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ガンQの涙

やさしいきじゅうとしょうねんのはなし

特撮ドラマ番組『ウルトラマンギンガS』第11話のサブタイトル。
目次 [非表示]

概要

ウルトラマンギンガS』第11話作品。

人気怪獣ガンQの事実上の主役回である。

また、同話では主人公のヒカル達やウルトラマンがほぼ脇役に徹しており、さながらかの『ウルトラQ』や年代の近い作品なら『ウルトラゾーン』を彷彿とさせる雰囲気のストーリーとなっている。


あらすじ

何をやっても中途半端なサラリーマン・吉田はアクマニヤ星人ムエルテに唆されて、怒りの力を利用されガンQへとモンスライブされてしまう。しかし彼の性格が災いし、怒りの力が中途半端だったせいで巨大化はできず人間大のままだった。

吉田(以下ガンQ)は元の姿に戻れず、事情を知らないUPGに攻撃された上、暮らしてるアパートにも大家さんや住民に追い出されたために帰れないなど、てんてこ舞いな目に遭う。その最中で出会ったサトル少年に匿ってもらう中で、サトルがまだ自転車に乗れない事を知ると、一緒に自転車の練習を始める。

恐ろしい自分を見ても物怖じせずに接してくれるサトルと生活するうちに、二人にはどこか親子関係にも似た奇妙な友情が生まれる。


ところが、彼を探していたムエルテがサトルの自転車を踏みつけて嫌がらせした事で怒りが頂点に達して巨大化。サトルを人質にして逃げるムエルテを追いかける余りに被害が発生し、駆け付けたウルトラマンギンガからは敵と誤解され、攻撃を受けてしまう。しかし、サトルの声でギンガがムエルテの存在に気付いたため、なんとか疑いが晴れる。

それも束の間、ムエルテは正体を現して巨大化し、放った「アクマニヤ念力」によってガンQは自らの意思に関係なくギンガとウルトラマンビクトリーに襲い掛かってしまう。


しかし自転車に乗れるようになったサトルの呼びかけで自我を取り戻し、念力を振り払ってギンガ・ビクトリーと共にムエルテに立ち向かい逆転の切っ掛けを作った。

その後、サトルの願いを聞いたウルトラマンギンガストリウムのギンガコンフォートでスパークドールズと分離。別れ際にガンQはサトルに「また一緒に遊ぼうな」と語り掛け、その際に流した涙はスパークドールズとなった。

吉田


元に戻って少し前向きになった吉田は、自転車に乗るサトルを目撃。その自転車のかごには、ガンQのスパークドールズが置かれていた…。


解説

本来ガンQは、「存在そのものが理不尽」などとも解説されるように、妖怪に似た不可思議で不気味な怪獣として生み出され、『ガイア』以降の作品でも一貫して相互理解不可能な悪役怪獣として登場し続けていた。


奇獣 ガンQ(ギンガS・ガンQの涙版)

一方、同話ではサトルと格ゲーをやったり、料理をしたり、体の目に目薬を差して貰う等、それまでの不気味なイメージを覆して人間くさいコミカルな面を見せた。

何よりウルトラマンとの共闘、そしてサトルとの友情等を通じて、悪役ではない善玉としてのガンQが描写されたことがファンの間で話題となった。こうしたガンQの善玉化に難色を示すファンもいなかったわけではないが、作中でのガンQの行動は全て吉田(人間)の意思によるものであり、ガンQ自体には一切の意思はない(実際、『ギンガS』の中編ボスであるファイブキングの力の一部として間接的に悪役にもなっている点から見ても、ガンQそのものはあくまで中立の立場と言える)。

使用者によって、簡単に善にも悪にもなり得るスパークドールズの特性が如実に現れた結果と言える。


ガンQが同話の主役怪獣として抜擢されたのは、平成ウルトラ怪獣随一の認知度の高さに加え、目玉の怪獣であることが"涙"のコンセプトにこれ以上になく合致していたからであろう。

結果として同話のストーリー展開は受け入れられ、今もなお「新世代ヒーローズ」シリーズでも上位に入る感動回としてファンの人気を集めている。


余談

当初の脚本ではガンQが目玉の怪獣であることから、その対比として盲目の少女が登場する物語の予定だったが、あまりにも話が暗くなってしまうことから、自転車に乗れないサトル少年の設定に変更されたという。


当時発売されていた「ウルトラ怪獣500」版のガンQのソフビは、その造形と彩色のせいでファンからの評判はあまりよろしくなかった(スーツに忠実すぎると子どもが怖がるという事情もあるのだが)。ところが、同話でガンQがフィーチャーされた影響でソフビの人気が上がり、愛着を抱くファンが増えたという。


2020年にウルトラマン公式YouTubeチャンネルにて行われた「ゼロと見よう特別配信」でも第2回で配信された。


また、メイキングでは、同話を担当した田口監督がサトル役の子のリアルな涙を求めるために自転車を蹴り倒そうかと言って蹴り倒した結果、カットと止まった後も感情が入り続けて泣き続けており、申し訳なさそうに寄り添ってシュークリームをあげるところが見られており、最後のサトルとガンQが夕陽を見つめるシーンも、日が落ちるのを待って撮っている。

また、当時平成ウルトラ怪獣にそこまで強くなかった田口監督は同話の企画会議の際にガンQが初登場したウルトラマンガイアで登場回を担当したチーフプロデューサーである北浦プロデューサーの前で「ガンQ嫌いなんですよねー」とうっかり失言をしてしまい初登場回を演出したのもありガンQへの思い入れが強い北浦氏は「悪かったな」と睨まれてしまい慌てて平謝りをしたというエピソードがある。


関連タグ

ウルトラマンギンガS 新世代ヒーローズ

ガンQ スパークドールズ


ニセモノのブルース夕映えの戦士本来では悪玉のキャラが善玉(または完全な悪ではない存在)として描かれている新世代ヒーローズ作品のストーリー。


ソンポヒーロー:『ウルトラマンブレーザー』のエピソードの1つ。冴えないサラリーマンの活躍を描いたストーリーという共通点がある。

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