2万年早いぜ!
にまんねんはやいぜ
「俺のビッグバンは、もう止められないぜ!」や「ブラックホールが吹き荒れるぜ!」など数々の名言(迷言)を残しているウルトラマンゼロだが、この「2万年早いぜ!」はその原点かつ象徴とも言える台詞である。
初出は2010年発売の『ウルトラ銀河伝説外伝ウルトラマンゼロVSダークロプスゼロ』。
装着者のパワーを抑える役割を果たすテクターギアを装着して自分の前(というより頭上)に現れたダークロプスゼロ(テクターギア・ブラック)に対して言い放った。(迷言)
「テクターギアだと…? …ふっ、力をセーブしても…俺に勝てるってわけか!! 2万年早いぜ!!」
2012年公開の『ウルトラマンサーガ』では、人間を「つまらない生き物」と見下すバット星人に対して発言した。(名言)
「お前が人間の価値を語るなんざ、2万年早いぜ!!」
ただし、どちらでも言った敵に敗北してしまっており、ある種の敗北フラグとなっていた。(まぁ、どちらも敵がチート級の強さだったから仕方ないけどね…)
それでも、以降の作品ではそのような扱いもなくなっている。
2015年公開の『決戦!ウルトラ10勇士!!』では、エタルガーに敗北したヒカルとショウに対して発言した。
「ちったぁ頼りになるかと思ったが、今のおまえらじゃ2万年早いぜ」
同年放送の『ウルトラマンX』では、共にナックル星人バンデロを追撃しようと頼み込んだエックス(大空大地)に対して発言した。
「2万年早いぜ、お前らには…。俺に任せな。」
わざわざ自分から二人を成層圏まで呼び出しておいて、(挨拶と自己紹介はしていたが)唐突にこの台詞だけを残して去ってしまったので、まるでこの台詞を言うためだけに大地とエックスを呼び出したようにも見える。
なお、その後エックスは無事にゼロと合流した際に、「2万年も待ってられないんでね」と返していた。
ごもっともである。
サブトラマンとしてレギュラー出演した『ウルトラマンジード』第9話では、ゼロと一体化した地球人の青年:伊賀栗レイトの娘マユを襲おうとしていたタイラントに止めを刺した際に発言。
「俺の娘に手を出そうなんて、2万年早い」
ウルトラマンゼロビヨンドの状態のため、口調自体は非常にクール。
レイトと一体化しているとはいえ、今まで息子キャラでいっていたゼロが「俺の娘」と言うのもなかなか面白い状態である。
実際、レイトに「自分の娘なんですけど」と突っ込まれたが、「似たようなもんだ」とすぐ返している。
世のお父さん方は将来、娘さんが男を連れて来た時に使ってみてもいいかもしれない。
更に第24話では「(俺の下に来なかった息子は)どうやら反抗期のようだ。」と語ったベリアル・アトロシアスに対しこう発言した。
「貴様が父親ぶるのは、2万年早いぜ!!」
(親子と判明する前は半ばネグレクトと言われても仕方のない状況にはあったものの)そばにいなくても自分を常に思ってくれている父セブンに加え、家族の為に父親として頑張っているレイトを知るゼロだからこその台詞であろう。加えてベリアルは息子のジードを洗脳・一体化しようとするなどとても父親とは思えぬことをしでかしているので尚更である。
劇場版ではゼロ本人が使用。とある事情で姿を消していたゼロがレイトと再び一体化した直後、無事を喜ぶレイトに対し口にしている。
「俺の心配なんざ、二万年早いぜ!」
とはいえこのときのゼロはシャイニングの力を使ったことで一時的に消耗しており、戦線復帰にはレイトが必要不可欠だったのだが…。
『ウルトラマンタイガ』第23話に登場した際には、「君は心底つまらない」というトレギアの軽口に返す形で言い放った。
「この俺に軽口を叩くとは、二万年早いぜ!」
なお、このときの口調はトレギアへの意趣返しも兼ねてか、軽口にも聞こえるようなおどけたものになっている。ゼロが好きな視聴者はぜひ実際に聴いて確かめてもらいたい。
ゼロ以外にもこの台詞を発した者はいる。
伊賀栗レイト
『ウルトラマンジード』第3話では、ゼロと一体化して間もない伊賀栗レイトが、絡んできた不良集団を逆にボコボコにした際に使用した(なにげに人間態の状態で使用したのは初である)。
この時はゼロの意識が表面化していたが、声はレイトのものだった。
「俺に喧嘩売るのはなぁ……2万年早いぜ!!」
第8話ではレイト自身もゼロならこういうであろうという形で、光を失ったゼロアイに語りかけている。
「僕には、2万年早すぎますか?それでもやってみたいんです、みんなを守るってことを!」
なお、このセリフに呼応して死にかけの状態から復活したゼロはこう返している。
「俺の相棒だったらもう30分早く判断しろ…」
ウルトラマンとしての力を得たことで強大な敵と対峙せねばならない、この事実にどこか怯えていたレイトを諌めつつ、それを許し尚ともに戦おうとする、そんなゼロの姿勢を印象づけるセリフである。
さらに最終話でも、光の国に帰ろうとするゼロがレイトの娘・マユに「俺の子になってもいいんだぞ〜」とジョークを飛ばした際に言い、お決まりのポーズ(後述)もやろうとしたが、アトロシアスとの戦いで腕を怪我していたため痛くて無理だった。
「ゼロさん、2万年早いッ…イテテ…」
伏井出ケイ
デビュー作:「コズモクロニクル」に登場する悪役キャラ“輝きの騎士ゾーラ”の決め台詞も「2万年早いぜ!」らしい。もっとも、この小説はベリアルのかつての戦いを元に書かれたものであり、ゾーラもゼロをモデルとしたキャラクターなので当然と言えば当然なのだが。
ただし映像作品では上述したようにベリアルが言われた事はこの後のジード24話まで一度もない。
時系列的に空きがあるのはプラズマギャラクシーかクライシス・インパクトのときくらいなのだが、どこで知ったのだろうか……?
ウルトラヒーローズExpoニューイヤーズフェスティバル2020にて、タイガ達トライスクワッドの元に駆けつけたゼロと新世代ヒーローズとタロウが今までの意趣返しも兼ねてトレギアに全員で叩きつけている。
「お前みたいな半端なやつが!俺たちに勝とうなんざ、2万年早いぜ!」
この台詞を言う時は、この画像のように右手の人差し指と中指を立てるのがポイントである。(所謂裏ピース)
ゼロの決め台詞(?)の中でもこの台詞ほど登場しているものはなく、ゼロを象徴する台詞と言っても過言ではない…だろう、多分。
ゲーム作品でも、ゼロの勝利台詞として定着しつつある。
一応言っておくと、ゼロ本人の年齢は5900歳である(人間でいえば高校生相当)。そもそも何十万年も生きられるウルトラ戦士からすれば、この台詞は人間に例えると「10年早い」とか「100年早い」に近い感じなのだろう。
一方、初代ウルトラマンは最終話で「私はもう2万年も生きた」と語っており、年齢が2万歳であることを明かしている。恐らく、「2万年」という年数はこのあたりを意識したものであろう。