「創造の前に破壊あり」
「さて、次は何を破壊しようかな」
「図に乗るんじゃないぞ……!」
「破壊…!」
曖昧さ回避
- 『ドラゴンボールシリーズ』で登場する人物。本稿で解説。
- 『機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ』の登場人物。→ビルス(鉄オル)
概要
CV:山寺宏一
劇場版『神と神』『復活の「F」』『ブロリー(BROLY)』や、TVアニメ・漫画『ドラゴンボール超』に登場するキャラクター。
悟空たちの暮らす「第7宇宙」を担当しており、常に付き人兼目付役の天使ウイスを従えている。
宇宙全体のバランスを保つために存在する神族で、その気になれば宇宙そのモノを破壊する程の力を有しており、界王はおろか界王神からも恐れられている。
その規格外の力故、彼の存在を認知する者は彼の逆鱗に触れない様にしており、フリーザやベジータでさえ彼を恐れ、特にフリーザは父親のコルド大王から「破壊神ビルスと魔人ブウには手を出すな」と釘をさされていた。
デザインや設定は原作者・鳥山明によるモノ。鳥山明氏が飼っているコーニッシュレックスという種類の猫がモデルとなった。
人(神)物像
生態
本人曰く何億年も生きているらしく、かつて地球の恐竜を絶滅させた事もある。
趣味は寝る事で、一回の睡眠で数十年間眠りにつくこともある。仕事は星を適度に破壊すること。
美味しい食べ物が大好きで、地球の食べ物に強い興味を抱いている。
- 食べるという行為に対しては、自身の生きる糧になる食材(=生命)への感謝と同時に、調理を生命に対しての最大限の敬意として捉えている。
見た目は猫の頭を持った紫肌の亜人。古代エジプト風の衣装を身にまとっており、ズボンは尻尾を出す為に尻の部分に大きく切り込みが入っている。
双子の兄弟として「第6宇宙」の破壊神シャンパが居る。背丈は孫悟空と同じ175cmほど。
性格
一人称は『神と神』やアニメ版『超』では「ボク」。
『復活の「F」』や漫画版『超』では「オレ」。
怠け者で子供染みた無邪気な言動が多い。ワガママな気分屋。
気に入らない事があると周辺の星々を破壊するため、多くの人々から恐れられている。
だが、邪悪な存在ではなく、ブルマの誕生パーティーを台無しにしてしまった際には素直に謝罪したり、ザマス等、宇宙に悪影響を及ぼす存在を破壊したりと良識のある一面も見られる。
また、ザマスの思想に対して「正義を謳い上げる奴にロクな奴はいない」と言い放つなど、無邪気さだけではなく、神に相応しい達観した視点も持ち合わせている。
漫画版ではアニメに比べると、神らしさが強調されており、悟空やウイスに振り回される苦労人的な立場。
『超』の『破壊神シャンパ編』以降は徐々にギャグ要素が増え、全王や大神官登場以降は目上の者に恐れおののくコミカルな描写が描かれるようになった。
破壊神としてはあまり優秀ではなく、全王からの評価では双子のシャンパに僅差ながら敗北。また、神々のレベルが高いと天使は暇を持て余す設定があるのだが、ウイスの働きっぷりを見ると優秀とは言い難い破壊神と言う事になる。
作中の評価としては、普段昼寝ばかりして破壊神としての仕事をあまりやりたがらないというのが欠点らしい。
作中の関係性から、悟空達の「仲間」に近い存在とも言えるが、ビルス自身はあくまで中立的なスタンスを取っている。例えば、地球等の星に被害を加える悪が登場した際「星を壊す手間が省ける」理由から、積極的に干渉せず自発的に倒す様な事はしない(寧ろ、過去にはフリーザすら利用していたとも考えられる)。
そこは神らしく善悪に関する些事には関わらない超越者的な思考が見て取れる。
だが、ザマスの様に、界王神や破壊神へも直接危害が及ぶ恐れがあり、全宇宙の支配を企てる者には自ら積極的に動いた。
因みに、地球に来たばかりの頃は「地球を破壊する」旨の発言を度々口にしていたが、彼なりに破壊神としてのルールを持っているようで、無辜の善良な民などの破壊は行っていない。
人間関係
一度地球に来て以来、悟空とベジータには地球の美味しい食べ物を提供させる代わりに、自らの星でのウイスとの修行を許可している。彼らの強さへの執着を破壊神の椅子を狙っているためではないかと疑っているが、同時に遊び相手が増えると肯定的に捉えている。(とはいえ悟空とベジータは破壊神の座には一切興味がない)
また時折、美味しい食べ物を求め自分から地球に訪れる事もあり、悟空の仲間達とも親しい間柄となっている。彼らとは親しくなるにつれ、各々名前で呼ぶ様になったが、うろ覚えな面もあり、クリリンの事は「ツルリン」と呼んでいる。一方で自身が認めた者の名はしっかりと覚え、それまでうろ覚えで呼んでいた場合は訂正している(例:「爺さん→武天老師」「(孫悟空の)息子→孫悟飯」等)。
界王神シンとは、神としての地位は同格だが、非常に高圧的な態度を取っている。宇宙によっては対等な関係を築いている所もあり、それらと比べると界王神を軽視しているとも取れる。
お互いに相手の職務内容に不満を持っており、ビルスはシンの人間への対応を甘いと非難しており、シンはビルスの事をいつも寝てばかりだと非難している(実際、大界王神を吸収した魔人ブウをメインとしたバビディ一派にも本来は破壊神が対処する案件の様だがビルスが寝ていたので界王神が出張る羽目になっている)。
ちなみに戦闘力の差が圧倒的な両者だが、界王神と破壊神は命を共有しているため、全王の星に向かい際にシンにウイスを護衛に付けて気にかけたり、シンも物怖じせず気軽に話しかけている。
しかし、険悪な関係では無く、第7宇宙で問題があれば協力し合い、第7宇宙の住民達が何らかの活躍をした際には一緒に喜んでいる。
約7500万年前に15代前の界王神(後の老界王神)をゼットソードに封印した事もある。
彼にも高圧的な態度を取ったり、恐れられたりする事もあるが、一方で一緒に食事を取ったり、時折タメ口で話し合う事もある。
生前のフリーザとは面識があり、破壊を好む者同士気が合う事もあったが、一度フリーザが調子にのりビルスの怒りを買った事もあったらしいので、フリーザはビルスには頭が上がらず、ビルスも今度会ったら破壊するつもりでいたらしい。
また惑星ベジータの破壊にも間接的に関わっており、フリーザ自身が持つ伝説の超サイヤ人への懸念の他に、ビルスからの助言もあり破壊した事が明らかになっている。但し、悪意はなく、この時のビルスにとってフリーザとサイヤ人は第7宇宙の均衡を保つためのいわば『必要悪』であったが、あまりにもやり過ぎたために間引きとしてサイヤ人を星ごと絶滅させるに至った。
双子の兄弟であるシャンパとは対立が絶えないが、両者の力が余りにも強大過ぎる故、宇宙への影響を考慮し殴り合いの喧嘩はせず、「より美味しい食べ物が存在するのはどちらの宇宙か」の勝負や「別世界から魂を(無断で)招待して過去の歴史を模したゲーム盤に連れ込みどちらが強くなるか」等の少し悪趣味なゲームだったりと間接的な勝負を行っている(大抵決着に納得行かず物言いがあり、頭に血が登った両者が一触即発になった辺りで両付き人に折檻され止められて終結する)。
また、お互い天邪鬼なだけで、内には兄弟思いな面を秘めている。ビルスは地球を欲しがるシャンパの為、過去に第6宇宙で滅んだ別の地球を復元させ、彼ら第6宇宙が全王によって消された際もどこか悲しそうな態度をとっていた。
第4宇宙の破壊神キテラはライバル関係(猫とネズミ)にある。ビルスはキテラを苦手としており、キテラは事あるごとにビルスや第7宇宙を馬鹿にし敵視している。漫画版では、嘗てキテラに腕相撲で負けた事があるとされている。
力の大会では、7つの宇宙が消されるのは悟空に責任があると他の宇宙の神々が言い掛かりをつけられ、彼らからも疎まれている。漫画版では以前からトラブルメーカーとして見られており、嘗て全王と破壊神でかくれんぼ大会が行われた際には、隠れたまま昼寝をしてしまい最後まで出て来ず、ソレで全王の激烈な怒りを招き全宇宙消滅の危機に陥った事もある。当時はビルス以外の破壊神全員で何とか全王の怒りを収め、全宇宙消滅は免れたとの事。
戦闘力
破壊神の名に恥じぬ「次元の違う」強さの持ち主で、その気になれば宇宙そのモノを破壊する事も可能。
実際、超サイヤ人3の悟空をデコピンと手刀の2撃で撃破し、その悟空にして原作では最強の存在と言える超ベジットになっても、「ベジータと合体したって敵わない」と漏らしている。更にあの魔人ブウがビルスに挑むも、簡単にあしらい一方的に痛めつけてしまう。動作ひとつひとつが惑星を破壊し兼ねない程で、宇宙空間での活動・戦闘も可能。
『神と神』では超サイヤ人ゴッドになった悟空とは互角に戦っているようにも見えたが、実はそれでもまだ大きな差がある。映画当時においては鳥山明は「ビルスを10とした場合、超サイヤ人ゴッドの悟空は6」と数値化している。
設定等が再構成されたアニメ版『超』では、ビルスとの戦い後の神の気を読めるようになった悟空とベジータの気を数メートルの木とするならば、ビルスたち破壊神は数百メートル級の木で出来た城であるとウイスに評されていた。
ビルス達破壊神は神の気と呼ばれる特殊な気を纏っており、その気は同じ神族か神の領域に達した者しか感じ取る事が出来ない。この気はクリアで質が高く、ビルス曰く戦闘力が表面化するようでは神の領域に達したとは言えないらしい。
神の御技「身勝手の極意」も、まだ完全な状態ではないが、ある程度習得している。漫画版では心を穏やかにする身勝手の極意は自分には向いていないと言及している。
また破壊神達特有の、手をかざして「破壊」と唱え相手を完全消滅させる特殊技も使用可能。
双子の兄弟であるシャンパとの実力は互角。只、どちらが強いか訊かれた際、シャンパの付き人ヴァドスは「体型を見ればわかる」と答えている。ソレを聞いたシャンパは自分の方が弱いと言われたと思っていた。
漫画版では嘗ては互角に戦っていたが、その後シャンパは長年稽古をサボっていた為、全破壊神による全覧試合では最後まで立ち上がっていたビルスに対し、シャンパは途中で倒れ込んでいた。
ビルスの付き人であるウイスは実は武術の師匠であり、戦闘力も彼の方が大きく上回る。わさびを食べて暴走したビルスを当て身の一撃で沈めていた。
尚、ウイスによればビルスの強さを上回る破壊神(ビルス曰く腕相撲での勝負らしいが)が存在し、更にその破壊神を上回る人間が存在する宇宙があるらしく、漫画版ではこの破壊神はキテラであるとされている。
アニメ版では強さのインフレが進み、ウイスに「破壊神の領域かその先の存在」と評されたジレン、それに打ち勝つ身勝手の極意を極めた悟空、その悟空に「多分ビルス様より強い」と言われたブロリー(超)、それを圧倒するゴジータブルーが出てきており、ビルスと互角以上の力を持つであろうキャラが増えてきている。
アニメ版に準拠しているゲーム作品ではこれらのキャラに対しては「本気で楽しめそうだ」「手加減無しだ」といった掛け合いが多い。
一方漫画版ではとよたろう先生とビクトリーウチダの対談にて、『銀河パトロール囚人編』時点の孫悟空は身勝手の極意を完成させているが、ビルスはその孫悟空よりも上だと明言がされている。続く『生残者グラノラ編』でも圧倒的な強さを見せ付けている。悟空とベジータに圧勝したブラックフリーザが登場しても特に焦った様子を見せてない所からまだまだ底が知れない。
彼曰く、破壊以外の事を考えていないからこそ、破壊神の力には際限が無いと漫画版では語っている。
作中での活躍
『神と神』で初登場して以降、最新作の『スーパーヒーロー』まで全ての作品に登場している。
神と神
ウイスからフリーザを倒した孫悟空達サイヤ人の生き残りの存在を知り、予知夢で見た“超サイヤ人ゴッド”の存在を確かめる為、界王星や地球に降臨する。界王星では、ちょうど界王を訪ねていた悟空からその強さに興味を持ち手合わせを申し込まれる。悟空には全く手を出させぬまま叩きのめし、次元の違う圧倒的な力を見せつける。
地球では当初、界王から破壊神の脅威を伝えられていたベジータが、今まで決して自ら貶めることのなかったプライドをかなぐり捨ててまで、楽しいビンゴでご機嫌取りに終始したこともあり「ブルマの誕生パーティーの招待客」として手厚く饗されていたが、プリンを取り合って魔人ブウと口論となり、目の前ですべてのプリンを平らげられたことで怒りが頂点に達し、地球破壊を宣言し暴れ出す。
天津飯やクリリン、18号、ピッコロはおろか、ゴテンクスやアルティメット悟飯がビルスを抑える為に次々と挑むがまるで歯が立たず、地球存続の為にプライドを捨ててビルスの顔色を窺っていたベジータも、ビルスがブルマに手を上げた事で遂に激昂し猛攻を展開するが、それすら通用しなかった。
当初の目的である“超サイヤ人ゴッド”の登場を諦め地球を破壊しようとした矢先、悟空が再び現れゴッドの詳細を知るために待ってほしいとビルスに提案。ドラゴンボールで神龍を呼び出しその覚醒の方法を知ったZ戦士たちは、5人の正しい心を持つサイヤ人達で悟空にその心を注ぎ、彼をゴッドに覚醒させる事に成功する。
悟空が勝てば地球の破壊は止めると約束し、彼の再戦の申し出を了承。
神の域に達した激闘を繰り広げるが、それでもビルスの満足する力量とは程遠く、更に戦闘中にゴッドが解除されてしまい、興醒めしたビルスは巨大なエネルギー弾を生成し、地球を破壊すべく投下する。しかし、それを食い止めようとする悟空はチチや仲間たちの声援を受けて再びゴッドに覚醒し、その破壊玉を相殺した。
その奇跡的な成長に興味を持ったのか、「約束通り地球は破壊する」と通告して一同を絶望させつつも、手近な岩柱を1本破壊しただけで「体力切れのようだ。地球の完全破壊はまた次の機会にしよう」と嘯いてその場を収め、ウイスとともに帰って行った。
「実は悟空との闘いの勝敗に関係なく、旨い食べ物の多い地球を破壊するつもりは始めから無かったのではないか」とウイスから指摘されると、曖昧に返しており、その推測はあながち間違ってはいない模様。
- ※ドラゴンボール超での変更・追加要素
全体的に破壊神としての威厳が強調されている他、ビルス本人が地球から去った後、ミスター・サタンがマスコミから取材を受けた際、ビルスの名を「ビビス」と伝えてしまい、彼の考えた醜悪なイメージ像と共に微妙に違う名前で世間へと広められていた。
復活の「F」
前作での騒動以来ずっと寝ていたが悟空とベジータがウイスの下に修行に来ていた際、目覚める。
地球での騒動以来、地球の食べ物を大変気に入っており、悟空達が持って来たピザを美味しそうに食していた。その後、ブルマの用意したイチゴサンデーを求めて再び地球に降り立ち、それを食しながら、ゴールデンフリーザと超サイヤ人ゴッドSSになった悟空の戦いを観戦していた。
宇宙の神である立場もあってかフリーザの地球襲来に際し悟空達への加勢は行っていない。しかし、時には厳しい意見で悟空に対して間接的に助言をし、ウイスに時間を巻き戻させてフリーザにより地球が崩壊した事実を無かった事にさせたりと、やや地球側に贔屓していた。
破壊神シャンパ編
再びウイスの下で修業していた悟空やベジータをよそに趣味(睡眠)に興じていたが、突然飛来した双子の兄弟シャンパの着地時の轟音に起こされる。
何かにつけて自分の管理する宇宙とビルスの宇宙とを比べたがるシャンパから、地球のドラゴンボール以上のスケールの大きな夢を叶えられる「超ドラゴンボール」の話を持ち出され、その使用権をかけて第6・第7宇宙による団体試合を開催することになる。
自身の第7宇宙からの5人の代表選手として悟空、ベジータの他、地球からピッコロ、ブウを加え、さらにビルスが「悟空よりも強い」と太鼓判を押すモナカを参戦させるが…。
因みに本章ではよりビルスの出番が拡大すると共にこれまでの周囲を巻き込む振る舞いから一変し、悟空の突拍子も無い言動に慌てさせられたり彼自身がツッコミ役に回ったりなどのギャグ要素が一層増している。
“未来”トランクス編
主に情報戦の面で活躍。未来からゴクウブラックが襲来した異常事態に、ウイスと共にその正体と目されたザマスの周辺事情に探りを入れるとになるが、最初にザマスの元を訪れた際に悟空を連れていったことで却って未来でのゴクウブラック誕生の遠因を作ってしまう。
その後も調査を続け、ザマスがブラックの正体だと確信すると、あえてゴワスを殺害する現場を目撃し証拠づけてから、ウイスの時間の巻き戻しでそれを無かった事にし、ザマスの下に駆け付ける。そこで悟空に襲い掛かろうとしたザマスを瞬時に破壊した。これで現代でブラックが生まれる事は無くなったが、代わりに平行世界に関して厳しかったビルス自身が、ザマスが破壊される世界とされない世界という分岐点を作ってしまった。
地球に帰還すると今回の破壊で未来のザマス達も消滅したと予想するが、自身が思っていたよりも事態が複雑化していた為、読みが外れ、その事をブルマに責められると、ヘソを曲げて帰ってしまう。
しかし読みを外した件や自分達の行動がゴクウブラック誕生の遠因となってしまったことについては彼なりに責任を感じたようで、実際には住処に帰る前にゴワスの元に向かい、立場上時空を超える訳にはいかない自分に代わり事態を収拾するよう協力を取りつける。
事件終息後は、最後に未来トランクス達が行く事になった世界にウィスが出向き、そこの時間軸のビルスに今回の騒動を話し、事前にザマスを封印する事になった。
そして現代のビルスはトランクス達に「おい未来!ウイスに免じて今回は見逃してやる。達者でな」と別れを言い去っていった。
因みに元々トランクスがいた世界では、魔人ブウ復活を阻止する戦いで、界王神であるシンがダーブラに殺害された事に伴って命を共有しているビルスも死亡している。
宇宙サバイバル編
全王様の命令に伴い観戦席に行き、悟空達の試合を見守る。
観客にも拘わらずほぼ毎週の様に喋っており、実況の様な役回りであった。
大会内では亀仙人や悟飯への認識を改めた他、シャンパ達が消滅する際、何も言わずあっかんべえをしながら消えた際には「何か言えよ」と寂しそうに言い返していた。
参加選手の中では、神々ですら習得困難とされた身勝手の極意を発動した孫悟空や、人間の身でありながら常軌を逸したパワーを放つジレン、次元を突き破るパワーを持つアニラーザに驚いていた。
ブロリー(BROLY)
新しく出来たブルマの別荘でウイスと共にくつろいでいたが、悟空とベジータの戦いの音で眠れずにいた。
フリーザ軍兵士がカプセルコーポレーションに置いてあったドラゴンボールを盗んだ事が発覚すると、悟空やブルマ達は彼らを追うため「氷の大陸」に向かう事になり、それに興味を持ったウイスも同行しようとするが、ビルスは美味しい食べ物が無いと知るや付いて行かずブルマの別荘で留守番となった。その際、ブルマに無理やりブラの子守りを押し付けられ、破壊神が赤子の面倒を見るシュールな絵面になっていた。
悟空達がブロリーとの戦いを終えた後は、彼らの気を遠くから探っていた様で「何とかなった様だな…」と独り言を呟いていた。
最後のシーンでは悟空の口より「(ブロリーは)多分ビルス様より強いぞ」と語られ、作中では初めてハッキリとビルスより強い人間の存在が明言された。それを言われたビルス本人は、はるか遠くの地球で大きなくしゃみをし、鼻をかゆそうにしていた。
スーパーヒーロー
数か月間の眠りから目覚めた途端、悟空が勝手にブロリー達部外者を招いていた事を知り立腹していたが、チライを異性として気に入った事、レモの料理が美味かったことからあっさり許した。
その後、アイスクリームを食べながら悟空とベジータの組手を観戦していたが、食べ終わった大容量カップアイスの容器を放り投げた際にそれがウイスの杖の先端部分を覆う形で引っかかってしまった。
故意ではなかったものの、そのせいで一行はブルマからの呼び出しに気付かず、悟空とベジータは新生レッドリボン軍との戦いに参加できなかった。
漫画版『超』での活躍
漫画版の『ドラゴンボール超』では魔人ブウの対処も本来はビルスの管轄である事が明らかにされており、眠ってばかりのビルスの代わりに界王神が事態収拾にあたる事になったイレギュラーな案件だったとされている。
つまり太古の昔、魔人ブウが最初に生み出された時点でビルスがちゃんと仕事をしていれば、ブウ編の一連の事件が起きる事は無く誰も死ななかったばかりか第7宇宙の界王神達が壊滅して「界王神が1人死亡=即消滅」する綱渡り状態に陥る事も無かったのである。
過去に双子の兄弟であり第6宇宙の破壊神シャンパとバースデーケーキの上のパフパフの実を巡って、喧嘩になった際には宇宙空間を生身で飛び回り複数の惑星をパンチや飛び蹴りで破壊し暴れ回った。
力の大会の全覧試合、破壊神同士によるバトルロイヤルでは、ビルスが他の破壊神からトラブルメーカーとして認識されていることが判明した。理由はシンが生まれる以前の大昔、全王が「全宇宙かくれんぼ大会」を開催した際にビルスが50年も居眠りをしてしまい、いつまでも出て来ないのでかくれんぼが打ち切りになってしまい、これに全王が激怒し全宇宙を消そうとした事件があった他、更にウイスによると「個人的な事情」もあるらしい。
そして今度は第七宇宙出身の悟空が「力の大会」開催の切っ掛けとなった事で、またしても他の破壊神達の怒りを買い、一斉攻撃をくらってしまう。だがビルスも不完全ながらも身勝手の極意を使い対抗したり、破壊神を幾柱か纏めて危機に追い込む程の戦闘力を見せた。途中モスコにつかまれて以降、何度かダメージを受けていたが、最終的にキテラとの一騎打ちまでに持ち込んだ。
力の大会ではアニメ版同様、解説の様な役回りで毎週実況していた。
第6宇宙が消滅する際、シャンパが「俺がお前に負けた訳じゃねーからな!!勘違いするんじゃねーぞクソ兄弟!!」と言葉を残しずあっかんべえをしながら消えた際には、「あの野郎最後まで…」と何とも言えない反応をしていた。
身勝手の極意を完成させた悟空とフルパワーを発揮したジレンに対するリアクションも淡白に描かれている。
『銀河パトロール囚人編』では約1000万年前に暴れまわった「星喰いのモロ」を止める際、ビルスでは無く大界王神が出向いており、魔人ブウの時同様職務怠慢が窺えた。
現代でもそのスタンスは変わっておらず、モロが復活しナメック星が危機に陥っている際にも「第7宇宙は放っておいても定期的に星を破壊してくれる奴が現れるから助かる」「水しか飲まない奴等の星には興味が無い」と放置した。
その後、悟空達の危機を知ると地球のご馳走を守る為に動き出し、ウイスとメルスを連れ、地球に訪れた。仲間達の体力を回復させようとするデンデの補助をし、身勝手の極意の悟空とモロの戦いを見守った。そして天使の力をコピーした事で暴走したモロを悟空の代わりに倒そうとしたが、大神官に呼び出され、地球の運命を悟空に託してその場を後にした。
大神官の元ではメルスが天使の掟を破った罰として、休暇を取って温泉旅行に行った全王の付き人の代わりに全王の遊び相手を務めた。
『生残者グラノラ編』では悟空の身勝手の極意とは別の道を模索するベジータに破壊の技を伝授しようとしている。戦闘能力は変わらず高く、超サイヤ人ブルー・完成形に加え、新たに習得したスピリットの強制分離等、この時よりも実力を大きく上げているベジータがまだまだビルスの足元にも及ばなかった。
その後、ベジータに破壊の技を教え、その力の使用者を示す耳飾りを渡し彼を送り出す。
ゲームでの活躍
『ドラゴンボールZ BATTLE OF Z』
ゲームでの初登場作品。ウイスと共にプレイアブル化している。ストーリーモードでは終盤にボスとして必ず戦うこととなる。
ウイスが用意したプリンを食べようとしたところ、悟空たちが空から落下してきた衝撃で台無しになってしまい、完全にキレて襲い掛かって来る。
『ドラゴンボールゼノバース』
時系列は『神と神』編。
同じくブウとプリンを取り合いになるが、ベジータの咄嗟の機転(超ベジータのスピードでプリンを横取りする)で後の暴走を未然に防がれた…はずだったが、今度はトランクスたちの遊んでいたボールにそのプリンを弾き飛ばされてしまい、結局激昂して破壊を開始してしまう。
以降は本編同様に悟空を超サイヤ人ゴッドに覚醒させるが、その最中、邪悪な気を放つ魔神ドミグラの存在を密かに察知し、自分を洗脳しようとする彼の企みを知るためにその魔術にかかったフリするなどの機転を見せる。まんまと騙されて姿を現したドミグラに対し、その不届きな行為に静かな怒りを見せ、彼の破壊を宣言。破壊神の力で圧倒するが、相手が幻影であるため本体を倒すには至らず、去り際のドミグラの言葉を不審に思い、その場に居合わせたタイムパトロール隊員である主人公に付いて行き、本拠地である「時の巣(トキトキ都)」を訪れる(本人曰く「ここを訪れるのは久しぶり」らしい)。
時の界王神からドミグラの詳細を聞き、本体が封印された「時の狭間」から出てくるのを待ち構えて自ら引導を渡そうとするが、その影響で時間そのものを形成する「刻蔵館」をも破壊する勢いでいるビルスを止めようと時の界王神が説得。また、自ら決着を付けさせてほしいと懇願する主人公とトランクスの意見も受けて、二人の実力をテストすることを提案。
ウイスを含めた2対2の模擬戦を行い、二人の実力を計測。その後、眠気を訴えて数年間の仮眠をとることにし、その間にドミグラが倒されることも已む無しと、結果的に主人公たちにドミグラ討伐の役目を譲っている。エンディングではプレイヤー達の成長を楽しみにするなど神様らしい一面を見せた。
『ドラゴンボールゼノバース2』
引き続き『神と神』編で登場。本来の戦いに割って入ってきたミラに物言いしようとして「そんなに偉い神ならもっと寛大になれ」と痛烈な返しをされて絶句。その度胸に免じて暫くの間だけ戦いを傍観する。時の界王神お手製のプリンで機嫌を直して喧嘩を取り止めたものの、その不味さから結局戦闘が継続してしまい、事態を重く見たウイスも加勢に入って鎮圧された。
続く『復活のF』編では時の界王神の声を真似たトワの策略にまんまと嵌められて地球から離脱。フリーザの地球破壊の現場に居合わせなかったことで歴史を改変されてしまう。時の界王神に会いに行った際に騙されたことに気づき、「時の巣を破壊してでもトワたちを破壊する」と物騒な発言をしたため、一行に止められることに。ウイスとの修行を通して主人公の実力を知り、ひとまず彼/彼女に任せることにした。
後日談「∞の歴史編」ではパートナーとして連れて行くことが可能。破壊神である自分を働かせて、のほほんとしている時の界王神と老界王神に怒りを見せていたが、美味しいものを振る舞うと聞き引き下がった。しかし「昼寝」「昼食」と言ってすぐに姿を消してしまうためロクに戦ってくれない。
ただし黒幕との決戦では「別の歴史から連れて来られたシャンパ」が敵として立ちふさがり、流石に手伝ってくれる。シャンパは黒幕の魔術で操られており、ビルスに憎しみを抱き襲い掛かってくる。
……という演技をしており、ビルスは「破壊神が操られるわけがない」とすぐに見抜いていた。シャンパは全部黒幕のせいにしてビルスをボコるのが目的だったという。時の界王神が人質に取られているので、下手に黒幕を追い詰めると彼女が殺される危険性がある。そこでシャンパには演技を続けてもらうことにした。
……はずなのだが、兄弟で口喧嘩を繰り広げ、お互いに本気でケンカするという有様になってしまった。
エンディグ後に話しかけると、自分は戦いをサボっていたのではなく、主人公ならあれくらいの脅威は乗り越えられるからと信じていたからだという。特にウソを吐いている様子でもないので、きっと本心なのだろう。
『ドラゴンボールファイターズ』
冒頭に登場。人造人間21号が起動した波動発生装置で悟空たちがパワーダウンする中、まったく影響を受けず平然としていた。ブルマから助太刀を頼まれるもきっぱりと断っている。
操作キャラとしては他とは一線を画する、ある程度の頭脳戦を要求されるタイプ。ある場所に設置し、そのうえ攻撃で自由に飛ばせる気弾により相手の立ち回りを制限できる。さらに画面端であれば非常に強力な起き攻め(セットプレイ)を仕掛けることが可能。しゃがみ中攻撃は全キャラの中でもトップクラスのリーチを誇る(発生は遅め)。個々の攻撃力も高く設定されており、特にメテオ超必殺技を含めたコンボ火力には目を見張るものがある。
反面、操作の癖が強く、設置型の気弾も超ダッシュ等により無効化されてしまう危険性もある。さらに立ち回りもそこまで強いとは言えないので扱いが難しい。ビルスの特徴をよく理解したうえで、「破壊神」の強さを見せつけてやろう。
余談だが、メテオ超必殺技でゴクウブラック、または合体ザマスにとどめを刺すと文字通り「破壊」の特殊KO演出が入る。
「図に乗るんじゃないぞ…破壊!!」
『ドラゴンボールレジェンズ』
ストーリー内に登場。
ちょくちょくシャロット達を助けつつ、バトルロイヤルの首謀者(黒幕)をみつけようとしている。
ちなみにプレイアブルキャラクターは初期グリーン、レアリティ・スパーキングの『その後のレジェンズリミット』とレアリティ・エキスパート、イエローの2種類である。
『スーパードラゴンボールヒーローズ』
予言魚の予言のもと、全破壊神とともに地球へ襲来。
時間を司る鳥「トキトキ」を災いの鳥と勘違いし破壊を強行し、孫悟空達と対立。
彼らを圧倒するが、此度の事件はフューによる陰謀である事に気付く。
そして、「宇宙樹」により各宇宙からエネルギーを奪われる事態になってしまい、それを阻止するべく自らのエネルギーを分け与え、事件解決を孫悟空達に託す。
その後は姿を消しており、流石に限界をむかえたかと思われていたが、ウイス達とともにスーパードラゴンボールを収集。そして超神龍に宇宙樹の根の破壊を頼み、フューの計画を阻止したのであった。
『スーパードラゴンボールヒーローズワールドミッション』
ストーリー終盤のエクストラシナリオ登場。別の次元にある力の大会の歴史に時空犯罪者シーラスを追って来た主人公たちが乱入。ビルスもまた破壊神たちを率いて乱入し戦うこととなる。
主人公たちを疲弊させて追い詰めるが、事情を察したビルスは主人公に耳打ちして見逃す旨を告げる。そして破壊神たちには「弱っている奴を狙っても仕方ない。シーラスを狙うぞ」と告げて飛び去って行った。
『Sparking! ZERO』
『超』が主軸になっているので当然参戦。チーム戦時のコストは最高の「10」で、このコストは他にはブルーのベジット・ゴジータ、超サイヤ人4のゴジータ、ウイスのみ。最強技は破壊神らしくガード不可能なので、コレだけ連発してしまえばアッサリ勝ててしまう事も。
余談
名前の由来
名前の由来は、最初ビルスを発案したアニメスタッフの中では「ウイルス」(virus)だったが、キャラクターデザインの際、鳥山明が「ビール」と勘違いした為、以降そちらが採用され、付き人のウイス(ウイスキー)をはじめ、破壊神とその関係者は酒類を由来とする名前で統一されている。
キャラ構想について
当初はビルスもかつての敵キャラ同様(もしくはそれ以上)の悪役にしようという方向で構想が練られていた。初期の設定案では他者に破壊の心を植え付けることのできる邪悪な存在であり、サイヤ人の持つ悪の心のルーツという設定になっていた。
当初の名前の由来である「ウイルス」もここからきており、初期のポスター等の宣伝媒体では黒目が存在しない白目のみ(ビルスの場合黄目のみ)、或いはそう見えるほど黒目の小さいニタついた表情をしている。
しかし途中から制作に関わった鳥山氏の「(直近の大震災を踏まえて)ポジティブな話にしたい」という意見から路線が大幅変更。ビルスも悪役から善悪を超越した存在へと改変され、現在のような驚異的な存在でありながらどこか憎めないコミカルなキャラクターへと変わっていったという。
このビルスは、担当声優が同じである鬼滅の刃の憎珀天と、何となく衣装が似ている。
偶然の一致?
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【ウィークリー☆キャラクター紹介!第30回目は映画『ドラゴンボールZ 神と神』の「ビルス」!】(外部リンク)
関連タグ
神(破壊神) 憎めない悪役 猫神 ︎︎猫人 ︎︎グルメ 我儘 ︎︎中立 ︎︎破壊
破壊神ビルス(表記揺れ)
シャンパ:双子の兄弟。
ウイス:ビルスの付き人。そして、一方で実は…。
ヴァドス:ウイスの姉でシャンパの付き人。
プリン:ある意味『神と神』の騒動の元凶。
ドラゴンボール超章ごとのボス
ビルス→ゴールデンフリーザ