概要
通常、ウルトラマンと一体化する人物と言えば、防衛チームのメンバー、そうでなくとも怪獣に果敢に立ち向かった人物、あるいは何かしら特殊な素質がある人物であることが一般的であった。
そんなお約束をぶち破り、ウルトラマンゼロが『ウルトラマンジード』に客演した際、一体化した伊賀栗レイトはどこにでもいるごくごく平凡なサラリーマン(当然ながら怪獣との交戦経験もない…というより、『ジード』の世界では怪獣に関する記録がほとんどない)というある種異色の人物であったことで、ファンからは大きな話題となった。
一応、カーレーサーやパン屋に看護師、ボクサー、ボランティア員、学生とごく普通の“一般人”であった人はいるし(ただし、いずれの人物も防衛チームに入隊してしまい、“一般人”ではなくなってしまった)、また一般人でも前歴が航空自衛官や戦場カメラマンという戦いに携わる職業だった人がいる。
しかし、会社に勤務する普通のサラリーマンがウルトラマンの変身者になったという前例はなく(一応、ウルトラマンタロウがしばらく地球で、サラリーマンとして生活を送っていた回がある作品、ウルトラマンが平和になった光の国でサラリーマンとして生活を送っているという作品ならあるが)、そういった意味でかなり斬新な展開と言える。
また、レイトは妻子持ちであり、お茶の間で子どもたちと一緒に番組を見ていたお父さんたちの中には、仕事と家庭を両立しなければならない彼の行動に色々と共感してしまうところもあったことだろう。
これまで以上にウルトラマンという存在を身近なものに感じることができるという点が、このサラリーマンになったゼロ=ゼロリーマンの魅力なのである。
心配事
満員電車のことを「精神の修業にはもってこい」と言っていたゼロだが、現在、日本のサラリーマンの置かれている状況は正直そんなものでは済まされないほど酷である。
ある意味、怪獣退治よりもはるかに過酷かもしれない。
実際、第6話で朝倉リクがレイトと入れ替わって彼の勤め先「谷丸商事」に行った際は、昼食をとる暇もなく仕事に追われ夜中まで残業する羽目になっていた(同話の冒頭でレイトは仕事を勝手に休んで星雲荘へ行ったので、単に仕事を溜め込んでしまったからなのかもしれないが)。
結果としてリクはレイトを見直す事になったのだが、(未熟とはいえ)ウルトラ戦士でさえへこたれてしまう日本のサラリーマン事情とは一体……
ただ、その後のエピソードではスーツ姿のまま娘を連れて出かけるシーンがしばしば見られる(=会社の側も男性の育児に対して理解があることが窺える)ため、単純に谷丸商事が真っ黒な会社という訳ではないようである。
pixivでは
レイトとゼロを一緒に描いた作品のほか、上のイラストのように実際にサラリーマンになってしまったゼロの様子を描いたイラストも多い(ただし、ゼロの年齢は地球人に換算すると高校生相当である)。
余談
- “ゼロリーマン”という名称を付けたのは、『ジード』でペガッサ星人ペガ役でレギュラー出演していた潘めぐみ。件のツイートはこちら。
- ウルトラマンゼロ役の宮野真守もかつて別作品でサラリーマン役を演じたことがある。また、宮野自身も既に結婚して子持ちの身である。
- ゼロがサラリーマンと一体化するという展開が話題を呼んだ事もあってか、初登場回である第3話のYouTube公式配信は1週間の累計で過去最高の100万再生を突破するという快挙を成し遂げた。前年の過去最高記録を1年も経たずに塗り替えてしまったゼロさんパねぇ……
- ゼロへの初変身時は変身バンクが普段と異なり頭からゼロの姿へと変わっていくものだったため、一瞬だがページトップの画像のように、首から上がゼロでその下はスーツになっているカットが存在する。
- ニコニコ動画ではゼロの台詞を捩って「ブラック企業が吹き荒れるぜ!」や「俺に有給はねぇ!」とネタにされることに……。
関連項目
ウルトラマンゼロ ウルトラマンジード 伊賀栗レイト サラリーマン