伊賀栗レイト
いがぐりれいと
演:小澤雄太
『ウルトラマンジード』の登場人物。30歳。漢字表記は「伊賀栗令人」。
ウルトラ戦士の血を引くリクとは異なり、もともとは2歳年下の妻のルミナ(演:長谷部瞳)と5歳の一人娘のマユ(演:清水美怜)と暮らす極々平凡なサラリーマンであった(第4話でリクに差し出した名刺によると、会社名は「谷丸商事」というらしく、第3話における「営業先の人から怒られた」という台詞と併せて考えると商社マンであるようだ)。
眼鏡をかけており、真面目で気弱な性格だが、家族や暮らす世界の事を大切に思っており、事故に巻き込まれそうになった子どもを命がけで救い出そうとするなど心の底に熱い一面も持ち合わせている青年。ドジっ子ではあるが。
また、超全集での表記で婿養子であることが判明した(旧姓は設定されていない)。
ある日、ジードとダークロプスゼロの戦闘の余波により崩れようとしていたビルから子供を助けようとして、落ちていたバナナの皮に躓き、(ビルの崩壊か少年の不可思議な力に気を取られて)よそ見運転してしまっていたトラックにぶつかり瀕死の状態となるがウルトラマンゼロに救われ、ゼロと身体と命を共有する間柄となる(ちなみに少年はリトルスターを宿しており、その影響でバリアを張ったため無傷だった)。
当初はウルトラマンゼロがジードのことを見極めるというスタンスを取っていたために、戦いを見守っていただけだったが、奔放なウルトラマンゼロに振り回され、徐々に怪獣たちとの戦いに巻き込まれていく…と同時に、立場も性格もまるっきり正反対の2人が一つの体をシェアすることによるドタバタコメディも繰り広げられる。
ゼロの人格が表に出た場合は、声や口調がゼロのものになるという演出が取られ、眼鏡を外して表情もキリっとしたものに変化する。どうやら外さないとゼロの人格が表に出ないらしく、第19話では変身しようとするも石刈アリエに眼鏡を掛け直されて人格をレイトに戻されできなかったことがあった。
ゼロとレイトが会話する際は眼鏡を付け外しを繰り返し非常に落ち着かない状態になる事も。そのため、初めて星雲荘を訪れた際には特殊な装置でゼロの姿をモニターに表示して対話するという手段が取られたこともある。
かつての親父や人形化したタロウと同様に、レイトの体を借りた状態でもウルトラ念力は問題なく使用できる様子で、第3話では卓上に置かれていたペンをテレビの上に置かれていたリモコンのスイッチ目掛けて正確に投げ当て、電源を落とすという離れ業を見せている。
ちなみに、ゼロは地球人でいえば高校生相当の年齢だが、レイトは彼をさん付けで呼び敬語も使う。本人の性分なのかもしれない。
第6話でゼロへの初変身を行ったが、ゼロの意思で強引に行われたにもかかわらずかつてのようなチビトラマンになる事はなく完全な変身を遂げられた。本人は「高揚した」と語っていたため、心のどこかで変身を素直に受け入れられていたのだろう。
そのためか、同話ではリクに代わってウルトラマンとして戦うと宣言したが、後にリクと入れ替わって行った銀河マーケットのアルバイトや鳥羽ライハにみっちりしごかれた事もあって「自分はゼロの力を借りていただけ」と思い上がっていた事を自覚する(ウルトラマンの力を手にして慢心するという展開は近年のウルトラマンでは珍しい)。
ちなみにこの時、「ライハを背に乗せた状態で腕立て伏せ(ノルマは恐らく最低でも100回)」をゼロの助けもないままに(あまりのきつさに弱音を吐きながらも)やってのけるという地味にすごい身体能力を披露した(やってみればわかると思うが、日頃からトレーニングしてる訳でもなく鈍りきった身体ではただの腕立て伏せでも100回はかなり辛い)。
第3話でも不良に絡まれた際、ゼロが肉体の主導権を握っていたとはいえ、まだ同化して間もないにもかかわらず、終始バテる事無く、不良達を撃退している。
この事からサラリーマンとしては、運動不足なだけで、元々の身体能力は高い方なのかもしれない。
しかし、強引な変身がなくなったわけではなく、第11話では会議に資料を届けなければならないレイトと意見が合わないまま強引に変身している。後の発言を見るにレイトの方が折れたようだが。
ウルトラマン変身者の多くは防衛軍所属が多く、姫矢准やクレナイ・ガイの様な自由人とでも言うべき立場にいたり、(UGM所属前の)矢的猛と千樹憐の様に戦いと関わらない職業に就いた者もウルトラマンである事が生活の中心にあった。レイトは彼等とは逆に「家族の為」にやれることが行動原理にあり、ウルトラマンとしての活動が家族の為に繋がっているだけで、生活の中心がウルトラマンではないところが歴代の変身者にはない稀有な特性と言える。
リクの事をゼロと一緒に見守っており、1日2人の仕事と生活を入れ替わってからリクと雑談をした際にレイトはゼロと一体化にしたことに高揚感を抱いた事を話しており、レイトはリクに大切なものに出会えると道を後押しした。
だが、空気を読まない一面もあり、第13話では事情を知らなかったとはいえ、リクにモアと会ったこと、彼女がAIBに所属していることをライハの前でばらしてしまい、ライハを激怒させてしまった(リクはモアがAIBのエージェントであることを、ライハには秘密にしていた)。
第7話にて偶然(を装って現れた)人気小説家伏井出ケイと会合。家族やリクら共々講演会に招待される。 彼の熱烈なファン(フクイデスト)であるルミナに強引に小説を渡され、「SFってリアリティがない」というレイトに「この状態のお前が言うかぁ?」とツッコミを入れるなど、コンビ仲は良好な様子である。伏井出の書いた小説に炎の海賊や鏡の騎士といった登場人物が出ると知り、彼の書いたシリーズが『ベリアルに都合のいいように書き換えられた、自分達の戦いの記録』だったことを知る。 講演会の中で伏井出と対峙するが、人質、カメラなど、巧みに正体を隠しながらも立場を利用した様々な罠に身動きを封じられる。 そして伏井出が怪獣カプセルで召喚したギャラクトロンにジードが圧倒され、「助けたければあの怪獣の攻撃を受けろ」と言い渡される。 それを了承して外に飛び出したゼロにギャラクトロンはビームを発射。レイトの身体を借りていたゼロは変身せず、ウルトラゼロアイでそれを受ける。 ウルトラマンの巨体ですら倒れ伏す光線の中、レイトを庇う様にゼロアイから等身大のゼロが実体化。 「レイト…っ! よく…耐えてくれたな…!」 爆発が起き、後には軽症を負ったレイトと、石化したウルトラゼロアイが残された……。 しかし、第8話「運命を越えて行け」にて「大切な家族と家族が住む街を守りたい」と言うレイトの呼びかけに応える形で奇跡の復活を遂げる。その際レイトに「俺の相棒ならもう30分早く判断しろ」と諌めつつウルトラマンの力に慢心していたレイトを許し再び家族を守るために戦った。
更にはゼロと一体化したことでゼロからクライシス・インパクトの事やベリアルの事を聞いていたため、一般人の中で1番クライシス・インパクトや伏井出の書いた小説の事について一般人の中でも1番真実に近づいてる人物でもある。
24話では、ベリアル討伐までのわずかな時間の中で家族との時間を過ごしておりルミナには、自分がウルトラマンであることがバレていた事を知らされてしまう。戦いが終わって帰ったら家族でルミナの料理を食べると誓い家族と自分を見送ってくれた家族と明日を守るためにゼロと共に最後の決戦に赴き家族を守るため最後の変身をした。ベリアルと戦ってる中伏井出ケイに自宅まで出向かれ、家族を人質にされベリアルに手を出せないでいたが、ライハが伏井出ケイを追い出してくれたことで、再びベリアルと戦う中、力尽きる寸前のところでジードが介入して来たため一旦は難を逃れたが、倒れ込んだ拍子に近くに不時着していたネオブリタニア号を発見。ベリアルがジードに気を取られている隙をついて飛び込み、カラータイマーにカレラン粒子分解酵素を突き立てるも、アトロスヘルクローを喰らい分解酵素を流し込み続けるも、最後には振りほどかれ、それでも殴りかかろうとしたが限界が来てしまい、変身が解けレイトも重傷を負って病院に担ぎ込まれることになった。
ジードとベリアルの戦いの中で意識を取り戻しており、平和に戻ってから数日後腕をギプスで固定した状態ではあるが、ウルティメイトブレスも治り長きに渡るベリアルとの因縁にも決着が着いたことで地球を離れるゼロを見送れるくらいには回復しており、ゼロがマユに「俺の娘になってもいいんだぞ」と言った際、「ゼロさん、2万年早いです」と返すが、怪我をしている方の腕でしたため、またしても痛めてしまった。
劇場版では、沖縄に出張してる際に、偶然ギルバリスの件で沖縄を訪れたリク達に会い、テレビで事件の発端を知っていたためリクを案じており、色々と情報源を提供したりと、サラリーマンとしての人脈を活かしてリク達をサポートした。情報屋からギルバリスの情報を聞き出す際にもゼナ達が財布を持っていなかったため、情報量を支払っている。ギルバリスが本格的に沖縄を攻撃してきた際はギルバリスが作り出したアンドロイドの相手をしてる際に、「ゼロさんの力があれば…」と逃げまくってた時諸事情で体力を消耗していたゼロがレイトの体に再び憑依し、一時的ではあるが再びゼロに変身した。
また、ベリアルとの戦いが終わってゼロと別れた後もお世話になってるようでギルバリスとの戦いの際にレイトさんは星雲荘で仕事サボるしと愚痴っている。
『ジード』映像作品以外では、『ジェネクロ』『ウルクロ』で元ウルトラマンの相方の地球人としてゲスト登場を果たしている。
ウルトラマンニュージェネレーションスターズでは、直接の登場では無いもののリクとゼロの回想シーンで登場。7話、8話の伏井出ケイの策略で彼の家族とケイの講演会に来てた人達を人質にされた事はゼロにとっては今思い出してもいい思い出はないようである。8話ではリクの中でのレイト&ゼロとの思い出によりウルトラマンゼロビヨンドのウルトラディメンションカードの作成を成功させている。この点から見ても公式としては伊賀栗レイト=ウルトラマンゼロビヨンドなのだと窺える。
2024年版ではレイトがメインの第6話が再放送された。
ウルトラマンゼロ15周年のライブステージ NEW GENERATION THE LIVEスターズ編「始まりのゼロ」第2部に再登場。
ゼロとのドタバタコメディや不良にチャチ付けられてもすいませんと謝ろうとするなどおっちょこちょいな所は相変わらずだが怪獣災害で自宅アパートが火事になっても家に取り残されたルミナとマユを助けるためにゼロの助けを借りないでボロボロになっても助けに向かっている。
ウルトラマンに変身する人物で職業がサラリーマン、そして(一時的に変身した人物を除けば)眼鏡をかけているのは彼が初である。
第3話でゼロがレイトと一体化するシーンは、『帰ってきたウルトラマン』でジャックが郷秀樹と一体化したシーン、およびそれをオマージュした『ウルトラマンメビウス』でサーペント星人が日ノ出サユリと一体化したシーンのオマージュになっている。恐らく前者は前作のウルトラマン以降、ジャックとゼロの絡みが多くなったのが理由だろう。
- ウルティメイトブレスレットが破損したためか、ゼロの変身者で初めてウルティメイトブレスレットを装備していない(ランは映画の最後ではウルティメイトブレスレットを装備していた)。本人がサラリーマンとして腕時計を着けているので、ブレスレットがあったら邪魔というのもあるのかもしれない。
かつて『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』にてウルトラマンゼロの存在が公開された際、「ゼロ→0→零→レイ」という理由で大怪獣バトルシリーズに登場するレイがゼロに変身するのでは…と思われていた時期があったが、今回のレイトで間接的に実現していると言えるのかもしれない(名前的にはレイ+ケイトだが)。
妻のルミナを演じる長谷部瞳は、かつて『ウルトラマンマックス』でヒロインであるコイシカワ・ミズキ隊員を演じており、ウルトラシリーズへの出演は最終回以来11年ぶりとなる(ちなみに、ミズキ隊員も最終的に主人公のカイトと結ばれ、子供や孫を儲けている)。
演じる小澤雄太氏は劇団EXILEの所属で、ほぼ同時期に放送されていた『仮面ライダーエグゼイド』で九条貴利矢 / 仮面ライダーレーザー / 仮面ライダーレーザーターボを演じていた小野塚勇人は同じ劇団に所属する同輩である。
ちなみに、小澤氏はかつてウルトラの父に変身したかったとのこと。
名前の由来はオーストラリアのSF作家グレッグ・イーガンからで、伊賀栗家の名前もその作品名から取られている。
オーディションではケイ役を受けており、監督の坂本浩一の質問に「普通の人を演りたい」と答えたことがきっかけで、レイト役に決まった。
- 坂本によると伊賀栗家は、アメリカに住んでる自分の家族との日常をモデルにしていると語っている。
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