「然し、私はこう思う。“正義”とは善と悪に均衡(バランス)を齎すものだと。悪に揺れるなら如何に踏み留まり善の道を探すか…その探す行為が正義ではなかろうか。その為に神は人間に知恵を与えた」
「ザマス、正義感が強いのは素晴らしい事だ。…だが時には穏やかな心で迷い子を導く事が平和な道に繋がる事もある。お前が戦闘力を磨き上げたのは “心の為”であった事を忘れるな」
「…神とて“絶対”では無い。神もまた “学ぶ存在(もの)”なのだ」
概要
CV:後藤哲夫
『ドラゴンボール超』の登場人物。「“未来”トランクス編」で初登場。
対となる破壊神は、ガネーシャのようなピンク色の象頭人身の姿をしたラムーシ。
外見は老齢の男性風で、肌の色は黄色い。装着しているポタラは深緑色。目付きがキツくシワの寄った厳めしい顔のせいか厳格な印象を受けるが、実際には穏やかで心優しい人格者。時には「神チューバーになりたい」などと冗談を口にするお茶目さも併せ持つ。
一方で宇宙を治める神としては、正義と悪を均衡(バランス)として捉え、一時の結果に囚われず長い視点で見守る超越者らしい鷹揚さと寛容さを備えた老熟した人物である。
漫画版では、文明に対して干渉とまで言わない範疇での補助に務め、それでも自滅の道を辿るのならそれを見届けると言うスタンスを語っている。
潔癖すぎるがゆえに人間不信に陥っているザマスを諌め、厳しい眼差しで見守っているが、寛容すぎて楽天的に見える部分も。
逆にほとんどの人にその考えを受け入れられなかったザマスに対しても、最後まで耳を傾けて歩み寄ろうとした。
こう言ったスタンスのため、大らかや優しさと解釈するか、優柔不断と取るかは人によって分かれるだろう。
戦闘能力は不明だが、界王神であるため全く戦えないわけではないと思われ、ゲームなどではその側面を見ることが出来る。またドラゴンボール世界でもトップクラスに博識であり、超ドラゴンボールや時の指輪の他、界王神以外は1時間しか合体できないという老界王神でも語らなかったポタラの弱点も知っていた。
年長者ということもあり第7宇宙の界王神やウイスも彼には敬語を用いている。
お茶をすることを楽しみとしており、お茶とお菓子に目がなく、ザマスにお茶を淹れてもらうのが習慣となっている。また、お茶の味と清濁でそれを淹れた者の心の状態を把握するという特技を持つ。
活躍
“未来”トランクス編
人間を嫌う弟子のザマスに成長を願って人間観察をはじめ様々な事を体験させる。
時には人間との手合わせを許し、時の指輪や超ドラゴンボールなどの超越的な物品について教えるなどしてザマスの更生を試みるが、それは彼の意に反して後に大きな災いをもたらしてしまう結果となる。
作中ではザマスと同じく<悟空のいる世界>のゴワスと<未来トランクスのいる世界>のゴワス、そして<ゴクウブラックが生まれた分岐世界>のゴワスの三者が登場するが、<悟空のいる世界>以外のゴワスは全員ブラックによって殺害されている。殺害理由はゴワスが所有するポタラと時の指輪を奪う為。
そして<悟空のいる世界>のゴワスも同じく<悟空のいる世界>のザマスに殺されかけたが、ザマスの目論みを掴んだビルスたちによって阻止され事無きを得た。
その後、時の指輪を使って第7宇宙の界王神と共に<未来トランクスのいる世界>へ赴き、超ドラゴンボールでザマスとブラックに殺された人々を蘇らせ、ザマスを説得しようと試みる。
しかし超ドラゴンボールは既に破壊されており説得も聞き入れられず、逆にザマスにエネルギー弾で殺されかける。なんとか悟空とベジータによって救われたものの、今度は二人から「わざわざ何をしに来たんだ」と咎められてしまった。それでもなお、師としての責任の為、戦いの行く末を見届ける決意をする。戦いの中でも「神と人の矛盾」に悩み苦しみ続けたザマスはやがて精神が崩壊、醜い姿へと変貌していく。嘗ての師としてそれに同情するゴワスだったが、ついに歩み寄る事も心を入れ替える事も無いままザマスはトランクスと全王によって倒された。
漫画版では、ゴクウブラックが一度聞き入れたフリをして騙し討ちで胸を穿たれ、その後シンによって一命をとりとめる。
全てが終わった後、ゴワスは今回の騒動で新しく生まれた時の指輪を見つめ、自らの罪を悔いるのであった。
宇宙サバイバル編
引き続き第10宇宙の界王神として登場。第10宇宙の神として「力の大会」を見守る。
全覧試合終了後は第11宇宙の界王神カイによって開かれた7つの宇宙の通信会議に参加。カイの各宇宙の住民に「力の大会」の事は内密にするという意見に賛同した。
しかし第7宇宙の界王神がいないのを疑問を持ち最後には「全王に宇宙消滅を考え直してもらう」というカイの提案を他の界王神同様、不可能だと考え「残念じゃが…。」といい通信を切った。
選手選びではザマスの時の様な失敗は二度と犯すまいと考えに考えたが、何を重視してスカウトすべきか分からず頭を抱えていた。だがそんな所にラムーシとクスが現れ、彼らの「これからは筋肉」と主張に押され、結果自分では選べないからという理由で賛同し、ラムーシが連れてきたムリチムなど筋肉重視の選手達に決定した。しかし、彼らに第10宇宙の運命を託そうと話しかけた際に、突如ムリチム達が体づくりの為にプロテインを摂取しはじめた時には頼もしい連中だと高笑いするラムーシに対しゴワスは何とも言えぬ表情で彼らを見つめていた。その直後には、クスと選手らの踊る様子を神チューブに投稿しようとノリノリでビデオカメラを回していたが。
その「力の大会」では第9宇宙に次ぎ2番目の脱落となってしまい、しかし自身は覚悟を決めていた様で、第10宇宙と自身の家族を守るために最後まで健闘したオブニに労いの言葉を贈りながら潔く消滅した。
前章での”未来トランクス編”では、並行世界や未来世界での自身がゴクウブラックやザマスに殺され、唯一生き残った本編世界でもあわや悲しい末路になるかと思われたが、大会でMVPに輝いた17号の「全王様に消された全ての宇宙を蘇らせてほしい」という願いにて復活を果たした。
ドラゴンボールDAIMA
セリフは無いがライムスに宇宙の管理を任せられたグリンド人の一人として登場。
ゲームでの活躍
『ドラゴンボールヒーローズ』
最終弾のGODミッション10弾で初登場。必殺技は天啓の一手。説明文によると力を溜めて渾身の一撃でとどめを刺す!?とのこと。この作品では「神の裁き」という実力行使を行う事もあると発言している。
スーパードラゴンボールヒーローズでは最低難易度のビギナーズでの登場という形になり、初めてプレイするヒーロー達を鍛えている。
『ドラゴンボールZドッカンバトル』
2019年のダブルDOKKANフェスと同時期に登場。属性は体属性、レベルを上げZ覚醒する事で善の存在という事を意味する超属性が付与されるカード。また、同時にドッカン覚醒も実装され、専用のメダルを集める事でゴワス&ザマスになり、こちらもドッカン覚醒前同様に超属性となっている。
この時点のザマスを善と言い切れるのか少々疑問が残るが、ドッカンバトルでは善悪のコンビカードは名義が先になっている方の属性が優先される(悟空&フリーザやヒット&悟空は覚醒前から二人組だがどちらも名称が先のキャラの属性が適用されている)ようなので、ゴワス主体のこのカードは紛れもない超属性だろう。
パッシブスキル(カードごとの固有の性能)は味方の気力とDEF(防御力)の上昇と、超属性と対になる極属性を攻撃する際に自身の気力とATK(攻撃力)を上げるという内容となっている。
また、自身は高確率の回避を持っており確率で敵の攻撃を無力化することが可能…ではあるが、ドッカンバトルにおける高確率回避はかなりの頻度で被弾するのであてにしてはいけない。
登場当時は高いDFEサポート性能から、耐久に不安の残るキャラクターを補強する等活躍の場があったが今はこのカードを使って補強せずとも自前で攻めも守りも出来るキャラクターも増えてきておりインフレ負けしているのが現状。
必殺技はヒーローズにも出てきた天啓の一手、ドッカン覚醒後は神裂斬。
だがゴワスが神裂斬を放つのではなくザマスが止めようとするゴワスを突き飛ばし敵を斬るという演出。
追加効果として相手の必殺技を封じる効果を持っている。
2023年の夏の大型キャンペーンにて極限Z覚醒が実装となった…が、正直微妙である。
気力のサポートは+2から+3へ増えたもののDFEは据え置き、ATKのサポートもできるようになりはしたものの、場に出ている味方が全員神次元カテゴリの必要があるため汎用性に欠ける。
必殺技発動時にATKとDFEが上昇するようになり自身のサポート効果も込みで多少数値が出るが、自分が行動するまではサポート効果のみのDFEで余りにも貧弱である。
極限前同様極属性に攻撃する際にATKが上昇するほか追加でDFEも上昇するようになった…が、これもATKと比べ数値が低くあまり安心できない。
また、超属性への攻撃時にもATKとDFEが上昇するようになっておりこちらは上昇率が極系の時と入れ替わっている為、DFEが重視される現環境ではどちらかといえば超属性相手の方が使いやすい…のだが、現状高難易度イベントの多くが極系の敵であり、数少ない超系相手でも最も使いたいザマスを主とした構成では現状最も強い合体ザマスとの相性が最悪(敵味方問わず超属性へのダメージが増えるスキルを持っている)なので、活躍の場は少ないだろう。
とは言え、必殺技の追加効果にATKとDFEが1ターンの間大幅に上昇する効果が追加されたりと、行動後であればそれなりに守ってくれるうえ、運次第では回避で大幅に被ダメージを押さえる事の出来る優秀なサポーターである。