概要
転生ものの類型の一つ。
登場人物(主に主人公)が死後転生する際にゼロまたは一から新しい存在として生まれ変わるのではなく、霊魂が既存の誰かに憑依する形で次の生を得る。要は幽霊が取り憑いているような状態である。
憑依先として扱われやすいのは歴史上の有名人やフィクション作品の登場人物だが、作品によっては同じ世界その時代の一般人等も対象になり、幅はある。
なお、憑依された側の元々の人格については某少年マンガの主人公のように憑依者の人格と肉体を共有し共存することはなく、憑依者に肉体を乗っ取られる形で消滅すると言う無慈悲な末路を辿るケースが殆どである。
宿主の人格も残るのが憑依、残らないのが憑依転生と考えることもできるかもしれない。
また、「主人公に肉体を乗っ取られて(事実上)死ぬ異世界人が可哀想」という意見(クレーム)に対応してか、近年では『死後間もない異世界人の屍に主人公が憑依して、件の異世界人として生きていく』というアニメ版デビルマンのようなプロローグを経るケースもある。
他にも元の宿主と転生者の人格が融合したような状態(ドラゴンボールで言う所の神コロ様みたいな状態?)になる事も多い。この場合、価値観も憑依する側とされる側双方の基準を使って物を考えられるようになり、行動の選択肢が広がる。
主に一次創作(オリジナル)で使われる用語だが、ハーメルン(小説投稿サイト)等では二次創作にも適用される。
フィクション作品の登場人物への憑依転生を題材にする場合、一次創作では悪役を対象にするものが多いが、二次創作では善側のキャラへの憑依転生も多い。
また、主人公以外の人物が憑依転生で物語の舞台に上がってくるケースもあり、これも悪役以外のキャラへの憑依転生が多い。後述の関連項目を参照されたし。
補足
他者に憑依されて肉体を追い出された魂が憑依してきた側の元の肉体に入るものは入れ替わりの区分になり別のジャンルとして扱われる。
また、憑依する側の元の肉体が死亡しておらず昏睡状態等に留まっている場合は、憑依ではあっても転生とは言い難い。
関連作品具体例
- 炎の蜃気楼:作中では別の名称を充てているが、主要人物の大半が憑依転生を行っている。
- 銀の鍵の門を越えて:お馴染みクトゥルフ神話。
- 月姫:主人公ではなくラスボスが憑依転生しているパターン。
- 幽霊紐育を歩く:いわゆる神様転生と言われるジャンルはこの作品が大元と言われる。
- 乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…:悪役令嬢ものの憑依転生作品で商業展開されたものの代表格。
- ドラゴンクエストⅩ:プレイヤーは物語の冒頭で種族を選んで憑依転生する(憑依される側はいずれも既に死亡している個体である)。
関連タグ
知識チート:主人公が自分の知ってる創作作品の世界の住人に憑依転生した際に大きな助けとなるチートのこと。詳細は個別記事に譲るが、後述の転生ヒドインや悪徳勇者も同様にこのチートを備えている場合もある。
別名・表記ゆれ
関連属性
一次創作(オリジナル)で主人公が自分の知っている何らかの作品世界に転生する場合、これらに該当する人物(キャラクター)に憑依する形で転生するのが定番ネタとなっている。
主人公以外に登場する転生者の内、転生先で悪事や迷惑行為を働くもの。憑依転生ものでは元のキャラクターと中身が異なる主人公を目の敵にしたり、悪役キャラに憑依転生した主人公を原作通りの悪人と決め込んで独善的な迫害を行ったりしがち。
また、この悪徳転生者自身も憑依転生する場合がある。
悪徳転生者の一種。主人公の転生先がフィクション作品の世界だった場合に、「原作のヒロイン(女主人公)」に主人公以外の人物が憑依転生して生まれる悪役。他人の体を奪って悪さをする死人という意味では実質悪霊である。
悪徳勇者:
転生ヒドイン同様、中身が悪徳憑依転生者だったというパターンがある。まさに転生ヒドインの男版である悪霊。
関連ジャンル
悪役令嬢もの(悪役転生)、モブ転生:いずれも主人公が憑依転生することに定評のある作品ジャンル。
成り代わり:二次創作ではこの名称も使われる。pixivではこちらの呼び方の方が主流。成り代わり転生・転生成り代わりとも。