演:山本千尋
概要
『ウルトラマンジード』の登場人物で、同作における実質的なメインヒロイン。
刀剣の扱いや武術に長けた少女。年齢はリクと同じく19歳。漢字表記は「鳥羽來葉」。
容姿は運動靴にホットパンツ、タンクトップというラフな格好。
6年前に怪獣災害に遭ったことがあるらしく、怪獣が人間に戻った所を斬る――すなわち伏井出ケイを倒す事を目的としている(ただし、第7話でケイと対面した際の描写から、怪獣に変身していたのがケイであること自体は知らなかったらしい)。また、この時に家族を失ったらしく、第4話でペガから家族のことを尋ねられた際には「今はもういない」と悲しげに答えている。
怪獣を呼び寄せるとされる謎の物質:リトルスターを追っており、その過程で偶然朝倉リクとその相棒であるペガと知り合い、さらにはリクがジードへと変身する光景を目撃してしまう(ウルトラシリーズ恒例の主人公がウルトラマンである事を知るという展開だが、彼女は第2話で知った為、最初から事情を知らない人物としては恐らくシリーズ最短記録である)。
その後、リクの提案で共にリトルスターの調査を行うことになり、星雲荘に居候することになった。星雲荘で生活するようになってからも日々のトレーニングは欠かさず行っており、戦いの素人であるリクに戦い方のレクチャーもしているようだ。
レイトとリクが役割を入れ替えた際、レイトはライハが背中に座った状態で腕立て伏せをしていたが恐らくはこのトレーニングメニューもライハ考案と思われる。
基本的にはクールでどこかぶっきらぼうな性格で、他人と馴れ合うようなこともしない一匹狼気質の持ち主。
しかし、嫌味な性格の避難所の職員に対して彼が座ろうとした椅子の足を切って転倒させたり、リクの持っていた箸を切り落として「箸で人を指さすな」と注意したりと、割と過激な側面もある(もっともマナーや礼儀の悪さに対する制裁の意味合いが大きい)。第8話でゼロを失って戦いを放棄する選択をしたレイトへの態度である。戦いへの恐怖もあるが、レイトはただの臆病風に吹かれたのではなく妻子のために無責任に出来もしない事に身を投じて命を失う事が出来ないが故の選択であり、リクに諭されてその苛立ちを収めている。
その一方で、星雲荘のシャワー室にシャンプーとコンディショナーがない事を気にするという年頃の少女らしい一面も。
また、リクが変身している間にリトルスター保有者の保護を請け負ったり、移動や買い出しの手段として自転車の購入が必要になった際には自分もお金を出すことを申し出るなど、必要なことであればきちんとリクには協力している。
前述のように苛立つ場面もあるが、責任感が強くしっかり者な常識人である彼女。今までペガと男2人で暮らし、生活面でかなり大雑把なリクをフォローする姿にお姉さんのような印象を持つ人も多いのではないだろうか。
プライベートでは、鍛錬以外にもリクのバイト先である銀河マーケットを手伝っている。
実際は他者を労わる優しさを持っているが、ケイの策謀で両親を失った反動で攻撃的な面が表に出過ぎているだけであり、話が進むにつれて本来の優しさを取り戻していく。
武術の腕前は非常に高く、生半可な宇宙人では全く歯が立たず、伏井出ケイを相手にした際も苦戦はしたが執念で食い下がり、最終的には追い詰めたほどの凄まじい強さを持つ。
両親の敵を討つために努力し、磨き上げたであろう戦闘力であるが最早人間離れしすぎである。(朝倉リクを演じた濱田龍臣は雑誌のインタビューで「ライハは人間のステータスを振り切ってる。もしライハがジードに変身したら一番強いと思う」と語っている)
主な活躍
第9話にて彼女の過去が語られる。元々彼女は植物学者の父であるダンジと母スズミの間に生まれたごく普通の少女であった。しかし、6年前に両親と父の大学のフィールドワークに同行する形で光瀬山麓に赴いた際、突如現れたスカルゴモラ=伏井出ケイによって両親を殺されたことが判明した。理由は当時彼女の中に宿っていたリトルスターを回収するためであった(しかし両親を殺された絶望で彼女の中から出たリトルスターは消滅し、回収に失敗している)。
そしてかつてと同じ場所のつり橋でケイと対峙。ケイの戦闘力に苦戦を強いられるも、隙をついて逆転。しかし、止めを刺そうとした際に突如聞こえてきた謎の声に止められケイに逃げられることとなった。
第16話にて再び謎の声が聞こえるとともに、リトルスターが再発。検査の為AIBのリトルスター保持者を保護している研究施設に保護される。ここで両親を失ったショックによりリトルスターによる力が観測不能なほどに抑えられていた事が判明。その後本性を現したゴドラ星人ゴドー=ウィンに人質に取られたピット星人トリィ=ティプを自らの機転で救出しつつ、ゴドー=ウィンをモップの柄による棒術で追い詰めモアと共に降伏を命じるも巨大化され逃げることとなる。そして、ジードを吸収し飛び去って行くキメラベロスを皆と共に見つめていた。
17話ではベリアルに取り込まれてしまったジード=リクを救うべく、ゼロの助言によりキングのエネルギーが濃く残っている場所であるクライシス・インパクトの爆心地へ向かう。そこは彼女が産まれた場所でもある筒井総合病院だった。
そこで精神世界を介した交信によりウルトラマンキングと対面。なぜ自分にだけキングの声を聴くことができたのかを問う。キングの話によれば、ライハは母親のお腹の中で危険な状態にあった。だが、両親の必死な祈りがキングの意識に届き、キングは失われかけていた命=ライハをすくい上げた。その結果、ライハはキングの声が聴こえる特質な存在になったのだという。人よりも早くリトルスターが形成されたのもその性質が原因であることが判明。
父と母の強い祈りで自分が産まれたことを知り、ライハはキングに「お願いがあります」と告げる。キングは「大切な仲間」であるリクを救いたいという彼女の想いをくみとり自身の力でジードがいるベリアルの精神世界へ彼女を転送。(この時、キングは「君が連れ戻しに行くんだ。若きウルトラマンの魂を」と言っているためジード=リクをウルトラ戦士として認めていることがわかる)そこでベリアルに洗脳されたジードがゼロビヨンドを痛めつけているのを目撃。ベリアルに完全に飲み込まれようとしていたジードに向かって懸命に叫び続ける。
「リク、ダメ!ベリアルに惑わされないで!あなたはリク!『朝倉リク』!思い出して!」
「忘れないで!仲間の事を!地球の事を!あなたの夢を!あなたはみんなの『ヒーロー』なんだから!」
ライハの必死の説得によりリクは幼いころ観たドンシャインのヒーローショーでの出来事を思い出す。
「君の笑顔を取り戻す。ヒアウィーゴー!」
そこへ自分を迎えにきたライハの「そろそろ行くよ」という言葉に振り返るのと同時に子供から現在の姿に戻るリク。
会場から出た二人は空に広がる時空の裂け目を見上げる。ライハは
「リク、行きなさい。運命をひっくり返すの!」
と、リクを激励。
リクはそれに頷き、ライハに「ありがとな」と礼を告げると「ジーッとしてても、ドーにもならねぇ!」とジャンプしプリミティブに変身してベリアルの呪縛から脱出。キメラベロスとなったベリアルに再び戦いを挑む。
病院へと戻ったライハはリトルスターをリクに届けるべく祈りをこめた剣舞を開始。
ジードが人々の声援を受けながらソリッドバーニング、アクロスマッシャー、マグニフィセントへと次々にタイプチェンジしてベリアルと激闘を繰り広げる中、ライハから分離したリトルスターはキングのウルトラカプセルを起動させる。そのカプセルを使い最強の姿、ロイヤルメガマスターへと変身を遂げたジードは圧倒的なパワーでキメラベロスを倒すことに成功するのだった。
その後もリクに協力し、ジードをサポートしていく中でケイの生存を知り、ケイとの決着のため奔走する。しかし、生きていたベリアルに使い潰される形でボロボロになりながら、それでもベリアルへの盲信を止めないケイに「かわいそうな人……」と、次第に憐れみを感じるようになる。
しかし、第22話ではその優しさによる隙を突かれ、追い詰めらたケイに逆襲を食らい、危なかったことも。
そして、終盤に伊賀栗母子を人質に取ったケイと対峙し、ストルム器官と寿命を失ってなお献身する姿勢に、本来の優しさを取り戻したライハは敵討ちとは別の形で、「ケイの最期を看取る」ことで決着を望み、戦いの最中にケイは力尽きた。その彼が、朦朧する意識の中でベリアルの役に立ったのかと言う問いに、「ええ……あなたはベリアルの役に立った……。だから、安心して消えなさい……」と答え、光となって消えたケイを看取っていった。
なお、その後も星雲荘を出ていく予定はないとのこと。
また、つなぐぜ!願いにて、リク達には食事は気をつけろと言ってるのに鍛錬中にドーナツをつまみ食いしてるところが明らかになった。
また、宇宙人街にリクやジャグラー達も一緒にいる中でキール星人やシャプレー星人にナンパされた際には、開口一番にパンチを入れている。
その後、星雲荘は移動手段として使われているが、リクとペガのみが登場しており、ライハの姿は確認されていない。
星雲荘を出て行った、もしくは別行動を取っているのかしれないが、今のところは彼女の現在については言及されていない。
余談
坂本監督の作品に必ずと言っていいほど登場する「戦うセクシーなヒロイン」に相当するキャラと言える。「刀剣を振るう少女」という設定も、坂本監督の案なのだとか。
演じる山本千尋は『ジード』と同じく坂本氏が監督を務めた『仮面ライダー平成ジェネレーションズ』にも出演しており、その時は武田上葉/ギリルバグスター役を演じている。また、ペガッサ星人ペガを演じた潘めぐみとも以前『手裏剣戦隊ニンニンジャー』で共演している。
また坂本監督と山本女史は山本女史が10代後半の時から坂本監督の入ってるアクションチームアルファスタンドのジムに出入りしており、坂本監督も山本女史のことは知っており、山本女史が来たことをスタッフから聞いた時嬉しそうに飛び込んで行ったという。
名前の由来はSF作家のロバート・A・ハインライン。
両親の名前は「夏の扉」の登場人物から。
また、キングのリトルスターを宿ってる事は企画段階から決まってたようである。