DATA
概要
『ウルトラマンブレーザー』第19話「光と炎」に登場した、ゲバルガの亜種(もしくは上位種)と思われる怪獣。
体色は赤茶色になっており、尻尾のあった箇所からは幼体であるイルーゴの首が2本生えている。
また、ブレーザーやアースガロンを見下ろす程の超巨大怪獣であり、通常のゲバルガ(身長49m、体重2万5千t)に比べて身長はほぼ3倍、体重は2倍以上となっている。
イルーゴの頭だけでも、ブレーザーと同じ位の大きさである。
以前ゲバルガが来訪し、ネットワーク汚染に利用した通信施設の地下から出現しており、テルアキ副隊長は「以前のゲバルガが施設をジャックした際に、卵か種子を地中に産み付けていたのではないか」と推察している。
この個体の役目は「繁殖」であり、原種とは比べ物にならない程の数の卵を地下に産み付け、短期間に数十体のイルーゴを産んだ(原種のゲバルガは、イルーゴとブルードゲバルガが繁殖しやすい土地を探していた調査役だったと思われる)。
先のイルーゴガスによる汚染被害やネットワーク障害と合わせ、元のゲバルガから続く地球人類への侵略にして、「セカンド・ウェイブ」の集大成となる怪獣である。
能力・生態
何と言っても単純にまず「デカい」。これまで『ブレーザー』の世界に現出した怪獣の中では最大級のデカさを誇る巨体から行う攻撃力は原種のゲバルガやイルーゴの比ではなく、尻尾のイルーゴによる一撃でチルソナイトソードを木っ端微塵に粉砕してしまう程。
当然電磁パルス攻撃の威力もゲバルガからさらに向上しており、ゲバルガ戦を経てある程度改良を重ねていたアースガロンの装甲ですら、通信がほぼ不可能となるレベルの高い電磁波を放つ。また、その巨大さからウルトラマンをも包み込み、内部の対象を電磁波で苦しめる攻撃も行える。
イルーゴガスらしきものは発生しない代わりに、無数のイルーゴを率いて数で圧倒する戦い方も行う。
以前のゲバルガとは異なり繁殖を主とする個体故に当然周囲には子供のイルーゴ達が無数に蔓延っているため、こちらの対処にも追われなければならない(幸いにも、ブルードゲバルガ本体の強過ぎる電磁波の影響で親の近くはイルーゴガスが無効化されており、劇中でもアースガロンに搭乗したパイロット達はガスマスクを付けることなく戦闘を行っている)。
地中の地下ケーブルには既に大量のイルーゴが寄生・潜伏しており、これらの対処にはブルードゲバルガのみならず、イルーゴを一気に撃滅しなければならないのだが…?
活躍
以前ゲバルガが電磁汚染を行った施設を中心に無数のイルーゴが出現し、防衛軍が施設を監視する中、遅れてブルードゲバルガが姿を現す。
SKaRDはアースガロンの電子回路をシールドで固め、さらにチルソナイトスピアの予備を携えて真っ向勝負を挑むが、ブルードゲバルガの方もパワーアップした電磁パルス攻撃でアースガロンを一時行動不能にする。
ゲント隊長が彼らを助けるべくブレーザーに変身するが、その巨体からの圧倒的パワーでチルソナイトソードを圧し折り、ブレーザーに覆い被さってしまう。
一方その頃、前回接触した西崎から例の宇宙装備研究所第66実験施設ではワームホール研究を行っていた事実を知り、そして父の形見のペンダントを受け取ったエミ隊員は施設に潜入していた。
施設の装置が勝手に起動し始めたことにエミは困惑するが、その時彼女のペンダントを依代に、事故で行方不明となった彼女の父・蒼辺樹の魂が実体化。親子二人で施設の機器を操作し、装置から出現した炎竜怪獣ファードランを外に解放する。
ファードランはブレーザーを助け、「ファードランアーマー」として彼の鎧となる。新たな力を得たブレーザーはアースガロンを助け、二人がかりでイルーゴを一掃。さらに手渡されたチルソナイトスピアから新たにチルソナイトソードを生成し、これにファードランの力を加えてチルソファードランサーへと強化。
この凄まじい炎と電気でブルードゲバルガは焼き尽くされ、地にソードを突き刺して炎を流し込み、イルーゴも根刮ぎ退治された。
ライブステージでの活躍
NEWGENERATIONTHELIVEウルトラマンブレーザー編
STAGE3のラスボスとして登場。
ダッシュガロンとダークブレーザーを失いほぼ丸裸となったバロッサ星人を背後から倒した後、テレビ本編時と何ら変わらない実力で特空機1号セブンガーとアースガロンを機能停止まで追い込むが、観客の光を受けて立ち上がったブレーザーの野性味溢れる戦いに押され最後はスパイラルバレードを腹の穴に突き刺されて爆散した。
余談
- TV版ウルトラシリーズに登場する超巨大怪獣としては、『ウルトラマンZ』第21話に登場したマザーケルビム以来となる。あちらも大量の子怪獣を率いて襲い掛かる親怪獣の側面を持つ。
- 名前の「ブルード(Brood)」とは、「鳥や昆虫が子供を育てる行為、またはその子供の集団」を指す名詞であるため、恐らく現実の動物のように雌雄で体格が異なる場合が当てはまると思われる。
- スーツは恐らくゲバルガの改造。ゲバルガがプレミア発表会に登場しなかったのは、恐らくスーツが既に改造されてしまい、ネタバレを防ぐためだったと推測される。
- ソフビ人形は、ウルトラ怪獣DXのゲバルガのリデコ商品。また単品販売ではなく、チルソナイトソード装備の500サイズのブレーザーとセットとなった「ウルトラマンブレーザー大決戦セット」として発売される。
- 別名は「超獣」となっているが、ヤプールは一切関わっていない。
- 登場回を担当した越知靖監督によると、現場では背後から現れているイルーゴは演出部の名前を取って、画面手前側のイルーゴに「タクミ」、奥にいるイルーゴには「オトジロー」と名前を付けていたようである。
- デザインを担当した川石テツヤ氏によると、打ち合わせ段階では左から「イチロー」「ジロー」と呼ばれていたらしい。
- また、150mという身長についても、「ファードランアーマーの初陣の相手なのもあり、普通のサイズはどうだろうか」と思い、それだと全て合成になってしまうが、特撮現場の打ち合わせでうっかり「ブレーザーより大きくしようと思います」と言ってしまい、後には引けない状況になってしまった模様。
- 「以前のゲバルガに比べて割とあっさり倒されたように見える」という意見もあるが、劇中では前回の敗因であるチルソナイトソードを破壊するという形でパワーアップを表現しており、断じて弱体化している訳ではない。要は、ファードランアーマーが強過ぎたのである。
関連項目
ウルトラマンブレーザー ブレーザー怪獣 ウルトラ怪獣 超巨大怪獣
バグバズンブルード:同じく「ブルード」の名を冠する怪獣。