「さて…やるか…」
概要
CV:大友龍三郎
漫画『ドラゴンボール』「魔人ブウ編」編に登場する敵キャラクターで、暗黒魔界の王。名前の由来は呪文の「アブラカダブラ」。
初登場の時点で、バビディに洗脳され、手下となっている。洗脳がかなり強力なのか、それとも忠義に厚い性格なのかは不明だが、バビディには忠実である。
長身で筋骨隆々、額に2本の角、赤肌に金眼、大きく尖った耳が特徴。
剣や槍などの武器を瞬時に取り出して使ったり、唾を吐いて当たった者を石化させたりする能力を持つ。石化はダーブラが死ぬまで解けることはなく(※)、石像を壊すと解除されてもバラバラ死体になってしまう。
※ダーブラが自らの意志で解除できるかどうかは不明だが、一部のゲーム作品では自分が石像になってしまった時は自力で解除できなかった。
自身の強さに対する驕りは大なり小なりあるが、過小評価のような意見交じりとはいえ悟空の戦法を冷静に分析し、ベジータの内面にある悪の心に勘付いたり、後述のブウの危険度などについて諫言したりするなど、思慮深さや強かさを感じさせる言動も割と多い。
気を感知する能力はないらしく、復活した魔人ブウを最初は「頭もパワーも無い間抜け面の生ゴミ」とコケにしたが、激昂したブウに目潰しをくらい軽く吹っ飛ばされる。
もっともこの時のブウは激高するまで気を押さえており、ベジータや悟飯も「大した事ない」「勝てない相手じゃない」と思っていた。
ブウがバビディにとって、将来災禍を招く存在となると見抜き、隙をついて、槍でブウを串刺しにする事に成功したが、全く通用しなかった。傷つきながらも、バビディには「決してあなたの忠実な部下になるような奴ではありません」と諫言するも、ブウの圧倒的な力に魅せられていたバビディは、ダーブラの進言を聞き入れなかった。結局、ダーブラはブウの能力でクッキーにされて食い殺されてしまう。
原作では、この話以降は登場しなくなり、死後は地獄に送ると喜んでしまうとの理由で、閻魔大王に天国に送られたと言及されるのみだった。
その後、純粋魔人ブウとの最終決戦時にはベジータから「バカめ、その願いだとバビディやダーブラまで生き返ってしまうぞ」と断言されている。
アニメ『ドラゴンボールZ』では、天国で改心したきれいなダーブラが描かれている。
目つきが変わり花を愛でるような性格になっているなど、元が暗黒魔界の王とは思えない変わりよう。同じく天国にやってきたブルマやチチ、ビーデルもかなり引くほどになっている。また、額のMマークも消えているため、もしかしたらこちらが本来の性格であちらはバビディに操られていた影響なのかもしれない。
原作通り終盤でベジータの進言により「バビディが地球に来た日以降に死んだ人をウンと悪い奴以外全員生き返らせてほしい」という願いが叶ったため、死亡時には「ウンと悪い奴」だったダーブラはそのまま天国に置き去りにされたが、恨むことなくチチたちの蘇生を喜んだ。
「皆さんよかったですね生き返ることが出来て。私は(生前に)たくさんの罪を犯しましたからダメでしたけど、この天国から皆さんの無事をお祈り致します。」という旨を独白した。
未来トランクスの世界におけるダーブラ
『ドラゴンボール超』において、未来トランクスの時間軸でもバビディと共に地球に襲来していたことが判明。シンから協力を請われたトランクスと戦闘し圧勝するも、キビトを手に掛けたこととバビディがシンをいじめていたことが切っ掛けでトランクスが超サイヤ人2に覚醒。これにより、ダーブラが未来世界における完全体セルの様な扱いになってしまった。そして、魔人ブウの復活前にバビディ共々倒されてしまう。この戦いで東の界王神及び破壊神ビルスは死亡することになった。後にこれが原因で、新たな問題が発生することとなる。
なお、このダーブラと未来トランクスの戦闘に巻き込まれてゼットソードごと石化・粉砕の憂き目にあった老界王神様は即死してしまっている。
なお、アニメ版ではトランクスの剣がダーブラの唾で石化し、その後はトランクスが素手で気を纏った状態でダーブラの唾を防御し、そのまま反撃でバビディ共々倒された。超サイヤ人2を習得した経緯などは不明のままである。
ドラゴンボールDAIMAでは
舞台が魔界なので何かしらの形の回想などで関わってくると思われる。また1話の時点で父親の名がアーブラということが判明した。
因みにアーブラに関して本編では名称だけしか登場していないが、OPではダーブラと背中合わせでそれらしき人物が映っている。
第三魔界には巨大なダーブラ像が作られていたため王として魔界の住人から認められていた模様。
またダーブラの死後、大魔界の支配者となったゴマーが各地で圧政を敷いているため相対的にダーブラの評価も高くなった…と思われたが、パンジによると「ゴマーに比べたらまだマシ」な程度でしかなかったらしい。
ゲーム作品において
ダーブラがゲーム版に初登場したのは、スーパーファミコンに発売された『超武闘伝3』であり、それ以降の格闘ゲームシリーズに登場するようになる。
PSPに発売された『タッグバーサス』ではIfストーリーの主人公として登場。悟空とベジータ(そしてミスター・サタン)が界王神界で魔人ブウと戦っている時、助太刀するために蘇って駆けつける。設定はアニメオリジナル通りの改心したきれいなダーブラで、優しい敬語で会話しながら、魔人ブウ(善)ポジションで魔人ブウに立ち向かうが、最終的には敵の圧倒的な力で苦戦する。あの世にいるチチ、ブルマ、そしてビーデルのおかげで改心したと彼は語っている。
MMORPG『ドラゴンボール オンライン』やPS3等で発売された『ドラゴンボールゼノバース』では『トワ』という妹が敵役として登場しており、『ドラゴンボールヒーローズ』でついに共演した(表記はダーブラ:ゼノ。Mマークは当然なく、むしろ洗脳された頃よりはるかに強い)。
ゲームセンターで稼働していた(2023年秋にサービス終了)3D格闘ゲーム『ZENKAIバトル』でもプレイアブルキャラクターとして実装。ガード不能の剣気弾、相手の防御力を無視して体力(40%)を時間経過で必ず奪っていくエビルインパルス、相手に鈍足効果を付与するエビルバインド、そして相手を行動不能にする石化ツバといった相手にその場でダメージを与えるというよりジワジワと追い詰めていく妨害特化キャラクターとなっている。エビルインパルスは自身の体力も回復する絶好のチャンスになり非常に厄介な必殺技。特にチーム戦とは別に用意されている1v1のシングル戦では必殺技とゲームルールの性質上、インチキキャラクターと呼ばれるほど強い。ダーブラは使わない、というのが暗黙の了解(他にもベジータ、ベジットなども含まれる)
2024年10月10日にPS5、PCで発売される『Sparking!zero』でも実装が決定。
『ドラゴンボールゼノバース2』では、DLC追加ストーリー『∞の歴史編』にて登場。真の黒幕として主人公たちと死闘を演じる。実はメインストーリー終盤で妹・トワが時の巣に襲来した際『魔人ブウにクッキーにされて食べられる歴史』から秘密裏に救い出されていた。
手始めにベジットと魔人ブウ(悟飯吸収)の場に乱入し、ブウに手を貸す。主人公が来たため撤退するが、この時に時の界王神らの存在に気づいている、バビディに洗脳されていたときよりも強くなっているなど不可解な点があった。
実は歴史改変をしつつ戦士たちのダメージエネルギーを取り込むことで、大幅なパワーアップを果たしており、目的は、時の界王神の抹殺と、妹の直接の仇である主人公に復讐するためであった。主人公が歴史改変の方に気を取られている間隙を突き、コントン都の住民たちを全員石に変えてしまう。トランクス、老界王神、前作主人公(先輩パトローラー)も石に変えられ、時の界王神も首を締め上げてトドメを刺す直前であった。そこへ主人公が現れたため方針を切り替え、異次元空間へと転移。
そこで時の界王神を火球の中に閉じ込め、じわじわと焼き殺そうとする。彼女が死ねば時の巣は消え、主人公たちも消滅する運命にある。更に別の歴史から援軍(パートナー)を連れて来る。
そういった危機的状況を演出した上で主人公との決戦に挑む(妹の仇である主人公だけはこの手で殺したかったため)。死闘の末、劣勢を強いられ追い詰められる。
そこで甥に当たるフュー(トワとミラの細胞から生まれた変異体)に主人公の抹殺を命じるが、「そんなことのために歴史改変で得たエネルギーを使いたくない」「仇討ちとか暗黒魔界の復活とか興味ない」と拒否されてしまう。激昂したダーブラは唾を吐いてフューを石に変えようとしたが、跳ね返されて自分が石になるという末路を辿った。皮肉にも「得意技を跳ね返されて敗れる」というのは、かつて自分を殺した魔人ブウ(善)と同じものだった。
続編「目覚めし戦士編」では石化したまま時の狭間を漂っていたが自力で復活を果たす(「ようやく解除できたか」と呟いているので時間が掛かった様子)。裏切ったフューに対しては「今度会ったらきっちり灸を据えてやらねば……」と独白しており、命までは奪うつもりはない様子である。
この後のシナリオで対峙した際も「トワの遺伝子を継いでいるとは思えない。一族らしからぬ根性を叩き直してやろう」と勝負を挑んで来る。
手始めに失われた戦力を補充するべく意のままに動く駒を求める。まずはベビーに接触して力を与えるという取引を交わし、『GT』にて悟空たちが宇宙に飛び立ち不在の時間に二人揃って登場。ベビーとベジータを戦わせようとしたが、ヒューに連れて来られた主人公が加わって3対2の戦いとなる。
ベビーからの要請に応じエネルギーを与え大猿ベビーへと変身させるが、超サイヤ人4へとパワーアップを果たした悟空orベジータによってベビーは消滅。
最早この時代に用はないとしてさっさと姿を消してしまった。
続いて悟空とベジータが魔人ブウ(純粋)と死闘を繰り広げる界王神界へと出現。ブウに力を与えて凶暴化させる。
ちなみにブウを選んだ理由は「私が知る限り単独で最も優れた戦士」だからとのこと。
またもや主人公とフューの邪魔が入るが、ダーブラは既に次の手を打っていた。「魔人ブウに喰われる前の自分」を別の時代から連れてきており、元気玉を作っていた悟空を気功波で消滅させた。
孫悟空の死によって大量の改変エネルギーを得られると勝ち誇る(これがダーブラの狙いだった)。だが目論見は外れ、悟空はフューによって密かに助けられていた。しかも別の時代の悟空まで連れて来られ一転して劣勢となる。
敗色が濃くなったことで「もう一人のダーブラ」は「話が違う」としてさっさと逃げてしまい、驚いたダーブラは「逃げる気か、私のくせに」「この時代の私なら決して裏切らんと思った」と罵声を浴びせた。そこへフューから「自分にまで裏切られちゃったの?」と煽られ激昂する。
フューに対して「孫悟空を殺して大量の改変エネルギーを集めるという目的は同じはずだ」と告げるが、フューは飽くまでも可能性の研究にこだわっており、際限なく強くなるサイヤ人に価値を見出していた。暗黒魔界の復活よりもそっちの方が面白いとして完全に拒否される。
その後、魔人ブウは身勝手の極意”兆”に目覚めた悟空のかめはめ波に敗北。更にダーブラまで巻き添えになり諸共に消滅した。皮肉にも悟空を殺そうとしたつもりが、自分が悟空に殺されるという末路を辿った。
アニメ版を元にしたPS4/XboxOneドラゴンボールZKAKAROT』では、本編終了後にドラゴンボールで蘇生させることができる。
バビディがいないにもかかわらず頭のM字は消えない。ただし、性格はアニメ同様に改心している(言葉遣いには洗脳時のような荒々しさが出ることもあるが、すぐに「私としたことが」と恥ずかしがっている)。
もう悪事は働かず、金銭等に執着もなく「慈善団体に寄付しておいてください」と発言している。
余談
「強さはセルと互角」というイメージが定着してしまっているが、これは定かではない。
正確には孫悟空はキビトを倒した身のこなしだけを見て「全力じゃなかったとしてもおそらくセルくらいの強さ」と予想しただけであり、その後の魔術を用いた戦いを見た際には「あいつ思ったよりずっとつええじゃねえか」と評価を改めている。そのあとのベジータの「ふん それにしても勝てない相手じゃない なさけないヤツだ…ガキの頃のほうが強かったくらいだぜ」という台詞からも、ダーブラの実力は少年期の孫悟飯(超サイヤ人2)なら勝てるが青年期の悟飯ならば多少苦戦すると言ったところと思われる。悟空の比較に出した「セル」というのが通常の完全体を指しているのかパーフェクトセルを指しているのかは不明だが、少なくともダーブラがセルの通常完全体より強いことは確定している。
パーフェクトセルとならば実力伯仲の可能性はあり、事実DSゲーム「舞空烈戦」では、ダーブラとセルが実際に会って戦うストーリーがあり、互角の戦いを繰り広げている。
尤も、作中で登場したダーブラはバビディの洗脳により、戦闘力がドーピングされている状態であるため、洗脳されていない素の強さは不明なわけであるが。
作者の別作品であるSANDLANDの主人公の父である大魔王サタンとデザインが似ている。
関連タグ
トワ(ドラゴンボール) ミラ(ドラゴンボール) バビディ一味 バビディ 魔人ブウ 界王神