概要
界王拳(かいおうけん)とは、漫画『ドラゴンボール』に登場した戦闘力を高める手段の一種である。
2倍以降は○倍界王拳となり、○には2以上の整数が入る。
※作中で界王拳としか宣言しないシーンが度々あるが、公式Q&Aによれば、「◯倍」のないただの界王拳は、2倍界王拳らしい。
物語中盤、孫悟空がサイヤ人に対抗するために界王様の元で伝授された奥義の一つ(もう一つは元気玉)。
名前の由来は考案者である界王様から(元気玉と共に理論を確立しただけで使用はできない)。
ナメック星でのフリーザとの戦いで超サイヤ人になれるようになり、戦闘力が通常時の50倍と効果が界王拳よりも上回るため、以後原作の漫画では使用されることがなくなった。
なお考案者である界王自身は身体能力的な問題でもあったのか、極めることが出来ずにいたため、直接指導を受けた悟空以外に習得者はいない。
効果
自身の戦闘力を界王拳の倍率分アンプの様に上昇させる能力で、発動時は体から赤いオーラが出る。ただし、フリーザ戦で使った10倍界王拳ではオーラが出ていないが、実は最初から使っていた(アニメではオーラの描写があるが、フリーザに反撃されるたびにオーラが消えているので、使用していないように見えるという演出がされた)。
悟空いわく「上手くいけば火力・スピード・パワー・防御力が全部何倍にもなる」とのこと。
なお、理屈では100万倍界王拳などと無茶をすればフリーザやセルや魔人ブウすら圧倒できる戦闘力になるが、肉体の限界を越えた倍率の界王拳は短時間の使用でも体への反動があるため、悟空が耐えられるかどうかという問題になる。
実際、ベジータ戦での4倍界王拳やフリーザ戦での20倍界王拳では、元々それまでの戦闘で体力や気を消耗していたとはいえ、肉体に凄まじい痛みが発生したり体力を使い果たして相手に抵抗できなくなってしまった。
倍率を無理なく上げるには肉体の地力そのものを底上げするしかなく、悟空はナメック星に向うまでの間、宇宙船の人工重力を地球の百倍に設定して地獄の特訓を慣行している。それでも、界王拳が肉体に凄まじい負荷をかけることに変わりはないため、悟空は攻撃を当てる少しの瞬間にだけ界王拳を発動させることで体力消費をギリギリまで抑えるという離れ業を披露している。
『ドラゴンボール超』では、老界王神から「体に負担のかかる超サイヤ人状態で更に界王拳を使おうとするなど、命を捨てるようなもの」と称され、これまで併用しなかった理由が明かされた(アニメ『ドラゴンボールZ』のあの世一武道会にてパイクーハンを相手に超サイヤ人の状態で界王拳を使った「超界王拳」が登場しているが、死んでいて肉体への負担がないためにできたもの、すなわち超サイヤ人3の体力消耗がないのと同じ理由だと解釈できる。しかも一瞬だけの使用であった)。
その後、悟空本人は強く穏やかな心を持ちながら気のコントロールを極めた超サイヤ人ブルーなら併用できるのではと考え、破壊神ビルスと戦うために時間をかけて極めるつもりだった。だが、ヒットの時飛ばしの成長でそれに対抗するためにぶっつけ本番で併用を試みて、10倍に膨れ上げるのに成功。狙いは図に当たり身体への負担は軽減されたものの、繊細極まる気のコントロールを強いたことで今度はそちらに反動が生じ、試合後には一時的な後遺症を残すことになった。食欲がなかったり、気のコントロールが不安定などの症状が起きた。
そんなリスクが高い技であったはずなのだが、未来トランクス編以降は使用頻度が何故か増えている。
どうやら後遺症が残るのはあくまで10倍という高倍率をぶっつけ本番で使用したためのようだ。
逆を言えば悟空でさえ10倍か20倍の界王拳を使うのも大幅な体力消耗を強いられるので、超サイヤ人との併用は危険すぎるということになるので、正に最後の手段とも言うべき技になりつつある。
ゲーム作品では『ドラゴンボールZ 舞空闘劇』にてクリリンが、『ドラゴンボールゼノバース』シリーズにてクリリン及び主人公(プレイヤーアバター)やヤムチャも使用が可能。
ニンテンドー3DS用ソフト『ドラゴンボールフュージョンズ』では、超サイヤ人4の状態で併用する「最大界王拳」なるものも存在。
倍率がわからないのもあってか、相当凄まじい反動がありそうである。
アーケードゲーム『スーパードラゴンボールヒーローズ』ではなんとベジット:ゼノが超界王拳を習得(表記は超サイヤ人界王拳)。対パイクーハン以来の超界王拳の登場である。
作中で使用したシーン
対ナッパ:界王拳
対ベジータ:2~4倍界王拳(4倍を使ったのは一瞬。しかもかめはめ波発動時のみ)
対ギニュー:界王拳(ただし発動してすぐやめた)
対フリーザ:10倍界王拳と20倍界王拳
アニメオリジナル
劇場版
対Dr.ウィロー:3~4倍(4倍界王拳はかめはめ波発射時のみ)
対ターレス:10倍界王拳
対スラッグ:100倍界王拳(ピッコロのパワーを受け取ってかつ一瞬のみ。ちなみにこの映画は『超サイヤ人だ孫悟空』というタイトルだが時系列はナメック星編以前もしくはフリーザを超サイヤ人にならずに倒した後であり、超サイヤ人化はせず、フリーザも台詞の中でしか登場しない。悟空が通常より大きな力を発揮し、その際白目になっている場面があるため不完全な超サイヤ人化とも解釈できる)
対クウラ:10倍界王拳
対メタルクウラ:20倍界王拳
対パイクーハン:超界王拳(超サイヤ人の状態で界王拳、倍率は不明)
ドラゴンボール超
超サイヤ人ブルー界王拳にて解説
ゲームオリジナル
ドラゴンボールゼノバースシリーズ
変身技として登場。プレイヤーアバターもパラレルクエストに登場する悟空を倒すことで界王拳を確率で会得できる。
倍率は界王拳→4倍→20倍の三種類で、超サイヤ人と同じく気力ゲージ(回避技などを使うのに使用、究極技を妨害されたり、スマッシュを喰らうとブレイクし、一定時間受け身も防御もできなくなる)を一本ずつ使用して一つづつ段階を挙げていく方式(解除にはゲージを使用しないが一気に通常形態に戻る)。
ただし使用中は高倍率であるほど技力(かめはめ波等を放つために消費され、攻撃を当てたり気を高める事でチャージ出来る)が激しく減り、ゼロになると変身が解けて硬直し、大きな隙が生じるため、原作悟空さながらに発動したり解除したり、隙を見てチャージを行い、ある程度ゲージを回復させたりととゲージ状態への注意が必要。
ゴールデン化が出来るフリーザ型やお馴染み超サイヤ人やSSG以降の「ゴッドシリーズ(それぞれ独立しているため、段階上げがない)」があるサイヤ人と違い、筋斗雲にのって如意棒を振り回したり、巨大化したり、純粋化したりと大きくモーションや見た目が変わってしまう地球人、ナメック星人、魔人のキャラではモーション変化のない貴重な変身技だが、ほぼデメリットがなく、界王拳より強力な「潜在能力解放(現代大人悟飯の使用するアルティメット化と同一)」に活躍の場を取られがち。
『ゼノバース2』では、気力ではなく技力、消費ではなく参照(技力が溜まってさえいれば消費なしで何度でも変身、解除が出来る)に変更されたため、発動しやすくなったが減るのが気力になったことで任意にリチャージ出来ず乱用すると防御も受け身も取れなくなるリスクが跳ね上がった。
SSGSSやその進化、超サイヤ人3のような技力が減るタイプは必殺技が撃ちにくくなるデメリットこそあるが技力が0になったところで変身が解けるだけなので、反動的にも性能的にも完全に下位互換と言っていい
「界王拳アサルト」「20倍界王拳かめはめ波」など(見た目だけ)界王拳状態で攻撃する技が追加された。界王拳で変身する必要はないため、超サイヤ人中にこれらの技を使えば超界王拳やブルー界王拳が再現できる(界王拳と超サイヤ人化は同じ変身技のため一緒にセットはできない)。
総評してフリーザ型やサイヤ人では固有変身が強いため使われることはなく、他の三種族でもキャラ付けでもなければ使われず、その場合でも技を使う前に一瞬だけ発動して即解除のような使い方しかされない不遇な変身である。
また、アップデートで潜在開放の更に上位互換であるビースト化や身勝手の極意(発動時技力「消費」型、双方必要技力500)が追加されたことで更に肩身が狭くなる憂き目に遭うこととなった。
ただし、特定クエストで特定の条件を満たした上での周回が必須だがやろうと思えば開始直後に手に入れられる変身(種族固有の変身は種族クエストを進める必要があり、上位互換の潜在能力解放はサイヤ人のバリエーションを除くと大抵最後に手に入る変身)であり、また変身に必要な技力が最低100と非常にお手軽(300あると3倍、500あると10倍に出来る、潜在能力解放は500)なため、発動できるレベルになるまでは種族問わずお世話になる場面はあるだろう。
超ソウル(様々な条件下で能力を発揮する装備品、例えばかめはめ波を使っている時気弾の威力が上がったり、界王拳や超サイヤ人など覚醒技を使っている時火力が上がるモノなど、何も効果がないものもある)の「界王拳…これがオラの奥の手さ!(SSGSS界王拳初使用時のセリフ)」を使えば通常倍率までなら気力の自然回復が減少を上回り反動を受けなくなるように出来、3倍までなら殴り合っているうちは完全拮抗する、また技力が溜めやすくなり通常攻撃や通常気弾の火力を上げる効果も得られる、どうしても界王拳でやりたいという生粋の界王拳ファンなのであれば試してみよう。(ただし、3倍は殴り合っている場合文字通り微動だにしなくなり、ぼさっとしていると減り始めてしまうためリカバリーが効きづらくなり、10倍は消費が勝ってしまうので倍率に注意すること)
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その他作品
ウォーズマン理論:パワーを何倍も上げる演出の先駆け。体力の消耗が激しい、体に負担がかかる点も同じ。
V-MAX(『蒼き流星SPTレイズナー』):この手のギミックの始祖的な存在とされる。作品の発表時期や使用時の演出などから、界王拳のオマージュ元ではないかと推測する者は少なくない。
TRANS-AM(ガンダムシリーズ):同じくスペックが倍加するリミッター解除の手段で、使用後に性能が低下するリスクを持つが、こちらは外見が赤く発光する。