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ドバシ・ユウ

どばしゆう

「ウルトラマンブレーザー」の登場人物で、物語後半のキーパーソンと目される人物。
目次 [非表示]

「まあ好きに調べ回ったらいい。君は優秀だからきっと真実にたどり着くだろう。

 あの実験に関して何かわかったら、私にも教えてくれ。

 いや~"アレ"に関しては私もよくわかってなくてねぇ……」


演:寺田農


概要編集

ウルトラマンブレーザー』の登場人物。

1942年10月16日生まれ。血液型B型


GGF日本支部司令部長官。また、長官に就任する以前は第一宇宙高射群初代司令も務めていた。

参謀長であるハルノ・レツと日本支部司令官である源川稔の元上官に当たる。

退官時の階級は支部長官たる特将。退官後は宇宙装備研究所第66実験施設の管理者に就いていた(所謂天下りだと思われる)。

漢字表記は土橋祐


現在こそ一線を退いている(本人曰く「今はただのジジイ」)が、実際には常に大量のSPを連れて行動していたり、防衛隊の組織運営や機密情報の取り扱いにも口を出すなど、防衛隊において未だにその権勢は健在の模様である。

加えて、敢えて相手を焚きつけて利用するだけ利用しておき、用済みになればあっさり見限って手を切ったり(恐らく見せしめも兼ねて)組織に処分を下させるなど、軍部でのし上がったのが伊達ではない手練手管を振るう老獪さも併せ持つ。


一方で、老齢による体の衰えを克服するため、常に運動やトレーニングを欠かさない等々、律儀でまめな一面も見せている。また、上記の通り老獪な一面こそあれど、その根底には彼なりに「地球を守りたい」信念があり、根は決して悪人なわけではない。


動向編集

第14話編集

初登場。

バンドウ・ヤスノブとの雑談から得た『GGFが宇宙怪獣に纏わる情報統制をしている』疑惑を知ったアオベ・エミが、そのカギとなると思われる存在〈V99〉とそれに関わった研究施設にたどり着いた。


更にエミは件の研究施設のトップがドバシであった事実も知り、更に突っ込んだ調査を続けていると、GGFの職員と見られる人物に捕まり、ドバシが居るスポーツジムへ連行される。

エミと邂逅したドバシは一見好々爺染みた雰囲気で彼女と接するも、V99について問われると「自分は当時の状況をあまり覚えていない」と素知らぬふりをしつつ、彼女の調査の進捗ぶりを敢えて尋ねるなどの古狸っぷりを遺憾なく見せつける。

会話の終わり際に、ドバシが研究施設が閉鎖される契機となった3年前の事件で「ヒルマ・ゲントに助けられた」事実を伝えた上で「SKaRDの隊長によろしく」と伝え去って行った(この時、ドバシの退去に合わせその場に居た客も一斉に去っていった様子から、あの場の全員が彼のSPだったと思われる)。


尚、V99については「好きに調べ回ったらいい」と述べていた一方で、エミと顔を合わせた際に「 “あまりおイタはしないようにとSKaRDによく言い聞かせてくれ” と彼には言ってあるんだがねぇ……いつも」とぼやいており、更にエミとドバシが対面を終えた直後ハルノ参謀長がゲントに「エミ隊員の監視」を命令を下している様子から、これ以上詮索しないように、防衛隊上層部に圧力をかけた可能性がある(ただ、エミはドバシと直接会う以前にハルノにも別個に聞き取りを行っていたため、エミやSKaRDにこれ以上危険が及ばないよう、ハルノが警告する目的も兼ねて独自の思惑で命じた可能性もある)。


第18話編集

同話の最終盤にて再び登場。

鉄棒を使ってのトレーニングをしていたところ、エミが当時の事件の関係者である西崎勉との接触をSPから聞き、ドバシは「そうか、西崎に出会ったか……」とどこかバツの悪さを醸しつつ漏らしていた。


第19話編集

の日記帳を手に入れその記載を確認するエミとゲントの前に、ドバシがSPを伴って来襲、そのままエミの手から日記帳を奪取する。


憤るエミに目もくれず日記の内容を確認しながら、ドバシは「ハルノ参謀長が謹慎処分になり、それに伴いゲントの命令無視に対する処分が立ち消えになった」経緯と、その原因が「調べていいとは言ったが、組織には建前があるので誰かが責任を取らなければならない(要約)」と告げ、暗に自身の差し金であると示唆=ゲントにさりげなく恩を売りつつ、これ以上のエミの行動を牽制する老獪さを見せた(『組織の建前』の言葉を用いていた様子から、参謀長の謹慎は必要以上に調査をさせないため、SKaRDやゲントへの見せしめだった可能性もある)。


更に、自身の行動を「これも地球の平和を守るためだ」と嘯くと、奪った日記帳を持ち去っていった。


尚、日記帳を奪った際に「いやぁあぁ、ご苦労さん。コレずーっと探してたんだよ」と発言している姿から、エミを監視しつつも好きに泳がせていたのは、日記帳を見つけさせるためだったと思われる。

また、彼が血眼になって日記帳を探し求めていた事実から、日記帳には防衛隊にとって世間一般に知られてはマズい何かが記されている可能性が非常に高く、防衛隊が〈V99〉を最重要機密事項として扱っているのもそれが大きく関係していると考えられるが……?


第24話編集

同話序盤にてエミから収奪した日記を読みつつ、SPの1人から報告を聞いていたドバシだったが、芳しくない状況から立腹し日記を焚き火の中に放り投げた(尚、日記はSPが燃え尽きる前に回収した後、ハルノの元へ送られた)。


同話後半、かつての権威を活用しGGF作戦司令部に乗り込んだドバシは、長官席に座る源川を黙らせて事実上司令部の権限を掌握、そのままそこに居座りエミ以外のSKaRDメンバーに対し色々と指図をし始めた。

しかし、ヴァラロンの有機爆弾の猛攻にアースガロンは沈黙、ブレーザーも満身創痍のゲントを守るべく単身で立ち向かうも倒れてしまい、最悪の状況下に陥ったドバシは「ターゲットを大気圏外で確実に討ち取れ」と命じた。


その一方、地球で待機ししつつアースガロンから渡されたV99の資料を解析中のエミは、唐突にドバシの部下に拘束されてしまうのだった……


第25話編集

ブレーザーとアースガロンがヴァラロンと交戦する中、遂にはV99の船団まで現れる。

ドバシは一連の事態を「フォース・ウェイブ」と認定、すぐさま迎撃の指示を出す強硬姿勢を取るが、そこにハルノ元参謀長に救出されたエミが司令室に乗り込んでくる。彼女はこれまでのデータとハルノが回収した樹が残した日記、そしてV99のテクノロジーが使われているアースガロンの翻訳したV99の断片的な言葉から、一連の真実を割り出し語ろうとしたため、ドバシはそれを封殺しようとしたが源川が許可し仕方なく聞く羽目に陥った。


1999年に防衛軍が破壊したとされる隕石の正体は、やはりのV99の宇宙船であった。

ところがこの宇宙船を「脅威」と判断してしまった第一宇宙高射群攻撃撃墜する。この一件当時、司令として指揮を取っていたのがドバシであり、彼はV99を強く敵視していた(船団出現時にも狼狽えるどころか『業を煮やして船団で報復に来たのか』と冷静に反応していたほど)ため、残骸を解析して件のワームホール装置とアースガロンが作られたのである。

だが、実は彼らはワームホールで新天地を目指す種族であり、その船には武装の類はなかった。ところが地球側がそれを知らずに攻撃してしまったが故に、彼等は『地球人は危険で恐ろしい種族』と誤解してしまった。これが怪獣を送り込み制圧しようとした原因であった。


そして現在、迫り来る船団に対しエミは攻撃中止を訴え各国からの迎撃を静止、アースガロンも武装をパージしブレーザーもアーマーを解除、しかしV99の船団は止まらない。

そこでエミ隊員の提案でとあるワードを彼らに送る。それは『未来』。地球人と同様に未来を信じる種族と踏んでこの言葉を送ると、彼等もそれを受け入れると同時に誤解を解き、宇宙に帰っていった。

こうして若き世代の奮闘で事件が収まったのを見届けると、ドバシは身を引く決意をしたのか、エミに対して「あとは任せるよ」とねぎらいの言葉を述べ、その場から去っていった。


ドバシ達当時の防衛軍も地球を守る軍人である以上、99年の一件の判断は咎められるような誤りは無い。加えて当時の技術や現場の状況から「V99に敵意がない」と推し量るのはほぼ不可能だったのも想像に難くない上、彼等が持つワームホールを任意に制御する(=簡単に政府中枢に侵入・制圧を可能とする)技術に過度に反応し、ドバシ達が『侵略者』と思い込んで本当に必要な解決策である『対話』を遠ざけてしまったのは仕方がないだろう。

実際、全ての真相を知ったエミ隊員も彼を非難するような言動は一切しておらず、むしろ当時のドバシ達の判断に一定の理解を示すように「あなたはやるべきことをやったんだと思います。だから、今度は私達にやるべきことをやらせてください」と述べた姿がそれを表している。


余談編集

演者の寺田氏は初代からモブ役で出演している程の、ウルトラシリーズの常連俳優の1人で、特に記憶に残るのは『ウルトラマンマックス』の「狙われない街」に登場したメトロン星人人間態(及びCV)の他、『ウルトラマンジード』では主人公の朝倉リクの義父・朝倉錘であろうか(奇遇にも『ジード』での登場回も、同話を担当した田口清隆監督の担当回だったりする)。

ちなみに、寺田氏が演じたメトロン星人の肩書は対話宇宙人。

また特撮ファンの間では、一見温厚そうに見えるが裏で何を考えているのか分からない、得体の知れない不気味さも漂わせているドバシの雰囲気を、メイン画像のように寺田氏が過去に演じた特撮作品と重ねて見る意見もあった。


その得体の知れない行動や、寺田氏が過去に悪役や黒幕などを演じてきた過去もあり、視聴者からは『ブレーザー』の人間サイドの悪役と予想されていたが、真相は侵略者から地球を守ろうと彼なりの正義を貫いていた軍人であった。

ドバシがエミと初めて接触した際、彼女のV99に関する考察(地球に怪獣を送り込んでいる敵性勢力)を聞かされた際「いい線行っている」と意味深な発言をしていたり、彼女の父親の書いた日記帳を取り上げたりしていたが、これは「V99には攻撃や侵略の意図がなかった」とする調査結果を聞かされていたからだろう。事態を隠蔽していたのも、たとえ地球外の存在であっても丸腰の相手を攻撃した事実が公になれば、それを命じた自分の立場が危うくなるだけでなく、宇宙からの外敵に備える宇宙装備研究所の存在意義が問われかねなかったためだと推測される。


ドバシの立ち位置について田口監督は最終回後のネットインタビューで「現実では様々なしがらみや歴史的背景も絡んできたりするけど、それを分かりやすく、寺田農さん(演じるドバシ)に全て背負ってもらい、撃たなくてもいい相手を撃ってしまったばかりに争いが起きてしまった、という展開にしました。そうしたことはどこでも起こり得ることだと思うんです。たとえば『あの時、ついキツイ言い方をしてしまったせいで、こんな大喧嘩になってしまってもう謝れない』とか。よりミニマムに考えたら子供にだってあることはないでしょうか。結局のところ対立とは、そうした行き違いにあると思うんです。あとは、意地を張り通すのか、『ごめんなさい』と謝るのか、相手の考えを受け入れるのか。それで展開、結末は大きく変わるわけですよね」と話している。

またシリーズ構成の段階から田口監督は最初から寺田氏がドバシを演じる前提で当て書きをしていったと語っている。

SPの1人を演じている寺井大介氏は、『ウルトラマンギンガ』まで主役ウルトラマンを演じ寺田氏も出演したジード以降はアクション監督を務めているスーツアクターである。


なお、寺田氏は本編最終回の2ヶ月後の2024年3月14日に逝去されたため、本作が生前最後のウルトラシリーズ出演になったと共に彼の遺作となった。それだけに、最後の「あとは任せるよ」という台詞に対しても、本編以上に大きな意味を持つものになってしまった…という声もある。

寺田氏はこれまで多くの作品に出演してきたため、様々な方面からその死を悼む声が寄せられたが、『ブレーザー』も例外ではなく、訃報が報じられた後は、『ブレーザー』で寺田氏と仕事を共にしたスタッフやキャスト陣が自身のSNS上で相次いで追悼のコメントを寄せている。


関連タグ編集

ウルトラマンブレーザー

GGF(ウルトラマンブレーザー) V99 キーパーソン

ゴンドウ・キハチ統合防衛軍:同シリーズにおける比較的よく似た存在。


芹沢虎鉄:こちらも外宇宙からの来訪者とのファーストコンタクト時に、攻撃命令を下し、戦端を開いている。しかもその命令を下され、不本意ながらも命令に従った艦の艦長が主要人物の一人その父親で…。

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