪とイナズマスラッシュすら耐え抜いたデルタンダルの装甲を突破する程の破壊力を持つ。
- オーバーロード雷鳴斬
チルソナイトソードの引き金を5回以上引くと発動する必殺技。稲妻の如く肉体を光らせ、上空から敵を一刀両断する。発動時にはチルソナイトソードの影響で上空の天候が暗雲に変わる。
最終回にて、ヴァラロンに向けて放った腕を十字に組んで放つ必殺の光線。
インナースペース内で、変身者であるゲントの息子であるジュンから贈られたブレスレットと妻・サトコとの結婚指輪が輝き、それに呼応するように発現した技で、スパイラルバレードの応用技以外で初めてブレーザーストーンに由来しない必殺技である。そのため、ブレーザーが当初からこの技を使用できたか定かではない(公式X(旧Twitter)では2人のブレーザーへの応援と家族の愛が生んだ力である事が示唆されている)。
その威力はすさまじく、チルソファードランサーやレインボー光輪、スパイラルバレード、アースガロンのあらゆる兵装をも跳ねのけたヴァラロンを跡形もなく粉砕し消滅させるほど。
左腕を垂直に立て、右腕を交差させる構えを執る。いわば、スペシウム光線とは逆の状態。
このスタイルはウルトラマンゼアスのスペシュッシュラ光線以来である。
- スパイラルチャージ
『ウルトラマンアーク』で披露した技。
他のウルトラマンの手を握ることにより、タイマーから赤と青の光が血管のように流れ出し、自身の力を託すことができる。
劇中では、ヘルナラクを倒す為に自身の次元にやって来たウルトラマンアークに対して使用。
所謂ウルトラチャージのような技だが、力を受け取ったアークのタイマーは点滅したままの為、あくまで自身の力そのものを渡している様子。
託された力は元の次元へと帰ったアークによってブレーザーキューブの生成に使用された。
ちなみに差し出す際の手の形は、ゲントと一体化した時と同じ(ただし左右で向き合っていたゲントと違い、アークとは左手同士で手を繋いでいる)。
形態
オーブ以降、ニュージェネでは恒例となっていた初期タイプチェンジが廃されている。これはギンガ以来10年ぶりである。
ブレーザーの相棒怪獣「ファードラン」が炎を模した鎧へと変化し、そのまま肉体へと装備した姿。
ブレーザーは今まで並列のタイプチェンジは行ってこなかったが、ブルードゲバルガとの戦闘で本形態を入手した。ブレーザーを助けに来たファードランから授けたファードランストーンをブレーザーブレスに装填し装着する。
謎
これまでのウルトラ戦士らが地球人と一体化する際はきちんと異星からの異邦人であることを説明するのだが、ブレーザーの場合は本編開始前から一体化済み。しかもゲント本人はそのことをバザンガ戦まで知らなかった。この戦いで特になんの前触れもなくブレーザーブレスが突然出現しているのだが、変身者のゲントは「3年前爆心地に突っ込んでもなお生還し、多くの人命を救助した」と説明されており、実際に第3話ではとある施設での救助活動中の様子をゲントが回想している。
その回想によれば “活動中に謎の黒い穴が出現、その中に人影らしきものを見て「まだ逃げ遅れた人がいる」と思い、ゲントは穴に手を伸ばした……” とされており、視聴者からは「やはりこれが3年前の出来事で、この際に一体化したのではないか?」と推測されていた。
ゲントとブレーザーが一体化した時については、物語の中盤以降、少しずつその真相が明かされている。
3年前に岐阜のとある山中にある地球防衛隊日本支部宇宙装備研究所第66実験施設で、1999年に地球に飛来した地球外生命体(通称:V99)が残したワームホール発生装置の起動実験が行われた。しかし、直後に装置は制御不能の暴走状態に陥り、その際に(恐らくワームホール発生装置の暴走の影響により生じたと思われる)謎の穴にいたブレーザーをゲントが救おうとしていたのに対して、ブレーザーもまた飛び込んできたゲントを救おうと手を伸ばしていたというものであった(ゲントは、この時配下の第1特殊機動団を率いてある人物の警護を行っていた)。
この真相をゲントが知った時、真の意味で2人の心は1つとなり、人々を脅かす脅威に立ち向かっていく事になる。
……と、ここまでを踏まえても、ブレーザー本人に関する情報は話数を重ねてもまだ不明な点もあり、そもそもゲントとの出会いの場面を見ても「何故ブレーザーがその施設に現れたのか?」「何故この一連の出来事(3年前の爆発事故)がゲントの経歴から抹消されているのか?」などの理由も現時点では一切不明である(ただ、この施設がV99に関する研究を行っていたことと何か関係があることは間違いないと思われる)。
しかしながら、土地神に近い存在であるドルゴや子を守ろうとしたデマーガの命を奪わないよう配慮できる点からブレーザーが、心優しい人物なのは確かなようである。
その後の登場
『ウルトラマンアーク』
第19話「超える想い」に登場。
TV、劇場版も含めた本編では他のウルトラマンとの出会いは無かったが、本作にて遂に解禁となる。
第17話「斬鬼流星剣」では先行してシルエットのみ登場。
ザンギルによると「ヘルナラクを抑えているウルトラマンが居る」とのことだが、十中八九ブレーザーと見て間違いなく、『ブレーザー』世界に跋扈するヘルナラクの幽体怪獣達と対決していた模様。
一応劇中には変身前のゲントは登場していないものの、前話でザンギルから「ゲント殿」と呼ばれていることからも現在もブレーザーと一体化したまま怪獣達と戦っている模様。
本作ではファードランアーマーには変身しなかったが、前述の通りザンギルと既に面識があること、アースガロンがMod.2ユニットを装着していたこと、GGFやアースガロンからもブレーザーが信頼の置ける仲間として定着していることから、少なくとも本編の第17話以降の時系列(若しくはそれに近い出来事を経験した並行世界のブレーザー)と思われる。
ピンチに陥ったアースガロンを救出するために地上に出現し、相変わらずの野生児染みたファイトスタイルでヘルナラクと対決するが敵の装甲に大苦戦していた所に並行世界からやってきた飛世ユウマの変身したウルトラマンアークと邂逅。なお出会った直後には「ダレ?」とハッキリと言っていた。
即興ながら息の合った連携を見せた二人のウルトラマンは見事ヘルナラクのコアを破壊寸前まで追い詰めるが、後一歩の所で卵からバザンガを復活させたヘルナラクに再び逃げられてしまう。この事態を重く見たブレーザーは、かつてゲントと初めて出会った時の様に手を繋ぐ形で自身のエネルギーを分け与え、アークを投げ飛ばす形で元の世界へと帰すというダイナミックな方法で彼を助けている(このエネルギーが後にブレーザーキューブに変化し、ヘルナラク打倒の鍵となった)。
残ったブレーザーとアースガロンは自分達の世界でバザンガと対決、敵のパワーに一時苦戦こそするがスパイラルバレードによって怪獣を撃破。ヘルナラクも並行世界でアークに倒されたことで卵が消滅し、2つの世界の危機はこうして救われた。
ライブステージ(NEW GENERATION THE LIVE)での活躍
ウルトラマンデッカー編 STAGE5〜彼方へと続く道〜
僕らのスペクトラをバックに、TVシリーズ本編放送前に先駆けて登場。ウルトラマンディナスとウルトラマンダイナの戦闘中、2人が倒し損ねたウルトラマンオーブダークの前に突如現れ野生味溢れる戦闘スタイルでオーブダークを圧倒。スパイラルバレード等の光線技を一切使わず格闘技一つで撃破。その場を颯爽と去っていった。
その場に居合わせたダイナも唖然としていたが、一つ分かっている事実としてブレーザーを「めっちゃカッコいい」と評している。
また今回戦ったオーブダークは、自身の理想とするウルトラマン像に程遠いブレーザーに倒される形となった(再生怪獣枠であるため本人ではないだろうが)。
ウルトラマンブレーザー編
ウルサマ2023前期後期通じて本編同様ワイルドな戦いを見せており、ステージの壁をよじ登ったりしてガルベロスやウーラー、ブラキウムといった歴代のウルトラマン達を苦戦に追い込んだ強豪怪獣達を倒している。
「巡る願い星 SIDE ブレーザー」
ゲントの人格がメインとなっており、謎の空間で両親に相手にされず1人寂しそうにしてるヒーロー願望がある少年にインナースペース内のゲントがテレポートで語り掛ける能力を見せた。
終盤ではバザンガをあえて倒さず、少年の心の闇を打ち破り、自らの手で倒させるためにバザンガを抑えつけていた。
「もうひとりの勇者」
バロッサ星人によって呼び出されたアースガロンのパチモンと怪獣達と戦う。そんな折、バロッサ星人の手によってブレーザーの偽物が現れたためファードランを呼ぼうとしたが、バロッサ星人にファードランは幽閉されてしまっていた。ゲントと二人でダークブレーザーに挑むもエネルギーの消耗が激しく、怪獣達の蹂躙を受けてついにカラータイマーの光が消え、倒れ伏してしまう。
しかし、エミ達の手によって解放されたファードランと地球人の光を受け取ってファードランアーマーとなり復活。怪獣達を蹴散らした後、アースガロンと共にダークブレーザーを撃破する。その後、復活したブルードゲバルガが現れるとファードランアーマーを脱ぎ、最後はスパイラルバレードでトドメを刺した。
「・・・未来へ」
第一部では黒幕の手によってゲントと分離させられ、二人で黒幕が呼び出した再生怪獣達と戦っていたが、黒幕の手によってかつて倒したダークブレーザーを呼び出されピンチに陥る。
だが、ゲントの作戦で伏兵として待機していたファードランが現れて形成を覆すと、再びゲントと一体化してチャリジャを倒す。
第二部では怨念体になったチャリジャが別時空にある巨大なエネルギーで蘇らせたヴァラロンに苦戦を強いられる。しかし、エネルギーの供給元の時空のウルトラマン達によってコアのエネルギー供給が断たれると、ブレーザー光線の威力を上げて今度こそヴァラロンとチャリジャを撃破した。
余談
- 防衛チームの隊長が変身する主人公ウルトラマン、頭部まで左右非対称のウルトラマン、と容姿や設定共に珍要素が多い(一応、サーガやゼット・デルタライズクローの初期案でも、頭部が左右非対称になるデザインが考案されたものの採用されなかった)。左右非対称なデザインは2年連続。
- ゼット以来の変身者を相棒としたウルトラマンでもあるが、最終話まで人語で会話する事が無かった。
- これまでの令和ウルトラマンは『タロウの息子』『ゼロの弟子』『ティガのそっくりさん』『ダイナのそっくりさん』といった、『〇〇の〇〇』の様な過去作品のウルトラマンとの関係性があったが、ブレーザーは、令和ウルトラマンでは初となる歴代ウルトラマンとは一切関わりがないウルトラマンである。
- ブレーザー(BLAZAR)とは、巨大楕円銀河の中心で、大質量ブラックホールをエネルギー源として明るく輝く天体の事。「宇宙で最も激しい現象の一つ」ともされる。
- その天体の1つにMrk 421(マルカリアン421)という天体が実在しており、ブレーザーの出身とされているM421のモチーフ元……と何かしら関連性があるのか注目されている。
- 変身音はBGMと効果音のみ。ニュージェネではお馴染みだったウルトラマンの名前コールも無い。これはウルトラマンのみならず近年の特撮作品としては極めて珍しい。これについては次回作のアークにも引き継がれている。
- 『ウルトラマンマックス』以降、変身にバンクシーンが導入されたが、本作では全話通してバンクシーンを作らず各話新規で撮影していた。これは『ウルトラマンネクサス』以来19年振り、番外作品も含めれば『ULTRASEVENX』以来16年振りである。
- デザインについては、田口清隆監督曰く「自分が考えるウルトラマンという生命体はこれだ」というもの。
- 顔や身体の非常に特徴的なデザインについて、田口監督とレグロスの監督を務める坂本監督による対談の中で理由が語られている。
- 坂本監督がレグロスの両腕のコスモ幻獣拳を習得した証であるコスモビーストの紋章について、コスモ幻獣拳の元になったカンフーにかつて存在した流派を極めた証として刻印を押す儀式を踏襲したものだと話した。それに対して、田口監督はレグロスの紋章と意外な共通点があると捉えており、ブレーザーの左半身の赤・青の複雑な模様は、部族の中での強さを示す入れ墨「トライバルタトゥー」をイメージしたものと語っている。
- 第10話の顔のクリスタル部分を光らせてからの咆哮は同話を担当した越監督によると、最初ブレーザーのデザインを見た時やってみたかったのが蒼い炎と口を開けることであり、「やるからには意味を持たせたい」という事で、怒りの表現として取り入れたという。
- 『円谷造形探訪』のインタビューによると、デザインが上がってきた時に驚いたのが第一印象らしく、今までにないデザインだったため「これどうする?」といったところからのスタートだったらしい。ブレーザーのスーツには普段の2倍のパーツが使われているとのこと。
- また小柳氏と田口監督のインタビュー内にて、顔のクリスタル部分は最初独眼竜伊達政宗のように目に傷があるイメージだったが、スタッフから顔に傷があるのはちょっと、と難色を示されたために生み出されたと語っている。(出典)
- 更にマイナビニュースのインタビューでは、「いろんな人がさまざまな意見や要望を持っているけど僕自身としては、そういった声も自分の思い入れも一回ぜんぶ捨てて、新しいウルトラマンをどう作るか、正面から向き合ってみたんです。そして、歴代ウルトラマンでスーツアクターを務めている岩田栄慶くんと常日頃から話していた『生き物としてのウルトラマンをやってみたい』という野望を遂に果たそうと、これまであまり踏み込まれていなかった『ウルトラマンは宇宙人・地球外生命体である』という部分を強調してそもそもウルトラマンと地球人とでは生命の成り立ちが違うわけだから、言語が一緒なわけがない。そういった部分からウルトラマン像を作りあげていこうと考えました。」と語っている。
- そのため激しいアクションや経年劣化等でスーツにシワが寄る事を最初から想定し、それが悪目立ちしないようディテールとして利用出来るデザインとなっている。
- 身長は47mだが、身長が40m台のウルトラマンが登場するのは、TVシリーズではウルトラマンエックスから実に8年ぶりである。
- 海外ウルトラマンならばウルトラマンリブットから7年ぶりで、主役ではないウルトラマンを含める場合ならウルトラマンフーマ、ウルトラウーマンだとグリージョからそれぞれ約4年ぶりになる。
- PV公開当時、格闘戦ではウルトラマン初のムエタイスタイルではないかという予想が立てられていた。実際は蛮族の狩人スタイルという、文明から生み出された武術という概念からはかけ離れた予想の斜め上のスタイルだったが。
- ブレーザーのファイトスタイルは「地球の文化では無いもので、野性的かつ最短距離で相手を攻撃するもの」というコンセプトをアクション部にオーダーした結果出来上がったもの。ムエタイに近い構えはブレーザーを演じる岩田氏と殺陣師の寺井氏によるアイデアであるとのこと。
- 今回声優を担当するのは、スーツアクターも務める岩田栄慶氏であり、ウルトラマン役としては初めてスーツアクターと兼任している(ウルトラシリーズ全体では『ウルトラマン』におけるザラブ星人の青野武氏がいる。こちらは後に声優の方に転向していた)。また岩田氏は、過去にウルトラギャラクシー大怪獣バトルNEOでフック星人のレイオニクスの声とスーツアクターを担当していたため、声優としての登板は約15年ぶりとなる。
- 田口監督によると、ウルトラマンZの第1話の撮影の時、岩田氏が「いつかウルトラマンの声をやりたいね」と言っていたが、ゼットがかなりおしゃべりなキャラクターのため本業の声優に依頼したという経緯があり、トリガー、デッカーも掛け声は変身者本人と時間が過ぎて行ったため岩田氏本人はあまり覚えていなかったが、プロデューサーからその話を聞いた時「あの時のこと覚えてたのかな」と友情を感じたと話している(補足をすると田口監督と岩田氏は同い年)。主人公とウルトラマンが別々に演じる場合、近年は人気声優を起用する傾向が強かった為、このキャスティングは異色ともとれる。
- 岩田氏自身声優の経験はフック星人のみであり、ゼットも前述の設定のため見送りとなったが、監督によると今回のブレーザーはゼットのようには喋らない設定のため無理に声優を使う必要が無いことから、上述の話を思い出し、3年の時を経て「やるなら今しかない!」とプロデューサーに提案したという。
- なお、加工されているとはいえ岩田氏の周りの人達には直ぐにバレていた様である。レグロスの監督を務めた坂本監督も、ブレーザーのプロモ撮影のため参考として第1話を見た時に「あれ?これ岩田くん?」と気づき、すぐにLINEで「ブレーザーの声おめでとう」と送ると岩田氏は「え?分かりました?」と反応したという。
- 実際のアフレコでもブレーザーに合わせて動いて芝居をしている。
- 田口監督は岩田氏のこれまでのキャリアに反して、声優経験がほとんど無い実状に驚いていた。
- PVなどでも特徴的な掛け声だが、今作は「コミュニケーション」がテーマである事から、挨拶の「Hello」を元に、ハ行とラ行が基本となっているようだ。
- 今までに無い星のウルトラマンである為新たな掛け声を模索する中、田口監督と共にシリーズ構成を務める小柳啓伍氏の提案したアイデアであり、それに岩田氏の「野生の勘」をプラスすることで今回の掛け声が生まれたそうだ。
- さらに今作はボイスの使い回しをせず、毎話新規に録音しているとのこと。また、ブレーザーの威嚇は岩田氏本人が考えたものだと語っている。(出典)
- 田口監督と岩田氏は対談にてブレーザーのイメージは「怪獣ハンター」と語っている。これは他の監督とブレーザーの声について確認した際中川和博担当回のアフレコ現場で声出しを兼ねて荒々しい声を出した際に、監督から「ハンターみたい」と言われたと語っている。
- なお、猟師には「子連れの動物を狩ってはならない」という鉄則があり、デマーガ親子を庇ったブレーザーの行動の理由付けにもなっている。
- 毎話の掛け声の収録もその場の思いつきで撮っている。
- また別の回の本番を撮った後に映像チェックの際に今ちょっとドバイがあったので辞めましょうかというNGエピソードがある。
- ブレーザー役の岩田氏とゲント役の蕨野氏田口監督の対談内にてウルトラマンフェスティバルのライブステージに田口監督が訪れた際に監督はウルフェスのスタッフから「お客さんの反応が面白い」という話を聞いた。これまでのウルトラマンのショーは「ヒーロー」を見に来ていたが、今回のブレーザーは上述の田口監督がやりたかった生き物としてのウルトラマンを見に来ている反応だったと聞き、岩田氏はそれに「とても大切な反応」と共感。岩田氏は50年以上続く特撮の歴史の中で既定路線や先入観が生まれてきたが、ウルトラマンはヒーローである前に生き物で特撮はSFという原点に立ち返った中で、岩田氏もブレーザーとして地方のヒーローショーやイベント等で人前に立った際に「動いた!」と動物園にいる生き物達と同じ反応が来たと話している。
- 従来ウルトラシリーズでも見られた中盤で変身者が悩んで逆境に追い込まれる展開について、田口監督と10話〜12話を担当した越監督武居監督と脚本の打ち合わせの段階で、これまでのウルトラマンなら一体化しているウルトラマンとインナースペース等でウルトラマンが話に参加して主人公の悩みを解決するところを今回はコミュニケーションが取れないためかなり難しかったと語っている。第1話でのブレーザーの困惑したシーンはいきなり巨大化して驚くゲントとも取れるし、いきなり別の星にやってきて困惑してるブレーザーとも取れると話しており、上述の右手がゲント、左手がブレーザーの意思というのも岩田氏はあまり意識して演じてないと語っており田口監督も最初は設定していたがそのような細かい設定ではブレーザーが小さくなると思いとっぱらったと語っている。
- また、前半戦のゲントはブレーザーの事を良く知らなかったが、ブレーザーもゲントの事を良く知らないまま戦っていることを宇宙船のインタビューで田口監督は語っている。
- 田口監督によると、戦闘前のワイクルーに近い儀式的なポーズはアクションコーディネーターの寺井大介が提案したもので、第3話のオープン特撮撮影の数分前、撮影開始ギリギリまで田口監督、岩田氏と共に打ち合わせをしている時に「前からずっとやりたかった事」として戦い前の儀式について話すと、岩田氏が「こんな感じどう?」とワイクルーをしたことで、スタッフ達もタガが外れてどんどん野性的なものになったと笑いながら話している。
- 第1話のビルをよじ登るシーンも実際は脚立を使っている。
- ウルトラマンブレザーのダジャレも定番。
- 映画冒頭の建物の影からぴょこぴょこ顔を出しつつ隙を見てズグガンに飛び蹴りをかますコミカルシーンはスタッフやメインキャストにも大人気のシーンであり、田口監督曰く特撮パートの撮影日に岩田氏と寺井氏が「ちょっとおもろいこと考えたんすけどやってみていいすか?」と提案したもの。
- 円谷プロの公式サイトのウルトラヒーロー紹介ページでは『ブレーザー』本編のブレーザーの紹介記事とは別に、『ウルトラマンアーク』客演時のブレーザーの記事が個別で作られている。客演したウルトラマンが本編とは別で記事になる事はこれが初であり、その理由を「『アーク』客演のブレーザーが本編とはパラレルワールドの存在である為では?」と推測されたりもしている。
- 『メインキャスト全員集結!『ウルトラマンアーク』『ウルトラマンブレーザー』 オンライン座談会』において、ゲント役の蕨野氏も(アークに自分が出てないことについて辻本監督に物申そうとするも我に帰って)「違う時間軸のブレーザーではないか?」と似たような推測をしていた。
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蛮族ウルトラマン:第1話を見たファンからの呼称。
ブレーザーくん:こっちは愛称。
ウルトラマンネクサス:同じく、「ウルトラマン」のコードネームで呼ばれていた戦士。ブレーザーのメインカラーである黒、赤、青の形態を持つ。
ウルトラマンエックス ウルトラマンビクトリー ウルトラマンタイガ ウルトラマンディナス:怪獣の力を使う先輩ウルトラマン。タイガとディナスとは怪獣の力を必殺技に使っているという共通点がある。
シャドー星人ゼナ:こちらは逆に岩田氏が顔出しで演じたキャラにCVが付いたパターン。
ウルトラマンジード・プリミティブ:6年前のウルトラマンで、引っ掻き攻撃やジャンプニーキック等々、野性的なファイトスタイルが共通するウルトラマン。もっとも、ジード本人は言葉を喋る上に理性的である。しかし、キャラクターが固まりきっていなかった時期に脚本が作られたと思われるウルトラマンフェスティバル初登場時のライブステージでは戦闘中に雄叫びを上げて敵に掴みかかるなど、本編より更に野獣的な戦い方が目立つウルトラマンだった。(性格も若干違った)
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