前後のストーリー
予告
ブレーザーを見下ろす巨大な影。それは終わっていなかった第二の脅威だった。
アオベ・エミが次元の狭間に触れる時、現れた炎はどこへ向かうのか。
次回、ウルトラマンブレーザー『光と炎』
大空を翔るは新たなる力。
登場怪獣
・汚染獣イルーゴ
・宇宙汚染超獣ブルードゲバルガ
主な出来事
西崎勉とコンタクトを取ったエミは、街のカフェでゲントと会合。
話によると西崎は当時研究員で、66実験施設で出会ったエミの父である蒼辺樹達とアメリカから運び込まれた『ワームホール発生装置』の残骸を復元、起動する実験を行っていた。ところが起動した装置は暴走しワームホールが発生、装置のすぐ近くにいた樹たち研究員は消失。西崎達は外部研究員でモニター室からの観測業務に当たっていた為、被害を免れた。
樹は事故の前日、自分にもしもの事があったらと幼少期のエミの写真が乗せられたロケットペンダントを西崎に預けており、3年の時を経て西崎自身はペンダントを渡すことでエミに不幸が降り掛かるのではと苦心していたが決心し、ペンダントはエミの手に渡ったのだった。
そんな時ゲントにテルアキからの連絡が届き、以前のゲバルガがインフラを麻痺させた通信施設を中心に複数のイルーゴが現れ、前回同様にイルーゴガスを吐き、ゲバルガへと変化した個体も確認されたという。
前回倒された3体の分析でイルーゴがゲバルガの幼体と判明し、エミはセカンド・ウェイブはまだ終わってないと予測。ゲントはゲバルガとバザンガをファースト・ウェイブやセカンド・ウェイブと呼び分けることに疑問を抱くが、エミは白黒つける時が来たと言ってゲントに多少の無茶をすることを前提に調査に送り出した。
そんな時ハルノ参謀長がやってきて、前回の無断出撃を口実に立場が危うくなっていると説教。「怪獣に対策をとっても結局倒すのは正体が分からない宇宙人(ウルトラマン)だ」と叱責する。
テルアキ達は「自分たちは力不足であるがウルトラマンは信頼し得る存在」と擁護するが、ハルノは「そんな言葉で上層部を納得させる事は無理だ」として今後の処遇についての指示があるまでSKaRDの活動停止を命令する。
しかし隊員達の信頼を得たことを知れて、ブレーザーは密かに喜ぶのだった(そのせいでストーンが赤熱化してゲントが火傷しかけたが…)。
通信施設を監視する防衛隊はイルーゴの作ったトンネルの構造から通信施設の地下に本体がいると判断して警戒を続ける中、大きな地震と共に施設を破壊して巨大なイルーゴが出現。それに続いて前回現れたイルーゴの変異体を超える更に巨大なゲバルガ、ブルードゲバルガがその姿を現した。出現直後に大規模なEMPを引き起こし一瞬にしてSKaRD.CPのモニターがダウン。テルアキはゲバルガが施設をクラッキングした際に地下に卵か種子を残しており、今回現れた個体はゲバルガの繁殖を目的としていると推定。
待機命令が出ているが、ゲバルガ対策を既に実装しているからこそゲントはSKaRDの出動を命じる。
一方、エミは66実験施設内部に潜入し、事故が起きた区画に到達した。すると装置から突然、淡い光が出てくるのを目撃する。アースガロンMod.2は予備のチルソナイトスピアを持って都市を破壊するブルードゲバルガに攻撃を仕掛けようとするも、大量のイルーゴに捕まり行動不能となる。
ゲントはすぐさまブレーザーに変身してチルソナイトソードで斬りかかろうとするも巨大なイルーゴに体当たりされてその衝撃でチルソナイトソードは破壊されてしまう。ブルードゲバルガはそのままブレーザーをその巨体で抑え込み、電磁波の高熱で苦しめる。
エミはゲント達に連絡を試みるが、EMPの影響で応答できたのはアーくんだけ。地上が危うい状況にあることをアーくんに聞かされ焦るエミだったが、ブレーザーのカラータイマーに呼応するように実験区画の装置から現れた光が変化し、そこから巨大な炎の翼竜が出現。
衝撃でエミは吹き飛ばされそうになるも、それを受け止めたのは行方不明になったはずの樹だった。
驚くエミだが眼の前の炎の竜はこの場所から外へ、ブレーザーの下へと行こうとしていると気付く。樹はエミを天井の開閉装置の下へ誘い、二人で施設の天井を開くとその竜は飛び立った。
軛を解かれた炎の竜……もとい、炎竜怪獣ファードランは燃え盛るその身を以てイルーゴの群れを突破、ブルードゲバルガをも吹き飛ばしてブレーザーを助ける。ブレーザーとファードランは共に戦う意志を確認しあい活気を上げた。
するとゲントの手にファードランストーンが現れ、その力をブレスで開放。ファードランはブレーザーの右半身を覆う紅蓮の鎧……ファードランアーマーへと変わった。
ブレーザーは複数の炎の槍を召喚してイルーゴの群れをまとめて焼却、アースガロンの救出に成功。ブレーザーとアースガロンによってイルーゴの群れが蹴散らされていく。
アースガロン(の中に乗っていたヤスノブ)はチルソナイトスピアをブレーザーに投げ渡し、ブレーザーはそれを使って新たなチルソナイトソードを生成。ファードランの力を使って、炎と雷を纏う槍・チルソファードランサーに変えた。
必殺のチルソファード炎雷斬によりイルーゴを両断すると、そのまま双刃で空を斬る。
紅蓮の一閃と、雷鳴が轟き、ブルードゲバルガは爆散。
ブレーザーは続けてチルソファード炎竜ウェーブを発動し、地面に突き刺して残りのイルーゴも処理。
セカンド・ウェイブは完全撃破されるのだった。
エミは父との再会を喜ぶが、父は「エミ、お誕生日おめでとう」と言い残して、粒子となって消えてしまう。
抱き留められなかったエミは涙をこらえつつ、「ありがと」と一言、もういない父へ呟いた。
落ちたロケットペンダントを振り返ると、そこには秘匿されていた鍵があった。
炎の竜をファードランと名付けたゲントとエミは自身達の最終的な処分が決まる前に、そのペンダントから出た鍵が使われている金庫を見つけた。
鍵を開けると、中身は樹の日記だった。内容はプライベートを考慮してエミ自身が閲覧。するとある地球外生命体をV99と呼称している文章を見つけ、それを詳しく読もうとした瞬間ドバシ・ユウが現れ日記を取り上げてしまう。
ドバシ曰くこの日記を探していたらしく、ゲント達への処分は直属の上司であるハルノが謹慎させられた事で有耶無耶になったらしい。建前的には監督不行き届きであるハルノが責任を負われたと思われるが、ドバシとしてはこれ以上の詮索をさせない為の警告を兼ねていると察したゲントはエミがドバシから日記を取り戻そうとするのを止める。
ドバシは「これも地球の平和のためだ」と告げると日記を持ってそこを去っていった。
新たな仲間でありブレーザーの相棒、ファードランの力を得たゲント。しかし謎は増えるばかりか、ますます深くなっていく。
果たして、ドバシが隠す謎とは何なのか。
V99を秘匿する理由とは何なのか。
ブレーザーやファードランが通ったワームホールは、なぜもたらされたのか。
ゲントたちの行く先に未だ苦難が待っていることを示唆しながら、今話は幕を閉じる。