だ…大地よ 海よ そして生きている全ての みんな………
このオラに ほんのちょっとずつだけ 元気をわけてくれ…!!!
概要
元気玉(げんきだま)は、漫画『ドラゴンボール』に登場する必殺技。
アニメ『ドラゴンボールZ』OP「CHA-LA_HEAD-CHA-LA」や『ドラゴンボール改』OP「Dragon Soul」などの中でも歌われている、この作品を代表する技のひとつである。
インパクトのある必殺技だが、原作ではここぞという時、それも「自分や仲間達では勝てず、これしか勝算がない」というときしか使っていないため意外と使用頻度は低く、本当にとっておきの切り札である(作劇上「これすら通用しない相手に悟空が更なる覚醒を見せる」という前振りとして使われることもある為、効こうが効くまいが勝利フラグでもある)。
代わりに初期の映画ドラゴンボールZではトドメの技として頻繁に使われている。
pixivでは、この技をモチーフにしたイラストにもこのタグが使われている。
詳細
両手を天に掲げ、周辺の自然や生きとし生けるものからほんの少しだけ元気(エネルギー)を分けてもらい強力な光球を作り、それを相手に投げつける技。
集める量によっては巨大な光球を作ることもでき、威力は集めたエネルギー量に比例する。善人にしか使えないという設定があるが…。
地上に存在するあらゆる生命、近くの惑星や太陽からも元気を集めることが出来る。また元気も少しだけ~限界ぎりぎりまで分けてもらう量を調整できる。
元気をより広範囲からより多く集めるほど威力が跳ね上がる為、理論上は無限に威力が上がっていくと言える技。
上記の通り周囲から元気を分けてもらうという性質上、格上の強敵相手に悟空が力を尽くしてしまった状態でも相手を倒しうる強力な「切り札」となりうる。
反面、そんな強敵を倒しうるほどの元気を集めるのにはかなり時間がかかるのと、その間は両手を上に掲げる体勢を取るため無防備になってしまうのが最大の欠点。
もっとも元気玉の考案者である界王ですら使いこなす事は出来なかった、あくまで考案した技であり、これらの欠点には気付けなかったと思われる。
威力は絶大だが、惑星ごと破壊してしまう可能性のある大技であるため、界王様からはどうしようもないという時に1発だけ使うことを許されている(最もフリーザ編に前後して戦闘力がインフレしていき、大体の戦士たちは惑星破壊程度は簡単にできるようになったが…)。
また伝授に関しても慎重な姿勢をとっており、後にナッパに殺されたZ戦士達が自分のもとを訪れた際にはそもそも技の存在自体を教えておらず、ピッコロはナメック星で悟空が使うのを目の当たりにするまで知らなかった。
前述の通り、元気玉は善の心を持つ者にしか作り出すことはできないため、怒りの心という負の感情で覚醒する超サイヤ人の状態では使用できない(映画『極限バトル!!三大超サイヤ人』でクリリンが言及しており、その際は作った元気玉を吸収して拳に乗せて直接叩き込んでいる)。
…が、原作の魔人ブウ(純粋)戦においては最後のひと押しの際に超サイヤ人に変身している。これには「実は善の心が必要とされるのは元気玉を作る時だけ(実際、筋斗雲に乗れない程度には心が穢れているクリリンが制御できた前例がある)」、「人造人間・セル編での修行で平時の精神状態のまま超サイヤ人になれるようになった(=超サイヤ人の変身・維持に怒りの心が必要ではなくなった)ため」「超サイヤ人が元気玉を使えないのはアニメ(もしくは映画)のみの設定」等諸説あるが、公式には明らかにされていない。
『ドラゴンボール超』では、邪気を伴うため超サイヤ人化した状態では元気玉を使えないとされていたが、フリーザのエネルギーが入っても生成が可能だと判明した。ただ、生成時間がおそらく通常よりも短いのに成功したのは、無限のエネルギー機関を持つ人造人間たちの影響があるのでは?という考察もある(アニメ『ドラゴンボール超』第109話「悟空に迫る最強の敵! 今こそ放て!必殺の元気玉!!」では人造人間17号と人造人間18号のエネルギーも元気玉に集めた)。
強力な技ではあるが、原作漫画やその正統続編のドラゴンボール超では強大な相手に大ダメージを与える程度に収まる(最後の切り札が効かず、どうしようもなくなった後訪れる悟空の覚醒の前振り)場合が多く、止めの一手となったのは純粋のブウ戦だけ(メタ的に言えばラスボスであり、更なる覚醒の必要がない場面)である。
台詞
元気玉を作るときに、「オラに元気をわけてくれ!」と言う。
そのままでもネタになる上、改変すると、他人から何かを分けてもらう時に使える台詞になる(「現金を分けてくれ」は鉄板ネタ)。
という訳で、pixivにはパロディイラストが多数ある。
作中で使用したシーン
原作
- 界王星での練習
劇中で初めて見せたこの時だけは文字通りに玉を作らず、右手にこめた元気をそのまま放っている。その後のほとんどの場合は、集めた元気で掌の上(頭上)に玉を作ってそれを敵にぶつけるという型。大した球状になる程元気を集めていなかったのか、或いはおそらくこの時点では型・コンセプトが固まっていなかったのではないだろうか。
- ベジータ戦
大猿に変身したベジータに対抗するために悟空が元気を集めるが、大猿ベジータが口から放った気功波によって放つのに失敗。その後、満身創痍の悟空から譲り受けたクリリンが界王の助言もあってぶっつけ本番で放つが、焦れたヤジロベーの掛け声のせいで避けられるも、孫悟飯が跳ね返し命中させることに成功する。しかし悟空が集めていた元気がベジータの攻撃で半減していた為に威力が足りず、止めを刺すには至らなかった。とは言え大ダメージは与えられておりベジータのパワーダウンには成功。このダメージのお陰で爆発波を全員耐えきれたし、悟飯の大猿化によるトドメも実現できたため、フリーザ戦とは違い勝利自体には貢献している。
- フリーザ戦
ナメック星だけでなく近くの星々からも元気を集める事でベジータ戦とは比較にならない程の巨大な元気玉を撃ったが、とどめを刺すには至らなかった。
しかしフリーザ本人は「さすがの俺も今のは死ぬかと思った」と発言していて、実際元気玉を押し返そうとしたが適わずに巻き込まれた際や、食らった後に姿を現して上述の台詞を言った際にも、ピンピンしていたが「ダメージはくらった」とも発言していた。
つまり圧倒的な強さをほこるフリーザ相手に命の危機を感じさせ、尚且つ本人がダメージを受けたと認める程の威力はあったという事である。
直接的な勝利への貢献にはならなかったものの超サイヤ人に覚醒する前にフリーザに明確なダメージを与えたのはこれとクリリンの気円斬(といっても尻尾を切っただけだが)だけだったため技としては十分強力であると言える。
この巨大元気玉はゲーム作品等では特大元気玉(初期は超元気玉)という名称が与えられ、通常のものとは区別されている。
- 魔人ブウ(純粋)戦
少しずつではなく、(あの世や界王神界、ナメック星を含む)全人類から限界ギリギリまでエネルギーを集めた超特大の元気玉の超元気玉で倒す。
当初は直近にバビディがテレパシーで街を破壊する映像を送りつけるなどしていた事で「バビディが自分たちを騙そうとしている」「そもそもアレは夢だったんじゃ無いのか?(死んだはずの者が生き返っている為)」と疑心暗鬼に陥っており、試しに手を挙げた者が疲労困憊する様子が共有されたことで益々非協力的になっていってしまった。
たまりかねたベジータの乱暴な言葉遣いや、悟空の「このまま宇宙がどうなってもいいのかバカヤロー!」発言で余計に機嫌を損ね、あわや失敗というところで真の救世主が「この私がブウを倒してやるからさっさと協力しろ!」と仲介したことで全員が一気に態度を軟化、元気玉を作ることに成功する。しかし元気玉は作れてもそれまでのダメージで悟空にはブウを倒しきるまで制御する体力が残っていなかったが、デンデの機転によるナメック星の神龍への最後の願いにより力が戻り、ブウの撃破に成功した。
限界ギリギリまでエネルギーを集めるには、提供者に手を空に向けて上げて貰わないといけない、という設定が追加された。
それ以外
『映画ドラゴンボールZ この世で一番強いヤツ』で使用。気を溜め終わったところで一度はDr.ウィローの妨害に遭い不発。その後、仲間が時間を稼いでいる間に体制を立て直して撃ち出し、撃破している。発表年代的には映像作品において初めて元気玉が敵へのトドメになったシーン。
- ターレス戦
『映画ドラゴンボールZ 地球まるごと超決戦』で使用。超元気玉の初出。神精樹の影響で地球が疲弊していたため、1発目の撃ち合いには敗れる。その後、神精樹の実から元気を集め、再び撃ち合いになり勝利。
- スラッグ戦
『映画ドラゴンボールZ 超サイヤ人だ孫悟空』で使用。地球が疲弊していたため、太陽の元気を借りて使用した。
- 超一星龍戦
アニメ『ドラゴンボールGT』で使用。全宇宙のエネルギーを集めた超ウルトラ元気玉で消滅させた。考えると地球が破壊されてもおかしくない威力であることは想像できるが、悟空は大玉を転がすようにしてぶつけ、そのまま空の上へ飛ばして爆発させたので地球へのダメージはほとんどなかった。
- ジレン戦
前述の『ドラゴンボール超』で使用。力の大会で既に脱落して観客席にいたクリリンや天津飯、亀仙人からも気を集めたが、前述の通りフリーザさえ気を分け与えたのに、ベジータのみ協力を拒んでいる。(これはベジータのサイヤ人の王子としての自尊心やエリート意識が非常に強く、他人の指図を受けるのを極端に嫌うという性格の都合上とみられる。一応ベジータはリブリアンによる邪魔を阻止したが)。受ける側のジレンは「待ってやる」と言って止めず、人間レベルの高い他の宇宙の破壊神からもその力を称賛されたが、いざ完成すると悟空の体力が十分残っているにもかかわらず、本気から程遠い状態かつ片手のみで押し返される。超サイヤ人ブルーで20倍界王拳を使用しても尚圧倒的なパワーのジレンに当てることはできず、圧縮され暴発したエネルギーの直撃を逆に食らってしまう。これにより悟空は力の大会脱落かと思われたが…。
OVA『サイヤ人絶滅計画』のプレイディア版にて、通常、素が悪である超サイヤ人の状態では元気玉を作ることはできないとされていながらも、自然体での修行(前述の精神と時の部屋での修行と思われる)により落ち着かない気分を消し心までは悪に染まっていない超サイヤ人を超えた超サイヤ人(超サイヤ人フルパワー)なら元気玉を作れると語り、元気玉を成功させた。
その他
『映画ドラゴンボールZ 極限バトル!!三大超サイヤ人』。元気玉を作った後に超サイヤ人に変身し、元気玉のパワーを吸収するという使い方をされ、元気玉での直接攻撃はしなかった。
この方法はPlayStation 2用ゲーム『ドラゴンボールZ』~『Z3』『インフィニットワールド』で超サイヤ人1以上の形態に変身した悟空の究極技発動の準備として再現されており、吸収した元気を使って龍拳を発動させる。この手順を踏まえての発動のため、映像作品での龍拳よりも威力はかなり高いと思われる。ドッカンバトルでもLRとして実装され、演出で歯茎を見せるところから歯茎と言う愛称で呼ばれている。また、『ジャンプフォース』では最終決戦で悟空が放った元気玉を主人公が吸収すると言うオマージュがある。
『ドラゴンボール超』の“未来”トランクス編で使用。但し直接ぶつけずに、剣に元気を込めてザマスを斬った。作成者はトランクス。正式な技名は「ファイナルホープスラッシュ」だが、ファンからは通称として「元気剣」や「元気ソード」と呼ばれている。
ゲーム
ゲーム『ドラゴンボールZ 舞空闘劇』のLv3版のみ界王拳と元気玉を使用可能。
IFストーリーにおいてはセルゲーム前に時間限定で現世に帰って来た悟空から習得している。前述の通り筋斗雲に乗れなかった過去があるクリリンだが、このIFのクリリンは悟空不在の地球を守る覚悟を固めたことで戦士として研ぎ澄まされており、短時間での体得に成功した。
さらに「気は大きくないがコントロールに優れている」という悟空の見立て通り、実戦では元気を集めながら界王拳を発動して戦闘を続行、完全体セルに直撃させる好機を自分で作りつつ元気玉を完成させる離れ業をやってのけている。
原作では「その気になれば元気玉だってたぶんできる」と言ったが、実際に使用するシーンは無かった(善の気を持つ者にしか操れない元気玉が、ベジータ以上に邪悪な存在であるセルに使用できるかどうかは不明)が、一部ゲームではセルの元気玉が実際に使用可能。
使用時に「悪いが元気をいただくぞ」「このオレに元気をよこしやがれーッ!!」と言っており強制的に奪っているのではないかとも思われ、色は緑がかっている。
セルは他者から肉体ごとエネルギーを奪って力を増大させていく存在で存在が無理矢理に気、エネルギーを奪い取って行くと言う元気玉的な存在であり19号、20号などで分かるがゲロは放出された気(エネルギー)を吸収する技術を完成させていた。これを発展させる形で奪い取る事で元気玉のようなものを使う事は理屈の上では可能なのだろうが、これを元気玉と呼べるのかは微妙なところではある。
ちなみにSparking!シリーズでは、『ドラゴンボールZ Sparking! NEO』まではパーフェクト状態の必殺技として使っていたが、原作再現を重視したためかその次の『ドラゴンボールZ Sparking! METEOR』では悟飯との決着の際に使った太陽系破壊かめはめ波に差し替えられた。
『ドラゴンボールZ-KAKAROT』では、DLC第3弾『TRUNKS-希望の戦士』にてボスキャラのセル(第1形態)が使用する。
『ドラゴンボールヒーローズ』で敵のミラが使用してくることがあったが、ゴッドミッション6弾でようやく元気玉を使える通常ミラが登場した(これまでの必殺技はダークかめはめ波だった)。こいつも悪人のはずなのだがなぜか使える(悪事こそ働いているが自分が最強になる以外に頓着がないのもある為、もしかしたら純粋なのかもしれない)。
こちらも『ドラゴンボールヒーローズ』で使用。設定上プレイヤーの分身である為、フリーザ一族やナメック星人等の種族も使える。ドラゴンボールの願いで取得可能。女サイヤ人アバターのノートの超ユニット技は元気玉を使用する(発動には超サイヤ人孫悟空とバーダックが必要)。
『スーパードラゴンボールヒーローズ』のCAAで使用。何故かザマスも使えるのだが、アニメではズノー様に悟空の事を聞いていた為、その時に元気玉の存在とその使い方を知ったのかもしれない。ゼノバース2の追加シナリオにて、ザマスが悟空から身体を奪ったあと悟空達を殺さなかったIFの最終局面で、ザマスの身体の悟空がゴクウブラックに対して使用、エネルギーを集める事自体には成功したが球状に出来ずヒットやベジータの攻撃で気が逸れたゴクウブラックに対し拳ごと叩き込む形で放ちトドメになった。
- アバター(ジャンプフォース)
技ショップで購入することで使用可能。正確には元気玉ではなく超元気玉。悟空のとは異なり超サイヤ人(もしくはブルー)にならないと言う差別化がされている(因みに何故か無表情である)。
類似する技
- リベンジデスボール
『ドラゴンボールGT』に登場したベビーが使用。「サイヤ人への恨みの気」を集めて作り出した黒い球。さらに大猿状態では炎属性が追加された「ファイヤーデスボール」や、さらに多くの恨みの気を集めた「リベンジデスボール・ファイナル」が存在する。
- 電撃地獄玉
同じく『GT』に登場した超17号が使用。技の構えが似ているが、他者から気を吸収している訳ではないようなので、恐らく技の性質的にはフリーザのデスボールに近いものと思われる。
『ドラゴンボール超』に登場したトランクスが使用。“未来”トランクス編の最終盤、この技で合体ザマスにトドメをさした。
元気玉と同じように、周囲の人々の気を集め頭上に青色の光球を作成、それを体内及び剣に吸収させ敵を斬り刻む技。
関連タグ
類似タグ
- 仙人モード:『NARUTO』でうずまきナルトなどが使用でき、通常肉体エネルギーと精神エネルギーを混ぜてチャクラを練るが、そこに取り込んだ自然エネルギーをちょうど1:1:1の比率で練りあげて仙術チャクラとしたモノを操れる状態。針の上に絶妙なバランスで乗せた板の上に座禅を組んでなお微動だにしない程の完全静止状態でしか練れず、少しでも比率を間違えると自然エネルギーに取り込まれ、自然の生物(大抵はカエル)と化してしまい、身体が変形している程度までなら仙人の所持している特殊な棒でぶん殴って自然エネルギーを追い出せばなんとかなるが、完全に動物と化してしまうと二度と人間に戻れず、更に度が過ぎると自然そのもの(石化)になるリスクを孕む。そのためチャクラを吸収する特性を持つ相手にわざと仙人チャクラを奪い取らせることで、扱いの訓練をしていない敵を蛙化及び石化させ撃破している。
- ナイスダマ:スプラトゥーン2、スプラトゥーン3におけるスペシャルウェポンの一つであり、仲間が発動した時「ナイスを送れ」と指示が出され、その量に応じて範囲が広がる。
- ウルティメイト・プラズマ:ガメラが、地球の環境と生態系を根底から破壊しようとするマザーレギオンに対して、地球自身の生命エネルギー「マナ」を収集して放った究極の大技。
- 嫉妬玉:パロディーの一つ。
- 石破天驚拳:流派東方不敗の最終奥義で、小説版では天然自然の力を借りて放つ技となっている。