曖昧さ回避
歴代のガメラの技は、火炎噴射、トトインパクト、火焔弾を参照。
概要
別名「烈火球」。
自身のエネルギーを体内のプラズマ反応炉でプラズマエネルギーに変換・火球として口から放つ、平成ガメラこと徳間大映ガメラの得意技である。
プラズマとは一般的に「超放電現象」とされているが、実際にガメラが電気の生成が可能なのかは不明(昭和ガメラの一部資料での設定では、甲羅に電気を貯めることができるとされている)。
また、徳間ガメラは本編では火炎噴射自体は披露していないが、Moo.念平の漫画や『ガメラ4真実』やテレビゲーム『ガメラ~大怪獣空中決戦~』や『攻城戦記◆バハムートグリード』のコラボレーションでは、徳間ガメラや徳間ガメラのデザインに準拠したガメラが火炎噴射を使用している。
直撃時には爆発するので、ただの火炎ではない事は明らかである。この点から言えば、「炎に変化したエネルギー弾」または「炎を纏うプラズマ」つまり「炎と電撃の混合」と称しても過言ではないのかもしれない。
直撃さえすれば一撃で(成長途中だったが)スーパーギャオスを粉々にする程の威力の上に、「放電現象」でもあるため、鉄など本来なら燃焼が不可能な物質をも瞬時にして灰燼に帰すという、実際のプラズマ現象ですら凌駕する驚異的な熱量をもつ(ちなみに、現実でのプラズマ現象も、人工のプラズマですら太陽の表面温度を超す)。発射に極僅かに「溜め」があるが、ラグやリロードもほとんどないため空中を飛ぶ敵以外には問題なく撃て、素早い連射も可能な優秀な技である。驚異的な飛行能力に恵まれるギャオスハイパーですら、度重なる地上からの連射を避けるのに苦労していた。仮にプラズマ反応炉が破損すると再生するまで使えなくなるのが弱点だが、そんな窮地は劇中では一度もなかった。
3連発の「樋口撃ち」はもはやお約束。3作目のみ、樋口撃ちを二度か三度行っている。とくに二作目の飛行→着地→スライディングからの使用シークエンスは有名。
2作目のレギオン戦ではマザーレギオンの干渉波バリアに完全に防がれ、三作目では渋谷でのギャオスハイパーとの戦いにて流れ弾で渋谷が壊滅し、京都での邪神イリスとの戦いでは、イリスのテンタクランサーで弾かれて京都が壊滅する等、決め技としてより悪い意味で印象に残っている。
だが、常に進化する生物であるガメラは火球の威力と使い勝手も向上しており、3作目での威力は
- 広範囲を吹き飛ばして爆炎が上空に達する
- 緊急事態でのチャージ無しでも仙台をクレーターにした爆発に耐えた自身の身体の一部(腕)を吹き飛ばす
- 不安定な空中からの樋口撃ちも、地上から視界に入るパノラマの遠景が全て炎上する
という凄まじいものになっている。
渋谷戦の段階では既に世界中でギャオスの駆除に奔走している最中であり、ガメラは体力的にも決して万全とは言えない状態だったが、それでも爆風と爆炎が上空にまで達する場面もあった。そのためか、後にイリスに対して空中から放った「樋口撃ち」は、ハイ・プラズマでないにもかかわらず、上記の通りパノラマの遠景を覆ってしまう爆発力を見せていた。
派生
ハイ・プラズマ
周囲のマナや熱エネルギー、高濃度の酸素など起爆剤・火力増強の材料となるものを吸収、または体内において火力を倍増させるなどして、普段よりも多くエネルギーをチャージして放つプラズマ火球。
1作目ではコンビナートの火災で生じた炎を吸収してスーパーギャオスの頭部を粉砕し、2作目では高濃度の酸素を取り込んでレギオンプラントを破壊、3作目では特に外部からエネルギーを得ることなく使用可能になっていたのか渋谷に墜落したギャオス・ハイパーへの止めとして使用している。
- これに似たチャージ攻撃を、『GAMERA』における個体が、火炎噴射の効力を増大させる形で使用している。ガメラが息を大きく吸い込み、その影響で強い風が発生しているので、『ガメラ2』の札幌での描写とよく似ている。
ホーミング・プラズマ
『ガメラ2』と『ガメラ3』のプロットで「バーナー」と共に企画されていた能力。云わば生体ミサイルと化した火球。未使用に終わったが、『ガメラ2000』では主力武器として使用可能である。
『ガメラ3』最終稿では、イリスが念力でホーミング・プラズマを逆にコントロールし、ガメラが通常のプラズマ火球で相殺するという場面が予定されていた。
応用技
オーバーブースト・プラズマ
ヒトのDNAを取り込んだ人間型成体イリスが、ガメラを取り込みガメラ化しようとしている最中、ガメラの血液から得た生態情報でコピーし、強化したプラズマ火球。
数本の触手から同時発射が可能。が、ガメラに止めを刺すどころか、ガメラが自ら火球で吹き飛ばした右腕の切断面に着弾するも何の効果もなく、むしろ上記の「バニシング・フィスト」の生成に利用された。
「オリジナルをより強化した」とされるが、実際は何がどう強化されているのかは不明で、本家との威力の差も不明である。
コミックス版では、ガメラの顔面に打ち込むも、ガメラが瞬時に吹き飛ばされた頭部を再生し、頭部が炎に包まれた状態でガメラが発射した本家のプラズマ火球または火炎噴射にイリスは一撃で粉砕されている。
- 映画の初期案では、最後はなんとガメラがイリスを捕食して止めを刺す予定だったらしいのだが、諸事情によって変更されたとされる。
制作の背景
昭和ガメラの火炎噴射では、通常の生物とは比較にならない耐久性を誇る怪獣間の戦いでもあるので、攻撃の性質上決定打となる条件が限られていた(火炎噴射が止めになったのは特殊な状況で数えるほどしかない)。また、外連味にも欠けていた。
関連書籍などでは、平成3部作を作るにあたって、これら旧来の火炎噴射の問題点が実際に制作陣の間で挙げられたと述べられており、それらを解消するためにプラズマ火球が開発されたとしている。命中率は問題ありだが、攻撃に「貫通力」と「爆発」が生まれ、威力と射程距離、威嚇性が格段に向上し、「必殺技」としての効能と貫禄を得た。
余談
- Pixiv上にては、プラズマ火球と火炎噴射共々、理由は不明だが、「発射の際の発光/火炎」が多く描かれているが、火球そのものが描写されている作品は(タグ付けされている限りでは)一枚もない(有名な怪獣絵師の方が急遽上の作品を挙げてくださった)。
- 火炎噴射なら上のハイ・プラズマの段のものが唯一の作品であり、オーバーブースト・プラズマも、奇跡的だが上の作品が描かれた。少し違うがウルティメイト・プラズマでは一つ存在する。
- 昭和ガメラの火炎噴射も、この一枚が上げられるまでは全くなかったし、角川版の火球も上の作品が(発射・未発射ふくめて)唯一である。これは、ゴジラの放射火炎などとは雲泥の差である。
- 有名な海外のYoutubeのチャンネルである『Death Battle』の「ゴジラVSガメラ」の放送回では、「昭和ガメラの火炎噴射も(水中や宇宙で使用できるので)プラズマをベースとした火炎だと思われる」と紹介しており、それに対するリアクション動画でも、その説明に納得している動画投稿者たちが見られた。