前後のストーリー
予告
アルプスの山を裂き、現れる二大怪獣。その足元に広がる暮らしが破壊されていく。
取るに足らない男の小さな幸せは、花を咲かせることができるのか。
次回、ウルトラマンブレーザー『ソンポヒーロー』
懸命に走る先に見えるものはあるか。
登場怪獣
ソンポリュウ(劇中のCMに登場)
主な出来事
- 日本アルプスの雪山で聞いたことのある戦いのBGMやSEをバックに戦う2体の怪獣…どくろ怪獣レッドキング(二代目)と冷凍怪獣ギガス。
- 岩石を何度も投げ付けられ、遂にギガスがレッドキングに降参する。すると2体は突然、まるで何かが迫り来ることを察したかのように空を見上げた。
- 日常的に起こる怪獣災害の保険を行う日本怪獣損害保険株式会社。そこで働くどこか冴えないサラリーマン、スズキ・テツオ。彼こそが今回の話の主人公である。
- テツオは他の社員と比べて営業成績は悪く、同僚のアイカワ・リュウジからも効率の悪さを指摘されてしまう。
- 一方SKaRDでは、アンリが書類仕事が最近、増えていることに不満を感じつつヤスノブに応援を頼もうとするも、ヤスノブもMod.3を含めたアースガロンの宇宙仕様への改修に関する仕事に追われていた。
- 日本アルプスに現れた2体の怪獣の動向に関しての調査を、ゲントはエミに命じる。
- アパートに帰ったテツオは晴れやかな姿の同級生達の今をスマホで見て、今の自分への不満を感じていた。
- 翌日、会社に遅刻したテツオは上司から叱責を受けて保険の営業に回る。
- テツオは日本アルプスの麓にある松本市を営業で回るが一向に成果が出ず、最後に一人暮らしの高齢女性、タナカ・ミチコの下へ訪れる。
- テツオはミチコに保険の説明をするも、ミチコは保険に乗り気ではなかった。
- ミチコとテツオが話し込む内にミチコの鍋が焦げてしまった。テツオは自分の責任を感じ、その場で弁償のために買い物に行く。
- テツオとすれ違うエミ。2体の怪獣はまだ確認出来ないが、周辺で雨との関わりが無い土砂崩れが相次いでいることから、調査を続行することをゲントに報告する。
- ヤスノブとアンリはやっと一仕事が終わり、休憩に入ろうとするもテルアキから脅威警戒態勢アルファの指示が入る。つまり休憩出来ないことを意味しており、ガッカリする2人。
- 弁償ついでに、テツオは部屋の掃除や花壇の水やりをする。ミチコはテツオに気を遣って夕飯を御馳走する。
- テツオは、ミチコの手料理に感謝し、それを聞いたミチコも「次はテツオの好きな物を作って待っている」と楽しそうに返す。
- ミチコから保険屋の仕事に付いて聞かれると、保険屋の仕事はテツオは「やりたくてやっている仕事ではない」と話す。
- 同級生達が大きな目標を持って成功しているのに、自分には目標が無くつまらない人生を歩んでいると感じていた。
- だが、ミチコは「大きな目標が無くても、花壇の花を楽しむ為に水をやる様に小さな事でも良いのではないか」とテツオの契約書にサインする。テツオに「小さな目標(一人でも保険の契約を得る)でも叶うと嬉しいでしょ?」と述べ、テツオも感謝を述べるのだった。
- ある日、土砂崩れがあった永根市の山中にギガスが出現。エミはSKaRD.cpに報告。ゲントはアースガロンの出動を命じる。
- ギガスによる破壊を受け、日本怪獣損害保険では被害の対応を始める。しかし、テツオはギガスの進行方向である床米地区にミチコの家があるのを思い出し、ミチコの元へ向かう。
- アースガロンは、ゲントとヤスノブが乗るモッピーを現地へ空輸する。到着してモッピーを降ろすと、ギガスとの戦闘が開始される。
- 永根市の篠木地区で戦闘を繰り広げるアースガロンとギガス。すると住宅街の地下からレッドキングが現れ、2体掛かりでアースガロンを襲う。
- ミチコの家に辿り着いたテツオ。ミチコは自分の歳を考え、このまま死を選ぼうとしていた。テツオは何とかミチコを連れ出す。外へ出ると、レッドキング達はすぐ側まで近付いていた。
- 2体に苦戦を強いられるアースガロン。ゲントとエミは2体に主従関係があると気付き、アースガロンからどちらか1体を引き離すことを決め、ゲントが陽動に向かう。
- テツオは営業で知り尽くした周辺の裏道を使い、ミチコをおぶって避難所へ走る。途中、アースガロンと怪獣達との戦闘に巻き込まれながらも走り続ける。
- ミチコは自分を置いて行くように言うが、テツオは今の目標である「ミチコと一緒に逃げ延びる」ためだと言う。それは「ミチコの作ったご飯が美味しくて、また一緒にご飯を食べたいから」、ただそれだけだった。
- 戦闘で飛ばされてきた車輌の爆発で吹き飛ぶも、テツオとミチコはお互いの生存の確認し、再び避難を始める。
- ゲントはレッドキングの後ろに回り込んで撃ち込む。誘き出すことに成功するも、自分の背後に避難所へ向かって走るテツオとミチコの姿を見つけ、すかさずウルトラマンブレーザーに変身する。
- レッドキングを引き止めるブレーザーの姿を見るテツオとミチコ。
- レッドキングとブレーザー、ギガスとアースガロンがそれぞれ戦闘を始める。
- アースファイアを受けたギガスは反撃で冷凍ガスを吐き、アースガロンは行動不能になってしまう。テルアキとアンリは復旧を急ぐ。
- 続いてブレーザーにも冷凍ガスを当てて、ブレーザーは動けなくなってしまう。動けないブレーザーに迫るレッドキング。
- ゲントはファードランを呼び出してレッドキングを追い払い、ブレーザーはファードランアーマーを纏いチルソファードランサーを持つ。
- ブレーザーはチルソファードランサーから炎を放出し、それを闘牛のマントのように見立ててギガスを翻弄する。ギガスは勢い余ってレッドキングに激突、その拍子でアイカワが契約していた家に倒れ込み、全壊。それをTVで見ていたアイカワは絶叫した。
- その隙に、ブレーザーはアースガロンを解凍。アースファイアとチルソファード炎竜射を合体させて撃ち込む。レッドキングとギガスはお互いに顔を見合わせ、抱き合いながら直撃、爆発するのだった。
- 無事に避難所に辿り着いていたミチコとテツオ。ミチコは「死にそびれた」「家は壊れてしまってるだろう」と嘆いていたが、テツオは「大丈夫、やり直せます。その為の保険屋ですから」と励まし、ミチコも笑みを浮かべるのだった。
- その後、テツオは順調に営業成績や評判を上げていった。どうやらミチコを介して「保険の契約をしたい」と紹介があったようで、上司も地道に向き合った結果としてテツオを褒めていた。一方、アイカワは顧客への態度が問題となっているらしく、上司から叱責を受けていた。
- テツオは巻き込まれないようにその場を去り、また営業に向かうのだった。その顔は以前と違い、明るく自信に満ちていた。
余談
- これまでのウルトラシリーズでは意外と描かれなかった、怪獣災害の損害保険に関するエピソードとなっている。また、ここ数年のウルトラシリーズで一般人がメインで話が進むのも『ウルトラマンX』以来となる。
- 今回のメインキャラとなるテツオ役の金井勇太氏は、かつて『ウルトラマンダイナ』でデマゴーグを生み出した太一少年を演じている。
- ギガスとレッドキングが同じ回で共演するのは、初登場した『ウルトラマン』第25話「怪彗星ツイフォン」以来56年ぶりとなる。また、いずれもTVシリーズでは『ウルトラマンZ』で53年ぶりに再登場し、防衛チームのロボット兵器と戦っているといった共通点もある。
- 劇中の損害保険CMシーン(保険会社のCM)に謎の黒い怪獣がゲスト出演しているが、この怪獣はとある自主制作映画にて登場する「ガンキリュウ」という名前とのこと(参照)。元々は2021年に制作されたものだとか。
- また、劇中のCMに登場した被害者役の男性の内の一人は、同作にも監督として登板している越知靖監督である(ノンクレジット)。
- 冒頭のレッドキングとギガスの喧嘩ではウルトラファイトのBGMとSEが使われその後のブレーザーとレッドキングとギガスの戦闘では、ウルトラゼロファイトやウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンとギャラクトロンと同じ構図だったりとファイトシリーズオマージュが随所に見られている。
- 劇中で過去にレッドキングが出現したとされる「多々利(たたり)島」は、『初代マン』で初代レッドキングが初登場した多々良島のオマージュである。また、その時出現した際のデータの画像は、『初代マン』の時の画像が使用されている。
- 第22話が放送された日は12月の第3週だが、前々作『ウルトラマントリガー』第21話ではアボラス&バニラ、前作『ウルトラマンデッカー』第22話ではチャンドラーが登場しており、どちらも今回と同じく12月の第3週に放送され、かつ『初代マン』の怪獣が登場している。また、この内アボラスとレッドキング以外は、初登場した作品でウルトラ戦士と戦わなかったという共通点がある。
- 何気に主人公とその仲間達がゲストキャラとは一切関わらなかったという、近年のウルトラシリーズでは珍しい構成である(ただし、エミが買い出しに向かうテツオとすれ違ったり、ゲントが逃げるテツオとミチコを目にしてブレーザーに変身したりと、間接的には関わっている)。
- 一応、本編の大筋とは少し外れた幕間的なエピソードなのだが、冒頭でレッドキングとギガスが何かの気配に気付いたかのように一斉に空を見上げるという、この後に控える最終章への伏線と思われる描写がある。
関連タグ
平和の星、ガンQの涙、われら星雲!、ともだちは怪獣:過去作で一般人がメインを務めた回。この内「ガンQの涙」は今回と同様、メインキャラが一般人のサラリーマンかつ、主人公とその仲間達がゲストキャラと直接関わることが無かった。また、「ともだちは怪獣」にはレッドキングと因縁のある怪獣が登場しており、過去の出現データとして初代の画像が使われている点も共通している。
怪獣ゲーム:今話はこの話のアンサー回と言える。