概要
『ウルトラマンガイア』第49話「天使降臨」、第50話「地球の叫び」、第51話(最終話)「地球はウルトラマンの星」に登場する最後の敵。
根源破滅天使という物騒な異名を持つが、その姿は巨大な純白の女神のようで、精霊か何かを彷彿とさせる。
だが本性は禍々しい魔獣のような超巨大怪獣である。
各形態
第1形態
身長 | 127m |
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体重 | 9万t |
武器 | 波動弾、念力光線 |
演 | 梛野素子 |
最初の姿。超巨大なワームホールを出現させ、地球全土をドビシの群れとカイザードビシで攻撃し、TV以外の通信回線をダウンさせている。
更にガイアとアグルがピンチに陥ると、自らの味方であるはずのカイザードビシ3体を駆逐しつつ地球へと降臨。
2人のウルトラマンのエネルギーを回復させるという自作自演で人類を信頼させ、アグルを誘惑。その直後に両腕から放つ波動弾を使い、エネルギーが万全な状態のウルトラマンを自らが倒す姿を見せつけることで人類を絶望へと追い込んだ(この時、ガイアとアグルの光を吸収して奪っている)。変身が解けた我夢と藤宮を救うべく奮闘したXIGに対しては、目から放つ光線で応戦していた。
しかしアルケミー・スターズのキャサリン・ライアンの閃きで、地球怪獣たちのエネルギーを推進システムであるリパルサーリフトによる照射するという元気玉方式で高山我夢と藤宮博也が不死鳥のように復活。
光線技の連射により見事ゾグを退ける。だが……。
第2形態
ウルトラマン2人の攻撃を受け続けて怒りが頂点に達し、露わになった最終形態にしてゾグの真の姿。グリフォンやドラゴンに似た姿をした4本の脚と強靭な両腕を持つ化け物であり、その大きさは50数mのウルトラマンが虫や豆粒のようにしか見えないほど(その比較対象たるや、高さ333mを誇る東京タワーの2倍にして、後に建つことになる高さ634mの東京スカイツリーより僅かに大きいくらいである)。その咆哮も第一形態の声を怒声に変えたような物になっている。
武器は口や両手から放つ波動球と山のような巨体による体当たり。動き回るだけで大地を揺らし、街を粉砕し、ウルトラマンを軽く弾き、高層ビルすら踏み潰してしまう。
ガイアとアグルはダブルライダーキックよろしく同時飛び蹴りでゾグの角を破壊し、二人を援護するため現れたミズノエノリュウも攻撃を仕掛けるが、その圧倒的な巨体と、口や両手から放つ波動球で応戦し反撃。
共に戦う「仲間」であるミズノエノリュウを攻撃されて奮起した二人のウルトラマンの猛攻によって首に風穴を開けられ、それに怒って翼を広げて突進するも、最期はフォトンストリームとアグルストリームの合体技「ストリーム・エクスプロージョン」を首の穴に撃ち込まれ爆発四散した。
ゾグが倒された事で(ガクゾムが現れるまでの間は)根源的破滅招来体の侵略が停止したため、藤宮はゾグを破滅招来体の最終兵器だと評していたが、この「根源的破滅招来体」は未だ実態不明の組織であり、彼の推測通り最終兵器・切り札的な存在だったのか、幹部クラス(あるいはリーダー格)だったのか、はたまた尖兵に過ぎなかったのか……その立ち位置は全く判明していない。
彼女の敗死に伴って根源的破滅招来体はしばらくの間侵略活動を停止したという事実から、ゾグがこの組織において相応の戦力ないし地位を担っていたことは想像できるが、それでも組織が明確に壊滅した様子はない辺り、仮にゾグがリーダー格だったとしても、ガタノゾーアやダークザギ、エンペラ星人といった「絶対的な君主」ではなかったのだろう。
ゾグが死に、ガクゾムが倒れ、「現状」根源的破滅招来体の侵略は収まった。だが壊滅したと断言できない以上、真に脅威が去ったわけではない。
彼らがいなくなった今もなお、その影は迫っているのだ……。
その後の作品での登場
スパークドールズ劇場
Web版に第2形態が登場(プロップはDX怪獣シリーズのソフビ人形)。サンダーダランビア、ケムール人、ブラックキングに挨拶をするも、「どう見ても天使に見えない外見」とツッコまれてしまう(第1形態のソフビ自体は存在しているが、スパークドールズではない)。
ウルトラマンジード
ゾグ第2形態の怪獣カプセルが登場。劇中ではウルトラマンベリアルがファイブキングのカプセルと融合させることで、ベリアル融合獣キメラベロスへとフュージョンライズした。
なお、カプセルをライザーでリードした際には、律儀にも「ゾグ第2形態!」と形態名までアナウンスしてくれる。ただし、劇中でカプセルを起動した際に発せられる鳴き声は何故か第1形態のものであり、玩具では汎用音声となっている(キメラベロスの音声にはゾグ第二形態の鳴き声が混じっている)。
ライブステージ
ウルトラマンフェスティバル2018
湊兄弟の参戦で闇の巨人軍団を倒されたエンペラ星人が新たに召喚した怪獣で、第1形態が登場。
黒い雷撃や波動でウルトラ戦士を追い詰めたが、ガイアとアグル(CVはオリジナルキャストが務めた)がまさかの大参戦。
波動攻撃もオリジナルとの決戦を乗り越えたガイアとアグルに破られ、ブルのアクアジェットブラスト、アグルのアグルスラッシュでダメージを負った。最期はウルトラ戦士たちの合体光線を浴びてエンペラ星人諸共、地獄へ送り返された。
TDG THE LIVE ウルトラマンガイア編 in 博品館劇場
第二部「地球はみんなの星」に登場。
サタンビゾーが倒された後、破滅招来体を率いて地球に全面攻撃をしかけた。
余談
過去に出現した破滅魔人と同様に、ある程度の知性があるのが特徴。劇中ではウルトラマンや人類を嘲笑ったり、攻撃を受けて怒る姿を見せていた。第二形態の顔も怒りのあまり、左右で表情が歪んでいるように造形されている。
第2形態の身長となっている666の数字は、聖書においては獣の数字として扱われている。このため、ポジション的には黙示録の獣と思われる(黙示録の獣はドラゴンの姿をしているとされる)。また、終末の際には救世主を騙る『反キリスト』が出現するとも語られており、窮地に陥ったガイアらを救う振りをして敗北に追い込んだ第一形態の姿に重なる。
意図したわけにではないにしろ、ゾグとミズノエノリュウが対決する構図は西洋の竜と東洋の龍が対峙したようなものになっているのは興味深い。
第50話の脚本を担当した長谷川圭一により、根源的破滅招来体に最も近いものが美しい存在であることが強調された。第50話・51話(最終話)の脚本を担当した小中千昭は、いるだけで太刀打ちできない恐怖感を強調しており、特技監督の佐川和夫に対しては戦闘シーンのコンセプトを「新しいイメージのゼットン」と伝えていた。また、脚本では『降臨してすぐに攻撃を行う』という流れだったが、佐川は「それでは面白みに欠けるのでは」と考え、自らの提案により『ガイアとアグルが味方と誤認するような』展開が加えられた。
劇場版『ウルトラマンギンガS決戦!ウルトラ10勇士!!』で、(劇中の映像はないが)エタルガーに敗北するまでは唯一ガイアを倒した怪獣でもあった。
『ジード』第16話が放送する2日前に、tvk系列でキメラベロスの元になったゾグ第2形態の登場エピソードである本編最終回が再放送されていた。
イベントやショーでは、何故かゾグ第一形態がエンペラ星人とコンビを組むことが多い。
恐らくゾグは白で女性、エンペラ星人は黒で男性と対照的なデザインな故に並ばせた時の相性が良いからだと思われる
20世紀に登場したウルトラシリーズの怪獣では最後の怪獣でもある。
ゾグが登場した『ガイア』第51話(最終話)は、『俺、ツインテールになります。』第1話のサブタイトル『地球はツインテールの星』の元ネタとなっている。
第49話の準備稿でのタイトルは「地球結末の序曲」だった。
第50話・51話(最終話)の脚本を担当した小中によると、プロット段階では天使の姿のままでの登場で、第2形態になる設定はなかった。しかし小中は「最後は天使の姿から怪獣の姿に変化した方が良いのでは」と考え、第2形態の設定も踏まえた展開に変更された。
第2形態のNG稿では二足歩行のものもあった。
関連タグ
ウルトラマンガイア ガイア怪獣 ウルトラ怪獣 根源的破滅招来体 キメラベロス
メガロゾーア:『ウルトラマントリガー』のラスボス怪獣。こちらも女性型から醜悪な怪獣然とした怪獣になりおまけにスペックは66メートル、6万6千トンといった獣の数字の要素も持つ。また、ゾグのモチーフは天使や悪魔、黙示録の獣に対してメガロゾーアは元となる怪獣はクトゥルフなど神話系の要素も持つ点、最後に爆砕する点も同じ。
ワルプルギスの夜:魔法少女まどか☆マギカに登場する魔女。こちらも巨大な女性の姿をした、物語のラスボス的存在である。
ソドムズビースト:Fate/GrandOrderArcadeに登場したビースト。
巨大な女性の姿の他、黙示録の獣をモチーフとしているのも同じであり、物語のラスボスという点も同一。
エージェント・アブレラ、へびつかい座のプリンセス、マザースフィアザウルス:ヒーローを変身不能に追い込んだラスボス繋がり。
ガンエデン:第2次スーパーロボット大戦αと第3次スーパーロボット大戦αで登場した人造神。天使を思わせる神々しい女性像から獰猛なドラゴンへの変貌が酷似している。