「その反抗心、流石俺の子だ。父が可愛がってやる!」
『フュージョンライズ!』
『ファイブキング! ゾグ第2形態!』
『ウルトラマンベリアル! キメラべロス!』
データ
身長: | 58m |
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体重: | 6万9000t |
CV: | 小野友樹 |
概要
完全復活を遂げたウルトラマンベリアルがゾグ第2形態とファイブキングの怪獣カプセルでフュージョンライズした戦闘怪獣形態。
『ウルトラマンジード』第16話「世界の終わりがはじまる日」、第17話「キングの奇跡!変えるぜ!運命!!」に登場。
ゾグ第2形態とファイブキングはいずれも平成シリーズにおけるボスクラスの怪獣にして、平成3部作に関係する怪獣であり、背中から翼を生やしているという共通点がある(そしてファイブキングの素材にはゾグと黒幕を同じくする怪獣がいる)。さしずめ、天使と悪魔の合体とでもいうべきか。
また、どちらの怪獣も一度は二人のウルトラマン(ゾグはガイアとアグル、ファイブキングはギンガとビクトリー)を完全に倒すことに成功(ただしギンガとビクトリーは直前の戦いでエネルギーを消耗していた)するが防衛チームや地球怪獣、地底聖獣の協力により復活した二人のウルトラマンに倒されるという点でも共通している。
昭和怪獣が全く関わらない組み合わせは禍々アークベリアルに次いで2番目だが、テレビ本編に登場するのは初となる。
しかしそもそもファイブキングとゾグはベリアルが住んでいた宇宙(M78ワールド)とは全く違う平行宇宙の怪獣達である。
二大怪獣のカプセルは、光の国から盗んだものを元にレイオニクスの力を利用して(恐らくはケイに)作らせたと語っており、他の怪獣カプセルも同様であろうと推測される。
流石にゾグ第2形態の着ぐるみは残っていなかった(若しくは残っていたとしても既に撮影できるような状態ではないほど劣化していた)のか、変身シーンでは怪獣そのものではなく、カプセルに描かれている怪獣のイラスト(CG)がベリアルに吸収されるという演出が取られている(これはアトロシアスの変身シーンにおいても同様であったため、ベリアルが変身する際の共通の演出とも取れる)。
また、ゾグ第2形態のカプセルをリードした際に発せられる音声は、なぜか第2形態の鳴き声ではなく第1形態の掛け声になっている。
必殺技
- ベロスインフェルノ
口から放射する全身のエネルギーを変換した3色の火炎技。
『ウルトラマンフュージョンファイト!』での属性は「火」。
- デスシウムバースト
腕を十字に構えて放つ破壊光線。『DXジードライザー』では必殺技を発動するとデスシウムフレアと発声される。
- ベリアルリッパー
腕から三日月状の斬撃を放つ切断光線。
外見
『ドラゴンクエスト』等のボスキャラを思わせる、恰幅の良いドラゴンのような姿をしている。
素材が二体ともガッシリ体型のため、かなり下半身が巨大化している。
鳴き声は他の融合獣同様元になった怪獣である、ファイブキングとゾグ第2形態の鳴き声を混ぜたものが使われている。
なお、合体怪獣であるファイブキングが素材になっているので、そちらの元となった怪獣5体分の声が出るため、元々悲鳴のようで特徴的だったゾグ第2形態の声と合わさり、鳴き声が凄まじい事になっている(およそ6体分の鳴き声、ベリアル自身の声も含めるなら7体分)。
ケンタウロス体型だったゾグ第2形態および複数の怪獣の要素が組み合わされたファイブキングの特徴はほとんど受け継がれておらず(一応、翼の模様と脚部にゾグ第2形態の名残りが僅かながら見受けられたり、背中の突起がファイブキングと類似している程度)、頭部もベリアルの時とあまり変わっていないため、どちらかというとアークベリアルと同じく怪獣化したウルトラマンベリアルといった趣が強い。
これは恐らく他の融合獣と違い完全復活したベリアル本人が変身しているためだと思われる。
名前にもそれが表れており、他のような怪獣同士の組み合わせではない。
強いていえばファイブキングの要素と思われるキメラが残っているものの、後者のベロスはケルベロスと思われる。
また、同じく他人の力を借りているのにその名残りが少ないゼロビヨンドに関して、坂本監督が「ゼロに何を混ぜても結局ゼロが最強」というコメントを残していたことから考えると、このようなデザインになったのは「ベリアルの力はファイブキングやゾグと同等以上」ということの表現でもあるのかもしれない。
ベリアルが怪獣を支配下に置くレイオニクスであることを考えれば当然と言える。
劇中での活躍
第16話
ベリアルが(恐らく伏井出ケイから奪い取ったと思われる)ライザーと怪獣カプセルを使用してフュージョンライズしたことで出現。
圧倒的なパワーでジードを蹴散らすと、ジードを体内に吸収、自身の肉体と完全に融合させるために月面へと飛び去って行った(ゼロビヨンドが一度バルキーコーラスで迎撃しようとしたが、体内にジードが閉じ込められていたため、ライハに攻撃を制止させられた)。
〈その姿を見た人々は、世界が終わることを悟った〉
〈雄々しく広げられた翼。それは地面を離れ人々の頭上を横切り、空へと高く上ってゆく〉
〈その日、人々の中から希望は消えた〉
第17話
月面でジードを自らの一部にしようとしていたところにゼロビヨンドが駆け付け対決。
ジードを吸収しかけていたことで大幅なパワーアップを遂げており、ゼロビヨンドをも苦戦させる強さを見せつけて勝ち誇る。
しかしこの間にライハから説得を受けて正気に返ったジードが体内から脱出してしまい、戦闘の最中ジードを羽交い絞めにするも、ジードは地面にレッキングバーストを放ち、その反動で月面から脱出して地球へと落下。
そこでジードからの再戦を受けることになる。
奮起したジードを相手にしても尚互角の戦いを展開、ソリッドバーニングのストライクブーストやアクロスマッシャーのスピードを生かしたジードクローによる連撃でダメージを耐え、さらにマグニフィセントの攻撃にも食らいついていく実力の高さを見せたが、最後はウルトラマンキングのウルトラカプセルを手にしロイヤルメガマスターへとフュージョンライズを果たしたジードとの空中戦に敗れ、地上に叩き落されたところをロイヤルエンドを食らい爆散・消滅した。
一見、この回では奮起したジードの咬ませに見えるが、実はこれだけジードの猛攻を食らいながら明確なダメージがない。そもそも、ペダニウムゼットン戦でも高威力を見せたストライクブーストを至近距離から連続で喰らって無事、という時点で元からタフネスとは言えどこかおかしいレベルのタフネスである。
余談
第16話が放送する2日前にはtvk系列でキメラベロスの元になったゾグ第2形態の登場エピソードである『ウルトラマンガイア』最終回が再放送されていた。
名前に元となった怪獣の要素が全くない唯一のベリアル融合獣。間違っても元となったのはこいつらではない。
使用する怪獣カプセルの要素はデザインには直接反映されておらず、ベリュドラの簡易版というイメージで描かれており、第16話・17話監督の坂本浩一は、映画『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』に登場したアークベリアルとの差別化として半獣半人のデザインを提案した。
ジードを取り込むシーンは、坂本が監督した映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』でレイブラッド星人がアーリーベリアルに取り憑くシーンをセルフオマージュである。
当初、『ウルトラマンタイガ』に登場したナイトファングはキメラベロスの改造を前提にデザインされていて、デザイン画でも翼の形状はキメラベロスに酷似しているが、造型の段階で新規造型となり、改造されたものは別のものに流用された。飛行シーンで翼を合成するという撮影手法はキメラベロスを踏襲している。
関連タグ
ベリアル銀河帝国 ダークネスファイブ ウルトラマンベリアル カイザーベリアル アークベリアル カイザーダークネス ウルトラマンゼロダークネス アトロシアス
ベムスター:「ウルトラマンエックスを吸収し月面へ行く」という似た行動をしている。
ゼロダークネス:同じくベリアルがウルトラ戦士を乗っ取った形態。キメラベロス登場回はゼロダークネスが登場した『ウルトラゼロファイト』第二部を連想させるシーンが多くあり、ウルトラ戦士とベリアルがいる精神世界で雨が降っていることも共通している。
タイプチェンジ:ある意味キメラベロスは、ベリアルのタイプチェンジ形態といえるだろう。
ベリアルが関わる怪獣
ベリュドラ:ベリアルと数体の怪獣が融合していることが共通する(ちなみにファイブキングの素材も一緒に融合している)。
アークベリアル:こちらはカイザーベリアルがエメラル鉱石を吸収して変化した姿。これにマガオロチを足すと禍々アークベリアルとなる。