概要
ある日、平凡な生活を送っていた高校生がヤムチャに転生する異世界転生物。
本作は特にチート能力などはなく、原作知識を活かして生き残ることが重視されている。
それ故にあくまでも「ヤムチャのポテンシャルを最大限活かした場合」の話であるので、話が進むと戦力外に落ちてしまっている。
基本ドラゴンボール原作の世界観だが、時折ゲームの話題も出てくる。
書き下ろし付コミックスは2017年11月発売。
似たような外伝に、ベジータが主人公の「ドラゴンボール菜」もある。
また当初の候補として、同じく真っ先にやられて死亡に定評があるクリリンのループも考えられていたらしい。
各あらすじ
前編
ある日、ドラゴンボールが大好きな高校生の少年が友人とドラゴンボールのゲームドッガンバトルの話で盛り上がり、「あのヤムチャが意外と使える」とゲームでの彼を評価していた。とある事故で意識を失うと盗賊から足を洗う直前のヤムチャに転生してしまった(以降は「ヤムチャ」と表記)。
ヤムチャになった主人公は、訪れたドラゴンボール原作の世界でウキウキでブルマ一筋の人生を送ろうとしたが、いずれ訪れるサイバイマンとの戦いのヤムチャの最初の死を思い出した。
このままではいけないと思ったヤムチャは、ピラフ一味との戦いを終えた悟空について行き、亀仙人の元で修行することでそれを回避すると考え、悟空と共に旅立つ。
中編
ベジータと戦う1年前。界王星に行く悟空を見送ったヤムチャ。これまでサイバイマン対策として今までの修業を思い出していたが、まだ何か足りないと思っていた。そこで、原作の誰よりも早くナメック星に向かい、最長老様に潜在能力を引き出してもらう。そしてサイヤ人襲来までネイルに修業相手をもらい、一段と強くなった。
そして現在。サイバイマン1匹を倒し、残り全員の自爆を受けながらも無事だったヤムチャの戦闘力を測るベジータ。1万以上の戦闘力を驚きスカウターの故障と言い張るが、「故障ではない」と言うヤムチャ。そのまま誰の犠牲を出さずにたちまちナッパを倒し、ベジータとの決戦に挑むヤムチャと悟空。その頃、神殿にいる地球の神は異様な気を感じていた。仲間たちの中に、ヤムチャと同じ気を持つものがいるらしいが?
最後は元気玉の時間を稼ぐためにヤムチャとベジータの一騎討ちとなる。双方共に負傷していたがまだベジータの方に分があったため、ヤムチャは原作知識を活かして「あ、ビルス様だ!」とベジータの意識を逸らすことで反撃に成功。時間稼ぎを終えて勝利する。
後編
運よくセルゲーム当日まで1度も死なずに済んだヤムチャ。しかし、セルゲームには向かわずある人物を呼び出し、とある場所に向かう。ヤムチャとしての知られざる決戦が始まる!
登場人物
本作の主人公で高校生が転生した姿。ブルマに一目惚れをし、彼女一筋の人生を送ろうと、ドラゴンボールの世界の知識を利用して生き延びようとする。当初は多くのファンのようにヤムチャを軽んじた発言をしており、彼に転生した時も「悟空やベジータの方が良かった」と言うほど。強くなる為に原作知識を利用し(幸いナメック星の最長老なども協力的だった)可能な限り戦闘力を上げる行動を取り、サイヤ人編で悟空や仲間たちに高く評価されるほど腕を上げた。しかし、ベジータ戦以降はもうどうやっても地球人ではついていけるレベルではなくなっている事に思い悩む。
原作の主人公。地球育ちのサイヤ人。ヤムチャより出番が少ない。当然本作のヤムチャが転生していることは知らない。
悟空の息子。主に少年期が描かれあまり出番は多くない。人造人間編が舞台の後編では悟飯がセルが倒してくれる未来をヤムチャは知っていたため、セルゲームは悟飯達に任せヤムチャは自分の決戦に向かう。余談だがヤムチャ自身は自分はもう必要はないと語っていたが、原作でセル戦の決着後に疲労で眠った悟飯を天界の宮殿に連れて行ったのはヤムチャである。
悟空の仲間の一人で転生したヤムチャが最初に出会った人(?)物。ご丁寧にギャルのパンティーをかぶっている。原作通り大猿になった悟空を宇宙人と疑っていた(後にそれが本当になった為、主人公はこの時の彼のカンがさえていたと語っている)。
原作のヒロインで主人公がサイバイマンから生き延びようとする動機を作った人物である意味、ヤムチャがぞんざいに扱われる原因を作った張本人。
この世界では、転生ヤムチャから「ごめんなさいブルマさんオレ…まだ西の都にはいけませんでも待っててください!!めちゃくちゃ強くなってきっとむかえにいくから!!」と言われるが…。
主人公の一番目の目標である敵。原作ではヤムチャに追い詰められ悪あがきで自爆したが、転生し修行していたヤムチャ(主人公)には敵わず1匹倒され、残りの5匹もまとめて自爆するが失敗に終わった。
原作通り悟空を蛇の道に送る。ヤムチャが誰一人として犠牲を出させなかった為、彼も生き延びている。
ヤムチャの正体に気付いていたかは不明だが、中編終了時点でヤムチャと同じ気を持つ者が居る事を察知していた。
ヤムチャの眠っている力を引き出させたナメック星人。その前にヤムチャの記憶を探り、彼が転生した人物と知っている者の一人でもある。
ヤムチャの正体を知っている者の一人。最長老の命でヤムチャの修業相手になった。ベジータとナッパが予定よりも早く地球に来てしまった為(ヤムチャもこの事をブルマの連絡が来るまで忘れていた)、特別にポルンガを召喚して地球まで送り届けた。
サイヤ人。原作では悟空に倒されるが、悟空が到着する前に、強くなったヤムチャに倒される。
ご存知惑星ベジータの王子にしてサイヤ人編のラスボス。原作では悟空と一騎打ちだったが、本作は悟空とヤムチャのコンビと対決する。ヤムチャのある人物がいるとのウソでスキを突かれ、悟空のかめはめ波に倒された。原作通りポッドで逃げだそうとしたところ、ブルマを奪われまいとヤムチャに撃ち落とされそうになったが、後の展開を思い出してやむを得ず見逃し、ヤムチャは最終的に原作同様ブルマのことをベジータに託し身を引いた。
なお、原作通り行くならナメック星編で同じ手を使ってくる奴と会うことになるが、直前の敗因であり屈辱の撤退を強いられた事はプライドの高い本人的には結構カチンとくる新めの傷な上、同じ手を二度三度喰らうバカではないことから、きたねえ花火どころではない酷い目に遭わされた可能性がある。
サイヤ人編舞台の中編まではヤムチャとほぼ互角の強さだったが、この先の展開を知る彼がパワーインフレに着いて行けなくなると言っていた通り人造人間編初期舞台の番外編ではヤムチャでは敵わない相手となっている。
中のヤムチャの回想内と後半に登場(どちらも完全体の姿で描かれる)。ただし、後編ではヤムチャはセルゲームに参加せず残りのZ戦士達とセルが会場で対面した所で場面がヤムチャととある人物との決戦へと切り替わった為、顔見せ程度の出番となった。
前編ではまだヤムチャの正体に気付いておらず、サイバイマンの自爆にびくともしないヤムチャの強さに驚いていた。
セルゲームが舞台の後編では原作通りネイルや地球の神と融合しており彼等の記憶を引き継いだ影響かヤムチャの正体を知ったようで、セルゲームに参加しなかったヤムチャの事を危惧する。
単行本の描きおろしマンガではブルマに告白しようとするヤムチャに相談された。クリリンは自分は彼女なんてずっといないと愚痴ってたが、ヤムチャに「3年後にいい人に巡り合える」と謎のフォローをされた(この話はあくまで原作準拠であるため、『ドラゴンボールZ』のアニメオリジナルキャラのマロンはいない世界線である)。
単行本カバー下に登場。ヤムチャに一瞬でやられる。
単行本カバー下に登場。他のキャラよりかなり小さいため、気付きにくい。
単行本カバー下に登場。ナメック星でヤムチャに圧倒される。
同じく単行本カバー下に登場。
中編でヤムチャの回想内にのみ登場。フリーザは第一形態でブウは純粋状態だった。
この世界でも天津飯を追いかけていったまま行方不明らしい…。
関連タグ
憑依(憑依転生) 成り代わり:ジャンルとしては異世界転生よりもこれらの方が近いか。
ドラゴンボール菜:ドラゴンボールIF作品
THE超人様:同じジャンプ作品のレギュラーキャラを取り扱ったスピンオフ作品繋がり。こちらはギャグ漫画である。
転生したらスライムだった件:タイトルパロであることは明白だが、下記作品ほどの共通点はない。
悪役令嬢に転生してしまった…:同じく異世界転生物。破滅フラグを回避するために原作の知識を利用する、(転生物によくあるチート能力がないので)己を鍛えるなどの共通点が多い。
今日からCITYHUNTER:同じジャンプ作品を原作とした異世界転生物。あちらの場合、主人公は女性で、連載していた当時である女子高生に若返っている。
この先後編のネタバレ注意
後編の登場人物(ネタバレ注意)
本作のラスボス。ヤムチャ同様、彼も異世界転生(もといドラゴンボールのキャラに憑依転生)した人物。一人称が「オレ」だったりと原作とは性格が異なる。
地球の神が中編ラストで言っていた「仲間の中にヤムチャと同じ気を纏った者が居る」と推測していた者の正体。
当のヤムチャは彼が原作と違う行動を取り続けた事でチャオズが転生者だと気づいていた。例は下記の通り。
最初はチャオズとして生きて行こうとしたがうまくいかず、死と転生を繰り返した事で心を荒ませてしまい、超能力とドラゴンボールの知識を駆使してドラゴンボールの世界を支配しようとしていた。
作品世界を守ろうとするヤムチャとの戦いでは、超能力を駆使した撹乱に加えどどん波で優勢を取るものの、ヤムチャはこれを見越して既に仙豆をいくつか確保しており、隙を付いて回復されてしまう。
説得を試みたヤムチャから仙豆を奪い再び追い詰めるも、今度は魔封波で封印されかかる(「チャオズ」を殺すわけには行かないため)。
しかし彼の正体がドラゴンボールのアプリゲームの1位を取ったユーザー「オーショウ」だとヤムチャが思い至った事で、魔封波は中断され封印を免れた。チャオズの方も同じゲームのプレイヤーということで親近感を抱く。
その後、ヤムチャとの会話の中で「やっぱりドラゴンボールが好きだ」と改心し、大好きなドラゴンボールの世界でチャオズとしてまじめに生きていく事を決意する。
単行本の描きおろしマンガでは、フュージョンを題材したゲームの事を思い出しこの世界でもヤムチャとフュージョン出来ないかと試して見たが……。
ご存知双子の破壊神で、ヤムチャとチャオズの肉体に現実世界の人間を転生させた張本人。
転生者同士を対立させ戦わせて遊ぶ「転生ゲーム」なる悪趣味なゲームをしていたようだが、ヤムチャたちが戦いをやめ和解したことで勝敗がうやむやになってしまい、癇癪を起こしたビルスはゲーム自体を破壊。結局いつもの口喧嘩になってしまった。
ご存知天使姉弟で破壊神の付き人。ビルスたちを見守っていたようで、ゲームが破壊され解放された魂を元の世界の肉体に戻してくれた。