愛染「出でよ!グエバッサー!アン・ドゥ・トロワ、アン・ドゥ・トロワ、アン・ドゥ・トロワ!!」
データ
別名 | 猛禽怪獣 |
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英表記 | Raptorial Monster GUE-BASSER |
身長 | 55m |
体重 | 2万t |
初出現地 | 綾香市 |
概要
第5話「さよならイカロス」に登場。
風のルーブクリスタルを探知するため、愛染マコトによって怪獣クリスタルから召喚された。刻印された属性は「嵐」。
かつてオーブと戦った風ノ魔王獣マガバッサーの原種。
見た目はマガバッサーとほぼ同じだが、羽毛が白く、先端が赤くなっている点が異なる。当然だが額にマガクリスタルも存在しない。
鳴き声もマガバッサーとだいたい同じだが、名前の通り「グエー!」と聞き取れる音が冒頭部分に付いている点で異なる。また、風を起こす音もマガバッサーのものと異なっている。
能力
風ノ魔王獣の原種であるだけに風を使った攻撃が得意で、超強力な羽ばたきバサバッサーによって風速90メートル以上の暴風を起こし、巨大な竜巻バサバッサストームを発生させる。その凄まじさたるや、ビルは根こそぎ地面から引き抜かれて吹き飛ばされ、ウルトラ戦士でも立っているのがやっとという有り様である。
また、マガバッサーが見せなかった、起爆性のある羽根をミサイルのように飛ばす技バサフェザーシュートも披露している。
活躍
笛鳴山の地下に埋まっているクリスタルの探索のために愛染マコトによって召喚され、イサミの通う大学の近辺に出現。
巨大竜巻でビルを吹き飛ばすなどの被害を出した後、クリスタルを求めて笛鳴山へと飛来。そこへ駆けつけたルーブ兄弟も暴風と羽根ミサイルによる猛攻で苦しめる。
バトルの最中、ブルが水蒸気爆発を利用して地中のティガクリスタルを手に入れ、紫色の姿へとチェンジすると、格闘の末に空中戦へと移行。ホームグラウンドの空中でやはり二人を翻弄(途中からカラータイマーが鳴り出した)するが、ブルに竜巻の風の流れを見切られ、竜巻の回転方向と逆向きの飛翔で相殺され、竜巻をかき消されてしまう。
最期はロッソアクアのゼロツインスライサーとブルウインドのストームシューティングの直撃を受けて墜落し、地面に叩きつけられて爆死した。
その後クリスタルは回収され、第7話のラストにて、炎、氷、岩のクリスタルと共に、とあるクリスタルを取り囲む様に配置されるという意味深な場面が映し出された。
従来の描写では新形態や新装備が登場すると、相手の怪獣はほぼ一方的にやられてしまうことが多かったが、グエバッサーはロッソとウインド形態のブルの2人のウルトラ戦士が相手でも最後の最後まで一歩も引かない強さを見せつけた。
魔王獣の元になった怪獣はどいつもこいつも原典でラスボスを務めた強敵連中であったが、このグエバッサーも彼らに劣らぬ猛者であったと言える。
以降の作品での登場
ウルトラマントリガー
第4話「笑顔のために」にて、グエバッサーの羽根で作られた空飛ぶ箒が登場。
20話では、ユナに貸与され、彼女がナースデッセイ号から脱出する際に使用された。
羽根一枚でも持ち主に飛翔能力を与えてしまうあたり、グエバッサーの風を操る能力はたった一片だけでも相当なものがあることがわかる。
ちなみに『トリガー』と『R/B』での新形態はどちらもティガに関連している。
ULTRAMANREGULOS
D60星の地下遺跡に生息している個体が確認され、迷い込んできたレグロスを追い詰めるもトゥバーンに追い払われる。トゥバーンに「晩飯」と呼ばれていたことから、グエバッサーは食用としても利用できるようだ(無論倒せればの話だが)。彼の台詞からしてそれなりの数のグエバッサーがD60に生息していたと思われる。
地下遺跡には比較的長く居着いているのか、劇中では何度かレグロス達に襲いかかる姿が見られる。本編ではレグロスのスパーリング相手として対決していた。
今作はまだ『ウルトラマンレオ』と時代が同時期かつギャラクシークライシスも起きる前なので、グエバッサーは「本来はM78スペースに生息する宇宙怪獣」であることも判明した。
余談となるが亜種のマガバッサーを封印していたのはメビウス兄さんだったため、他のウルトラ兄弟との交戦歴もある可能性が出てきた。
ウルトラマンアーク
特別総集編「SKIPフジヤマ市分所にて」で、日本各地に出現した怪獣の一体として他の怪獣とともに画像が紹介された。
冒頭の地図情報からかつて中部地方(長野県もしくは山梨県)に出現したことが分かっている。
余談
- カラーリングについては、マガバッサーのデザイナーである楠健吾氏が提案し、トキをイメージしているとのこと。デザイン画はなく、マガバッサーの写真を加工したもので代用している。
- 『オーブ』でメイン監督を務めた田口清隆氏は、かつて『特撮は爆発だ!!#221 SP』にゲスト出演した際、「バッサーという怪獣は存在する」「額のマガクリスタルを取り外せばただのバッサーになる」と述べていた。マガバッサーをこの時限りの登場では終わらせず、形を変えてその後のシリーズでも登場できるように…ということだったらしいが、まさか再登場がこれほど早く実現するとはファンも思っていなかったことだろう。こうしたこともあってか、第5話は田口氏が監督を担当している。
- しかし、肝心の名前は「バッサー」ではなく「グエバッサー」という斜め上のものであったため、「グエバッサーこそマガバッサーの原種であり、グエバッサーの『グエ』を『マガ』に置き換えた」だの、「マガバッサーの原種はあくまで『バッサー』で、グエバッサーはその近似種」だのと、種としての立ち位置について憶測が飛び交うことになったが、第5話の監督を務めたのは他ならぬ田口氏であり、(「自分の勝手な理論」と前置きした上でだが)「マガバッサーの野生体」と明言したため、マガバッサーの原種はグエバッサーであると見て間違いないだろう。
- 「ただのバッサー」発言については、『オーブ』放送時、原種についての設定がまだ固まっていなかったためだと思われる。
- 後に『タイガ』にてマガジャッパの原種であるマジャッパが登場し、マジャッパが宇宙怪獣だった事から、グエバッサーも宇宙怪獣である可能性が高まっている。イグニスがグエバッサー箒を所持している事も、それを裏付けている。
- その後、上述の通り『レグロス』にて宇宙怪獣である事が判明。ようやく全ての魔王獣の原種は宇宙怪獣であると証明された。
- 第5話の撮影の際には、ダーリン役を演じている湯浅かえでが、『怪獣娘』で共演した清都ありさと寺田晴名を連れて見学に訪れていた(ちなみに、同行者の1人である寺田は『怪獣娘』でマガバッサー役を演じており、後に『R/B』第18話にてピット星人役でゲスト出演している)。
- 戦闘シーンには笛鳴山のセットにアサヒとユウハを合成しているシーンがある。今までは実景にウルトラ戦士や怪獣を合成するパターンが多かったため、割と珍しいケースである。
- ブルウインドへのタイプチェンジ後の戦闘シーンは、田口特撮お馴染みとなった連続長回しカットで描かれた。
- 次回以降に登場するロッソウインドとはオープニング映像でのみ対戦シーンが描かれている。
- NHKEテレにて放映された日本文化を紹介する番組『JAPANGLE』の2018年8月15日放送回では、当時放送中だった第4話及び第5話のメイキングシーンが映っており、少しだけだがグエバッサーも映っている。
- スーツはのちに『ウルトラマンデッカー』のライバッサーに改造された。そのため、グエバッサーとしての登場は上記の『REGULOS』が最後になると思われる。
- REGUGLOSでの登場に関して坂本監督は田口監督との対談にて、撮影で使える怪獣のリストから使えるの撮影に使えるのは限りがあるため選んでる時に縛りのない野生の怪獣という事でグエバッサーを選んだと語っている。それを聞いたバッサーの生みの親である田口監督は上述のようにマガバッサーからマガクリスタルを外してただのバッサーとして後のシリーズでも出て欲しいと語っており数年後レグロスの訓練相手という形で出た事を生みの親としてとても嬉しそうに坂本監督に話している。