概要
蜂や蟻のような社会を形成する宇宙生物レギオンにて、女王蟻や女王蜂に該当する生物。
劇中では「巨大レギオン」とも呼称される。複数の昆虫類と甲殻類を掛け合わせたような外見をしている。
また、胴体にあたる部分に常時同族を生み落す事が可能な器官「エッグチャンバー」を抱いている。
その人類への脅威の度合い、強靭なボディ、攻撃力の凄まじさから、ガメラ怪獣の最強候補によく挙げられる。
能力
電磁波・マイクロ波による強力な攻撃が武器で、角を開いて放つ「マイクロ波シェル」は広範囲を一瞬で炎上させる威力を持ち、前作ではギャオスの超音波メスでも傷付かなかったガメラの甲羅すら容易く抉る威力を見せ、自衛隊の戦車大隊をほぼ一撃で損耗50%に追い込んでいる。
- 「CRガメラ」では赤いマイクロ波シェルを発射する場面もある。
また、頭部の周りにパラボラ上に備わった干渉波クローと呼ばれる爪は強力な電磁波を発生させ、戦闘中に防御の為に使用。
ミサイルの誘導をジャミングしたり、ガメラのプラズマ火球に電磁波を浴びせる事で(火・プラズマも電気的な現象であるが故か)中和・無力化することまでやってのける。
シリコンで出来たボディ自体も非常に頑強であり、干渉波クローなどのもろい部分を除けば、人類側の兵器ではダメージを与えられない。
また、角や巨大な足による格闘攻撃は強力で、特に大鎌状の後脚(サイズレッグ)は、飛行するガメラを叩き落したり、ガメラの腹部を容易く貫くなどの威力を見せ、ガメラと同等以上の格闘能力も持つ。
この頑強な甲殻と角や足の怪力を用い、地中を掘り進み移動する事も可能。
草体の爆発時には地中に潜行して、その衝撃から逃れている。
角を失うとマイクロ波シェルを発射できなくなるものの、その代わりとして頭部から「マイクロ波ビュート(レギオン・ビュート)」または「赤熱鞭(レッドロッド)」と呼ばれる紅く発光する無数の電磁波のムチを出す。その威力は触れた物体を一瞬で焼き切り、ガメラの甲羅すらも一瞬で貫通してしまう程。
また、エッグチャンバーから1時間に100匹のソルジャーレギオンを生産できる。
産み落としたソルジャーレギオンは体から放つ電磁波によって指揮も可能。
目立った弱点は存在しないものの、強いて挙げれば干渉波クローなどの部分が脆い。
対戦車ミサイルの炸裂程度でも千切れてしまうほどの強度しかない。
作中では、ガメラを援護するために放たれた対戦車ミサイルの波状攻撃を捌ききれずに被弾・破壊されてしまった(しかしそれ以外の箇所は戦車砲が当たると「カンカン」と音がするほど硬い)。しかし、その隙を突いて放たれたプラズマ火球は弱った干渉波では防げなかったものの、ボディにはほとんどダメージが無かった。
マザーレギオンの卵はレギオンプラントの種子に内包されており、他の星に落下した後に孵化する。
「幼体」、または「亜成体」と呼ばれる成長前の形態は、成長後と比べて小さいが羽を持ち、マッハ1で飛行可能。
- 幼体の名称は「てれびくんデラックス愛蔵版 ガメラ2超全集」に、亜成体は劇場パンフレットに、それぞれ記述されている。
劇中での行動
ソルジャーレギオンを生産しつつ北上し、札幌を繁殖地として定め、やがてすすきので種子を発芽させる。
しかし、飛来したガメラに種子発射を阻止されると、幼体(亜成体)のままで地下から飛び出し逃走。津軽海峡上空でF-15Jのミサイル攻撃を受け、一時的に消息を絶つ。
巨大な翅が回収されたことから死んだと考えられたが、地下にて完全にマザーレギオンへと成長すると、仙台において種子を再び発芽させる。
- つまり、マザーレギオンも泳げることがうかがえる。
再び飛来したガメラを霞野飛行場で襲撃すると、避難民の乗ったCH-47Jを庇って防戦一方のガメラを圧倒し、種子発射まで足止めをする。しかし、結果としてガメラは満身創痍ながらも済んでのところでレギオンプラントを破壊。大爆発によって仙台はほぼ壊滅し、ガメラは炭化して仮死状態に追い込まれるものの、宇宙への種子発射はまたも失敗する。
2度の種子発射の失敗をうけて仙台からなおも南下し、とうとう首都圏を標的に定めると、栃木県足利市の山中から出現して進撃を開始する。
レギオンの侵略に対して徹底抗戦を開始した人類側の抵抗を押し切って防衛ラインを進むものの、復活したガメラが飛来。
人類とガメラの共同戦線の前にソルジャーレギオンの指揮を奪われ、誘導弾で干渉波クローを失いガメラに頭部の角をもがれるなど、大きなダメージを負うが、マイクロ波ビュートによって再びガメラを追い詰め、そして最終防衛ラインにまで到達する。
しかし最期にはガメラの切り札「ウルティメイト・プラズマ」を受け、灰になって消し飛び死亡した。
余談
- ヘラクレスオオカブト、カニ、バッタ、エビ、シャコなど様々な節足動物をデザインモチーフとしている。また、怪獣としてのデザインイメージはジグラに影響を受けているとのこと。
- 巨大レギオンの着ぐるみはラストシーンでワンオフのプロップを爆破したため、頭部など一部のパーツを残し現存していない。
- 当初の予定では、干渉波クローでガメラを締め上げたり、電撃を放ったり、体を光らせてからEMPを発射する構想もあった。その際、自衛隊のジェット機を海上でEMPで墜落させ、完成作品とは異なり、津軽海峡ではなくて奥羽山脈で翅が発見されたとされる他、成体でも飛行が可能であり、また、最終決戦ではガメラはマザーレギオンと「超大型レギオン」の2体を同時に相手取り、マザーレギオンは超大型レギオンをガメラのホーミング・プラズマから庇って死ぬという設定だった。
- 漫画版では、穂波碧の弟である海斗が主人公であり、祖父もいたが姫神島に住んでいたためギャオス復活による最初の犠牲者の一人になってしまったという経歴を持つ。そして、映画では養老孟子が演じた医学教授がレギオンの名付け親であり、また、対レギオン兵器として「拡散イオン砲」という超兵器を開発している。
- 一説によれば、三陸沖にももう一組のマザーレギオンと草体が墜落しており、ガメラは先にそれらを倒しているともされる(参照)。
- 『CR GAMERA THE BATTLE PACHINKO』では、マイクロ波シェルは電撃状ではなくて破壊光線として描写されている。
- 戦姫絶唱シンフォギアXDとガメラのコラボイベントクエスト『ガメラ 大怪獣絶唱』ではクエストの大ボスとして登場。劇中の台詞で「最強の怪獣」と断言された通り、ガメラ、ギャオスの群れ、2代目イリス、シンフォギア奏者たちの総力戦を相手取ってなお圧倒し、イリスが命を犠牲に発動した絶唱によってシールドを破った上でシンフォギア奏者たちがマナと似たエネルギーであるフォニックゲインをガメラに注ぎ込んで発動したウルティメイト・プラズマでやっと倒すことに成功するという次元の違う強さを見せつけた。
関連イラスト
関連タグ
ビオランテ、ジグラ、ギララ、マンモスフラワー、ガラモン、キングマイマイ、ムカデンダー、ギド・マック:マザーレギオンや草体のイメージに影響を与えたとされるキャラクターの例。
巨神兵東京に現わる:『ガメラ大怪獣空中決戦』と本作で使用した東京タワーのモデルを再利用する予定があった。その後、マザーレギオンのマイクロ波シェルのイメージに、巨神兵のプロトンビームが一部投影された。
オルガ:オルガのコンセプトアートの一つには、あまりにもマザーレギオンにそっくりなものもあった。