「鳥を見た」
DATA
別名 | 風ノ魔王獣 |
---|---|
英表記 | Lord Monster of Wind MAGA-BASSER |
身長 | 55m |
体重 | 2万t |
出現地 | 東京 |
概要
第1話「夕陽の風来坊」に登場。
かつてウルトラマンメビウスによって封印され、電離層で眠りについていた風を司る魔王獣。ガイ曰く「悪魔の風」。
青い羽毛を持つ鳥のような姿をしているが、翼は前脚とは独立して背中に存在しており、西洋のドラゴンのような身体構造を持つ。
古文書「太平風土記」にも、この世を転覆させる大妖怪「禍翼(マガツバサ)」として存在が記録されており、復活した現代においても、東京近郊に甚大な暴風被害をもたらしただけでなく、バタフライ現象で因果律を捻じ曲げ、超巨大な台風を七つも同時発生させたり、サハラ砂漠に大雪を降らせたりと、世界各地で異常気象を引き起こした。
羽ばたきで起こす強力な突風が主な戦力。上空を旋回して巨大竜巻「マガ嵐」をいくつも発生させることができ、都市部に甚大な被害をもたらした。
翼そのものも強力な武器で、鉄の刃物のように鋭く尖った初列風切羽で切り裂いたり、平面で殴りつけたりして攻撃する(翼での殴打は通常の大型鳥類の常套攻撃手段である)。
地面に足を着けた状態で羽ばたき、強烈な衝撃波「マガ衝撃波」を放って相手を吹き飛ばすことも可能。
発達した両脚も戦力として有用で、ホバリングしながら相手を鉤爪で引き裂いたり、ジャンプしながら相手を踏み潰したりすることも可能(水鳥を除く鳥類はまず獲物を足で押さえつけてから嘴で引き裂いて食べる)。
活躍
ウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンとは二度戦闘を行い、一戦目は東京の上空で竜巻を発生させながら暴れていた(この時、SSP-7が竜巻に巻き込まれて空中に巻き上げられてしまう)が、オーブの妨害を受けて一度撤退。
二度目の戦いでは地上に降り立ち、マガ衝撃波や飛行能力を活かした突進攻撃を駆使して激戦を繰り広げるが、スペリオン光輪で翼を傷付けられた上に空中戦でオーブに競り負けて地上へと投げ落とされ、最期はスぺリオン光線の直撃を受けて大量の羽根を撒き散らしながら爆死、消滅した。
残された結晶体(マガクリスタル)から、ガイはメビウスのウルトラフュージョンカードを入手した。
しかし、ラストシーンでジャグラーはダークリングを介してマガバッサーの怪獣カードを入手しており…
余談
デザイン・着ぐるみ
モチーフは猛禽類を起点とし(後に『ウルトラマンR/B』に登場する亜種の別名も“猛禽怪獣"だったりする)、最終的に中国神話の有翼の龍・応竜のイメージでまとめられた。
また、デザインには『ウルトラマンA』のオープニング映像に登場したベムスターのシルエットを再現する意図も込められている。
有翼怪獣としては非常に珍しく、前脚ではなく翼にスーツアクターの両腕を入れて動かす構造をしている。背中に翼を持つタイプの怪獣は、通常の怪獣と同様、前脚にそのままスーツアクターの腕が入り、背中の翼はほぼお飾り(もしくは操演で動かす予定)だったため、それとは完全に真逆の構造をしているという極めて珍しいパターンである。
田口清隆監督としては、対談にて、鳥類を意識し、「地面から足を上げるときに指が一度曲がって、再び地面に下ろすときに指が開く」ZILLAのごとく、エミューのような足の動きを取り入れたかったらしいが、如何せんスーツアクターも人間である以上そのような表現は難しかったと述べている。
マガ「バッサー」
監督の田口清隆は『特撮は爆発だ! #221 SP』にて、額のマガクリスタルを外せばただの「バッサー」になるとし、バッサーという怪獣は存在すると述べた。前作に登場したツルギデマーガのスーツをいつでもデマーガの状態に戻すことができるようにしたのと同様、今後の作品でも「バッサー」が何度でも登場できるようにという配慮らしい。
そして後年の作品にて亜種が登場する事になった。ただしマガバッサーたち魔王獣は、親玉のエネルギーと地球のエレメントが合体した存在なので、単に見た目が似ているだけのそっくりさん以上の関係はないと思われる。
尚、ニュージェネ作品の一話怪獣達が初登場後に何らかの形で映像作品に再登場しているのに対し、このマガバッサーだけが未だに再登場の機会に恵まれていない。
名前の由来
『吉田尚記 dスタジオ』の45回に田口清隆監督がゲスト出演した際、「バッサー」の名前の由来は、鳥が翼を羽ばたかせる時に使われる「バサバサ」という擬音語から付けられたことを明かした。やっぱりね
企画の段階で「最近の悪者は名前が面倒臭いのではないか」「子どもでも覚えやすい名前を付けよう」という話になり、そこから「鳥の怪獣なら“バッサー"でいこう」ということになったらしい。
当初は「キングバッサー」という名称が検討されていたが、グランドキングの登場も決まっていたため、以降、魔王獣の共通接頭語は「マガ」とする事に決まった。
ラスト
スペリオン光線を浴びて爆発するシーンで舞い散る青い羽根は、楽天等の通販サイトなどを使って購入したもの。用意した羽毛を爆弾の中に詰め込み、爆発させてみたところ、意外と良い画が撮れたとのこと。
エピソード10構想
復活前に、ジャグラーがペギラの怪獣カード(風属性)を入手しており、恐らくこのカードを使って復活させたと思われる(続いて現れた魔王獣の復活には、その魔王獣と同じ属性の複数の怪獣カードが使われていたため、ペギラの他にも風属性のカードが使われたと思われる)。
その他
冒頭でガイを乗せたトラックの運転手を演じていたのは、ウルトラシリーズ大好き芸人として知られる荒井義久氏で、トラックに書いてあった社名「トチギフ運送」は当時氏が所属していたコンビ名が由来。その後氏は『Z』第1話にも出演している。
偶然か意図的か不明だがウルトラマンメビウスが初めて戦った怪獣も青い体に飛行能力を持っている。
関連イラスト
関連タグ
グエバッサー、ライバッサー/ヒナバッサー:原種と思われる怪獣達。
マガバッサー(ウルトラ怪獣擬人化計画):擬人化キャラ
リドリアス:鳥がモチーフで体色が青い一話怪獣という共通点があるが、こちらは人間と友好的な関係を築いている。
ガゾート、姑獲鳥:電離層に潜んでいた怪獣。後者は同じく鳥がモチーフの怪獣。
バリケーン、テンカイ:大嵐を引き起こす能力を持った怪獣繋がり。
風の又三郎:宮沢賢治の童話で、登場エピソードの冒頭で母親が子供に読んで聞かせていた絵本。
青い鳥:こちらは幸せを運んでくるという言い伝えがあるが、同じ青い鳥でもマガバッサーは災いを吹き荒らす凶鳥である。べつにデザインに皮肉とかそういうのは含まれてない…と思いたい。